レジ袋削減は意味があるか
ちょっと、気を取り直して、環境系の本でも読んでみますか。
今日、手に取ってみたのは、よりにもよってえげつない題名ですが、『偽善エコロジー』(武田邦彦)です。全部を読んで全部の評価をしていたら、論文になってしまうので、読んだ2節ほどだけ。
一つ目は、「レジ袋削減は環境によいかどうか」という問題。
著者の主張をまとめます。
レジ袋に使われる原料の石油成分は、昔は使われていなかったものを、言わば廃品を有効利用しているものである。
この利用をやめた場合、次のことをやらなければならない。
- レジ袋に使っていたこの石油成分をまた昔のように燃やさなければならない(捨てなければならない)。
- 買い物袋(エコバッグ)を新たに作らなければならない。エコバッグを作るには稀少な成分である「BTX成分」を使わなくてはならない。
- ゴミを捨てるための袋に使っていたレジ袋の代わりに、レジ袋と同じ成分でできたゴミ袋を消費者が新たに買わなければならない。
- レジ袋に使っている石油量は25万トン。レジ袋を半分削減したとしても全体のエネルギー量からすると0.023%の削減にしかならない。6%削減の240分の1にしかならない。
概ねこんな所でしょう。データでどうこう言うより、ロジックという感じがします。
1に関していえば、レジ袋に使っていた石油成分を使わなくなるところまではわかるが、「燃やす」必要はないし、ポリエチレンの原料となるエチレンの使い道は、ポリエチレンだけとは限らないのだから。ポリエチレンの利用については、もう少し勉強しよう。
2に関しても、エコバッグはBTX(これが何なのか、わからないけど)でなくても、著者のいうように、綿を使う手もあります。
3に関しては、実はふうたろうもその通りだと思う。レジ袋はそのまま廃棄することはほぼないし、山道具の下着入れやゴミ袋などに頻繁に使います。ただ、100%の人がそういう使い方をするかどうかはわかりません。少なくともゴミ袋を実費で購入するなら、無駄に使うことはないという話もあります。念のため、レジ袋の生産はタダで行うことは、経済学上不可能です。
4に関しては、難しいです。著者が「大した量ではない」と判断すれば、著者にとっては大したことがないのでしょう。しかし、何ならば大したことがあるのか、という話をしなければ、この240分の1という対比もあまり意味のある数値にはならないでしょう。
次の節は割り箸の話でしたが、長いのでやめます。またいつか。
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