森と岩場と青空の稜線(薬師岳後半・スゴ乗越方面縦走コース:富山県)
さて、後半。
薬師沢小屋を出発です。マッタリしたいけどそうもいかない。前を5~6人の団体が先に歩き始めていました。
緩い上りの斜面になっていて、景色が素晴らしい。ちっとも前の団体に追いつかない。
薬師岳の東南尾根という稜線です。何処の山かと思ったけど、登山道はないようです。雪なら歩ける、か。
緩い斜面をトラバースするような登山道。東南尾根を眺めながら歩ける絶景コースです。
しかし、また、板がクルッとなりそうな小さな足場が。毎年大量に来る登山者のために整備してくれている人には礼を言わないとだめですがね…。
そういえば、さっきの団体、結局抜かしました。今日のふうたろう、薬師沢から妙に快調です。
ここは左俣出合。あれだけゆっくりしていても休憩入れて(薬師沢小屋のマッタリも)46分。11時29分。
最後の秘境とはよく言ったもの。樹林の広がりが素晴らしい。開発のニオイもそれほどしないし。
中俣という沢を2回ほど渡ります(橋)。2回目渡ったらそこで沢沿いの道は終わりです。
薬師岳が近づいて迫力満点、…なのですが、登山道が裸地化して、更に広がって、実を言うと深刻。
植生回復のために努力するも、効果はどのくらいあるだろう。ふうたろうの前を行く登山者、おそらくは植生回復のために置かれている別の形状のネットの上を踏んで登っていく。
ところで、薬師岳、少しガスが出てきています。さっきから気にはなっていたけども。
太郎平小屋が見えてきました。
ところで、ふうたろうのテンションがさっきからおかしい。
さっきの、前を歩く登山者。ストックを湿原の中に突くのやめろよ。
こういうのを見ると、大台ヶ原みたいに入山制限とレクチャーを受ける義務づけというのが必要になるのかと思ってしまう。少なくとも、もう少しレンジャーの数を増やして、こういうことをしないように指導するようにしてほしい。
ところで、レンジャーって、どうやったらなれるんだろう。
この小屋の前で、ラーメンを食い、小屋で、薬師岳と、ついでに黒部五郎岳のバッジを買いました。
スゴ乗越までのコースタイムを地図で見ると、普通に行けば19時くらいまでかかりそうな勢いです。マッタリしたいけど、どうもそうも言っていられないようです。
太郎平のテン場はこの鞍部にあります。ふうたろうはそこを越えて薬師岳も越えて遥か先まで進むのです。
テントの数はまだ多くありません。時刻としてはまだ13時半。まあ、場合によっては行動終了の時刻ではありますが。
薬師平に登る道は、急坂の広葉樹林帯。休憩の度に寒くなって着る上着を、急坂の度に脱ぐ状態。こういうところも何気に時間を取られます。
前から老夫婦がやってきます。時間なくても、交流する時間は確保します。
遂に薬師岳の腰くらいまでやってきました。でも、ここからまだ2時間以上かかることになっています。薬師平での時刻14時5分。
時々歩いている辺りをガスが通過していきます。瞬く間に何も見えなくなります。
そして、薬師岳山荘。薬師平からなんと35分。コースタイムを半分に縮めました。これはスゴ乗越まで、かなり展望がありそうですな。
薬師岳山荘到着。なぜかふうたろう、まったく息を切らさず、足もまったく疲れません。なんだろう、この感覚は…。
とりあえず、ここで薬師岳のバッジを買っておきました。あと、なっちゃんオレンジを一気飲みしたことを後悔しました(滅
ザレと小石とガレ場の薬師岳山頂直下。周囲の登山者がヒイコラ言いながら登っているのに、ふうたろう、まったく平気。薬師沢の水に麻薬でも盛られたか(笑
息が切れないので、ひたすら展望を眺め、写真を撮りまくれます。
この青い空も白いザレもふうたろうの手中にあります。25kgの荷物を背負っても、ケーブルカーのように登れます。
ガスが太陽を巻き込んでいます。やはりこのダイナミクスは雲がなくては。
途中から、単独なのか誰かと一緒なのかわからないけど、ふうたろうよりも10ほど年上っぽい女性が、「兄ちゃんの元気をもらいながら歩く」といって、ついてきます。
(^0^)おやすいご用で。ついていらっしゃい。
薬師岳山荘での休憩を併せて(何分したのかわからないけど)避難小屋までのコースタイム30分。とにかく周囲を歩く人々はびっくりしています。いや、ふうたろうこそ、自分のこの勢いにかなり驚いています。
