Home > 未分類 > ダークエナジー(阿寒湖畔:釧路支庁)

ダークエナジー(阿寒湖畔:釧路支庁)

2008年 4月 30日

※記録:5月5日9時台

 …一晩明けた釧路市。ぐったりの朝。理由は述べたくもない。
 さて、釧路市にいてもしょうがないので、次なる阿寒国立公園に向かいますか。


 阿寒湖畔行きの生活路線バス往復切符。600円くらい安くなります。


 バスの中では半分くらいグースカ。空のように、曇った心で阿寒町観光地をうろうろする僕。
 ここはアイヌコタン。アイヌを売っている場所とでもいいますか。


 とりあえず、あまりまともなものを食べて釧路を出てこなかったので、ここで飯を食べました。丸木舟。


 これ、キトピロラーメンという名前だそうです。本来は何かの肉が入っていた(シカだったか)のですが、肉ダメ人間ふうたろうがわがままを言って除去(要は肉抜きで注文)してもらいました。
 トッピングの主体は行者ニンニクの加工品なのですが、…どこ産だろうか、と、ふと考えてしまうのです。何気に、スープはちょっとくどく感じました。化学の味だとは思いたくないのですが。


 阿寒湖をかなり悲観的に見つめていた僕が次に目を付けたのは、阿寒湖の遊覧船。1890円だったか、経験のため、一度は乗ってみようと思いました。もちろん、元は取らせてもらいます。


 空が一日高層雲に覆われていて、不快な気分が更に悪うなる。要するに、今日はあまり動くなっちゅうこっちゃな。


 こういうバカっぽい土産物、別名があったような気がします。
 まぁ、こういうのもあるということで。


 さて、出航ですよ。
 水が黒い。そして、阿寒湖のマリモを何ちゃらというのに、スクリューで湖底かき回して、何やってんだろうとか思ったりします。


 阿寒湖の上からは、もちろん雄阿寒岳がちゃんと見えます。曇り空に映えていますね…。


 こちらは雌阿寒岳。手前の輪郭がはっきりしているのは別の山(フレベツ岳など)ですが、奥のうっすらしていて、多少雪がある山が、雌阿寒岳山系です。


 この島は、忠類島(ちゅうるいとう)というらしく、阿寒湖北部に浮かんでいます。そして、そこにはビジターセンターみたいな建造物があります。


 なんか、晴天の時の風景が容易に想像できる上に、あまり引きよせられるものがないという雰囲気。痛いッス。


 例の建造物の中にはいると、こうしてマリモが培養されています。実際、阿寒湖の底に、本当にこれが沈んでいるのでしょうか。


 家族連れの人たちがたくさん…ってほどでもないけど、平日にしては多いんじゃない?


 島から雄阿寒岳。確か、観光客の人のシャッターを押してあげたような気がする。笑顔絶えかけふうたろう。


 なんか、薄暗くて、案内の意味が解らなくて、もう二度と乗るかと思ったけど、経験をしたという意味で元は採れたと思います。というわけで、次行こう。


 というわけで、気を取り直して、ボッケという、別府の地獄巡りでいう坊主地獄のある散歩コースを歩きました。
 昨日までスゴいコースを歩いていたので、今日くらい、"ハイパーよちよちコース"でもいいでしょう。
 でも、歩いていると、この浜、意外と綺麗です。カーブといい、湖の色といい、悪くない。


 落ちている石は、かなり脆い。凝灰岩というやつでしょうか。道路に絵くらいは描けそう(僕は絵心はありません)です。


 マリモの歌ってのがあるらしい。


 これがボッケです。看板によると、「アイヌ語で『煮え立つ』という意味」になるようです。周囲は、硫化水素の臭いがたちこめています。


 この辺りで関西のおばちゃん軍団に声を掛けられます。少し元気を取り戻したような気もしなくもない。
 で、「この辺り」といっても、写真は地面を写してしかいないのですが、この岩や土、触ると暖かいのです。それゆえに、雪が積もらないなどの条件に適応した生物種があるそうです。
 そういう意味での金網が、この辺りにはちらほらあります。


 お馴染みミズバショウですね。そこいら中咲きまくっています。ミズバショウの花がニオっている。


 これ、どうやらフクジュソウ(キンポウゲ科)らしい。地面からいきなり花が咲いているイメージだったので、全然解らなかったのです。


 さて、ちょっと町中を歩いてみますか。
 …。見つけてしまった廃墟。ガラスは割られていて、中にはゴミが散乱しています。弁護の余地はなかろうな。


 今日、そして明日泊まることになった『桐』です。この旅館(兼木彫りの民芸店)の裏には温泉の源泉があるらしいことが判りました。


 実は、桐が温泉の源泉の直近であることを知ったのは、この姫鱒丼を食べさせてくれる『寿し忠』のマスターが教えてくれたからでした。
 姫鱒は、阿寒湖や雄阿寒岳を挟んで反対側のパンケトーという湖から捕れるものらしく、今日のはルイベでした。味は、信じられないくらい美味い。姫鱒イクラ丼として、2000円の価値は確かにある。
 マスターとはちょっと濃い話もできて、昼間の阿寒湖のダークエナジーは晴れました。心なしか、空も少し明るくなったような気もします。


 桐に帰ってきました。夜店の中にいると、木彫りが明るい。22時くらいまで営業していて、根性見せます。
 そして、またここのマスターたちと2時間くらいおしゃべりをしているのです。
 念のため、阿寒タクシー(桐から歩いて5分もかからないだろう)にも行って、運転手兼社長のおっちゃんから、雌阿寒岳のコースで進言があって、これまた長話をしていました。
 この調子だと、明日以降、大丈夫そうですね。


 必ず確認しておく成分表。有害金属が入っていないかどうかなんか、確認はしない。純粋に化学的な好奇心で見るだけです。


 明日も泊まることになった旅館だったので、部屋はかくして洗濯物乾し場になりました。細引きが役に立った。
 しかし、ちょっと問題がありました。それはその問題が発覚した5月1日付で。


 この観光地で、なかなか儲かっているかと思っていたのですが、意外と厳しい実態も聞かされました。阿寒湖といえば観光客もたくさん来ると思っていたのですが、ホテルの建築基準が変わって民宿系統が打撃を受けたとか、土産物や食事処系があるシステムのせいで売れにくくなったとか。
 そりゃそうだ。ホテルみたいに大規模に客を吸収できる施設があれば、数人~数十人レベルで客を扱う民宿が、ツアー客などを集められるはずもない。そして、ひなびたところほど、滅びる必然。
 20年あまりの間に、50くらいあったうち18くらいが潰れたという話も聞いた。…ダークエナジーは僕だけのせいではないのかな?

天気:くもり(北海道釧路支庁釧路市・阿寒郡阿寒町)

Comments are closed.