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ざけんじゃねえよ(熊伏山天龍村コース:長野県)

2010年 12月 11日

 今週こそ無事に登山口まで着くことを祈っていたのですが、まあ、それが叶わないのがふうたろうの旅です。既に東京にいる段階でそれが発生するが、デフォたろう日記です。
 まず、練馬駅発の夜行バスに乗るに買い物した店で、クレジットカードの磁気が弱りすぎていて読み込みに店員総出で苦労するという罠。
 バスに乗ったら、反対側のオッサンがマスクもしないで一晩中咳をしていて、しかも車内は密閉状態で、ウイルスプールという罠。
 ウイルスプールの室内はウイルスの有無に限らず空気が悪いので、息苦しくて寝られないという罠。
 初っぱなからひどい目にあって、何とか辿り着いた豊橋駅の未明。


 一刻も早くトイレでうがいと手洗いを済ませようとしたら、びっくりする表記があったので撮っておきました。誰かが意図的に削ったんだろうけどね。


 飯田線が豊橋駅から出ていて、最寄り駅の平岡駅と、一応最寄り駅の水窪(みさくぼ)駅があります。行きはとりあえず、最寄り駅の方の平岡駅に行きます。
 しかし、この「大嵐(おおぞれ)」という地名は、笑えるほど、そして悲しいほど読めない。そもそも水窪という静岡県の町名も読めないけど、日本にはこういう特殊な読みを持った市町村名がごまんとあった。最近はひらがな表記の地名が増えて(例:かすみがうら(茨城)、つくばみらい(同))、センスの欠片もない事態には目も当てられない。


 平岡駅に到着。平岡駅は長野県天龍村にある駅です。
 天気は思ったよりも良さそう。これは登山日和になりそうですな。


 ところで、今日登る熊伏山(くまぶしやま)は日本300名山。昭文社の地図のような、観光的で詳細な地図は類を見ないと思うのだけど、それにも掲載されていない山です。したがって、25000分の1の国土地理院の地形図(今回のふうたろうのコースでは、『満島』『伊那和田』『水窪湖』)のみで動くことになりますが…、こいつには線路をどこで渡って山手の道に入ればいいのかが書いてありません。


 平岡駅を出て左手に向かってしばらくしたところに神社のマークがありまして、そこから山沿いの道に抜けられるのではないかと、予測して進んでみましたが、無理。
 しかしよく見ると、官公庁のマークで道が潰れているという罠。こっちは20kg以上の荷物持って動いてんだぜ。勘弁してくれよ…。


 っていうか、駅に併設されているホテルの横(平岡駅を出て左手)に、線路を渡る陸橋が付いていて、何の迷いもなく向こう側に渡れたという罠。


 『満島』の地図を見ると、熊伏山の登山道方面に向かうには、少なくとも平岡駅の裏にある、ものごっつい急坂を登っていくしかないような感じです。とりあえず、そこに行かないと駄目なようですが…。


 ヌオッ(゚皿゚;)
 マジですか?
 これ、マジで登るんですか?


 この暗さはハンパない。道らしいモノは見えず、足を置ける場所を探しながらジグザグ登り。オレはまたぎじゃねーっつーの。


 なんか壊れたプレハブ小屋の残骸が転がっています。平らなところはここくらいなので、ここで、上着などを脱ぎ捨てます。


 ようやく登山口に着く前の山の稜線に出ました。相変わらず登山道っぽい物は…。地図にはあることになっているけど、これはあの巻機山リタイアの古峰山再来、か?


 木の隙間から天龍村が見えるなあ(棒読み)


 クソ狭いトラバース気味の、落ち葉敷き詰められたルートっぽい物があります。


 今まで色々ぶつぶつ言いつつも登ってきました。が、本当の地獄はここから。この中央のイノシシだかシカだか除けるための網が命運を分けます。とりあえず、右ルートを引いたふうたろうは、ヤブという貧乏くじを引いたので左を進むのですが…


 この左側を進んできた結果、通りたくもない崖すれすれのヤブを歩かされたり、折角展望の良さそうなところも網が邪魔でどうしょもなかったり。もうね、これは修行とかいうものを超越していますよ。


