キング・オブ・ブッシュ(南駒ヶ岳・越百山・安平路山縦走コース:長野県)
あれは4時前か、ガサゴソという音と、起きようという誰かのかけ声とで、ガシッと目が覚めました。ま、ふうたろうたちも起きて出発しなきゃならんので、もう起きる時刻です。何せ、今日はあの大御所、ウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンと云われている越百山~安平路山大縦走ですから。
ふうたろうは食欲なし。カロリーメイトゼリータイプを口にする程度でしたが、それでも気分悪い。胃酸が溜まっているのか、しこたま具合悪い。
でも、耐えられないほどではないので、少し光が差して明るくなるまで、カールの風景でも撮ることに。しかし、昼間にこのブログを見ても、真っ黒な写真にしか見えないんじゃないかな。
さっきとは設定を少し変えて、再度撮影。星が降ってくるようです。左端の太いやつは恐らく明けの明星、金星です。
先に行った人のヘッドランプの明かりも、山の端に見えます。
ふうたろうたちも5時過ぎに出発です。Mamiさんとは、越百山(こすもやま)まで同行程になるので、そこまではのんびりハイキング気分です。ええ、ジゴクを味わう前のせめてもの慰みというか(ぇ
昨日はガスっていたけど、今朝はよく晴れてカールには雲ひとつありません。
南駒ヶ岳は岩場の連続。宝剣岳ほど危ないところではないけども。
南駒ヶ岳、登ったと思ったら、ピークは先にありました。ま、全然へっちゃらだけどね。
きれいな岩山、南駒ヶ岳。今日の稜線歩きは、大開放しっぱなしですな、きっと。
南駒ヶ岳の山頂には、ふうたろうたち二人と、もう一人おっちゃん。
腹がようやく減ってきた(さっき摺鉢窪からの登りで胃薬を飲んだ)ので、ここで行動食のカステラを。
南駒ヶ岳はもちろん縦走始まったばかりの所。これから遙か彼方の安平路山避難小屋まで行きますが、今は極楽を味わうのです。
さて、移動開始です。南駒ヶ岳の緑と肌色の斜面を振り返りつつ。
途中、誰もいない静かな登山道の真ん中で思い切り休憩なんかして、ふうたろうはコーンフレークなんぞ食い始める。牛乳200ml2本持ってきていたのです。
ザレた下山路に不安定そうな岩が。こういう岩は、落ちてくる前に落としといた方がいいと思うんだな。
南駒ヶ岳からの急坂から、仙涯嶺(せんがいれい)を眺めます。あそこが怖いとか、小屋の中で、山慣れていなさそうな、登山を始めた頃のふうたろうみたいなネーチャンが言っていましたっけ。
仙涯嶺の岩トラバースゾーン。まあ、このクライミング級の岩場は歩かないんだけど。
ここは一部歩くところもありますな。鎖とか、確か付いていましたっけ。
仙涯嶺まで来ると、もう遮るもの何もなし。越百山がドカーンと見えます。
南駒ヶ岳は離れていきますが、まだ空気が澄んでいるのでクッキリ。
延々と続く稜線漫歩。ずっとこんなのであれば、楽なんだけどねえ…
越百山がきれいです。
…ヌオッ(゚皿゚;)
カメラのISOが320のままだったという件。しかも、レンズ汚れまくりボンバーだし(滅
凹んだのでとりあえずシャッター押しまくって気を紛らせています。ああ、ガスが出てきたか…
最高地点より少し南側に、三角点と標があるようです。人が群がっていますよね。
越百山到達、です。
山頂にはふうたろうとMamiさん以外にも人がいて、名古屋の勤労者山岳連盟とか言っていましたか。喋る内容ですぐにどこの山岳会とか解ってしまうふうたろうでした。
Mamiさんはこちらを下りるみたいです。そして、他に山頂にいた人たちも。
こちらはふうたろうがこれから一人で行く先…。安平路山が比較的近くにあるように見えるけど、あの少し先の避難小屋まで、コースタイムで9時間ですから、並のヤブではないでしょう…
これから、どんな世界が繰り広げられるのやら…。今までのが幻のような美しさなのか、それとも、これからのヤブは杞憂に終わるのか。
早速、ヤブっぽくなりました。ふうたろうの右腰に下げているカメラバッグが引っかかります。
この鞍部からはシオジ平自然園方面に下るルートがあるはずですが、崩落していて立入禁止になっています。
壊れた看板。あるだけましだけど。変な踏み跡がありますからね、隣に。
景色はいいけど、ふうたろうのヤブ警戒心はビンビンです。あの神威岳があったからね…(滅
それでも、やっぱり景色がいい。シャッター押す手が止まらない。
南越百山のザレ面到達。なんだ、こっちの方が越百山そのものよりも感じが良さそうじゃないか。
さあ、ここから地図上でも本格的に破線ルートです。バリエーションルートです。気を引き締めていきましょう。
ふうたろうはこんらんした!
