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森と岩場と青空の稜線(薬師岳後半・スゴ乗越方面縦走コース:富山県)

2010年 9月 25日

 さて、後半。
 薬師沢小屋を出発です。マッタリしたいけどそうもいかない。前を5~6人の団体が先に歩き始めていました。


 薬師沢小屋を出て程なく、樹林帯が途切れました。


 針葉樹および広葉樹がまばらな笹原。


 緩い上りの斜面になっていて、景色が素晴らしい。ちっとも前の団体に追いつかない。


 前を歩いている人たち、見えるのですが…


 写真撮っていると、うさぎとカメのうさぎ状態です。


 しかし、こういう景色を見に来たのだから、それでいいのです。


 薬師岳の東南尾根という稜線です。何処の山かと思ったけど、登山道はないようです。雪なら歩ける、か。


 遠くに水晶~赤牛岳の稜線が見えます。


 黄葉している木が一本出てきました。


 こちらは赤のナナカマド。


 緑のまま枯れかかっているナナカマド。


 緩い斜面をトラバースするような登山道。東南尾根を眺めながら歩ける絶景コースです。


 しかし、また、板がクルッとなりそうな小さな足場が。毎年大量に来る登山者のために整備してくれている人には礼を言わないとだめですがね…。


 笹がなければ草もみじ。


 そういえば、さっきの団体、結局抜かしました。今日のふうたろう、薬師沢から妙に快調です。


 ここは左俣出合。あれだけゆっくりしていても休憩入れて(薬師沢小屋のマッタリも)46分。11時29分。


 左俣を過ぎてもしばらくは水平移動です。


 青空と高原の草原がたまらない。


 癒しのコースとはこのことですな。


 最後の秘境とはよく言ったもの。樹林の広がりが素晴らしい。開発のニオイもそれほどしないし。


 草原と樹林のバランスがいい。


 中俣という沢を2回ほど渡ります(橋)。2回目渡ったらそこで沢沿いの道は終わりです。


 抉れた岩ゴロゴロのルートに変化します。


 ところどころ砂利道みたいに整備されてはいるようですが。


 途中から樹林が切れて展望がよくなります。


 薬師岳が近づいて迫力満点、…なのですが、登山道が裸地化して、更に広がって、実を言うと深刻。


 太郎平へ登る道。紅葉がちらほらと。


 薬師沢の谷。展望抜群。


 植生回復のために努力するも、効果はどのくらいあるだろう。ふうたろうの前を行く登山者、おそらくは植生回復のために置かれている別の形状のネットの上を踏んで登っていく。


 嗚呼、展望最高。今日晴れてくれて本当にありがとう。


 ところで、薬師岳、少しガスが出てきています。さっきから気にはなっていたけども。


 太郎平小屋が見えてきました。
 ところで、ふうたろうのテンションがさっきからおかしい。


 高層湿原を練り歩く最高のコース。


 たまには後ろを振り向いてみる。


 さっきの、前を歩く登山者。ストックを湿原の中に突くのやめろよ。
 こういうのを見ると、大台ヶ原みたいに入山制限とレクチャーを受ける義務づけというのが必要になるのかと思ってしまう。少なくとも、もう少しレンジャーの数を増やして、こういうことをしないように指導するようにしてほしい。
 ところで、レンジャーって、どうやったらなれるんだろう。