 しかも、寝不足も祟っているのか、気分も悪くなりやすい。プリンペランで身体を騙す。


 もはや写真を撮る気力も萎えるほど、既にぐったりモード。大昔は、本当にここに道があったのだろうか。


 踏み痕のようなモノは見えなくもない。この先に、目的のルートがあると信じたい。


 しかし、熊伏山なんて表記は一切見つからない。GPSに出動要請。


 GPSだと、もう少し北に進んだところに手前に折れる道が出てくるようです。この碑がある辺り、ひょっとしたら測量のずれでもあるのかと思って、道を探してみましたが、ありませんでした。


 さっきから気にはなっていたけど、天気予報では昼過ぎから寒冷前線が通過していくとのこと。雲行きが猛烈に怪しい。


 結局、ウロウロしても、お目当ての分岐は見つからず、強引に下の方に見えている林道に下りました。
 実は、天龍村のホームページ内に熊伏山の案内図が出ています。しかし、そこにはふうたろうの持っている地図にはないトンネルとか道とかがわんさとあって、……それに忠実に行くしかないってことね。


 この林道、GPSにも無い場所だし。


 あ、あれが、問題のトンネルか。


 暗い。しかも、路面はでこぼこで水浸しという罠。防水スプレーしてきてよかった…。


 トンネルを抜けるとそこは登山道へ続く道だった(何


 でも、あの砂防の方に向かっているが柵がされている方に進むべきなの?ここに標識がないのは困りますなあ…。何せ、地図もGPSもお手上げなんだから…。


 橋を渡ったところ右手に、何だか荒れた登山道っぽい物があります。階段の朽ち果てた物があります。


 っていうか、崩落しています。これ、マジで?


 でも、丁寧に橋が取り付けられています。これはやっと登山道か!
 …が、罠でした。さっきの道はそのあとロープまで張られた道だったので、てっきり登山道だと邁進したのですが、そのまま砂防の方に下ってしまいました。


 さっき、遠くに立入禁止と見えていた砂利道の先に、その看板に紛れて、熊伏山登山口の看板を発見。
 何とここに行き着くまで、平岡駅を出て4時間!オレもよくやるよ…(滅


 なんかね、冒険が終わったような気分ですな。気が抜けましたな。


 嗚呼、橋の下に小川が見える(棒読み)


 しかし、本当の登山道でも足場の木が腐っているとか、この前の倶留尊山の飯垣内コースみたいとかいう罠。


 沢沿いの道を遡上。でも、もうぐったり、ですな。


 ¨:∴(゚ε゚;)ブッ
 岩で足を滑らせ、右膝を思いっきりぶつけました。足場が足場だけに、右膝をすぐにかばえないという罠。


 高巻きと渡渉が少しあるコースです。まあ、それ自体はもはやどうでもいいくらいなんですがね。


 渡渉ポイントなど、登山口以降ではいちいち丁寧な案内板があります。しかし、その案内板ってのが、ホームページ内にもあった案内図の番号と照らし合わせながら確認するというもので、当然ふうたろうは持っていません。
 →熊伏山登山マップ、天龍村ホームページ内
 …ほんと、見れば見るほど、国土地理院の地図(GPS)と本物の地図、違うよな。ざけんじゃねえよ。


 木に何か巻き付けられていますが、これはある一定の太さになったら裂けて外れるようにでもなっているのかなと、思いながら見ていました。
 しかし、このシートが外れる頃、この材がちゃんと売先を確保できるのかなと、今のTPP(環太平洋経済連携協定)問題を考えると、心馳せさせるものがあります。


 空の色がヤヴァくなってきた。やっと明治の平という場所に着きましたが、まあ、当然どこだか解らんという罠。いや、地図を見れば場所はだいたいは解りますよ?でもね、道がないんですよね!この国土地理院の地図、何で悉くあさっての方向にルート引っ張ってんの?ざけんじゃねえよ。


