ダークエナジー(阿寒湖畔:釧路支庁)
※記録:5月5日9時台
…一晩明けた釧路市。ぐったりの朝。理由は述べたくもない。
さて、釧路市にいてもしょうがないので、次なる阿寒国立公園に向かいますか。
阿寒湖畔行きの生活路線バス往復切符。600円くらい安くなります。
バスの中では半分くらいグースカ。空のように、曇った心で阿寒町観光地をうろうろする僕。
ここはアイヌコタン。アイヌを売っている場所とでもいいますか。
とりあえず、あまりまともなものを食べて釧路を出てこなかったので、ここで飯を食べました。丸木舟。
これ、キトピロラーメンという名前だそうです。本来は何かの肉が入っていた(シカだったか)のですが、肉ダメ人間ふうたろうがわがままを言って除去(要は肉抜きで注文)してもらいました。
トッピングの主体は行者ニンニクの加工品なのですが、…どこ産だろうか、と、ふと考えてしまうのです。何気に、スープはちょっとくどく感じました。化学の味だとは思いたくないのですが。
阿寒湖をかなり悲観的に見つめていた僕が次に目を付けたのは、阿寒湖の遊覧船。1890円だったか、経験のため、一度は乗ってみようと思いました。もちろん、元は取らせてもらいます。
空が一日高層雲に覆われていて、不快な気分が更に悪うなる。要するに、今日はあまり動くなっちゅうこっちゃな。
こういうバカっぽい土産物、別名があったような気がします。
まぁ、こういうのもあるということで。
さて、出航ですよ。
水が黒い。そして、阿寒湖のマリモを何ちゃらというのに、スクリューで湖底かき回して、何やってんだろうとか思ったりします。
阿寒湖の上からは、もちろん雄阿寒岳がちゃんと見えます。曇り空に映えていますね…。
こちらは雌阿寒岳。手前の輪郭がはっきりしているのは別の山(フレベツ岳など)ですが、奥のうっすらしていて、多少雪がある山が、雌阿寒岳山系です。
この島は、忠類島(ちゅうるいとう)というらしく、阿寒湖北部に浮かんでいます。そして、そこにはビジターセンターみたいな建造物があります。
なんか、晴天の時の風景が容易に想像できる上に、あまり引きよせられるものがないという雰囲気。痛いッス。
例の建造物の中にはいると、こうしてマリモが培養されています。実際、阿寒湖の底に、本当にこれが沈んでいるのでしょうか。
家族連れの人たちがたくさん…ってほどでもないけど、平日にしては多いんじゃない?
島から雄阿寒岳。確か、観光客の人のシャッターを押してあげたような気がする。笑顔絶えかけふうたろう。
なんか、薄暗くて、案内の意味が解らなくて、もう二度と乗るかと思ったけど、経験をしたという意味で元は採れたと思います。というわけで、次行こう。
というわけで、気を取り直して、ボッケという、別府の地獄巡りでいう坊主地獄のある散歩コースを歩きました。
昨日までスゴいコースを歩いていたので、今日くらい、"ハイパーよちよちコース"でもいいでしょう。
でも、歩いていると、この浜、意外と綺麗です。カーブといい、湖の色といい、悪くない。
落ちている石は、かなり脆い。凝灰岩というやつでしょうか。道路に絵くらいは描けそう(僕は絵心はありません)です。
これがボッケです。看板によると、「アイヌ語で『煮え立つ』という意味」になるようです。周囲は、硫化水素の臭いがたちこめています。
この辺りで関西のおばちゃん軍団に声を掛けられます。少し元気を取り戻したような気もしなくもない。
で、「この辺り」といっても、写真は地面を写してしかいないのですが、この岩や土、触ると暖かいのです。それゆえに、雪が積もらないなどの条件に適応した生物種があるそうです。
そういう意味での金網が、この辺りにはちらほらあります。
お馴染みミズバショウですね。そこいら中咲きまくっています。ミズバショウの花がニオっている。
これ、どうやらフクジュソウ(キンポウゲ科)らしい。地面からいきなり花が咲いているイメージだったので、全然解らなかったのです。
さて、ちょっと町中を歩いてみますか。
…。見つけてしまった廃墟。ガラスは割られていて、中にはゴミが散乱しています。弁護の余地はなかろうな。
今日、そして明日泊まることになった『桐』です。この旅館(兼木彫りの民芸店)の裏には温泉の源泉があるらしいことが判りました。
実は、桐が温泉の源泉の直近であることを知ったのは、この姫鱒丼を食べさせてくれる『寿し忠』のマスターが教えてくれたからでした。
姫鱒は、阿寒湖や雄阿寒岳を挟んで反対側のパンケトーという湖から捕れるものらしく、今日のはルイベでした。味は、信じられないくらい美味い。姫鱒イクラ丼として、2000円の価値は確かにある。
マスターとはちょっと濃い話もできて、昼間の阿寒湖のダークエナジーは晴れました。心なしか、空も少し明るくなったような気もします。
桐に帰ってきました。夜店の中にいると、木彫りが明るい。22時くらいまで営業していて、根性見せます。
そして、またここのマスターたちと2時間くらいおしゃべりをしているのです。
念のため、阿寒タクシー(桐から歩いて5分もかからないだろう)にも行って、運転手兼社長のおっちゃんから、雌阿寒岳のコースで進言があって、これまた長話をしていました。
この調子だと、明日以降、大丈夫そうですね。
必ず確認しておく成分表。有害金属が入っていないかどうかなんか、確認はしない。純粋に化学的な好奇心で見るだけです。
明日も泊まることになった旅館だったので、部屋はかくして洗濯物乾し場になりました。細引きが役に立った。
しかし、ちょっと問題がありました。それはその問題が発覚した5月1日付で。
この観光地で、なかなか儲かっているかと思っていたのですが、意外と厳しい実態も聞かされました。阿寒湖といえば観光客もたくさん来ると思っていたのですが、ホテルの建築基準が変わって民宿系統が打撃を受けたとか、土産物や食事処系があるシステムのせいで売れにくくなったとか。
そりゃそうだ。ホテルみたいに大規模に客を吸収できる施設があれば、数人~数十人レベルで客を扱う民宿が、ツアー客などを集められるはずもない。そして、ひなびたところほど、滅びる必然。
20年あまりの間に、50くらいあったうち18くらいが潰れたという話も聞いた。…ダークエナジーは僕だけのせいではないのかな?
天気:くもり(北海道釧路支庁釧路市・阿寒郡阿寒町)