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のび太の約束

2008年 2月 22日

 今日はとても忙しい日でした。サンプルはフルの12本。しかも、そのうち11本が、脱脂作業が必要でした。
 …そうなると、使う器具も多く、そのために洗う器具の数も多く、水や有機溶媒の使用量も比例して多くなります。したがって、廃棄物も多くなります。
 推定の、有機溶媒廃液量、2.4リットル。珪藻土カラム12本。その他諸々。
 量が多くなると、改めて自分たちの活動が如何に廃棄物の多いものであるかを感じるのです。


 今日のカテゴリーが、「番組から」になっているのは、テレビ番組を見たから。でも、16年も前に放送された、「ドラえもんのび太の雲の王国」。僕が中学1年生の時のアニメ。

ドラえもんのび太の雲の王国 あらすじ

 天国の存在を証明する、と、ジャイアン・スネ夫にタンカを切ったのび太が、ドラえもんの、天国はないという発言にがっかりした。ドラえもんは、そんなのび太を励ますように、自分たちで天国…つまり、「雲の王国」を作ることを勧めた。『雲固めガス』で集めてきた雲を固め、王国作りに着手した。
 しかし、資材・資金の不足で、王国建設の進捗は至って遅く、最初敵対していたはずのジャイアン・スネ夫、それから王国の城設計者である静香の3人が協力することになった。
 ある日、王国で遊んでいると、雲の王国は槍ヶ岳にまで流された。そこでのび太たちは、吹雪く槍ヶ岳山頂なんかにいるはずのない、「6000年前に狩り尽くされ絶滅したグリプトドン」と裸の少年を見つけ、少年を助けた。
 グリプトドンの存在に疑問を持ったのび太たちは、後日、槍ヶ岳に再捜索に行った(もちろん、タケコプターで)。ところが、捜索中に雲の王国を見失ってしまい、探している間に本物の天上界に迷い込んでしまった。そこは絶滅動物が保護されている島(雲の島である)だった。出迎えてくれた天上人パルパルとグリオに案内され、一晩泊まることになった。
 …が、5人が泊められた部屋は鍵がかけられ、トイレにさえ行くことができなかった。また、グリオの手荒な対応にも疑心暗鬼になった。結局夜の間に『通り抜けフープ』で部屋を出て、『どこでもドア』のある王国に帰ることにした。ところが、監視の「雷雲」の砲撃に遭い、怪我などはなかったものの、飛行手段を5人は失ってしまった。ジャイアン・スネ夫・静香は天上人に救助されたが、ドラえもんとのび太ははぐれてしまった。しかも、ドラえもんはその雷の砲撃で故障してしまった。のび太は故障したドラえもんを連れて「雲の王国」に戻る旅に出た。
 ジャイアンたちは天上人パルパルに連れられ、天上界の観光をすることになった。そこでジャイアンたちは天上人たちの人口の少なさに気が付いた。パルパルの説明によると、地上人がもたらす環境汚染で人口が減っているというのだ。そして、天上界連邦政府として、地上文明を一掃する『ノア計画』が実行されることを、ジャイアンたちは知ることになった。後日、彼らは連邦議会に地上人代表者として出廷させられることになった。
 のび太たちは、ノア計画の一環で天上界に連れてこられた過去の友人・ホイ(『小人族』と呼ばれていた人種)や、槍ヶ岳で命を救った少年・タガロ(彼もまたノア計画で天上界に連れてこられていた)の力を借りて、天上界・絶滅動物保護州を脱出し、自分たちの雲の王国に戻ってくることに、成功した。かくして自分たちの家へ『時差調節ダイヤル』を使って、王国へ遊びに出掛けた5分後に帰る…はずだった。
 ところが、のび太の家側で、のび太のママが、ダイヤルを触ってしまったため、のび太が見たものは、ノア計画実行後の10日後の東京だった。人は一人もいない、文明を破壊された東京。
 この破壊の事故のショックで、ドラえもんは正気に戻った。のび太はドラえもんの故障の間に見てきたものから、この文明の破壊(ノア計画)が天上人の仕業であることに確信を持っていた。こうして2人は王国に戻り、天上人と対等に交渉するための方法を考えた。それは、天上界をも破滅させる『雲戻しガス』による威嚇だった。もちろん、使うことなど、考えもしていなかったが。
 ジャイアンたちは、地上人代表として、ノア計画の連邦議会に呼ばれていた。連邦議会ではノア計画推進の立場から証人喚問が行われていた。熱帯雨林の破壊、核兵器使用の可能性、オゾン層の破壊、野生生物の殺害(象牙を採る、など)などの発言が相次いだ。ジャイアン・スネ夫は自分たちの生活の立場から、静香は環境を守ろうとする人がいるという社会的な立場から、それぞれ発言したが、天上人たちは受け入れなかった。ジャイアンたちの隣にいたパルパルが間に入ることで、その場は一時閉廷になったが、ノア計画の決行が先延ばしにされたに過ぎない状態だった。
 のび太たちの「威嚇」作戦を実行しようとしている王国内に、ジャイアンたちとは別の地上人たち(密猟中にたまたま天上界に連れて行かれた)が、天上界の警察組織から逃れて不時着した。彼らからノア計画を知らされたのび太たちは、自分たちの作戦を彼らに教えた。
 一方、ジャイアンたちとパルパルは、逃げた地上人たちを追って、のび太たちの王国に来た。
 彼らの乗った飛行艇(円盤型)のレーダーに気をとられていたのび太たちの隙を狙って、例の地上人たちが王国を乗っ取ってしまった。そこへ、ジャイアンたちとパルパルが到着し、全員が牢獄に幽閉されてしまった。
 地上人たちはついに天上界への攻撃を始めた。エネルギー施設の固まっている島が一つ、破壊されてしまった。そう、『雲戻しガス』を使って。天上界の軍隊は反撃を始めたが、頑丈なのび太たちの王国は無傷。その間にも天上人たちが多く住む中央州に、王国は接近していった。ドラえもんはその責任を強く感じ、「こうなったらガス(雲戻しガス)タンクに穴を開けるしかない。」…王国の破壊をためらうのび太に、「天上人何千万人の命には換えられない!」と言った。ドラえもんは叫んだ。「僕がタンクに穴を開ける!パルパル!みんなを頼む!!」続いて、ドラえもんはガスタンクに頭から突っ込んだ。かくして、王国は崩壊した。
 直後に開かれた天上界連邦議会。地上人を弁護したのは、のび太たちが命を救ったホイたち、行動の一部始終を見ていたパルパル、そして何と、天上界と同盟関係にあった植物星の大使・キー坊だった。キー坊もまた、過去にのび太たちが命を救い、植物星に送り出した人物(?)だったのだ。
 植物星大使・キー坊の助力で、天上人は植物星に移住することになった。かくして、ノア計画は回避され、いつもの、平穏な生活がのび太たちの世界に戻った。

