マイナスのスパイス(氷ノ山仙谷コース:鳥取県・那岐山奥本~菩提寺コース:岡山県)
夜中は冷え込みました。沈黙のまま下りてきた2Fにあった毛布を引っ張り込んできて被っていましたが、それでも若干寒い。昼間のあの暑さを思えば、さながら数ヶ月は逆戻りしているという雰囲気です。
今日の出発は3時にしようか3時半にしようか、などと考えていましたが、結局4時36分。それでも、ネボスケふうたろうにしては随分早い。
氷ノ山越避難小屋からも見えていた山頂避難小屋。…が見えています。この山は、あっという間に登れてしまう、ハイパーよちよちコース、です。
開発こそ進められてしまっていますが、もとは深い山だったんだろうなあと。その深い谷に日が少しずつ差し込んできています。
ここは仙谷登山道と稜線の分岐。あとでまたここへ来て、仙谷コースを下ります。
あのポッコリしているのはこしき岩。あの左側を巻いて進みます。
朝日が当たって光っている山頂避難小屋が目前。ん?(・ε・)あそこに人がいたようですが…?
山頂はだだっ広くて、扇ノ山に似た感じもしますが、扇ノ山の方が何となく落ち着くような気はします。
小屋のウッドデッキの上からだと、若干遠望が利きます。それでも黄砂が悲しい。
さ、それほどおもしろい山頂とも言い難いので(黄砂のせいで?)、次もあることだし、下山です。5時半なので間に合うでしょう…。
そして、件の仙谷コース。これは…!?まさか、伝説のウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンでありますか!!?
いや、さっきのはたった1本の木が倒木していただけでした。谷まではどうやら順調に下りられそうです。
しかし、細い道に岩場、崩れかかっているところもあって、歩きにくい。
鎖場って、これのことか?
…いいえ、あとにもっと長いのがあります。写真撮る余裕を失っていたので、撮りませんでしたが。
この道は様子が変ですな。やっぱり、数日前の雨、冬の豪雪で、相当道がいてこまされてしまったのでしょうか。
ヌオッ(゚皿゚;)
何だこの雪渓は!?
これはアイゼンやピッケルがないと辛い。しかし、全くの想定外、そんなもの持っていない。
しかも、道を間違っていたという件。このおぞましい雪渓を時間をかけてトラバースした先は崖で、遙か下の方に道っぽいものが見えていました。崖崩れと雪崩で、道や道しるべが消滅していたのです。
ヾ(℃゜;)々オイオイ
また裏から立ち入り禁止の法則かよ…と思ったけど、ただの倒木がたまたまそこにあると思いたい。
またよく判らないところに出てきましたが、このまま惰性で進んでみます。
そして、スキー場。時刻はもう7時15分前後です。バス停、あの雪渓で間に合わんかったね…(滅
しょうがないから、昭文社の地図に書いてあるタクシー会社に電話して、8時29分若桜駅に間に合うように送ってもらおう…
ヌオッΣ(゚Д゚;)
おかけになった電話番号は現在使われておりません。もう一度番号をお確かめになってお掛け直しください…
(`皿´#)
あってんじゃねーかよ。…つまり、つぶれたと云うことですか。しかも、104で必死に電話局のネーチャンに訴えて得た丹比タクシーの電話番号にかけたら、「うちはタクシー廃業しました。」と、残念そうに言われてしまいました。ふうたろう大ピンチ!!
乗れなかったクローバーバス(若桜から氷ノ山まで出ているバス)に電話したら、若桜町内に、NPOがやっているタクシーがあるといわれ、電話番号を紹介してもらいました。そこにかけてみたら…
(|||゚◇゚|||)ガーン
おかけになった電話番号は現在使われておりません。もう一度番号をお確かめになってお掛け直しください…
今聞いた電話番号じゃい!!
