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雨と常念(常念岳一ノ沢コース:長野県)

2010年 7月 3日

 さて、今週でいったい山行何連チャンだろう。記録を見ると、どうも19連チャンらしいけど。
 とにかく、昨日の夜、松本に前泊して、柏矢町(はくやちょう)経由で一ノ沢林道の終点にやってきました。そう、去年12月、常念岳を断念したあの、一ノ沢です。
 しかし、ここ、柏矢町からタクシーで来たら、4700円もかかってしまいました。ゲートまでが2300円だったあの時に比べると2倍。


 前置きを書けば色々あるけども、書こうと思えば永久に長くなるのでやめときます。とりあえず、さっさと出発しましょう。今日はもう梅雨真っ盛りの本州ですから、雨の降っていない今のうちに(松本駅前や柏矢町駅前はかなり降っていましたが)進むのです。まあ、鬼の居ぬ間に洗濯ってやつですか。


 あの時、雪で埋もれていた風景を思い出しながら進んでみます。


 山の神。
 あの時は木に積もった雪が溶けて雨のように降ってきたものですが、今日は本当の雨が降りそうな予感。しかし、今は止んでいるので、去年の雪解けよりはずっとマシという話。


 薄暗い樹林帯を侵攻。嗚呼、暗い。


 樹林が少し切れて、河原というか、岩の上に乗っかって川を。雪解け水と最近の雷を伴った豪雨で増水しているようです。


 しかし、雨が降っているということは水も豊富だということで、好き放題採水可能。


 曇っていても、やっぱり川の流れは美しい。


 見上げれば見上げるほど、曇り空が広がっている。


 笠原。去年の12月、大量に雪が積もっていて、ガレ場は完全に埋まっていたし、あの低木のある辺りの段差もかなり今と違っていたような。


 この立て札も殆ど埋まっていたような。


 あの時の雪景色と比較しながら見てみるといいかも知れない。
 2009年12月12日
 2009年12月13日


 この木を並べた橋、あった。


 下流方向。


 上流方向。流れがきつい。


 進んでいくと、雪渓が出てきました。でも、あの12月の時とは全然違って、雪がすっかり固まっています。
 それにしても、この雪が積もり始めた頃から、ふうたろうは1回だけ山行を休んだ以外(2月6日と7日)、ずっと山(あるいはそれに準ずる行動)に行き続けていたと思うと、呆れかえってしまいます。


 流れに分断された雪渓。


 崩壊したスノーブリッジ。


 実に荒々しい雪景色です。


 流木が大量に引っかかった、荒れた沢です。この前の豪雨でもたらされたのか、それとも大雪と雪崩に依るものか解りません。


 進むとまた雪渓。


 段差があります。
 ここ、12月に来たときの最終地点。ここでテントを張って翌朝撤退しましたっけ。


 雪の下に大きなトンネル。何で出来たんだろうね。


 雪渓の上を歩きます。
 何だか、去年の冬から連続で山に登っているので、いつまでも冬のような気分というか、変な気分です。


 胸突き八丁の始まりです。ここからふうたろう未踏ということになります。


 雪が積もった一ノ沢の谷を外れて、高巻きが始まりました。


 まだまだ雪が多い。いつまで残るんだろう、ここの雪は。(高巻きルートには雪はありません)


 至る所に水汲み場が。


 急な水の流れに分断された急な雪渓。


 黄色いアブラナ科の花が咲いた沢です(花は後日付で紹介)。


 最終水場。今までたくさん水場があったけど、本当にここで終わりです。とりあえず水はここで満タンにしておこうか。


 誰かが崩れた登山道を整備してくれています。ありがたし。


 ベンチだそうです。ちなみに、この標高、100mくらいサバ読んでいません?


