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面舵一杯(阿蘇山麓:熊本県)

2008年 8月 10日

※記録:8月16日21時台

 ムーンライト九州号が下関駅に着きました。
 下関の天気、晴れ…っぽい。
 少し、低い雲が目立つけど…。


 夜、話すことが不自由な2人組がいて、僕の席を挟んでしか予約を取れなかったらしく、寝ていた僕を起こさず、もうひとりの別の男性に換わってもらおうと懸命になっていたようでした。ところが、その男性は席を譲ろうとしなかったのか、ただ言葉が通じなかっただけなのか、終いには、前の人も巻き込んで小競り合いが始まりました。
 うるせぇ…!
 寝ぼけ眼で2人の券面を見て、僕が席を交代すれば問題は解決することが判明。サッサと交代したのですが、当然、夜中1時半とか、睡眠不足確定です。
 …ということもあり、ムーンライト九州号で熟睡できるはずもないので、鹿児島本線では思い切りグースカ寝る予定でした。
 ところが、ムーンライト九州号の強冷房で腹を下したみたいで、腹が痛い。そして、鉄道を極めんとする鉄ちゃんと出会いましたと。
 実際は、鉄ちゃんの他に2人。みんな見ず知らずですが、スゴい組み合わせで熊本駅まで来てしまいました。


 というわけで、熊本駅まで、写真、流します。


 意外と、福岡県~熊本県まで、雲が少ない、ですね。


 久留米駅。
 久留米…?
 誰か、ここにいなかったか?
 とりあえず、熊本駅行きの列車に乗り換え。


 当初、最初の2日(11日と12日)に、霧島高原の、高千穂峰と韓国岳その他連山を踏破するつもりでした。でも、今僕が向かっているのは、阿蘇駅。
 …九州南部は、より天気が悪いみたいで、急遽、方向転換。東へ面舵一杯。
 そして、食べていなかった朝飯を豊肥本線で食べていたら、ちょっと躁っぽい人に話しかけられました。
 何やら、就職がうまくいったようで、嬉しそうでした。テンションにはついて行けませんでしたが、黙って聞くことにしました。


 初めての豊肥本線。「ほうひほんせん」と読みます。
 やっぱり、単線のローカルは貫禄がありますな。


 車窓から写真を撮るために窓を開けていたら、運転士が窓を閉めるように言ってきました。
 その心は、この作業にあるのですが、オーバーヒートするのだそうです。エアコンがガンガンかかるので。勾配がキツいのもあるんでしょうけど。
 お疲れさま、という気持ちもあるのですが、僕からすれば、ろくに利きもしないエアコンなんか切って、窓全開にすればいいのにと思えてなりません。山で涼しいんだから、エアコンなんか切れよ。


 立野駅を過ぎると、スイッチバックが一箇所あります。九州でのスイッチバック式のポイント、これで二つめ、見つけました。一つ目は、去年も通り、今年も通る予定である、人吉~吉松の肥薩線です。
 スイッチバックで上がった先は、阿蘇山のカルデラ。見えている壁のような山脈は外輪山です。


 そして、その外輪山の一部が、何らかの目的でか、削られています。


 11時38分、阿蘇駅に着きました。
 ASO STATIONって…。
 確かに、この辺、外人が多かったけどね。


 阿蘇駅構内の食堂で、玉子丼。今ひとつでしたが、体力を蓄えるためです。食べます。
 しかし、次の行動の決断をしないままだったので、バスに乗りはぐれました。


 阿蘇山最高峰の高岳付近は、雲に覆われています。というか、この辺り、熊本駅周辺とかに比べると、だいぶ雲が多く感じます。


 次のバスが来るまで1時間待っていたのですが、実はさっき乗りはぐれたバス、この雲の状態で、山に向かうかキャンプ場に向かうかを迷ったのです。結局、選択肢としては、キャンプ場に向かうしかなかったのですが。


 阿蘇駅前の食堂…だったところかな。
 寂れ方が尋常じゃないね。


 観光以外の経済は、ほとんど機能していないのでしょうか。やけに見捨てられた建物が多い気がします。


 阿蘇駅からバスで10分くらいでしょうか。
 坊中キャンプ場というものがあります。
 このキャンプ場、入口付近にかなり過激なことが書いてあって、「受付をせずにキャンプをした場合、即出ていってもらい、二度と入場させません」みたいな。
 夜遅くに着いて、受付も開いていなかったら、どうしたらいい?