こいつは、かなり穴場の風景を楽しめそうな予感ですな。
ハイマツは生い茂っていても、歩けない状態ではないし、静かだし、展望もいいし、文句付けようないっしょ!
ハイマツの緩やかな下り道を進みます。道、何気にしっかりありますよ。
まあ、あると言ってもこんな感じですが。しかし、日高山脈で眼鏡まで吹っ飛ばされたふうたろうの敵ではないですな。
笹ヤブの中に針葉樹がぽつぽつ。鉢伏山のようなすがすがしさを感じます。
これくらい道がハッキリしているヤブなんて、ヤブのうちに入らないぞ。
ゆっくりマッタリ進みましょうか。
…ふうたろう、一気に警戒心が抜ける。
南越百山のひとつ南のピークは、立ち枯れた木と針葉樹とササの茂る広い山頂です。またここからの風景が恐ろしくいい。
目がハートになっているふうたろう。しかし、これが悪魔の誘惑であることをふうたろうはまだ知らない。
南アルプスなんか見えちゃったりしていますよ。とにかく快適なヤブ。
…なんか、既に日本語間違っているよね、常識的に見て。
しかし、行く人は確実にいるのでしょう、リボンなんかしっかり付いている。
ちょっとトラバース気味の道になると、ササが横から生えてくるので歩きづらくなるけど、この景色に免じて許す。
広場があったら休憩ですな。
個装のチョコレートが一個落ちていました。みんなここで休んでいくのでしょうね。
急な樹林帯の笹ヤブ。ササや倒木、木の根などでかなり滑りやすいので、注意。
この笹原と樹林帯、たまらんでしょ!
ふうたろう、スーパーハイテンション。
針葉樹とその立ち枯れたのとの混合林というか、混ざったのがまた…
青空が抜けるようでこれもまた最高です。
あの向こうの尾根は、3月末に、ふうたろうが敗退した烏帽子ヶ岳方面の尾根です。いやあ、冬のこの地を踏みたかったなあ。
爽やか笹ヤブゾーン。鉢伏山から笹ステージがずっと続いているなあ。まるで出来すぎたゲームのように。
あの混合林の直下は崩落地です。笹ヤブが途中でストンと途切れていてびっくりですが、ちゃんと横に道がそれています。
ちょっと枯れているけど、緑ではない色が挟まると、アクセントになる。
そして、もうすぐ奥念丈岳です。あと小さなピークを一つ二つ、越えますか。
ちょっと笹ヤブが濃くなってきました。道も若干さっきより判りにくく…?
カメラの真ん前に笹の葉っぱが来るほど。笹の背丈が高くなってきましたか。
さっきのガレ方面を振り向きました。しかし、このヤブはさっきのとは全然違う…
奥念丈岳一つ手前(北)の小ピークは崩落しています。そして、展望がいい。
しかし、いきなりヤブがキツくなってきた…。これから大丈夫か?
奥念丈岳到着…したんだよね?昭文社の地図には展望がいい、なんてこと書いているけど、展望がいいのはさっきの所だと思う。
奥念丈岳からのヤブは、本気で牙を剥いてきます。本当のヤブ道の恐ろしさを、これからとくと味わいましょう。
道はとぎれとぎれ、続いています。踏み跡が突然なくなり、進んでいくとちょっと離れた左や右に現れます。
笹ヤブに混じって、時々ブッシュも入ります。でも、それが歩くのに障害になるほどのことは、よほどのことがない限りありません。
景色がいい、そう言える間はいいんだけど、今はだんだん体力と集中力が落ちてきて…
足下にはこれほどハッキリした踏み跡があることもあるようです。
しかし、笹の上に頭を出していると、ほんとに道が判らなくなるから不思議。
袴腰山に到達するも、山頂の標もなく、猛烈な笹ヤブに覆われていました。いったい、これからどちらへ行けば…
尾根を忠実に歩けば何とかなりますし、踏み跡も微かに残っています。リボンもあります。そのどれもがないところは基本的にないので、よく探して歩くしか…
あれは安平路山
…ではなく、浦川山です。え?浦河?縁起でもねえ…(滅
この稜線の最低鞍部である、松川乗越付近。傷痕のない笹の山がなんときれいなことか。傷痕のない笹の山がなんと険しいことかっ!
ぐはぁ(゚Q゚;)
このヤブは相当ヤヴァイ。しかも、空、曇ってきてまんがな。
ふうたろう、実は松川乗越の少し先で、今日越百山の山頂のテントから出発したという4人組を抜きました。何やら、越百小屋に泊まろうとしたら突き返されたとか。
…北アルプスの朝日小屋を思い出すなあ(遠い目
4人、どうやらふうたろうに追いつけないらしい。ふうたろうもそんなに速くはないんだけど。コースタイムより2~3割短いかも知れないけど。
浦川山の山頂が非常に遠い。笹に埋もれて、しかも踏み跡なしの猛烈な笹ヤブの場所で、道がとぎれとぎれで、本当に厳しいヤブです。
文字のなくなった浦川山山頂の標。広場みたいな場所は一切なし。休めない…
それでも、どうしても休みたければ、無理やり休むしかない。倒木でもあれば、そこはヤブから少し開放される場所だから、休むしかないっ!