避難小屋のある場所からの展望はまた格別。ひとつのピークになっているので、周囲大展望です。ただ、普通なら、ニセピークを踏まされた気分でゲッソリするところでもあります。
薬師岳には大きなカールが3個もあります。薬師岳を、薬師岳山荘から往復するだけであれば、中央カールというものだけを見ることができます。
後述の金作谷カールは薬師岳より北に行かないと、見下ろせません。南稜カールはルートから外れているので侵入不可。
余裕綽々、薬師岳山荘から50分で到着。時間があればもう一往復も可能なくらいです。
ともあれ、薬師岳山頂万歳!周囲には中高年の方々がイッパイ。元気いっぱい交流すると。
さて、ふうたろうはまだ先があります。ここからスゴ乗越まで2時間半。順調にいけば18時、か。
まず、薬師岳から北薬師岳に向かうのに、いきなりものすごく下ります。冗談じゃないくらい、下ります。
そして、恐ろしいガレ場の水平移動。これが疲労を溜めますし、時間もかかります。
金作谷カールの縁を歩いていますが、ここは岩ゴロゴロのルート。絶対北薬師岳まで30分じゃ無理。
(゚◇゚;)ガーン
まだまだ続くガレ場の水平(に近い)移動。
やっと北薬師岳に到着。かなり燃え尽きました。…薬師岳までのルートは単純に歩きやすかっただけではないのか?
雲海と太陽を一緒に撮れるくらいの、太陽高度になってきました。北薬師岳16時14分。15分オーバーです。
次の間山まで概ね下り。雲海を見下ろしながら、本来なら快適に歩けるはずですが…。
とりあえず、あの雲が乗り越えていっているところあたりまでは行かなければならないようですな。めっちゃくちゃ遠い…。
雲海も天気も申し分ない。でも、だんだん余裕がなくなってきたぞっ!
あの雲も近づいてきた。あの雲の下に、恐らくスゴ乗越があるはず。
それはそうと、右を向けば、赤牛岳や水晶岳などの稜線がずっと見えるんですよね。この稜線、正常な歩き方をすれば最高ですよ。
地図にもない、名前もない、水たまりのような池がひとつ。間山の池と間違えないように。間山よりも薬師岳側にあります。
さて、間山に到着。ここで17時11分。13分取り戻しました。しかし、なんという長さ!この下りの連続は本当に苦しいですぞ。
さあ、先を目指そう。ハイマツも雲も、もう夕日に焼けていますぞ。
あの、2008年12月23日に歩いていた大菩薩嶺南部を思い出しますな。あれは本当に下山時にマックラになってしまいましたが、稜線で夕焼けを見ながら歩いたものです。
そして、夕日がきれいなのになぜか東斜面を歩かされるという罠(滅
いや、こうして日が沈んでも山の景色はいいですね。木々のシルエット、素晴らしいです。
スゴ乗越小屋に到着したのは17時50分。鳳凰山の時に早川尾根小屋に着いたのとまったく同じ時刻ですが、あの時はちょうど2ヶ月前の7月24日。ずいぶん明るかったものですが…。
今から小屋泊まりの手続きをするのが申し訳なくて(たぶん関係ないと思うけど)、テン場を借りました。
…が、誰もいねぇ!!Σ(゜Д゜;)ガーン
ちょっと到着が遅くなって、飯も18時半頃になってしまいました。これでは、日頃の遅い夜飯と変わらんではないか。イカンのう!
で、このお茶漬けも初挑戦で、鮭フレークを入れて豪勢な鮭茶漬けにして、モリモリ食いました。米はレトルトの白米を使いました。170gで78円くらいで、安いのですよ。ん?アルファ米…520g(水戻した状態)で300円強だったっけ。まあ、80円くらいしか変わらないけど。
というわけで、薬師沢以降、猛烈にぶっ飛ばして進みました。薬師沢10時43分、スゴ乗越小屋17時50分。7時間7分。1時間20分ほど短縮。そして、水晶小屋を6時17分に出てきたので、約11時間半の行動。いや、アホですね。
明日はまたハイパーロングコースを歩きます。スゴ乗越から室堂まで歩いて帰ります。どうしても14~15時には着いていないとまずい。6時くらいに出発できるとして、間に合うのかという話です。夜、地図を見ていたら、普通に12時間かかるんですけど。しかも、この稜線、凄まじいアップダウンの連続なんですけど。
さて、どうなることやら…
天気:晴れ時々くもり(富山県上新川郡大山町)
覚え書き:スゴ乗越小屋本日で終了