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遙かなホワイトスカイ(伯耆大山夏山登山道:鳥取県)

2008年 12月 28日

 なかなか骨のあるオーナーがやっている、格安すぎるビジネスホテルを出て、米子駅のバスターミナルへ。場所は、米子駅を出て左に100mくらい進めばあります。伯耆大山(ほうきだいせん)の登山口、大山寺行きは4番乗り場。朝は7時20分発でした。
 意外にも、米子市上空は雲が多いものの晴れ間も見えます。冬の日本海とは思えません。


 しかし、ふうたろうの不安は収まりません。空木岳の時に阻まれたあの重い荷物のトラウマと、再び曇ってきたこの空とのツインアタックで、95%を気力に頼るふうたろうのMPは既に尽きかけていました。
 場所にして大山寺バスターミナル。


 大山寺付近は温泉街とスキー場があって、なかなか楽しめそうな場所ですが、ふうたろうの興味とは少し外れます。とりあえず、この冬の日本海の雪に戦(おのの)くふうたろうの気持が、こういう氷の世界を撮らせようと動いたのだと、今となって思います。


 上の写真の丁字路を曲がって橋を渡ると、左脇に夏山登山道の入口。あとで判明しますが、ラッセラーがいたおかげで進めるようです。赤城山ではふうたろうがありがたがられたけど、レベルが違うもんね。


 (・_・)
 なつやまとざんどうがありません、ヨ?
 …まさか…。
 いえいえ、この辺の山は、どうもかなり手前に立て札を立てるようで、少し進めば登山道が見えました。


 この辺の雪は50cmくらいでしょうか。ラッセルされているので、かなり登りやすい。荷物の重さも、25kgくらいある割にはそう苦痛でもない。テンション、上がった?


 樹氷がきれいです。曇っていても、冬の山という感じがあって、素晴らしい。暫く見ていましょう。


 縦の写真が多いけど。


 厚い雲に覆われているけど、滝子山の時とは違う美しさがあるでしょ?


 飽きない樹林帯。広葉樹ですからね。


 低層雲が厚く垂れ込めてはいるけど、展望はいいみたい。


 草も樹氷になって…


 三鈷峰(さんこほう)が見えるはずですが、ダメみたいです。う~ん…やっぱり冬の日本海は、キツいかなぁ。


 この向こうに、弓ヶ浜(境港市~米子市)が見えるはずですが。


 違うところから、同じところを見ました。ちょっとガスってるね。


六合目避難小屋  六合目避難小屋。避難小屋の写真は少ないのでけっこう貴重かもね。
 中は、ひとり分くらいの寝床はあるかな?その代わり、寝返り打ったらコンクリートの床でダメージを受けます。トラマナかレビテト(ゲームの呪文なのでスルーしてください)を使いましょう。


 六合目避難小屋でおやつ。ぜんざいに餅2つ。レトルトのぜんざいは味が濃いので、水で薄めて餅を入れると良い。美味いぞー!
 ここで、山にはたくさん登ったという初老の夫婦が入ってきました。昔の雪山登山の雰囲気を教えてもらいました。テントをいくつも持って、途中に中継基地みたいなのを造りながら上がっていくそうですね。どんなにしんどいことでしょう。そして、体育会系の上意下達の悪しき伝統も、この時代の人たちが声を上げて変えてきたといいます。この夫婦も、それが嫌だったから後輩にはそういうことはしなかったって。日光白根山に登っている時にも同じことを言う同じ年代くらいの人の話を聞きました。新しい伝統をありがとう。


 仁義ある話のあと、主観的観念論的に言えば、感謝の気持ちに呼応して、小屋の中からもよく判るくらい外が明るくなりました。
 夫婦は先に出発。ふうたろうは片づけをしてから、写真を数枚撮って、いよいよスーパーハイテンションでクライムオン。


 ふうたろうのMPが全快した。
 25kgの荷物を背負っても、杖突き軽荷のおっちゃんたちに負けないくらい、登ります。みんな冬の格好ですが、ふうたろうは、気持、高尾山の格好。バチガイというか、バチアタリというか。


 前方のおっちゃんたち。しばらく話し相手になってくれます。


 三鈷峰が見えそうですが…、見えません。


 灌木(低木)の樹氷のシルエット。眩しいから、撮った時のレビューじゃ、真っ黒でよく判らないんですけど、あとで見ると、けっこうきれいだったりする。陰影礼賛。


 伯耆大山の樹氷と日本海に挟まれた、火山の裾野に広がる大地。


 6~8合目までの坂は、心臓破りだそうです。でも、ふうたろう、大丈夫みたい。当初、麓の小屋に荷物をデポして上って下りてこようなどと考えていたけど、頂上小屋まで行けそうですな。というか、頂上小屋が避難小屋であることを知ったのは、昨日の遅れたやくも号の中で話をした鳥取県の人からの情報だったのですが。
 これが、ドラクエ風ふうたろうクオリティ。


 けっこう日帰り登山をする人が多い。白い雪景色に鮮やかなジャケットが目を引きます。


 スゴい樹氷ですな。


 残念ながら、あの天気の良さは一時的だったようです。目の前3mが殆ど判らない。


 この写真で、目の前に小屋があるのが判別できたら、スゴい。今考えても、あのホワイトアウトの中で息ができることが不思議でしょうがない。


 スーパーハイテンションふうたろうの前に敵はない。そう、あのホワイトアウトの中、ふうたろうは遊びながら歩いていたので、さっきのおっちゃんたちは先に頂上小屋に着いていたのです。幾人ものハイカーがいて、けっこうにぎやかでしたが、宿泊組はふうたろうひとりだけ。けっこう寂しいかも。


 誰もいなくなった、さっきのおっちゃんたちさえもガスの前に諦めて帰った、そのあとの小屋は静かすぎて寂しいものでした。小屋はご覧の通り、氷に覆われた世界。気温はマイナス4℃くらいでしたか。
 ふうたろうは、頂上・弥山(みせん)を目指してGPS頼りに行きましたが、何も見えません。(-o-;)


 水は現地調達。その辺の樹氷なり雪なりをむしり取って使います。使いたい放題ですぞ。ただ、場所を選ばないと、オシッコ天国なので夜露死苦。


 Σ(゚O ゚;)ガーン
 寝袋が破れてる…(-o-;)
 しょうがないから、麓で買っておいた大山のバッジで穴を塞いでおきました。飾りではないので夜露死苦!


 …さっきから気は付いていたけど、ろうそくも砕け散ってるし。
 この白い紙のケースは、さっきのおっちゃんたちにもらったチーズの入れ物。死ぬほど美味かった。


 結局、今日は晴れることはありませんでした。地元の23歳の青年が夕方に登ってきましたが、笑顔で「晴れること、まずないッスよ!」と一言。彼の経験論が外れてくれることを願うも、それは叶わぬ夢だろうて。


 ふうたろうは、18時過ぎには寝たような気がします。だって、ひとりでやることないんだもん。夕焼けさえも見えないし。(`3´)
 さ、寝るべ。

天気:くもり(鳥取県西伯郡大山町・米子市)
覚え書き:マットのカビ

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