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笑顔が幸福を呼び、幸福が幸福を呼ぶ(大菩薩嶺:山梨県)

2007年 4月 8日

 夜中、3時14分と4時13分と4時47分に目が覚めました。1回目はよだれで、2回目は目覚ましで、3回目は寝坊でした。
 こんなに早く起きるのも、この写真のような朝を見るためなんです。
 昨晩のガスと雪はウソのように(これこそウソ。本当は確信していた)晴れ、澄んだ空気、快晴。


 夜明け前です。懐中電灯が欲しい。小屋の上にはまだ20日くらいの月。


 蒼い大菩薩の尾根。小屋のみんなが勢揃いして親不知の頭に足を運びます。みんなもちろん手にはカメラ。


 親不知の頭で夜明けを迎えました。人生二度目の日の出を見ました。人生初の日の出であり・初日の出でもあったのは今年の1月1日


 そうそう、昨日の夜、小屋に着いて5分で仲良くしてくれた若い4人組の方たちと、知的な好奇心をくすぐってくださったおじさまたち4人のことを紹介していませんでした。もう100回は大菩薩に行っているという年配の方一人を除いて、僕含めて8人が同じ場所に集まりました。
 みんな山の人。変わり者ぞろい!しゃべり方、志向、な~んかちょっと違うんですよね。でも、みんな大好きです(断言!)


 富士山もきれいに見えたのです。一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)というけど、一富士二空三雲海って言った方がここは相応しいよね。


 初めて日の目を見るのは、僕らだけじゃないんだ。夜空から舞い降りてきた無数の雪の粒もまた、初めての朝。喜びに輝く雪、光を待つ陰の雪。これまた陰翳礼賛(いんえいらいさん)なり。


 真ん中に見える小屋が介山荘。型を取られたように、雪に覆われています。


 もうすっかり夜は明けました。介山荘は大菩薩峠の真横にあります。眺め絶景、雰囲気古典的。でも、真っ新にして改装してしまうんだって。ちょっと寂しいなぁ。


 7時50分頃、遅い旅立ち。実は、昨日の夜から仲間に入れてくれた若い4人グループの人たちと一緒に歩きました。この日記の暗黙のルールで人の顔が出せないのが残念。
 ところで、雲がもう後ろを追っかけてきていますね。今日は天気下り坂なんだって。


 みんな雷岩で待っててくれました。僕はそそくさと大菩薩嶺の三角点を踏みにじって写真をむしり取ってきました。その間5分あったかな?雷岩の位置を確認できず、目印に荷物をそこに置くつもりだったのが置けず、後から来て待っていてくれるはずのみんなをちょっとばかり混乱させました。ゴメンネ。


 見上げる空は快晴だね。
 どこから来た飛行機だろう。


 雷岩は大菩薩の稜線で最も高い、展望の良い場所らしいです。その雷岩から福ちゃん山荘に続く道が唐松尾根です。落葉針葉樹(まさに落葉松)の林です。


 福ちゃん山荘の休憩所。もう下界はすぐそこ。気温もやや高く、夜の雪は水となり地球をめぐる旅に出ました。
 仲間4人と僕は、ここで梅干しやらお菓子やらを食べまくっていました。誰か、お腹いっぱいとか言ってませんでしたっけ?


 福ちゃん山荘。昨日も通ったけど、日の光に照らされてなかったから、今日改めて撮りました。


 長兵衛ロッジへ誘導する看板。上り側にも同じのがあります。ビールときのこ汁で釣るか~。寒さ暑さで釣られるよなぁ、普通は。上手い商売やるやんけ。


 ツチグリ(ツチグリ科)です。乾いているけど、おもしろいカタチしていますね、やっぱり。
 もうここは長兵衛ロッジ~大菩薩登山道のルート上です。


 4人とは、丸川峠との分岐でお別れです。さよなら、みんな。またどこかの山で会いましょうね。でも、また大菩薩の湯で会うんですけどね。
 と、彼女ら(男性一人だけ)は車。ええい!車なんかに負けへんで!!
 そういいながら、雲峰時という寺で油売ってたりして。


 この階段はすてきですね。雲峰寺の階段だと思います。


 大菩薩登山道バス停からのバスは正午から3時間は空白(休日のみ)。でも、近くに大菩薩の湯という温泉があって、歩いて20分くらいかかるかかからないか。バス停のところでひなたぼっこしていたおっちゃんが「近くだよ」と教えてくれました。
 この写真は、そのすぐ側にある廃屋。旅先、どこに行っても見かける廃屋。寂しい。住んでいた人がいなくなるのはどうしてだろう…。都会に集中するのはどうしてだろう…。


 大菩薩の湯までは、国道歩き。そんなに遠くはないけど、多少の車通りは我慢。大菩薩の湯に着く頃、さっきの4人が乗った車が追いつきました。いぇい!勝ったぞ!


 大菩薩の湯のマイカー駐車場側の入口。バス停は建物のすぐ横に着いてくれます。


 あまり温泉の中の写真は撮れなかったのですが、それは行けば解るでしょう。小屋などに泊まると、割引券をもらうことが出来ます。600円の3時間券を300円に割り引いてくれる大変お得な券です。介山荘でいただきました。
 そして、ここで本当に一緒だった4人の仲間と今生の別れ。さよなら。元気でね。いろいろありがとう。今生と書いたけど、どこかで会えることを切に願っています。


 14時55分のバスまで時間がありましたが、みんなと話したり花を見たりしているとすぐに時間が過ぎてしまいました。塩山駅から乗った電車も大月泊まりの接続なしでしたが、逆に混雑してなくて、寝られました。帰りの電車全般を通して声をかけてくれる人が多くありました。
 結局、常磐線の新松戸駅まで誰かとどこかで会話していました。僕の大荷物が繋いだ人間の関わりです。
 今回の旅はほぼすべて、災いが逆転して福と化しました。
 ガスが雲海に、雪が銀世界に、寒さが澄んだ空気に、行動計画の狂いが人との出会いに、大きな荷物が大都会でのちょっとした会話に。喜びが止まらない旅。喜びが自然と人を動かし、その喜びがまた喜びを産んでくれました。素晴らしい旅でした。出会ったすべての人に、ありがとう。

 追記。介山荘の改修には、環境省からの認可が必要らしいけど、まだ下りないと主人は言っていたように記憶しています。
 え?なんで??と。僕は思います。東京築地市場を有害物質の上に移すのとか、数え切れないくらいのダム工事含む公共事業は平気で認可しておきながら、どうして?さっさと、山の旅をする人の安全と健康と、そしてかけがえのない出会いのために、認可してあげてください。

天気:晴れのちくもり、取手市では降雨の跡あり(山梨県塩山市・茨城県取手市)

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