Home > ふうたろう旅日記 > 富士は日本一の山(富士山:山梨県・静岡県)

富士は日本一の山(富士山:山梨県・静岡県)

2007年 10月 7日

※記録10月8日

 去年の今日は、三浦半島で遊んでいました。今年の今日は、日本一の山目指します。
 一度2時15分に目が覚めましたが、さすがに早いので、二度寝。次起きたらちょうど1時間半後でした。体内時計の精緻さに驚きを隠せない…というか、寝坊です。
 早起きの小屋番のおばちゃんが、薪ストーブの前でテレビを見ていました。僕は、さっさとごはんを食べて、いよいよ出発です。


 …とはいえ、夜明けはもうすっかり遅くなっています。利尻富士の雪の上では考えられないことでしたが…。
 ここは、六角堂。目視でも殆ど像を捕らえることができませんでした。樹林の中です。


 単独行を始めてから、夜明けに出くわすことが多くなりました。しかし、今日は、樹林の中で夜明けを迎えることになるかも知れない。そしたら、ちょっと悲しいぞ!


 6合目。うっすらと、小屋やブルドーザが散らかっているように見えます。
 樹林は…?


 そう、注視したいのは、この雲海です。どこまでも続く。富士山一つ、取り残されています。


 さっきも述べたけど、ブルドーザ痕。あまり気分の良いものじゃないね。


 あっ!来ました!!
 日の出。富士山のご来光です。6合目ちょっと過ぎで見ることができました。もやで光が屈折しているようです。


 赤く輝く山道。雲から出た富士山にのみ許される、輝きです。


 もうすっかり夜は明けました。次に来るのは、猛烈な日差し。眩しくて目も開けられないくらいです。
 そして、露わになる小屋と鉄骨の壁。


 七合目という文字が見えます。ここは7合目です。小屋は、各合ごとに、3軒以上はあります。しかし、このシーズンは、殆どが閉鎖されています。道行く人の話によると、吉田口登山道では、東洋館というところが開いていたとか何とか。


 さっきから出てくる山小屋とブルドーザ。そして、鉄骨と岩の壁。要塞を思わせるこの富士山は、今、崩壊の危機にあるそうです。
 理由はよく解りませんが、一つは、登山者の多さ。あと、僕が思うに、ブルドーザが入ることで逆に壊れているのではないかと思います。小屋の乱立も問題かも知れません。


 …だいぶ上まで来ました。僕が泊まっていた佐藤小屋は、もう遙か下ですね。
 雲も、遙か遠く、遙か下に。


 取手市で買った行動食のチョココーン。袋がパンパンです。ここまでしっかり膨張したものを見たのは初めて。
 僕もここまで膨らんでしまわないか、心配です。
 そういえば、高山病で具合を悪くして下りてきている小さな女の子がおりましたね。


 気が付いたら、雲も切れ切れ。周囲の山も見えてきて、市街地ももやの中に埋もれています。
 そして、10kmくらいの高さにある絹雲が低く見えてきました。天気は信じられないくらい良いけど、下り坂なのは間違いありません。


 ここは8合目。4時間コースタイムのところ、3時間45分(休憩と写真付き)。良いペースですね。


 ん?この狛犬と鳥居はもしや…!


 ついに、富士山のお鉢に着きました。あとは、最高峰剣ヶ峯を目指すのみ。
 …でも、腹が減りすぎて、もうダメ。3700mのインスタント焼きそばを食べました。超高級食品です(取手で買ったものですが)。


 ここに来るまでに気を抜くと、かなり辛いコースになります。剣ヶ峯(3776m)ですが、僕も含めて周囲を歩いている人もみんな、バテバテでした。お鉢の縁に着いた段階で、みんな気を抜いてしまうのですね。
 三角点を踏んで、クォーター・オブ・100名山。人生25個目の百名山です。


 頭を雲の上に出し
 四方の山を見下ろして
 雷様を下にきく
 富士は日本一の山

 南アルプス・八ヶ岳・北アルプス…。見えます。雷を聞くことはできませんでしたが、四方の山を見下ろしているのは、本当ですね。富士は頂上が素晴らしい。


 お鉢巡り、ちゃっかりやってしまいました。吉田口や須走口から登ると、ちょうどお鉢の反対側に剣ヶ峯があります。なので、巡らざるをえないのです。
 そして、巡って帰ってきたときの、この鮨詰めのような小屋群落。真夏は小屋の中も鮨詰め状態なのでしょうね。


 まるで、飛行機から写真を撮っているかのようです。でも、僕はちゃんと地上を歩いております。
 RAWデータで、空を撮りました。Picasaで処理しているので、多少色合いが変です。


 須走口方面にある、大陽館太陽館ではないので、注意。
 で、関西弁の小屋番たちが、布団で遊んだり、屋根で干してあったのを降ろしたりしていました。楽しそうですね。次来ることがあったら、ここに泊まりたいです。


 須走口に下りるときは、注意が必要です。吉田口との道は交錯していて、間違えると引き返すのは困難です
 そして、僕は須走口への分岐を間違えることはなかったものの、直進しすぎて、ブルドーザ専用のマイナールートで、ダイレクトに須走口に行ってしまいました(ジグザグじゃないってこと)。右足の膝がひどく痛みました…。


 須走口200m手前くらいです。こんなに天気が良いと思ったら、須走口は、一切視界の利かないガスの中!駐車場にいた人たちに、100mくらい上に行ったらきれいに見えますよ。というと、信じられない様子でした。
 自分の脚で登った者のみが見られる富士山。日本一の山は厳しいのだ。


 これで一応下山まで無事終わりました。あとは、須走口(5合目)のことを少し。


 有料トイレに置かれていた、酸性タイプの洗剤を発見。
 実は、酸性タイプの意味を知らなかった僕は、その成分に目がいきます。書いてあるのは、アルキルトリメチルアンモニウム、つまり、逆性石鹸(ぎゃくせいせっけん)です。普通の石鹸は、陰イオンですが、アンモニウムなので、陽イオンです。だから、逆。そして、陽イオンを安定させるために、塩酸を加えて酸性にしています。これが、酸性タイプの正体でした。満足。


 須走口の土産物屋さん。手作りの木イチゴジャム。虻が舐めるくらい美味いジャム。でも、使い方が解らないから、諦めました。


 富士山は(も?)キノコの宝庫です。アブラシメジ、ショウゲンジ(?)、キヌメリ、ホウキタケ…。そういえば、佐藤小屋でもキノコを捌いていました。3000種類くらいあるそうで、それらを見分け、きれいに採り、資源を枯渇させない技術とその継承には、脱帽です。(ふうたろう旅日記詳細に載せます)


 バスは、御殿場駅(JR)に行くのと新松田駅(小田急)に行くのがあります。僕は後者のに乗りました。
 これがまた凄いバスで、路地みたいなところを通ったり、前に行く車をあおったり(これはヤヴァイ)、なかなかスリルとサスペンスがあるものでした。運賃2000円。新松田駅直通なので、途中停車しません。コースは、運転手の裁量で決まるのだろうか。


 こうして無事、家に帰りました。縦長の旅は、終わりました。最後の山行を終えました。最期じゃなくて。
 帰りの時間の長さにはやきもきしましたけどね…。

天気:晴れ、下界はくもり(山梨県富士吉田市・静岡県駿東郡小山町)

Comments are closed.