走れ、スリッパマン(伊那経ヶ岳黒沢谷~仲仙寺縦走コース:長野県)
当然、昨日の夜が遅いので、5時10分起床とか、激しく眠い。こう見えて、金曜夜入りってのは大変だとつくづく思いますねえ。
68円のレトルトカレーにレトルト(?)会津産コシヒカリ、粉チーズとガラムマサラ(瓶)をぶっかけて朝食とし、できるだけ早く出発です。
昨日の夜はもちろん真っ暗で判らなかったけども、一応紅葉しているっぽい。
ところで、2009年の今頃、季節外れの大寒波が来てここいらも雪がうっすら積もり、紅葉に映えたことを覚えています。懐かしいなあ…。
さて、この蛇石キャンプ場より奥は未知の世界。薄暗い谷だけど、このゲートを越えた先に、ふうたろうの未来は切り開かれるのだ(何
薄暗い谷の車道歩き。眠い。でも、今日は集合登山。ふうたろうには珍しい形式なのに、10月は何と2回目という。本来なら、10月1~2日で白山もそうなっていたかもしれないという。そういう意味で、すごい月なのですなあ。
この道には、たくさんの分かれ道があります。目もくれずに進みましょう。
47分歩いて三級の滝入口へ到着。ちゃんと経ヶ岳登山口の看板もあるし、どうやら心配は要らないようだ…
ここから黒沢谷です。三級の滝がひとつポイントですが、きっと高巻きする道が付けられているのでしょうね。
何もなければ、この沢沿いの道はかなり険しいですぞ。あの日高南部神威岳のシュオマナイ川なんて屁でもない、くらい。
日の当たらない谷の暗い中、少しばかりの紅葉を楽しみつつ、三級の滝を目指します。今日は荷物も50リットルザックなので軽い、はず。先週は雨週末の術に殺されたので身体は思い切り鈍っていますがね。
これが三級の滝。
(Θ_Θ;)
暗い…
ところで、ここで行き止まりになっているけど、どこからこの滝を巻くんだろうね。
なんか、浸食でえぐれた道状のものがあって、必死で登っているんだけど、これ、写真で見るよりもずっと急です。見下ろした形で眺めているのですが。
ふうたろうはとりあえず、三級の滝の展望台がある右岸からの高巻きを試みることになります。
どう考えても、ここはルートと思えない。飛び降りるような場所もあったりして、なんか普通じゃない。だいたい、何だ、このゴルジュは。
岩が湿って滑っているので、ツルッと逝ったら、沢の中にヅドンなのです。こんなところでヅドンしたら大ピンチなのです。慎重に黒沢左岸に渡ります。
ふうたろう、実を言うと、左岸に道があるという確証があったわけではありません。右岸側はハコになっていて、沢そのものもゴルジュバリバリなのです。なので、左岸、つまり川が流れる方向の左側、川下を向いて左側に渡るしかなかったのです。
…そうして見つけた道ですが、何だか、この左岸にずっと続いているんですよね、道が…。いったい、どこから続いていたんだろう。
高巻きの様子おさらい。
三級の滝展望台左手の踏み跡をたどって、上に向かいます。そのまままっすぐ踏み跡をたどると滝の方に突っ込んでしまってゲームオーバーなので、出来るだけ上に向かいます。途中から、えぐれたようなところを登り詰めます。登り詰めたら、今度は二叉になっている沢が見えますが、左側から流れてくる方を一回目渡渉。そして、すぐに黒沢を渡渉して、正面の斜面を上がればできあがり(何
…たぶん、そうでないと、この穏やかな沢を見ることなく敗退するでしょう。ふうたろう、滝を越えるまで、あの入口から1時間を要しました。
あ、あった。案内板。それにしても、どうやってあんな気色悪い滝を常人が越えてくるんだよと、突っ込みたくなる。
…ところで、この沢沿い歩きも、実は沿いではなくてそもそも沢歩きだったりします。崩落しているせいか、斜面に付けられた道がいちいちなくなっていて、蛇行する沢ゆえに崖面が入れ替わりまくります。水に怯えながら歩いていられないし、石飛は滑ったら終わるので、清水の舞台から飛び降りるつもりでスリッパに履き替えます。沢靴なんて持ってきてないもん。
というわけで、猛烈に冷たい沢登り。しかも、スリッパで。
…オイ、こんなんでホンマに着けるんかいな、経ヶ岳?
