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風の通り道(知床:網走支庁・根室支庁)

2008年 4月 28日

※記録:5月5日早朝

 ここは斜里第一ホテルの食堂。明るさからして、どうやら晴れているみたいですね。


 ホテルの朝食。夕食なはずがないですよね。今日はもう、知床の羅臼岳(らうすだけ)を登るのですから。


 今回の旅日記は細かいですよ!
 実は、このイチゴ・オレで、腹が下りました。飲んで数分で、ゴロゴロゴロ…ッ!!
 どうして、カ行の濁音とラ行の組み合わせって、こうも不吉なのでしょうね!


 うむ。晴れておるの。
 見えているのは斜里岳(しゃりだけ)。本当は、ここも候補に入れていたのですが、知床一帯で固めてしまってはおもしろくないと思ったので、あえて今回は外しました。
 待ってろよ、クイーン!


 斜里バスの切符。今日から運行、知床五湖行き。入鋏のシステムがレトロで、すばらしい。
 しかし、バスの中に乗っていたのに、この切符が思い切り風で飛ばされて、マンガみたいに天高く舞い上がり、マンガみたいに追いかけるふうたろう。どうしてこうもネタが尽きないんだろう。


 いよいよ知床・岩尾別(いわおべつ)に向かうのです。オホーツク海を初めて見る僕です。予報とは裏腹に好天ですし、きっとうまくいくさ。


 運転手さんとばすガイドさんに見送られ、また僕も見送って、お互い逆方向へ向かいます。さぁ、クライムオーン!


 荷物は30kgほどあったようです。でも、あこがれの知床・羅臼岳。がんばり抜いてみせる。


 およっ!いきなり雪道。しかも、にわか雨が降ってきましたぞ!
 アイゼンを履き履き、カッパを着、逆にクソ暑いのでウェアを脱ぎ、Go on!


 ゲッ!ヒグマだってよ!!
 …判ってはいたけど、やっぱりおぞましい。できればお会いしたくないね。


 およっ?人がカッパを着たら晴れてきましたぞ。悲しむべきか喜ぶべきか。
 …僕は後者でしたが。


 晴れてきましたねぇ。景色は抜群です。岩尾別温泉からのコース、最初の岩場より西方面です。10時50分頃の景色。


 知床の連峰の裾野に広がる平原。そして、オホーツク海。どれだけ憧れていたでしょう。僕はこれが見られただけでも十分です。


 でも、やっぱり羅臼岳。僕は100名山は最低でも撃破したいのです。


 むむっ!また曇ってきたぞ!!
 でも、まだ周りは晴れているし、大丈夫でしょう。


 西風が吹いているのに、西に厚く遠く、雲。…これはだめかも知れない。


 北と東側は概ね展望良好なのですが、羅臼岳のある南と西側はかなり雲が出てきました。見えているのは、三ッ峰(左)と羅臼岳(右)。


 埼玉で班会をやったときに、Tさんからもらった餞別のクッキー。これは助かった!


 羅臼岳の頭がいよいよ雲を被ってきました。これはガスだな。たぶん、荒れる。


 全天を雲が覆いました。風が強くなってきました。でも、雨合羽を着ただけで、所沢にいるときとさして変わりない服装でも、全然寒くない。北海道全域で起こっている驚異的な高温状態を物語っています。温度計は4℃くらいを指していました。


 ここは極楽平という、だだっ広いところです。今まで急登に耐えて上ってきた、その結果行き着いた、本来は美しい場所なのでしょう。
 でも、今は厚い雪と枯れ木に覆われた荒野です。


 う~ん…
 サシルイ岳がかなり雲を被るようになりました。そして、どんどんその雲は下に下に下がっています。本格的な荒天の予感。


 西の方は、まだ少し太陽も照っているようですが、希望は持たない方がいい。
 それよりも、うっすらと見えている利尻山の方が気になります。去年、登って、あの上でテント泊したんですね。抜群の快晴でしたね。


 今回の旅とは直接関係ないのですが、実は、屋久島でなくしたと思っていたイボ付きの手袋の片手が、よりによって日本の対局の場所で、カッパの左ポケットから発見されました。でも、これは偶然ではなく、必然ですね。妙な嬉しさに駆られました。


 知床連峰は完全にガスの中に入ってしまいました。そして、ついに、雪が降り始めました。
 …っていうか、雨じゃなくてよかったと、マジで思う僕でしたが。雨うざい。


 よく見れば、すごい坂で、すごいガス。今、どこにいるんだろうね。判ってはいるんだけど、上って下りたくないから、できるだけ上を歩こうとして、大変なことになっています。


 猛烈な暴風雪。降雪量自体はほとんどないのですが、強烈なのは暴風で、しかも雪がアラレに変わって、吹き付けるのです。まるで、散弾銃のように。ただそれが後ろから吹いていたので、前に進めたのですが、進んだら戻れません。つまり、エスケープ不可能。


 これは雪のために起こる現象ではありません。ガスの水滴(雲は気体ではなく、液体の水が気体の空気に分散したコロイドです)がハイマツなどの物体に当たって堆積したものです。


 …っていう理屈はともかく、全然現在地と行き先が判りません。それって、遭難っていうんじゃ?
 女峰山の時と同じで、地形と地図とコンパスで直進するしかなく、ハイマツに申し訳ないことをしました。
 なお、後ろに戻ることはできないし、防風できるものは散在する岩しかないので、その岩に行くためにも、歩くしかなかったのです。

 何とか幕営場を見つけて、岩の風下側に、それでも暴風の中テントを張りましたが、かなり苦労したのは言うまでもありません。数分に一瞬だけ治まる風の合間(数秒もない)を使ってテントを固めて、中に重い荷物を放り込んで、空腹のあまり飯をがっつきました。
 18時頃、寝てしまいましたが、20時42分に小便をしたくなって起きて、小便をしたら、まるで霧吹きのよう。こんなことは初めてです。暴風の恐ろしさを知りました?

天気:晴れ一時雨後時々雪、非常に強い風を伴う(北海道網走支庁斜里郡斜里町・根室支庁目梨郡羅臼町)

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