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ジギタリスとアパートと農薬と

2009年 6月 13日

 巻機山に行こうと思っていたけど、天気に対する不安と、起きた時点での体調の悪さで、やめました。無性に不安がかき立てられます。発作ですよ、発作。薬を連用していたのをやめようとしている、発作です。


 11時頃にニンニクたっぷりのスパゲッティペペロンチーノを食い、13時頃に勢いで不動産屋へ駆け込みました。今の家を扱っている不動産屋と同じところです。2年前の従業員と代わっている人もいれば、代わっていない人もいましたな。
 下調べは一応していて、価格を抑えることを重視していたので、即決できるかと思っていました。でも、優柔不断ふうたろうですからねぇ…。
 色々ぶつぶつ言いながら、結局3件、回りました。いや、4件だったかな。何の件数かというと、物件の中を見た件数です。(今のところ写真はまだ撮れませんね)
 ひとつはどぶ川(?)の側にある、意外と構造的にはおもしろい家。ここはふうたろうの希望にはあってはいなかったけど、ロフトというものが付いている家なので見ました。ここは、電気コンロと二槽式洗濯機でもいい人なら即決ですな。
 ふたつは(順は逆だけど)お寺の近くの激安物件。ガスコンロは置けるけど、デフォルトは1つ口。京都に住んでいた時に使っていた荒ワザで無理やりふたつ口にすることは不可能ではない。しかし、何より難しいのは、ロフトが思ったより狭いこと。そして、暑いこと。ついでに、見晴らしが悪いこと。もちろん、トイレ風呂はビジネスホテル式。
 みっつはふうたろうが予てから目を付けていた物件です。5分ほど今のところから遠くなるけど、同じ北秋津地区。日当たりも眺望も広さも涼しさも良好。価格も概ね良好。風呂トイレはビジネスホテルではない。そして、北秋津の展望台が近い。これからの利用率はそれほど多くはないかもしれないけど。朝の散歩とかできるレベルまで回復すると、とてもいいと思う。
 よっつは案内人になってくれた店員さんの厚意で、コープ北秋津の近くのものをば。…広めの部屋ですが、夜になったら、道路から、マフラーが共振する音に悩まされそうです。せっかく紹介してもらったのにゴメンねえ。
 というわけで、決まりました。どれでしょう?


 ところで、今日もプチ社会見学でした。ふうたろうも本当は社会人で労働者のはずなんですが、契約書に書く年収や仕事内容も間違いなく社会人なのですが、全力でやっていると思えないので、ものすごく引け目を感じます。ええ、穴があったら入りたい思いですよ。家なんか本当は探している場合かと思うんですけど、半年~1年で今のところに住むより安くなる計算ですから、とりあえず急場凌ぎなのですよ。
 サラサドウダンを教えてくれた庭師さん、不動産屋で大家の婆ちゃんやお客さんと楽しそうにしている店員さんを見ているとね、労働者たるものかくありたし、と思うのですよ。年収なんかの問題は本当はそれほど価値がないのです。ただ今の日本では生活しづらいから気になるだけであって。
 ふうたろうの職場を見回しても、みんな全力でやっているように見えます。待ち時間を有効に使えないふうたろうは何をやっているのだろうと、かといって頭にもやがかかったように積極的になれないと苛立ちながら。無理やり積極的になったら疲れるし、余計空しくなるし、暴風雪に怯えた剣山よりも過酷な気分になります。
 庭師の手入れするジギタリス、不動産屋の手際よく紹介するアパート。ふうたろうが抽出する農薬たちより幸せそう。本当は、同じように、農薬をも愛してやりたいさ。でも解らんのだ。5年以上も同じ仕事しているのに、自分の愛するべき者たちのことが解らんのだ。その化学を掘るために専門書を買っても、毒性を追いかけても、哲学にふけっても、見えねえ。見えたと思っても、それが本物なのか、解らねえ。
 ふうたろうの仕事は、周りには「残留農薬の抽出」と言っています。でも、本当は違う。抽出は実作業であって、手がけるものは、手がけるべきものは、ふうたろうが知りうる化学物質なら何でも。もっといえば、ふうたろうに関わるすべての未知。それが、今の職場の仕事なんですよ。追うはずの大きな夢が、負うことになる大きな夢だとは、本末転倒だなあ。
 …今日の体調はとてもひどい。家の契約をしている最中に軽い発作が起こって吐き気がした。いったい、いつまで続くんだろう、こんな状態。でも、3月頃に比べたら、そんなに絶望してもいない。なぜか、楽しそうに生きている人たちを見ると、絶望しないんですよ。ふうたろうもいつかそういう人たちと関われるだろうという希望か、既に関わっているかもしれないという安堵感か。
 人の心(自分という一人の人の心)と向き合うと、長くなりますな。


天気:くもり(埼玉県所沢市)

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