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分析する人、される人

2008年 2月 21日

 このところ、夜寝るのが1~2時間ほど早くなりました。そして、起床も1時間早くなりました。睡眠時間の収支は0のはずなのですが、何故か、眠い。そして、朝、起きたいのに寒くて布団から出られない。ある意味、赤城山の時くらい、辛いかもしれない。
 さて、今日は新たに分析できる農薬の種類を増やすための仕事です。添加回収試験もそうなのですが、それより何より、農薬の標準品の混合物(しかも濃度が解っているもの)を調製しなければなりません。
 しかし、この試験管の数!この中から必要な38本の標準品を探し出して、100μlずつ量りとっていかなければなりません。
 それで…がんばったのですが、30本くらい終わったところで、マイクロピペッターの手を滑らして、犬死にしました。


 今日、予定外のテレビ局。僕は特に何もやってないけど、眠いところだったので疲れました。犬死にしてから、もう一度やり直したし。


 今日書きたかったことは、ひょっとしたらこれが一番かもしれません。
 今、生協の商品が特別問題視されています。消費者に、安全・安心(この2つは意味が違う)を届け、かつ、組合員とともにそういうものを作っていくところだった生協が、まったく逆行するような結果になっていることが問題なのかもしれません。事実、「生協だから信用していたのに」という声があるでしょう。
 僕の近くにあるコープ北秋津は、とても小さい店舗です。その小さな店舗に置いてある品物は何か。正直、普通のスーパーと変わらない。むしろ、店舗が小さい分、品揃えは悪いくらいです。
 その点、茨城県取手市井野にあった、今は無き常総生協井野店は、地域でとれた新鮮な野菜や、少ない国産の加工品を小さいながらも多数置いていました。あれがこの所沢市内にあれば、需要はあったと思います。僕はその一人。
 …でも、所沢市は違う。一般のスーパーと同じものを置いて、閉店時刻はスーパーよりも早く、値段も高く、品揃えも決して良いとは言えない。それで、生協がスーパーに勝てるのか?それとも、生協は、「安いものを求める消費者が悪い」と言い続けるのか?
 常総生協井野店は人通りのないところに店を構えていた。確かに経営が破綻して潰れた。でも、僕が店に行ったら、必ず客はいた。そう、中型~大型のスーパーが周囲に5つもあったのにね。今まで見たことはなかったけど、確かな品が置かれていたのです。日生協(日本生活協同組合連合会)の品もあったけど、独自のルートで選ばれた品が置かれていたのです。
 で、今その日生協が扱っている品で何が起こっているのか!だいぶ上になったけど、ビラに書いてあるとおりです。中国産の商品について、緊急に農薬(メタミドホス・ジクロルボス)についての商品サンプル検査を実施」しているのです。
 …何やってんの?一般のスーパーと同じことやって、見る影もないですがな。今はむしろ一般のスーパーは地産地消で動き始めていますよ。その進歩の方がまだ良く見えます。
 そして、前にも書いたけど、農薬を指摘されたから分析するのはやめてもらえませんか?僕は、分析をやっていて思うのですが、有機リン系農薬はメタミドホス・ジクロルボスだけではないのです。今日新たに報道された、ホレート(C7H17O2PS3パラチオン(C10H14NO5PS)もそうですし、クロルピリホスも、アセフェートも、有機リン系。見つかった後で分析をやっても、遅いのです。
 今、やっと輸入加工食品の残留農薬分析をやろうという気運が高まってきましたが、それらの分析はされてきませんでした(言われるまで気が付かなかったけど)。また、モニタリング検査といって、検査結果が出る前でも市場流通が出来るタイプの検査があります。これは、違反が見つかっても、見つかった頃には食べられた後だったりすることもあります。
 …生協が、結果的にこれと同じことをやっていて、どうして普通のスーパーに勝てるのですか?どこかの無知蒙昧な反共主義者は「生協は共産党…」などと言っているようですが、共産党はそんな阿呆ではありません。
 生協が自前の分析施設を持っているのなら、自信と誇りを持って、検査結果を発表してほしい。メタミドホスの検査の時、「ジクロルボスは同じ検査で得られたデータから読み取ることができ」(コープネット事業連合)たのですから、有機リン系農薬の一斉分析法(文字通り、たくさんの種類の農薬を分析すること)の抽出をやったのでしょう。ジクロルボスが検出されてから解析をするのは、遅いです。…検出器がFPDとかならそりゃ手間もかかるだろうけど。

 今日はもう一つあります。それは、東北農政局からの「MOTTAINAI」通達です。リンクが切れるまで見られるはずですが、切れたらちゃんと保存してあるので、別口でアップロードするつもりです。
 「米の過剰作付けは資源の無駄遣い」だそうです。そして、余っている主食用米から不足している麦・大豆等へ転作し、自給率を向上させましょう」?その余っている米をどこかの国から輸入している自民党政府には何一つお咎(とが)め無しで、稲作農家を攻撃するのですか。転作をするには大規模化を強制され、あるいは補助金をなくされようとしているのに、農家にこれ以上注文を付ける気ですか。そして何より、1950年代では30%弱自給していた大豆を今は3%にし、100%を超えていた大麦を8%にした政府が、今さら何を言っているんですか?しかも、農業基本法第2条1項の1で、「需要が増加する農産物の生産の増進、需要が減少する農産物の生産の転換、外国産農産物と競争関係にある農産物の生産の合理化等農業生産の選択的拡大を図ること。」って、そんな政策を押しつけてたのは誰ですか?「外国産農産物と競争関係にある」小麦などの生産を「合理化」させたんでしょ?良くもこんなことが言えたものです(データを見れば明らかで、1960年代以降、小麦や大豆の自給率が下がっていきます)。
 …結果、自給率39%。サバ読んで4割。イージス艦が漁船にぶつかって無能さを顕わにしたのに、こちらは無駄じゃなくて、過剰な米は無駄だというのですか。何をバカなことを…。

 僕は、法学や政治学は非常に苦手です。毎日情勢を追いかける根気がないから。でも、たまにこうやって歴史を追ってみると、思わぬ発見があるものです。この腐りきった政治と社会が唯一僕にもたらすものと言ったら、このつたない学習意欲くらいかもしれません。強迫観念に駆られて学習するのがいいとは思いませんがね。

天気:晴れ(東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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