 この恐ろしくボロボロの小屋は、群馬県の諏訪山の小屋に匹敵するものがあります。まあ、至仏山の咲倉沢の頭避難小屋でもいいけど。
 そして、ここで都合良く雨がぱらついてきました。
 …俺にここで休めと。中の写真はもはや撮る気も失せるほどひどい状態で、入口のところにテントを張って、ガチビバークかましました。まだ14時になっていないので、できれば稜線まで出てからテント張りたかったけど、雨降ってきたもんね。雪なら歩いていただろうけど、雨だからね。ざけんじゃねえよ。


 というわけで、今日はここまで。まだ半分進んでないですよね。いや、距離レベルでいえば、2割くらいだと思います。念のため、山頂まで、ではなく、山行のゴールである水窪駅まで、ですが。
 カレーうどんを食ったあと、ウトウトしながら、結局3時まで12時間近く浅い睡眠を取りました。夜中、雨が中途半端にぱらつき、小屋の扉がキーキーと断続的に立てる音を、子守歌にしながら。
 う~ん…ひどい山行だ。先週の伊吹山が最悪だと思ったけど、これはその上を行きそうですな。ひどい。昨日の夜、出発前に笠木透さんの歌でテンションを上げてなかったら死んでたな。
 明日の山頂に賭けるか…。


天気:くもり時々晴れ、のち時々雨(愛知県豊橋市・長野県下伊那郡天龍村、移動中を含まない)

  1. みゃーみ
    12月 14th, 2010 at 09:55 | #1

    うわー。お疲れさまでした~。

    マスクもしないで咳やくしゃみをする輩がいっぱいいるので自分でマスク持参です。
    これみよがしにマスク付ける時もあったりして(苦笑
    でも、相手は無神経だからそんなことしても気がつきません。

    私が帰りに乗った電車ではデブ系の若者が電池とかお菓子のゴミを座席の隙間にねじ込んで、二人分の席にどっかーんとすわり(これはデブだから仕方ないのもある、でも炭水化物か肉ばっか食ってるに決まってる)となりのおばちゃん側に短い脚を上げて足組んで、最悪でした。
    注意したら逆切れされて嫌な思いをするときもあるので、しません。そんな自分もいやです。電車のるとこういうストレスがあるのでいやです。日本はどうなっていくんでしょう。

    山の名前もそうですが、この天龍村のあたりは読めない地名がわんさかですね。
    これじゃ、人に聞いたとしても伝わりません。まだ百名山はじめて間もないころ、甲武信ヶ岳に行った時「木賊山はまだですか?」と聞かれ「???」(そんな名前の山あったっけ???)って感じでした(汗

    たしかに昭文社に地図には山の名前しか載ってませんでした。
    マニアも好きだけど軟弱よりの私は25000分の1の地図を見る前に熊伏山で検索し、あの地図を発見しましたよ!
    希望の方にはお送りしますって書いてあったので、お気に入りに入れときました。

    やぶの貧乏くじには笑いました。
    下ってしまいました。とか。。。
    まあ、苦しいのに木の行方を心配しながらとか。。。

    そうやって意識を他の方にやらないとやってられないくらいの急登だったのでしょうかねぇ。

    やだ。GPSとか地図にない道とか(汗

    おじゃましました~。もう疲れも採れたでしょう~。

  2. みゃーみ
    12月 14th, 2010 at 09:56 | #2

    とれたの字まちがえてる↑「疲れ竹」とかなら採れるでしょうけど。

  3. ふうたろう
    12月 14th, 2010 at 12:36 | #3

     前半部分はお笑いとして聞いとくとして(笑

     天龍村どころか、全国各地に読めない地名、いつもですわ。けっこう地名は気にして見るんですよ。
     例えば、鉄輪(大分)、奥祖谷(徳島県)、三次(広島県)、四条畷(大阪)、稲核(長野)、水海道(茨城)、七ヶ宿(宮城)、三厩(青森)、留辺蘂(北海道)
     ふうたろう、笑えるほど読めなくて、無名な市町村が好きです。伝えなくても、あるだけでいいと思います。名前が何となくその町の暮らしなりを語っているような気がして…。

     あの地図は、そのままPDFファイルとしてダウンロードして、印刷すればいいんだと思いますよ。結構画質もいいみたいです(重い)。

     あそこで地図は当てにはなりません(何 あの看板無かったら地形を頼りに、進むしかないッス。
     

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