でも、その先は林道にぶち当たるのであった。一応、道は合っているようだが、倒木がすさまじく、荒廃しまくったルートでしたなあ。
伐採された丸太の上に座って、一旦休憩。スリッパを靴に戻したいし。
黒沢の右岸に変な林道が出来ていますな。25000分の1の地図にはもちろんないですぞ。
左岸にテープだの看板だのが見えていましたので、律儀にそちらを歩いてみたら、崩落していたという罠。おとなしくさっきの林道を歩いて、沢に入るのが吉だったという件。
沢を詰めたら沢が二叉になっているはず。地図ではほんの少し右側の沢に入ることになっているけど、中央の尾根を登るので、沢の出合から直登し始めても差し支えありません。ただし、急坂。
この急坂は尋常ではありません。笊ヶ岳の雨畑コース、日高南部神威岳の最後の急登並みに猛烈な急坂です。
体重47kgのふうたろうは、実際今日くらいの荷物(10kg前後?)でも後ろに重心が行きます。それにこの坂ですから、簡単に後ろに転がっていけますよ。
時折見えるリボンがありがたい。25000分の1の地図には、もうルートとしての破線さえもないのですから。ただ、地形はやっぱり忠実です。地図が読めれば、問題ありません。
急登、そろそろ終わり。でも、相当キツかったですぞ。さっき丸太に座って休憩していたところから2時間程度。
ところが、急登を登り切って尾根に出た途端、猛烈な笹ヤブがお出迎えしてくれます。この精神的なダメージたるや、歩く者にしか判らんべ(滅
笹ヤブに埋もれた標。ここは正真正銘、間違いなく経ヶ岳の登山道なのですなあ。
黒沢山に向かって徐々に上っていく尾根から、急登と尾根の出合付近を眺めます。展望は、正直いいですぞ。中央アルプス主稜線・南越百山~奥念丈岳ほどの展望は期待できないけども。
経ヶ岳よりも更に西側の山並みが見えています。悔しいけど、展望いいね…
実は、この樹林帯の遥か奥に、御嶽山が見えています。たぶん、御嶽山、だよな?乗鞍岳という罠じゃないよな?
そして、何と、この向こうには思い切り晴れ渡っている、ここみたいなウルトラヤヴこぎゾーンではない、北アルプスが見えています。
ああすばらしい展望だなあ(棒読み)
経ヶ岳と黒沢山の分岐に達しました。黒沢山方面の笹ヤブは筋金入りで、とても行く気がしません。いや、正確には、行く時間がありません。既に、メールで連絡を取り合っているKazu君は経ヶ岳山頂を踏んで8合目で待っているらしいから。
…現在12時56分。そろそろ時間的に厳しくなってきた。もちろん、ふうたろうの体力も厳しくなってきた。
経ヶ岳方面は猛烈な笹ヤブ。でも、尾根沿いを守れば、大丈夫です。
ん?(・ε・;)
…カメラバッグに入っている携帯がメールを受信しました。
うむ、(._.)ドレドレ
「9合目手前の黒沢山の分岐は通れないように枝で封鎖されてました(汗マーク)」
この矢印は、思い切りヤブの中を指しています。いや、安平路山の縦走路よりえげつないですわ、これ。
樹林帯で遠望できないので、尾根の正確な方向が見定められないっ!
