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鏡面の奥(箱根外輪山:神奈川県・静岡県)

2007年 5月 12日

 今日は箱根の山歩きです。仲間二人を伴うことになったので、やや緩めに設定。一人なら、どこまでも暴走するので…。
 朝5時18分起床。天気は良好。キムチと納豆ご飯で軽く朝食。よいスタートです。
 仲間が電車に乗り遅れ、少しだけ時間が遅れましたが、道に迷うこともなく、登山を始められました。箱根は新緑の季節。秋には赤一色になるだろう林冠。緑と青のマーブル。


 箱根旧街道は石畳。登山靴がぶれます。歩きにくい。でも、趣は何物にも代えられません。


 25000分の1地図にはないルートを歩きます。箱根外輪山。芦ノ湖の西手を走るスカイライン沿いの道。富士山を前方にひたすら続く、高原の道。
 実は、この時、あまり具合がよくありませんでした。緊張していたのかな。


 芦ノ湖と二子山。快晴ではないけど、快晴でない良さが、この空にはありますよね。絹雲の芸術。


 この写真は何でしょう?
 実は、木のうろに溜まった水に反射した、その木の姿です。水は浅いけど、映し出すものははるか上まで…。


 今日のピーク、三等三角点の三国山。周りはブナやらアセビやらに覆われ、殆ど視界なし。代わりに森の緑をたっぷり吸収して、一服。仲間二人は実はカップルです。水や食料を分け合う姿は、仲間であることに加えて、カップルとしての、雰囲気を感じます。


 芦ノ湖畔に降りてきました。釣り人が浜で黙々と何かを釣っています。色々魚はいるようですが、その中には外来種も…?


 …地球は泣かない。水はただの物質。魚も近寄らなければ無関係。
 でも、これでほんとにいいのかい?


 このあと、ケーブルカーに乗って、強羅(ごうら)から箱根登山鉄道で箱根湯本駅。『かっぱ天国』という温泉で疲れを癒します。随分長湯しました。
 箱根湯本駅周辺の店は、19時にはもう殆ど店じまい。人の本来あるべき姿です。不便であると思いながらも、本当は喜ばしいことなのです。


 前述の通り、今日はカップルの仲間二人と一緒でした。僕は、独り身ではありますが、そのカップルの前で引け目を感ずることはありません。もちろん、寂しさもありません。
 でも、この二人を見ていると、「人はここまで崇高な存在なのか」と、オーバーでも何でもない思いに駆られるのでした。信頼し合い、ともに成長し合う。一見ただ甘え合っているだけのようにも見えた。でも、僕が入れないその鏡面の奥には、どこまでも深く遠く続く愛情がありました。
 二人に向かって、僕はどうやら光を放っていたようです。しかし、鏡面反射されるその光はまだ僕には眩しすぎる。その光を受けとめられるほど、僕はまだ輝けない。僕はまだ、悪意と憎悪の闇にとりつかれたまま。もう少し待ってくれ…。

 ふうたろう旅日記は空間の旅。そういう面もある。でも、それ以上に、心の旅。旅先での出会い、交流は、何時も心を揺るがす。今日は一人の知人と、一人の初顔合わせの連れが仲間でした。彼と彼女は僕を揺るがしました。眩しかった。それは二人が放つ光なのか、僕が知らない僕自身の光なのか…。

天気:晴れ時々くもり(神奈川県足柄下郡箱根町・小田原市・静岡県三島市・裾野市・茨城県取手市)

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