分かりやすいところには、リボンもやっぱり残っています。分かりにくいところはみんな縦横無尽に歩くので、踏み跡も残りにくいのかも知れません。
う~ん…距離的にはもう少しで安平路山なのですが、ふうたろうの体力と気力が、そろそろ持たなくなってきました。まずい…
あの鞍部から、少し緩やかに上り、キツい坂を上り、トラバース気味に歩き、一気に突き上げる、というこれからのルートだけど、どんななんだろう。
しかし、安平路山直下のヤブは鬼畜です。特に、横にトラバースする場所なんてのは、まったくといっていいほど判らない。薄暗くなっているのもそうだけど、斜めの道は笹が覆い被さるので、特に消えやすいのです。
更に悪いことに、ふうたろう、吐き気がしてきました。これはレッドランプマッハですよ!
なんとか、日が落ちる(17時20分頃)までに山頂に着かないと…と思いながら、辛うじて17時10分、安平路山到達です。ここから小屋までは40分、恐らく一般ルートのはず。
さっきと変わらない風景ですが、道は南越百山からしばらくの道よりもいいくらいのレベルです。しかし、ふうたろうの体力も、太陽の明かりも、もうありません。カメラをザックに入れて、ゾンビのように小屋に向かうだけ…
ふうたろう、17時51分に這々の体(ほうほうのてい)で安平路避難小屋に到達。着いたとき、若干あの神威山荘を彷彿とさせなくもなかった、カナ…(汗
吐き気がしていたふうたろうだったけど、安心したら普通に腹が減って、カレーうどんにとろけるチーズ2枚落とし、粉チーズがドヴァッと入って¨:∴(゚ε゚;)ブッとなって、ガラムマサラとチリペッパーを少しふりかけ、食べました。
ああ、今日も生き延びた…
なんとかふうたろうはあの縦走をやりきりました。しかし、気になるのはさっきの4人。あのペースでふうたろうの後ろを歩いてきているとなると、どこで夜になるんだろう。笹ヤブの中で夜になったら、テントも張れない。心配でした。無事下山していますように。
明日は摺古木山を経て、上飯田の方に下山です。Mamiさんが今日下山したあと、明日は南木曽岳に登ってくるそうで、その後、ありがたいことにふうたろうを拾ってくれるのです。そして、関東まで一緒に乗って行けそうで、これはとても嬉しい話です。話もイッパイできますしね。
さ、今日はもう疲れました。明日、この疲れが残らず、摺古木山などがどのくらい楽しめるかも判らないけど、安平路山を乗り切ったふうたろうは少し心の余裕を持っているのでした。
天気:晴れのち時々くもり(長野県上伊那郡飯島町・木曽郡大桑村・飯田市)
あれ?シオジの通行止めは、最近のですか?7月に下りました。渡渉が分かりづらく、かつ最後の20分のヤブこぎは、背丈を超える場所もあり、やばかったです。
南駒ヶ岳より望む越百山の稜線はきれいで、快適そうですが、宝剣山荘から歩いてきて、すでにへろへろになっている自分には、意外に歩きづらいのでした。
ヤブこぎですが、写真を見る限りではなんとかなりそうな雰囲気ですね。ただ、時間が長すぎるのが、不安すぎます。安平路山は、往復にしたいなあ。
通行禁止ってことになっているみたいですよ <シオジ
ヤブこぎは、そりゃ、行ってみれば何とかなるでしょう。地図を見る力と、ある程度荷物を軽くするのと。あれで荷物の重さが半分くらいだったら、ふうたろうももう少し速く歩けた、カナ・・・いや、そんなに変わんないか。焼山~雨飾山の縦走よりは全然ハードなんで、まずはそっちかなあ(黒笑
『いい顔してまっせ、南駒ケ岳!』
仙涯嶺の様相は被写体にして最高ですね♪
南駒ケ岳にしても、立派な様姿、カメラが進みますね♪
カールの星空2枚目の写真、露出共に良く、いい写真ですね♪
北極星を入れれば、もっと違った写真になると思います♪
笹原と樹林帯の風景、スーパーハイテンションになるのが分かるような気がします♪
とても綺麗な風景ですね(*^_^*)
今回も長丁場の山行、お疲れ様でした(^O^)
北極星を入れると、その周りを星が回るんですね。いわれてみればそうですよね。今度試してみよう。
この縦走は長丁場なだけでなく、笹ヤブを漕ぐ体力と、道を見定める根気が必要なんですよね。いっそのこと雪の時期に歩いてしまえば、と思わなくもないですが、今度は稜線に出るまでが猛烈に大変になります。ただ、Pegasusさんの見た笹原の景色あたりは、星空最高だと思います。登るとしたら、越百山から…?