…恐ろしく快適な道にふうたろう感動。笹が刈られまくっている幸せ。誰か知らないけど、ありがとう。
そして、こんな景色を見ると、ふうたろうのテンションがアップすると(目がハート
さ、経ヶ岳主稜線まで最後の上りです。150~200m程度上りますぞ。
これ、笹が刈られていなかったらとんでもなく辛い道だったと思います。恐らく、倍以上時間をかけて登ることになるだろうと。
時刻14時半近く。しかし、日没が16時台なので、太陽の位置的にはもう夕方です。確かに、そういう日の差し方だ…
東因幡林道とか、忠別岳避難小屋から五色岳とか、まあ、枚挙にいとまがないと思うんだけど、ふうたろうって、「立入禁止」を裏から見ることが多い気がするんだよね。ここはただ枝が張ってあるだけだけども、正規ルートに入るのを閉ざすことはないので、ふうたろうはあからさまにアングラ街道を突っ走ったということですな。しかも、一部スリッパで(何
さて、この枝で閉ざされた忌まわしい分岐に荷物を置いて、山頂を目指そうかな、と。Kazu君が8合目で待っている。
この分岐からも、さりげなくアップダウンがあってしんどいです。ふうたろうはさっきのヤブやらスリッパ沢やらで体力を奪われていますので。
展望のない経ヶ岳。実はふうたろう、ここは一度歩いているはずなのです。2000年11月23日に。でも、付いていっただけのあの山行は、もはや山行とは呼べない。現にこの風景はまったく記憶にすらない。登っていないも同然なのですよ。
ん?(・ε・)
いつの間にか9合目を過ぎたらしい。ま、いいか。頂上を踏みに行こう。
意外とこういう樹林帯は落ち着きますね。ふうたろう、あの安平路山の猛烈なヤブこぎで、樹林耐性が付いたのかなあ。
空はずっと快晴かと思ったら、どうやら南の空には絹雲が流れ始めているようです。九州の方はもう雨が降りまくっているのだろうね。
そして、特に展望が悪い経ヶ岳山頂。確か、以前来たときは、連れてきてくれた人にすき焼きみたいなものを作ってもらった気がする。あと、寝坊したことも覚えている。
…過去のふうたろう、そのくらいの記憶しか残らないほど、くだらん山行ばかりしていたんだなあと、つくづく情けなくなる。
山頂に長居する理由はそれほどない。むしろ長居していられない。急ぐぞ。
でも、いい景色を見つけたら写真には撮りたい。これだけはふうたろうの旅から外すことは出来ないのだ。
広葉樹の冬枯れ。北側が広葉樹で、南側が落葉松林です。落葉松はまだ若干色づきが悪い。
9合目。
そういえば、道なき道を登ってきたおっちゃんふたりがいました。よく判らないけど、沢をぐいぐい登ってきて、これからふうたろうが歩いてきた方向に下りて、途中から伊那谷の方向に下ると言っていましたか。足を見ると長靴を履いていましたな。スリッパよりはずっと良い。
分岐で荷物を担いだら、そのまま8合目に向かいます。しかし、この9合目を下ってすぐのところの展望がとても良い。
南アルプスや八ヶ岳の大パノラマです。経ヶ岳、こんな展望箇所があったこと、ふうたろうは覚えていませんでした。
8合目に到着すると、Kazu君がいました。ずっと昼寝していたそうです。しかし、ふうたろうが色んなところで雄叫びを上げるので、起こされたとか言っていましたけど(黒笑
8合目も景色が良いですね。昼寝にはいちばんかもしれませんね。雲もなく、日差しも強すぎず、展望良く、山はちょうど良い暖かさ。
さて、Kazu君が準備でき次第、ふうたろうは再出発ですな。日没まで、もうそんなに時間もないですから。
これから、ふたりで黙々と下山開始です。いや、黙々というのは真っ赤な嘘で、ひたすら喋りながら歩いていました。…じゃないと、このひたむきな下りはキツいから。
各「合目」の度に、まだ~合目か、と嫌気がさすほど、実際距離は長いと思います。喋っているからまだ何とかなるんだと。ここはもう日没を迎えかけた7合目。