 さて、太郎平小屋はすぐそこです。


 この小屋の前で、ラーメンを食い、小屋で、薬師岳と、ついでに黒部五郎岳のバッジを買いました。


 スゴ乗越までのコースタイムを地図で見ると、普通に行けば19時くらいまでかかりそうな勢いです。マッタリしたいけど、どうもそうも言っていられないようです。


 前を行くゆっくり集団がいます。少し焦ります。


 ザクッと抜いて前に進みます。


 太郎平のテン場はこの鞍部にあります。ふうたろうはそこを越えて薬師岳も越えて遥か先まで進むのです。


 テントの数はまだ多くありません。時刻としてはまだ13時半。まあ、場合によっては行動終了の時刻ではありますが。


 薬師平に登る道は、急坂の広葉樹林帯。休憩の度に寒くなって着る上着を、急坂の度に脱ぐ状態。こういうところも何気に時間を取られます。


 樹林帯ではあるのですが、涸れ沢を歩く感じです。


 途中から樹林は切れてきます。


 前から老夫婦がやってきます。時間なくても、交流する時間は確保します。


 急な坂なので、後ろを振り向けば展望が。


 踏み痕が何本もあって、道がはっきりしない。


 小さなケルン。昭文社の地図上のケルン表示は、実はもっと上。


 木道が出てきました。


 恐らく、これが地図に書いてあるケルンだろうと思います。


 薬師平は高層湿原。


 遂に薬師岳の腰くらいまでやってきました。でも、ここからまだ2時間以上かかることになっています。薬師平での時刻14時5分。


 というわけで、この坂をゲシゲシ登ります。


 もちろん景色は見ながら。


 展望最高です。


 西側から太郎平を雲が乗り越えていきます。


 時々歩いている辺りをガスが通過していきます。瞬く間に何も見えなくなります。


 そして再び晴れる。


 植物そのものがなくなってきた。


 あるのは雲と岩だけ。


 また曇ってきました。


 そして、薬師岳山荘。薬師平からなんと35分。コースタイムを半分に縮めました。これはスゴ乗越まで、かなり展望がありそうですな。


 ハイマツ林を雲が駆け上がる。


 薬師岳山荘到着。なぜかふうたろう、まったく息を切らさず、足もまったく疲れません。なんだろう、この感覚は…。


 とりあえず、ここで薬師岳のバッジを買っておきました。あと、なっちゃんオレンジを一気飲みしたことを後悔しました(滅


 さて、あとは薬師岳山頂に向かってGo!


 薬師岳山荘バイバイ。


 ザレと小石とガレ場の薬師岳山頂直下。周囲の登山者がヒイコラ言いながら登っているのに、ふうたろう、まったく平気。薬師沢の水に麻薬でも盛られたか(笑


 息が切れないので、ひたすら展望を眺め、写真を撮りまくれます。


 薬師岳山荘が、遠のいていきます。


 あっという間に雲海を見下ろすようになります。余裕、余裕。


 この青い空も白いザレもふうたろうの手中にあります。25kgの荷物を背負っても、ケーブルカーのように登れます。


 逆巻く雲。


 群青の空を引き立たせる白いザレ。


 太郎平を雲が呑み込んでいます。


 ガスが太陽を巻き込んでいます。やはりこのダイナミクスは雲がなくては。


 そして、遙か遠くまで続く雲海。


 ふうたろうの前に広がる不毛のルート。


 途中から、単独なのか誰かと一緒なのかわからないけど、ふうたろうよりも10ほど年上っぽい女性が、「兄ちゃんの元気をもらいながら歩く」といって、ついてきます。
 (^0^)おやすいご用で。ついていらっしゃい。


 薬師岳山荘での休憩を併せて(何分したのかわからないけど)避難小屋までのコースタイム30分。とにかく周囲を歩く人々はびっくりしています。いや、ふうたろうこそ、自分のこの勢いにかなり驚いています。


 避難小屋のある場所からの展望はまた格別。ひとつのピークになっているので、周囲大展望です。ただ、普通なら、ニセピークを踏まされた気分でゲッソリするところでもあります。


 昨日はあの正面の赤牛岳にいたのだなあ。


 これから向かう薬師岳。本当に岩山というか、砂山ですな。


 薬師岳には大きなカールが3個もあります。薬師岳を、薬師岳山荘から往復するだけであれば、中央カールというものだけを見ることができます。
 後述の金作谷カールは薬師岳より北に行かないと、見下ろせません。南稜カールはルートから外れているので侵入不可。


 さあ、あと少し。家からミニコープまでの距離より近そう(何


 かっちょいい雲海。


 薬師岳山頂直下の迫力あるガレた山肌。


 中央カール。


 西側をトラバースするような登山道。


 よし、もうすぐそこ、92個目の百名山。


 余裕綽々、薬師岳山荘から50分で到着。時間があればもう一往復も可能なくらいです。


 ともあれ、薬師岳山頂万歳!周囲には中高年の方々がイッパイ。元気いっぱい交流すると。


 さて、ふうたろうはまだ先があります。ここからスゴ乗越まで2時間半。順調にいけば18時、か。


 まず、薬師岳から北薬師岳に向かうのに、いきなりものすごく下ります。冗談じゃないくらい、下ります。


 そして、恐ろしいガレ場の水平移動。これが疲労を溜めますし、時間もかかります。


 北薬師岳はちっとも近づいてきません。


 薬師岳だけが遠くなっていきます。


 ぬおお…(゚ε゚;)
 遠い…


 金作谷カールの縁を歩いていますが、ここは岩ゴロゴロのルート。絶対北薬師岳まで30分じゃ無理。


 このガレ場の上りを見よ!


