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先の見えない天への道(利尻山:北海道)

2007年 5月 1日

※記録:5月4日

 朝、気がついたら夜は明けていました。夜中は突然風が強くなり、何度も起こされ、やや寝不足気味。
 でも、このおぼろな夜明けも、悪くないですね。


 テント。あまり見えないかもしれないけど、すごい風です。黄色の外張りが、テントに食い込んでいるのがわかります。


 荷物をテントに置いて、水と地図と行動食、カメラなどを持って頂上へ。アイゼンとピッケルがないとこの先も辛い。勾配はこの辺で40度はあるかな。しかも、凍結あるいは陥没する雪質。相当手を焼きます。


 この札、9合目と書いてあります。今まで、『~合目』と書いていた札を見ませんでした。すべて雪で埋もれていたのですね。苦労しました。


 突然口を開けていた大きな雪穴。直径2メートル、深さ3メートルほどあるかな。そして、その向こうは崖。厳しい。


 波打つ雪。この辺の雪も、凍っていたり柔らかかったりで、大変。


 後ろを振り向くと今まで上ってきた道が遥か下。島を縁取る海が霞んでいます。


 岩にまとわりついた雪か。樹氷の溶けたような跡もあります。とにかく急峻で荒々しい山であることがわかります。


 頂上から見た、ローソク岩と南峰。実は、南峰の方が高いのですが、立ち入り禁止。実際、ちょっと行ってみようと思ったのですが、危ないことこの上なし。滑落する可能性もあります。


 頂上…ですが、看板が埋もれています。ピッケルでごまかしておきます。看板、欲しかった。でもとりあえず、1719m(積雪深は含みません)達成。


 さて、これから下らないと。沓形方面へ下るのは諦め、そのまま鴛泊に。また鴛泊の縁取りを見ながらの下山。ポン山で隠れるようになるまでしばらくかかります。


 カンバ類がきれいです。…が、実は、プチ遭難しています。ポン山は見えているのに、登山道が見えません。ヤヴァイ。でも、草の根、笹の根かき分けてでも降りたってやります。


 昨日、鳥の少女と別れた『甘露泉水』のあるあずまやのところで北海道産小麦で作ったインスタントラーメンを食いました。塩辛い。のどが渇きます。


 『甘露泉水』近く、北麓野営場(ほくろくやえいじょう)があります。…が、まだ閉鎖。トイレすら使えません。


 鴛泊港まで降りてきました。利尻富士制覇のミッションはクリアできました。


 鴛泊港から礼文島の香深港に向かう船は終わっていたので、沓形港発の便を使うために、宗谷バスで沓形へ。原野の向こうに利尻富士。鴛泊から沓形までの間、ほとんどがこういう風景です。


 沓形港は鴛泊港みたいに栄えている様子はありません。稚内港までの直通便もなく、不便なせいなのかも。


 礼文島に着きました。2年前はあったかどうか覚えていませんが、おそらくこれ、ネコヤナギではないでしょうか。

 利尻富士をクリアしたので、次は礼文島で8時間コースと礼文岳を目指します。5月2日は雨だとの予報。さんざん利尻富士の雪で濡れた靴と靴下を乾かさなければなりません。1日の夜は、一泊5000円の宿をとりました。民宿海憧(かいどう)。香深港の観光案内の方が相当丁寧で、お膳立てをすべてしてくださいました。ありがたやありがたや…!
 空にはすでに高層雲。明日の雨を予言しています。

天気:曇り時々晴れ(北海道利尻郡利尻富士町・利尻町・礼文郡礼文町)

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