そして、かっ飛ばして下りたった仲仙寺。経ヶ岳の一般的な登山口です。16時59分到着。
終わったら、Kazu君を伊那の名所へご案内です。まずはガッツリメシを食いたいので、MamiさんやNanaさんらを連れて行った萬里でローメン。ふうたろうはもちろん、肉なし星人です。
この後、色々風呂や宿を悩みましたが、結局、Kazu君ご家族のお家にお世話になることになりました。風呂に関しては、松川町の温泉に入ることにして。彼が車を運転してくれるので、ふうたろうはほんとに大助かりです。ふうたろうにとって、車を運転できる人は、誰でも神なのです(何
お家がこれまたとても大きい。ふうたろうはその2階の一室に布団を用意してもらいました。Kazu君自身、ふうたろうと合うのは2度目なのに、ここまでしてくれるとは、本当にありがたいことです。ご家族も心が広い…。
24時くらいまでKazu君と山の話に花を咲かせ、ふうたろう、床につく。
それにしても、ちゃんと歩き切れてよかったなあ。
#155伊那経ヶ岳クリア。
天気:快晴(長野県上伊那郡辰野町・南箕輪村・伊那市・下伊那郡松川町、移動中は含まない)
改めてお疲れさまでした。
日記見るとものすごく荒れて、道も不明瞭なルートだったのがよくわかります…
ヤブもかなりのものですね。
伊那谷の山のガイドブックや最新の昭文社の地図にはルートが削除されてるのが納得です。
家で一緒にみたホームページにも通行は危険とかいてあったのもうなずけますね。
よく行きましたね!流石です。
ふうたろうさんを待ちながら青空の下で昼寝できたのは至福の時でした。
ふうたろうさんが難儀してるのに…すんません
ふうたろうさんの雄たけび伊那谷にきっと響いてましたよ(笑)
また、家にも遊びにきてくださいね!母とにゃんこたちが喜ぶので^^
今度は僕が伊那谷の飯田方面を案内しますからー
ありがとうございます。
あれは廃道になるんだろうけど、そうやって道が消えていくのは寂しいですね。みんな楽なところ、同じところから登るようになって、そこだけが道がアホみたいに整って、終いには崩壊していく。何だか、社会の構図そのまんまだなあ、なんて思ったり。刈り払いとか、自分で行けないのかなあ、と、思う次第です。
あの日は希有な天気でしたよね。ここ数ヶ月でもっとも天気の良かった休日のひとつかもしれません。昼寝もさぞかし気持ちよかったろうなあ。声もよう響いたし(笑
またおじゃましに行きます。飯田方面はまったく無知なので、案内、期待してますわー。
なんと、体重47kgとは、私より軽いではないですか!しかも、30kgのザックって、体重の6割ぢゃないですか・・・。
簡易沢靴としては、ビーチで使うウェットスーツ生地のサンダルがいいと思います。あとは、チャコ、テバ、キーンのサンダルなら、沢でもグリップするものがあると思います。ジャガーシグマも普通に沢登りで使えるらしいです(笑)
あははー(笑
道具の名前、化学式や熱力学の方程式並べられるより全然判んないわー(黒笑
体重は47~48kgだけど、ザックの重さは真冬で25kg前後、夏なら20kg超えくらいがせいぜいだと思いますよ。・・・あんまり測ってないけど。
なんと、体重47㎏とは、私より軽いではないですか!ん、どっかで聞いたセリフ。
笹が刈られているのをみて、私も自分の事のようにホッとして読みました。
まだ地図を見ていませんがどこのコースなんだか。。。
とんでもないコースをさらに逆から行ったんだなーと理解しています(笑)
笹の中にうもれてますが、ちゃんと標識があるんですね。
一般コース往復しましたが、下りは一人なので長くて嫌になりました。
あー、あの道往復もけっこう苦行ですねえ・・・。その苦行をするくらいなら、ヤブの苦行の方が楽・・・(ぇ
あの笹が刈られているところ、そこに行くまでが猛烈に地獄でしたよ。安平路山よりもえげつないです。だって、踏み跡皆無なんだもん(滅
・・・ぜひ、ここでみゃーみさんも山女になってください(黒笑