どうやら、ふうたろうの聞き間違いで、最後の数字が間違っていたようです。よかった、迷宮入りしなくて…(´Д`;)
若桜町にはタクシー会社が無くなっていて、唯一「ゆいまある」というNPO法人の過疎地特別の輸送機関が使えます。ただし、若桜町から外には出られない制度で、若桜町各地から駅まで行くことしか、事実上出来ません。料金制度もかなり特殊で、同じ区間でも1000~3500円の幅があります。電話番号は0858-82-2228です。もちろん、聞き間違っていない方です。
運転手はふうたろうよりも若干年上っぽい人でした。ふうたろうの悲痛で必死な訴えに氷ノ山登山口くんだりまでやってきてくれて、本当に助かりました。まさにあそこで全滅するところでした。
さて、これで何とか予定をリカバーしたので、智頭駅に向かいましょう。
ちなみに、クローバーバス(という名前では、今はもうないのかも知れないが)と若桜鉄道の時刻はまったく合っていません。公共交通なんだから、もう少し考えてダイヤを組んでもらいたい。あれだけ本数走ってるのに…
古めかしい駅の造りだけが救い。
登山口から若桜駅の壮絶な戦いを終えて、長閑な田園風景。でも、まだまだ戦いは続くんですよー(黒笑
特急列車にも乗って、智頭駅に9時19分到着。ありがたいことに、タクシーを呼ばなくても、駅前に一台、タクシーとタクシー運転手がいてくれました。地元の人っぽい人と雑談していまして。
近くのAコープが9時半に開店するので、その買い物を待ってもらって、ごたごたと準備したあと、9時50分頃、那岐山登山口へ。
那岐駅まででもよかったのですが、どうせタクシーを使ってしまっているので、登山口まで行ってもらいましょう(奥本登山道)。
しかし、これが結果的に功を奏しました。
…よせばいいのに、なぜかこういうところを通りたくなってしまう。結局、ウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンで、正規の登山口を回った方が遙かに早いという件。
そして、林道歩き。ゼンマイ採りを楽しんでいる夫婦がいました。
何となく懐かしい感じのする樹林の林道歩き。高校の林間学校の準備をワンゲルでやっていたとき、こういうところを歩いたんだよな…。
うん。今年の7月下旬頃、台高山脈の明神平から高見山や三峰山(みうねやま)までの縦走を計画しよう。
あまりにも暑くなったので、側溝を流れる水で顔をバシャバシャ。
ヌオッ(゚皿゚;)
また、平津戸の戸板かよ。…まあ、あれよりはずっとましだけどさ…。
なんか、道の真ん中にシダ植物しかもでっかいのが出てきたけど…?
ヌオッΣ(゚Д゚;)
再び、ウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンやんけ!!
見事にニセ踏み跡にだまされて、おぞましい道無しヤヴこぎゾーンに突っ込んでしまいました。
でも、ふうたろうは、辛うじて地図上のどの位置にいるのかはほぼ正確につかんでいました。もう出るだろうと思います、このヤブを。
体中擦り傷と切り傷だらけにしながら、汗に枯れ葉がべっとりくっついて、服の中まで悲惨な状態になって、何とか林道に出ました。
ん?(・ε・*)
何だろう、あの生物は。何あれ?全然近づいても逃げません。
これが正規のルートでした。これはさっきのウルトラデラックスに比べたら思いっきり舗装路ですなあ。
しかし、那岐山の稜線出るまではひたすら単調に登っていく木の階段です。
左側が主に針葉樹(恐らく植林?)で、右が落葉広葉樹系の雑木林です。
もうへろへろなので、ちょっとの上りも辛いほど。でも、そろそろそれも終わりが見えてきました。
帰りは「岡山県奈義町へ」と書いてある方に行きますが、とりあえず今目指すは那岐山山頂です。
三角点のある方に進むことも可能ですが、あちらに行くと、菩提寺を通るコースはなくなります。
北の方にはまだら雲が。これが6月頃になって、黄砂も飛ばなくなってくると、空の美しさは格段に上がります。一年でもっとも青空の美しい季節は、6月、梅雨の中休み。
さて、みんながAコースと呼んでいる菩提寺コースを下りますので、さっきの立て札に戻ります。Aコースはアップダウンがきつく、長いので、かなりの人が敬遠します。
前を歩くおっちゃんが、ふうたろうの存在に気づくことなく、ハイパーびっくりおならスペシャルをかましました。ま、ふうたろうもひとりの時はひたすらスペシャルしていますが。
この辺りからも急な下り坂で、その分展望の利く場所があります。
黄砂さえなければ、本当にその一言ですが、それは砂漠の緑化でも中国の人々と共にがんばるしかないでしょう。愚痴だけで黄砂はなくなりません。
しかし、100mアップとはいえ、猛烈な急坂。へろへろふうたろうには強烈な坂です。
何でへろへろになってまで、こんなきつい坂を上っているんだろうと、ここを歩いていてまさに考えていました。そのきつさを埋めてもまだ余りある何かが、ふうたろうを山登りに駆り立てているのです。
右を向くと那岐山の稜線が見えています。恵那山みたいに、穏やかに横に伸びる稜線ですな。
菩提寺まで1.0km。こうなってくると、もうあとはやっつけ仕事。
菩提寺はどんなに静かなところかと思ったら、車がヴンヴン入ってくる観光地でした(滅
そして、この近くにふうたろうなりに地図で目を付けておいた、下山路があると思って探してみたのですが、そちらは森の藻屑となって消えていました(爆滅
境内には銀杏の木があるようです。しかし、ふうたろうはこの観光施設ぶりを見て気分が萎え、ベンチに座り込んで、かりんとうをイナヅマ食いするのが精一杯でした。そして、カロリーメイトゼリータイプみたいなパックに入った愛媛のいよかんゼリー(粒入り)もまた、イナヅマ食いしておきました。
地図的には突っ切れば新たな道が開かれるだろうと思いましたが、たくさんの前科があるので、無難に車道歩きで戻りましょう…。
車道歩きを初めて間もなく、おばちゃんが道のワラビを採っていました。ふうたろうも真似してみよう。
ふうたろうの目にはもはやワラビしか見えません。この自衛隊の敷地への入口付近に、立派なワラビが生えていましたが、常習的にグリホサートとか撒かれていないことを祈ります。
のらりくらりとワラビ採りをしている間に、15時20分くらいになりました。何と、17時25分津山駅発の、ふうたろうの最終列車に間に合う16時過ぎのバスまで時間がそんなに無いではないか。
ここから、無言でバス停へGo!