 まぁ、僕は夜遅くには着かなかったので、そのまま管理棟へ向かいます。景色は抜群です。


 管理棟にはおっちゃんひとり。気の強そうな人でした。あの入口のやつを書いたのは、この人ではなかろうか、などと思ったり思わなかったり。
 まぁ、いい。受付を済ませて、僕はテントを張りに行きました。
 格安、620円(だっけ?)。


 ガレージはガラガラ。
 みんな、中まで車を入れています。オートキャンプですな。


 テントを張って、手荷物をサブザックに詰め込んで、外に歩き出しました。ちょっとそこまで下見程度に。
 さっきの展望の利く草っぱらに。


 積乱雲が発達し始めているように見えますが、風向きとは逆だし、大丈夫だろう…。


 うろうろしていると、草刈りをしているおっちゃん3人組に出会ったところで、「この上にいくと、展望が利くところがあるよ」という、悪魔のささやきが。
 僕は、ついつい歩き始めてしまいました。
 ちょっとそこまで下見程度に歩いていたので、さっきのサブザックはテントの中…。


 太陽がギラギラしているので、暑い。
 …喉が渇かなかったのが不思議なくらいでした。荷物を持っていない、ということは、飲み物もない、ということですから。
 で、この標は、「牛馬優先」と書いてあります。道路に牛や馬が出ていることは基本的にないようですが。


 地図にはない、小さな池。
 当然、あとで確認して、の話。
 上空には絹雲、低層雲も湧いています。さっきの積乱雲はどうしているかな。


 犬の立入禁止標識。


 牛が、胴体に刻印されながら自由っぽく歩いたり寝たりしています。
 阿蘇の箱庭。


 そろそろ舗装道路も飽きてきたので、このくらいの道なら、ロープウェー乗り場くらいまで歩いて、バスで帰ってきてしまいますか。
 距離からして、正規の登山ルート(地図をある程度記憶してはいた)。
 そんな心のささやきが聞こえて、歩き始めました。
 そしたら、その先にゲートがあって、「人・犬の立入を禁ず」


 馬が草を食っています。牧場の中だもんね。


 うん、確かに、展望抜群です。遙か彼方には九重山も見えます。
 雲は多いけど、空気は澄んでいます。


 さっき見た、あの積乱雲。レベルでいえば、さっきのは雄大積雲くらいだろうけど、これは既にかなり発達した積乱雲です。こちらに近づいてくる雰囲気ではないけど、昨日や先週の竜の巣を味わっている僕としては、ちょっとおぞましい。


 すごすごと引き返して、事実上マイカー用のハイウェイである道路を歩いていると、別の似たような道を発見。これが正規のルートか。
 …結果からいうと、ニセルートでした。
 むしろ、深入りして、危うく迷うところでした。空の色が黒い。情景一致。


 再び道路に戻って、とぼとぼと歩いていると、チャリンコで上がっているおっちゃん。最初に入って立入禁止だと書かれたルートがやはり正規のルートであることを教えてくれて、犬死に気分を味わいながら、キャンプ場へ歩いていきました。
 そしたら、パトカーが後ろから来て、「車道へ出るな」と。
 …この阿蘇山へは二度と来ねぇ。


 高岳の方は、雨が降っているようです。虹が架かっています。
 本当に、この虹が見られなければ、完全に犬死にルートでしたよ。


 さっきの虹を見せた雨雲は去っていったようです。しかし、積乱雲はまだ居座っていたようです。阿蘇よりも北西の方向は本降りだったんでしょうね。


 基本的に雲は多め。
 明日は阿蘇山、無事に登れるだろうか…。
 念のため、今日はまだ本来、移動日です。


 ビタミン補給に、初めて野営で試す、粉ジュース。夜飯のカレーのお供に。


 夕立のあとの夕焼けがきれいなのは、この頃の定番です。


 しばし、眺めていましょう。


 赤く輝く積乱雲。
 時刻にして19時くらいですが、僕はもうそろそろ寝ます。山は5~6時間早くシフトしますから…。


 今日の行程は、本来は山登りではないところでした。
 でも、そこそこの山歩きをしてしまい、すっかり山に馴染んでしまいました。オードブルからがっつくと、あとが大変かも?
 旅はまだ、25%が、しかも、移動が終わったに過ぎません。

天気:晴れ時々くもり、一時雨(熊本県阿蘇郡阿蘇町、移動中は含まない)

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