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おかわりどうですか!(大菩薩峠:山梨県)

2007年 4月 7日

※記録:4月8日

 さて、今日は天気予報が外れて、晴れ。大菩薩嶺に出発。日記に休刊(?)の予告がなかったのはそのためです。
 そして、調査が行き届かず、この列車、青春18きっぷが使えないこと(すべてグリーン車の指定席!!)を、新宿駅に着いてから知りました。ご丁寧に、奥まった6番線で待ってくれていたので、一本中央特快乗り過ごしたじゃないかっ!


 10時41分。塩山(えんざん)駅到着。ここはさっきの「桃源郷」を意味するのか、桃の花がたくさん。あまり移植された花には興味がないのですが、ま、バスまでの暇つぶしということで。


 塩山駅から大菩薩登山口バス停まで、100円でバスが運行されています。元塩山市、現甲州市(名前がダサい)が、山梨交通の系列会社に委託しているバスのようです。100円というのはありがたい。けっこう本数も多く、利用者も意外といるみたいです。取手市のコミュニティバス、見習えよ。
 あ、で、ここはそのバスから降りて山に向かうまでの車道です。


 車道の途中で見かけた、キブシ(キブシ科)という花です。後述の山荘で出会ったおっちゃんに教えてもらいました。


 登山道は主に広葉樹が主体です。地面の落ち葉の量を見れば解ります。


 千石(せんごく)茶屋です。どうも機能していないようですが、営業の面影は残っています。この茶屋の右側にルートがあります。茶屋の前にある橋から撮影。


 右ルートを進むと、もろ出しの看板。これは誰も迷いようがないくらい解りやすい看板で、ここから長兵衛ロッジに向かいます。


 長兵衛ロッジまでの道は、人の身長くらいまでえぐれた道のところもあります。広葉樹が主体の道ですが、針葉樹も混じっています。積年の降雨と踏みつけで浸食が進んでいるようですね。木の根も傷んでいます。


 長兵衛ロッジ。宿泊7000円二食付き。駐車場完備。実は、マイカーであればここまで来ることが出来ます。バスは不可。意外とこういうパターンの山は多いです。上高地や尾瀬(鳩待峠)のようなマイカー規制はむしろ希有だと思います。


 長兵衛ロッジから20分くらい歩くと(車道を避けるコースで、これも看板がちゃんとあるので迷わない)、福ちゃん山荘という小屋があります。規模は長兵衛ロッジと比べてやや小さいかもしれませんが、大菩薩の稜線が見えます。ここに泊まるなら、「明日登る山を見定め」ることになるでしょう。


 僕は福ちゃん山荘を通過。富士見小屋の隣まで来ました。より山小屋らしくなりました。僕はこういう所の方が好きです。そして、もちろんここもまだ通過。


 富士見新道というのは、昭文社の地図(5万分の1)には点線表記で存在しますが(2007年版)、2万5千分の1の地図(国土地理院)の場合、古い地図にはないかも知れません。僕の地図にはありませんでした。
 さあ、腰を据えてかかろうではありませんか。


 道にはとりあえず看板はありますが、朽ちていて(新道なのに?)特に冬枯れと雪になぜか擬態で身を隠しています。よく見ましょう。コノハチョウを探すように。


 地図にはない沢を渡ります。雪解けの時期だけ現れるものかもしれません。


 富士見新道(賽の河原:避難小屋方面)の途中、見通しのよいところが一ヶ所あります。そこから塩山市街を眺望できます。見てください、この煤けたような空を!!


 富士見新道は笹やぶが主体の道です。漕いで漕いで漕ぎまくります。すると、突然眺めがよくなり、雷岩や大菩薩嶺の方の稜線が見えるようになります。


 さて、ここはもう賽(さい)の河原。ナンと!雪が降り出してきました。山の上で雪に遭うのは初めて!ラッキー!?


 避難小屋です。賽の河原に、ものすごく目立つように建っています。窓の形が非常に変わっていますが、それは直接見て確認してください。なお、通気性抜群。寒いっす。
 今夜はここで明かすつもりでした。なので、飯を炊いて、無印のレトルトカレーを食って、ひとやすみ。食後の時点で16時32分。


 これは15時40分くらいの避難小屋前。雪がけっこう降っているのですが、まだガスはかかっていません。


 これから避難小屋でただ一人朝まで過ごすことを考えると、退屈で死にそうでした。通気性抜群なので寒いのもあります。10分歩けば「介山荘(かいざんそう)」があります(2007年夏期は改装工事のため使用不可らしいので、問い合わせましょう。電話:0553-33-2816)。
 よし、退屈から逃げよう!(食後に決行)


 ガスがかった中10分くらい歩くと、小屋。素泊まり(布団もなしで)4300円。布団付けると4700円。食事が付けば6600円かな?あとは、こちらのページ。
介山荘のページ
 ただし、情報がちょっと古い気がする…。


 介山荘の食事(夕食)。これにカレーがたらふくお代わり付きです。「おかわりどうですか!」との、ドスの利いた主人のおしに、みんな利害関係が一致。素泊まりの僕以外、大体おかわりしていました。


 メシを食べたり休憩したりするお部屋。僕以外に8人。みんなと仲良くなったことはいうまでもなく、すてきな夜を過ごさせていただきました。みんな、ほんとにありがとう。


 当然夜の外は真っ暗なんですが、雪が降りしきっています。手当たり次第にフラッシュを焚いて写真を撮ってみると、ガスの中に浮かび上がる雪まみれの木が。


 介山荘の前の階段も雪。5cmは積もってるかな~。4月の雪。感激です。


 今日は、予定のJR線に乗れなかったときは行き着けるのかと思いました。空が曇ってきたときはどうなるかと思いました。避難小屋が寒くて暇で死にそうだったときはどうしたことかと思いました。大菩薩嶺に寄れなかったときは明日のコースは絶望なのかと思いました。
 でもね!ぜーんぶ、結果オーライ。JRの予定が狂ったおかげで、塩山駅でざるそばを食べることが出来たし、天気が崩れたおかげで雪見が出来たし、大菩薩に寄れなかった(よらなかった)おかげで時間に余裕が出来てメシが作れたし、避難小屋が寒くて退屈だったおかげで介山荘でいい人たちに出会えたし。
 災い転じて福となす。ピンチはチャンス。頭領は落つるところの土をつかめ。
 というわけで、結局何もかも、僕は恵まれたんですよね。ありがたくこの逆境を利用させてもらいました。おおきに。

天気:晴れのち雪(茨城県取手市・山梨県塩山市

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