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ゴミ大国ニッポン

2005年12月23日

 僕らが毎日出すゴミ。今朝食べた納豆のパックも、使い古した歯ブラシも、みんなゴミです。そして、日本ではかなりの量が焼却されています。取手市を含む、常総地域の場合は常総環境センター(データも公開)が処理しています。そして、そうして燃やされた後の灰は元のゴミの4分の1の量になるといわれています(小学生の時、そう習いました)。しかし、その灰はどこに行くでしょう。その先を見てきたのが今日の東京都西多摩郡日の出町のエコセメント工場です。
 エコセメントとは単純にいえば、焼却灰を再利用(?)したセメントです。焼却灰から、いろいろな有用金属(それとも不純物か)を除くなどしながら巨大なプラントを駆けめぐります。これを利用すれば、ゴミを有効利用できるという考えですが、いろいろな問題点をはらんでいます。

  1. 安全性:焼却灰は雑多なゴミを燃やした、いわば、多種類の化学物質を混ぜたフラスコの中で熱化学反応を行わせたものであるため、どんな物質ができているかわかりません。たとえば、TCDD(ダイオキシン)や重金属(有機・無機・溶解性の強弱等いろいろ)などの生成(混入)が強く疑われること。現に、住民側(たまあじさいの会)は安全性に問題があるというデータをいくつも出しているのです。詳しくはたまあじさいの会ホームページを参照。
  2. 採算性:一日500トンもの焼却灰をエコセメントとして復活させたとして、それが建築業界に利用されるかどうかです。エコセメントはふつうのセメントに比べ、塩分が多く、鉄筋コンクリートの場合、腐食するのではないかともいわれています。最近の耐震偽装問題ではありませんが、腐食すれば建物の強度は落ちます。そんなものを世間が使いたがるかどうかです。住民側の意見では、原価だけでいえば、トンあたりふつうのセメントが7000円でエコセメントは50000~60000円かかるそうです。それを600円ほどでゼネコンなどに売ることになっているそうです。その50000~60000円という金額は、税金でまかなわれます。これに意味があるのかどうか。
  3. 持続性:エコセメントは、生産物→ゴミ→セメントという一方向の流れですから、資源を大切にするという視点ではありません。また、セメントは風化するため、最終的には(安全性を無視したとしても)外部に放出され、回収不能になります。そして、セメント産業として維持しなければならない以上、ゴミが減ると生産が滞ります。まさに、本末転倒。

 こういうエコセメント工場を見るため、日の出町の山奥まで行きました。場違いと思わざるをえないコンクリートと鉄のかたまりが、山の中に成長しつつあります。さながらナウシカの巨人兵。写真を撮っていると、エージェントが睨んできます。軍事基地ですね、まるで。

 エコセメント工場以外にも、処分場があります。八戸沢処分場。ここはすでに運動場のようになっています。しかし、周りは高さ10メートルほどの金網で囲われています。見学などは認めないそうで、国会議員などが、建設中に視察に行ったそうですが、ガードマンなどが出てきて追い払われたそうです。その排他的・非民主的なところはまさに、一部の日本人が描いている中国や北朝鮮像のようです。

 たまあじさいの会の人はみんな一生懸命です。参加者にわかってもらいたいと思うあまり、みんなとの温度差をとらえきれないこともあるように感じました。しかし、会の人たちには「危険な物質で人を苦しめさせるわけにはいかない」という強い思いを持っています。それが、彼ら・彼女らの団結を促し、右翼や暴力団に嫌がらせを受けながらも、住民に対する懐柔に苦しみながらも、今の今まで確信持ってやれる力なのかもしれません。運動家の一人が、嗚咽しながら語る姿は、真実の叫びでした。

 議論を深めていく必要はありますが、僕はエコセメントのやり方には反対です。
天気:晴れ(東京都青梅市・西多摩郡日の出町)

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