 2時間のアニメなのでだいぶ長くなりました。
 これは、16年前のアニメですが、環境破壊に対する警鐘は当時から鳴らされていたのです。
 のび太たちは、「自然を守ろう」「天上人たちが戻ってこられる日が、一日でも早く来るようにがんばるよ」と言っていました。そう、あののび太の約束は、僕らが果たすべき約束なのです。
 しかし、残念なことに、京都議定書で5%の二酸化炭素削減を約束した日本はその達成はおろか、むしろ増加させているのです。そして、その温暖化を否定するために、評論家が、科学者が、何をしているか…。16年前の情勢とは違って、貧困は拡大し、新技術の享受どころか生活すらできない時代になっています。のび太の約束は、ただの言葉で終わらせてしまって良いのでしょうか。
 一方で、のび太の約束を果たすために活動している人がいて、気にかける人が多くなっていることも事実です。勢力的にはまだまだ弱いですが、16年前と比べて、どうだろう。情勢は、のび太の約束に逆行しているでしょうか。たとえそれが商売のためであったとしても、エコが売り物にならざるを得ない情勢になっているのは、進歩と見なしても良いのではないでしょうか。
 『ドラえもんのび太の雲の王国』。なかなか、先見の明があると思いました。16年前には、いや、5年前でさえも、恐らく気が付かなかったでしょう。
 ちょっと余談になりますが、『雲の王国』以降、メッセージが響かなくなっているのが残念です(最後に見たのは、『ねじまき都市』か『南海大冒険』)。それは、ゲームの傾向と同じかもしれません。何でだろう。色々なものが、あの当時と大きく変わった気がします。しかも、あまり良くない方に。「のび太の約束」を示した大人たちが一陣を退き、「のび太の約束」を果たすべき僕らがその一陣にさしかかっているというのに。
 僕も、何かしなければね。仕事で出てくる廃液の量を減らしたり、エネルギーの無駄遣いをやめたり、しがらみのない市民運動に参加したり…と。
 さて、オーバーヒートしてもしょうがないので、今日はそろそろ終わりますか。明日、明後日もありますから。明日は学習会。

天気:晴れ時々くもり(東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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