500mが7~8分くらい?遠いですなあ。人の足って遅いなあと。
国道53号線に突き当たったら右へ進みます。しばらく歩くと、高円バス停があります。17時25分佐用行きのJR姫新線に乗るには、16時8分発のが最終です。これ逃したら、ふうたろう、全滅というか、カセット消滅(何)です。
というわけで、津山駅に17時頃到着です。クレジットカードの磁気が弱いのか知らんけど、やっぱり利用時に機械に蹴られ、メリットもないのに現金で支払うことに。JR西日本の券売機とふうたろうのクレジットカードは相性が非常に悪い。
しかも、FF3をやっていたら、メテオを食らっていきなり全滅とか、やる気無くすし。
津山駅です。ここは、ひょっとしたら、蒜山縦走に再び来るとき、お世話になるかも知れませんな。
この2両編成の電車で佐用まで、佐用からたった5分ほどの乗り継ぎで姫路まで。そこから三宮まで行く電車は無限なので、姫路まで出ればあとは問題なし。
ん?(・ε・;)
ヌオッΣ(゚皿゚;)
JR神戸線が、人身事故でストップしていますがな。姫路に着いたら、米原(滋賀県)行きの新快速列車がもぬけの殻になって運行停止とか。
(゚Д゚メ)ゴルァ三宮まで行かれへんかったらどうすんねん!
しかし、姫路駅のやっぱり都会ではお約束のチェーン店ばかり駅ビル食堂で飯を食っている間に、電車は動きました。ただ、本来は通過するはずの駅を8個ほど止まっていったので、15分ほど遅れましたが。
ともあれ間に合ってよかった。
バスの集合場所である、三宮の、神戸市役所の北にある花時計広場というのを、若干探しましたが、無事、激安夜行バスに乗ることができました。これで、池袋まで渋滞もなく帰れれば、この大変だった旅もピリオドを打てるということになります。結果的には、バスは乗車率50%程度で、楽に過ごせました。
こうして、何とか2日で3個の300名山を撃破できました。数々の困難は伴いましたが、それはそれで終わってみればマイナスのスパイス。後々、こんなこともあったなあと、そのスパイスの味を思い出しながら、この新緑の山を思い出すことでしょう。
本当は帰宅してから宣言するものですが、便宜上。
#232扇ノ山クリア。
#138氷ノ山クリア。
#233那岐山クリア。
今回の3本抜きも大きい。
天気:晴れ(兵庫県養父郡関宮町・大屋町・鳥取県八頭郡若桜町・智頭町・岡山県勝田郡奈義町・津山市、移動中は含まない)
あー。おもしろい日記だったー!
ハイパーびっくりおならスペシャルにはドキッとしましたわ。
時々、すごい速いお兄さんがいきなり後ろにいるんだよね。って、感想がおならでおわっちゃった~w
>あー。おもしろい日記だったー!
やっぱり、ネタがあった方がおもしろいですよね。奇しくも、NYAAさんが、景色がよかったきれいだった、ではふうたろうらしくない、って言ってのを思い出します。若干ふうたろうもネタ作りに励んでいるのかな。
…だって、ただの山行記録よりも、人が読んでも楽しめた方がいいですよね。自動的にネタになっている部分の方が多いとは思いますが、それを日記でくらい、おもしろく書けるようにがんばります。
この避難小屋からの景色は、とっても気持ち良さそうですね(^^♪
黄砂さえなければ(;一_一)
今回もデラックスハイパーヤブゥこぎや予期せぬ雪渓歩行、御苦労さまでした(^_^;)
そして連絡の悪いバスや電車、タクシー呼べてよかったですね。
焦ってる様子、分かるようです(>_<)
ところであの動物、アナグマではないかと思います(^^♪
タクシー呼べなかったら本気でヤヴァかったですからね。若桜駅まで歩くなんて、冗談ではありません(滅
アナグマですか、あれ。奇妙な生き物だったので、かなりじろじろ見てしまいましたよ。
想像つかないスペシャルな内容ですね。
そんな長い林道歩きしたら、もうどんな林道歩きもかかって来いってカンジになっちゃいそ。
もちろん好んではやらないでしょうけど。
仙谷コースはホントいやらしかった記憶が甦ります。
雪ももうこんだけしかないのがなんか寂しかったり。
確かにあの林道は長かったけども、鳥海山をゼロメートル登山したときは、車道何時間歩いたのかなと思います。恐らく、うろうろと5時間以上かけて歩いていたと思います。登山口着いたときはもう下山気分とか(爆
体力と気力があれば誰でもできる登山、と思っていましたが、その体力と気力が続きそうな話ではないような気もする、登山(?)ですよね。あんな道誰が歩くのか、と。
仙谷コースは近々廃道になるんじゃないかと思います。崩落が激しいですねえ…