 ガレ場の縁から望む雲海は最高ですが…


 薬師岳からあんなに歩いてきたのに。


 (゚◇゚;)ガーン
 まだまだ続くガレ場の水平(に近い)移動。


 やっと北薬師岳に到着。かなり燃え尽きました。…薬師岳までのルートは単純に歩きやすかっただけではないのか?


 雲海と太陽を一緒に撮れるくらいの、太陽高度になってきました。北薬師岳16時14分。15分オーバーです。


 次の間山まで概ね下り。雲海を見下ろしながら、本来なら快適に歩けるはずですが…。


 (`皿´;)ぬぅぅ…
 キツい。


 とりあえず、あの雲が乗り越えていっているところあたりまでは行かなければならないようですな。めっちゃくちゃ遠い…。


 雲海も天気も申し分ない。でも、だんだん余裕がなくなってきたぞっ!


 やっと岩場がハイマツ林に変わってきました。


 あの雲も近づいてきた。あの雲の下に、恐らくスゴ乗越があるはず。


 それはそうと、右を向けば、赤牛岳や水晶岳などの稜線がずっと見えるんですよね。この稜線、正常な歩き方をすれば最高ですよ。


 だんだん日の光が赤くなってきた。


 ブロッケンが見えるくらいの太陽高度になってきた。


 嗚呼、雲の宴…


 地図にもない、名前もない、水たまりのような池がひとつ。間山の池と間違えないように。間山よりも薬師岳側にあります。


 さて、間山に到着。ここで17時11分。13分取り戻しました。しかし、なんという長さ!この下りの連続は本当に苦しいですぞ。


 さあ、先を目指そう。ハイマツも雲も、もう夕日に焼けていますぞ。


 あの、2008年12月23日に歩いていた大菩薩嶺南部を思い出しますな。あれは本当に下山時にマックラになってしまいましたが、稜線で夕焼けを見ながら歩いたものです。


 赤牛岳の稜線に当たる陽がもうちょっとで消える。


 そして、やっとふうたろうは雲に巻き込まれていく。


 そして、夕日がきれいなのになぜか東斜面を歩かされるという罠(滅


 いや、こうして日が沈んでも山の景色はいいですね。木々のシルエット、素晴らしいです。


 雲海の向こうに日が沈みました。9月25日、さようなら。


 スゴ乗越小屋に到着したのは17時50分。鳳凰山の時に早川尾根小屋に着いたのとまったく同じ時刻ですが、あの時はちょうど2ヶ月前の7月24日。ずいぶん明るかったものですが…。


 今から小屋泊まりの手続きをするのが申し訳なくて(たぶん関係ないと思うけど)、テン場を借りました。
 …が、誰もいねぇ!!Σ(゜Д゜;)ガーン


 ちょっと到着が遅くなって、飯も18時半頃になってしまいました。これでは、日頃の遅い夜飯と変わらんではないか。イカンのう!
 で、このお茶漬けも初挑戦で、鮭フレークを入れて豪勢な鮭茶漬けにして、モリモリ食いました。米はレトルトの白米を使いました。170gで78円くらいで、安いのですよ。ん?アルファ米…520g(水戻した状態)で300円強だったっけ。まあ、80円くらいしか変わらないけど。


 というわけで、薬師沢以降、猛烈にぶっ飛ばして進みました。薬師沢10時43分、スゴ乗越小屋17時50分。7時間7分。1時間20分ほど短縮。そして、水晶小屋を6時17分に出てきたので、約11時間半の行動。いや、アホですね。
 明日はまたハイパーロングコースを歩きます。スゴ乗越から室堂まで歩いて帰ります。どうしても14~15時には着いていないとまずい。6時くらいに出発できるとして、間に合うのかという話です。夜、地図を見ていたら、普通に12時間かかるんですけど。しかも、この稜線、凄まじいアップダウンの連続なんですけど。
 さて、どうなることやら…


天気:晴れ時々くもり(富山県上新川郡大山町)
覚え書き:スゴ乗越小屋本日で終了

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