 なお、さっきからぱらついている小雨か、昨日とかに降っている雨か、そんなんでベンチが濡れています。


 どこの国の人か解らないけど、恐らくヨーロッパ系だと思うけど、外国人が降りてきました。日本語で「もう少し、がんばって!」だって。おおきに。
 そして、その声に励まされつつ、もうちょっとで常念小屋です。


 前は全然ここまで来られなかった。斜面は今や緑に覆われています。


 さあ、常念小屋のところまで来ました。曇っていますが。


 ここはテン場。


 小屋の入り口。


 ふうたろう、テントを持ってきてはいますが、昨日おとといと雷雨が続いていたというのを聞いて、小屋泊にしました。雷が鳴らなくても、テントずぶ濡れは最悪です。
 ただ、小屋泊が素泊まりで6500円で、財布がかなり大ピンチです。


 それにしても、なんて立派な小屋だ…。


 ストーブまで。
 実はこのストーブ、のちにふうたろうたちが話し疲れて眠ろうとした23時頃になっても消される気配無く、点いていました。


 小屋からは本来槍ヶ岳などが見えるそうですが、バリバリ曇っています。


 なるほど、この小屋がやたらと小綺麗なのはこういうのがあるから…


 ふうたろうが小屋に着いて、寝不足で疲れていたのもあったので、1時間くらいか、仮眠した後、雨が一時的に本降りになりました。嗚呼、今日はこのまま停泊だ…。飯豊山の御西小屋を思い出します。


 時が経てば後からどんどん人が登ってきます。ふうたろうがぶっちぎった人たちも登ってきて、食堂がしばし賑やかになりました。そんな食堂のベランダに、キジバトが物欲しそうにずっととまっています。


 雨が止んでいるのでちょっと散歩しますか。今日はこのまま停泊ってことで。
 これが常念岳の肩です。あれがピークだと思って進むと、先があってやばいそうです。…と、栃木県から来た農家の夫婦。ニセピークに注意。


 沸き立つ雲が山を包んでいます。


 その辺りを散歩していたら…
 やっぱりとどまっていられるふうたろうではありませんでした。カッパを準備して…。


 常念岳に出発。小屋が低くなっていきます。


 そして、雲が湧いてきました。


 雨の中のガレ場。


 しかし、意外と展望が利いています。よーく見ると、向こうに槍ヶ岳の先が見えます。


 肩まで来ると、向こうに常念岳のピークがあります。


 この立て札を見つけたらあと少し。風が突然強くなることがあるので要注意。


 ちょっとガスがキツいか。大天井岳(おてんしょうだけ)方面の稜線。


 槍ヶ岳の先が見えるのは奇跡です。見えないのが普通だと思います。


 記念撮影です。76個目の百名山到達です。雨風が強いけど。


 蝶ヶ岳の方の稜線を見ると、かなり展望が利きます。空気そのものは雨のせいか、そこそこ澄んでいるような気もします。気だけかもしれませんが。


 やっぱり槍ヶ岳は見えない。奇跡だということですね。


 さて、この天気で長居は無用です。下りましょう。


 槍が見えていますね。不思議な天気ですなあ。


 ちょっと、横通岳(よこみちだけ?)方面が見えてきました。


 おっと、前方から、おばちゃんたちが登ってきましたよ。
 槍見るなら今のうちやで。


 この後、無事に小屋まで下ります。


 はい、小屋到着。槍ヶ岳がくっきり見えている気もしますが、今日の行動は終わり。あとはメシを食って寝支度です。


 …となるところですが、ふうたろうが部屋に戻ってきたら、一人居まして。更に、受付のところでちょうど手続きしていた兄ちゃんが入ってきて、3人部屋になりました。
 この3人部屋というのがポイントでして、23時までずっと語り合う運びになるのです。まるで修学旅行のような感覚で。山と結婚と人生と政治を語り合ったというか(笑)
 …本当にこういう出会いはいいものですね。ふうたろうの旅の醍醐味ではありますが、最近は少なかったものですから。ソロのテント泊、しかも山人すらいない時季と場所を歩いていたのだからまあ当たり前なんですがね。
 外は激しい雨に変わっていましたが、クソ暑いストーブの前で、本当に4~5時間、ずっと語り合っていたのだから、よほどの物好きなんですね。ふうたろうたち。
 さて、明日はどこ行く?天気はどうなる?屋根に雨が当たってウルサいくらいですが、大丈夫か?
 予定では大天井岳と燕岳方面の表銀座を抜けるつもりですが、風雨の中稜線歩きはつらいなあ。


天気:雨時々止む、夕方以降強く降る(長野県南安曇郡穂高町・堀金村?、移動中は含まない)

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