泥漕ぎと風
※記録:4月7日
昨晩は早く(23時くらい?)に寝ました。空気が乾燥して3回くらい喉の痛みで目が覚めましたが、ま、何とか。
さて、今日こそ、種まきのお手伝い。安達太良山の裾野に広がる水田地帯にて。
これが、僕らが山に行っている間に、種籾を植え付けられたポット。この木札は、チヨニシキという品種のイネを意味しているようです。
このポット、1枚に何個の穴が開いているんだっけ。とにかく、これを500枚、4回くらいに分けて軽トラックに積み込みます。がんばれば8枚くらい持てますが、4枚くらいでコンスタントにやるのがベスト。
木札に「21号」とあるのは、「農林21号」という酒米だそうです。
他に、餅米がありますが、品種が混ざると大変なことになるので同時に運びません。
この田んぼの泥の上にさっきの苗のポットを敷き詰めていきます。ロープで正中線を合わせて、並べるための目印を付けています。
さて、始めますよ。
簡単そうに見えますね?
まず、足を泥に取られることに慣れなければなりません。加えて、腰をかがめる姿勢をこれから続けることを想像しなければなりません。
普段はこの夫婦で毎日やっているのです。今日はたまたま僕らがいますが。足腰が痛いのを圧して作業しています。
500枚のポットを全部敷く床(泥の平地)の面積が足りなくなって、急きょ拵えました。僕もやってみようと思いましたが、泥に足を取られた上に、鍬がいうことを聞いてくれません。
12時までに(3時間強)、500枚敷き終わりました。
なんだ、大したことないやん。
納屋の側を通ったら、この袋を見かけました。硫安。硫酸アンモニウムですか。水に溶かせば酸性。さっきの化成肥料の粒の中にも入っていたでしょうけど、どれだろう。
タチイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)です。オオイヌノフグリ(同)よりも花の大きさは小さく、茎が立っているように見えます。
同じところにこの2つが咲いていたので、違いがよく判りました。
昼飯前に、Wさんの後に付いていって、卵採り。3つの小屋で20個くらい集まったでしょうか。
卵を集めていると、にわとりの親たちが攻撃してきます。そして、場合によっては卵のあるところを陣取っているので、「ちょっと、どいて!」と言いながら、どいてもらいます。…卵をもらうんだからね。
でも、そんな時に卵を蹴爪で踏んづけて、かち割ることがあります。そしたら、一気にその卵めがけてにわとりが飛んで集まってきて、殻も残らず食べられてしまいます。シャッター押す余裕なんてありゃしない。
………。
とりあえず退(ど)けよ!
これが噂のくず米ですか。カラフルです。あのひよこちゃんたちのエサになるのですね。
納屋の片隅で蜂が活発です。近づいても攻撃しては来ませんが、ヴンヴン飛んでいるので、かなり怖いものがあります。
お昼休みの長閑(のどか)な風景。どこかでたき火しているみたいです。
イモでも焼きたいな。
後半はパパッと片付けちゃいましょう!
ビニール敷いて、カバー掛けるだけですもん。全然大したことないッス!
…バカめ!甘いわ!
はい。実は、このシートを掛ける作業は、午前中の作業にも勝るくらい大変なのです。
午後から風が出てきたので、掛けたシートは思い切り巻き上げられます。泥に足が取られるので、絶対防御し切れません。まさに、鬼の居ぬ間に洗濯。風が止んだ時を狙って一気に片を付けます。
…こうして、1本目が出来上がりました。まだ3本残っていますよ!
3本目が一番長い。当然、文字通りの風との泥仕合。水・土・風の3属性攻撃は4人がかりでも強烈です。
…勝つまで終われませんからね。
最後の1本は短めです。あと少し!
そうそう、説明を忘れていました。
ポットの板の上に敷いたビニールシートが、風で剥がれた分も含めてピッタリと敷かれた状態の上に、3枚前の写真にある緑のUの字状の棒を一定間隔で挿していきます。その上に、2枚の違う種類のシートをまたかぶせて、シートの両端を泥に埋めます。
…そう、テントの外張りを雪に埋めるような感じです。
最後に、針金で押さえて、風の攻撃を最大限防御して、終わり。
3時間かかりました。
作業がすべて終わったら、何と、温泉に連れて行ってくださいました。ここは、安達太良山山麓西側の、沼尻温泉。
そう、こちらは硫黄泉です。だから、石鹸は使えません。これは化学的なものなので、覆りません。
お風呂のあとは、ソバです。これまで御馳走になってしまって、何だか申し訳ないです…。
が、美味かった。そして、後で腹が減りました。
作業後の全景を撮り忘れていましたね。これが4人が1日かけてやった労働です。
重労働の1日が終わりました。予想以上の重労働でした。でも、終わったら、なぜか満足感がありました。
このあと、僕は新幹線で帰路につきます。Wさんは1000円くらいしか変わらないのに鈍行列車で帰ると言い張って、妹さんに郡山駅まで送ってもらった後に別れました。
この後のことは、また日を改めて書こうと思います。
実に無計画な「計画」でしたが、いや、行って良かった。山もそうですが、まともに農作業をやってみて、そのきつさをまず感じました。喜びは…、たぶんこれから先の話でしょうね。
890日あまりある中で、たった3日しかない農業体験の日の、1日。がんばったよね?
天気:晴れ(福島県郡山市・耶麻郡猪苗代町)