幸せ味のジャム(奥穂高岳白出沢コース:岐阜県)
北海道の疲れも取れきっていないふうたろう、次の山に登りながら疲れをとるというのも(何)あるいはありかも知れません。
さて、ここは岐阜県の奥飛騨・平湯温泉バス停。昨日の夜、新宿発の夜行バスが、なんと3時過ぎに到着です。
しかしながら、時刻表を見ると(ネットでも確認はしていたが)、新穂高温泉行きのバスは始発が7時!今から3時間半も何をせえと。時間と体力の無駄です。
今日、笠ヶ岳のクリヤ谷コースを登っていくという3人組の方にお会いしました。ふうたろうは、運転手とその方たちにお願いして、クリヤ谷経由で新穂高温泉まで行くことにしました。
おかげで、ふうたろう、7120円ほどかかったタクシー代が、2620円で済みました。まあ、バスに比べれば倍以上はするのでしょうけど、3時間も時間と体力と景色を無駄にするくらいなら、全然問題ないです。
それにしても、夜行バスにあわせた小型バス1台くらい、せめて上高地と同じ5時に1本くらい出してくれてもいいのに。
昨日の夜からやたらと腹が痛くて、腹を下していたふうたろう、便所に15分ほど籠もってから出発です。おかげで痔が再発しました(滅
しかし、新穂高温泉、あろう事か、天を仰げば快晴です。昨日の夕方、東京地方はおぞましい集中豪雨で、ふうたろうの家の近くにある商店街が冠水して、MERUNとその2つ隣にある巣鴨信用金庫が床上まで浸水したようです。あれを思えば、この新穂高温泉の上空は、まったく異次元の世界ですね。
林道をしばらく進むと、山道ではあるけどショートカットのルートがあります。岩ゴロゴロの樹林帯のコースで、ヘッドランプひとつで歩くのは少しダルいですが、林道大回りコースよりはましでしょう。
そこには、穂高平小屋があります。
この穂高平小屋は、14年ほど前、ふうたろうが高校生の時に、クラブの合宿で使ったことがあります。丸太というか、切り株というか、それをくりぬいたような風呂釜が非常に印象的で、小屋番が薪で湯加減を調節してくれます。
…今はどうなっているのでしょう。
小屋の前で休んでいると、何グループかがやってきました。しかし、ふうたろうのように穂高に向かうのはそのうちの一人。他はみんな槍です。その一人の穂高日帰りのおっちゃんと、しばらく一緒に進むことになりました。
今日はくもりや雨の天気予報でしたが、この現実の天気は、北海道の時とは真逆。笠ヶ岳には雲ひとつかかっていません。
ここは白出(しらいで?しらで? 読み方不明)の分岐です。ここから、槍ヶ岳に向かうには道なりにまっすぐ行き、穂高岳に行くには右へ曲がります。ふうたろうとおっちゃん、林道を話をしながら歩いて、ここを入ります。
最初、少し樹林帯が続きます。薄暗い樹林帯で、7時~8時台くらいだと、穂高連峰に遮られて、日光がまったく当たらないので、とても暗い。
しかし、登り出しの標高が元々高い北アルプス、樹林帯もそんなに長くありません。
空には絹積雲がウロウロ。真っ青の空だけでは、砂糖(甘味)の入っていない煮物のような味わいだけど、絹積雲や絹雲が混じることで、青が深く、全体のバランスがよくなります。今日はとてもいい天気ですね。
登山道は白出沢の左岸を遡上していきます。
ふうたろう、この道は16年前の高校のワンゲルの合宿で通っています。あの時も天気が良くて、下りのガレ場や苔生した樹林帯に、感銘を受けたことを今でも忘れません。思えば、あれが人生初の高山(そういえば、高山市も初めてこのときに行ったんだっけ)でしたね。
白出沢と笠ヶ岳。白出沢に日が差す午後なら、笠ヶ岳と谷と、きれいに見えるでしょう。
渡渉というか、平津戸コースの戸板を思い出すようなゲロしょぼブリッジが架かっています。ここを歩いて足を滑らすなら、下の岩を飛んだ方がましです。ただ、ここは雨の(増水)時は渡渉出来ないそうです。急峻なので、カムエクの札内川や神威岳のシュオマナイ川みたいに水の引きも早いでしょうけども。
おっちゃんにはここで先に行ってもらいました。ふうたろう、これ以上たぶん同じ速度では歩けません。荷物が重いので、日帰りの人と同じには…(ぱたり
昨日水没していたMERUNのバターロールを食べています。幸せ味のジャムをつけて。
この涼しいというよりも肌寒い渡渉点でマッタリして、先に進みます。高巻きするので、はしごがかかっています。
石が滑り落ちないように、砂を固めたようなセメントで固定されています。
ただ、沢が何本も集まっているということは、違う沢に入ると道迷いまくりの刑になるので、地図と位置の確認はしっかりと。
沢そのものは樹林がなくても、高巻きの道は樹林帯の急坂でした。しかし、それが標高2200mくらいの、荷継沢出合のところくらいから、開けてきます。まあ、ガレ場を上がっていくので当たり前なのですがね…。
この荷継沢の出合でふうたろうに追いついた、猛烈に足の軽い兄ちゃんと、話をしていました。彼も日帰りするそうです。高山病とかにならんのかなとも思うけど、日帰りしちゃうんですねえ…(遠い目
このあたりのガレ場、道があってないような感じなので、丸印をいくら注意していても、必ずどこかで迷います。先に進んだ彼も、ウロウロしています。
ん?(・ε・)
笠ヶ岳にガスが湧いてきました。まだ9時くらいなのですが、大気の状態は不安定、なのですかね。
ふうたろうの歩く速度も、カメののろいなのですが、ガスの沸き立つスピードは尋常ではありませんね。あのカムエクが急速にガスったあの時みたい。
しかし、このガレ場の景色の良さは、すばらしい。先週のカムエクも良かったけど、ここも、この猛烈にしんどいことを除けば、素晴らしいですな。
遠くには上空の薄雲がウロウロしていますが、広がる様子はありません。しかし、あのガスはどんどん巨大化しています。
しかし、神威岳の滝を何度も突き落とされたカレーうどん(北海道では消費しなかったのです)は、この白出沢のガレみたいに砕け散っています。さしずめ、ガレーうどんですな(爆滅
よく見たら、この写真、5層ですね。ガレ、白出沢の両岸の緑、笠ヶ岳、ガス、上層雲。
ガレーうどんを食ったら出発です。雨降られたらしゃれになりませんし。
しかし、この急坂があまりにもキツくて、しかも何となく足に力が入らず、苦戦。写真を撮りながら休み休み行かないと、前に進めません。
でも、このガスも晴れたり曇ったりで、展望からっきしアウトってことはありません。
この坂というか、岩の段差は猛烈に疲れるので、とりあえずこまめに休みながら進みます。プチゼリーを食いながらでも。
しかし、あの穂高岳山荘、全然近づきません。たまに見ると、一気に接近してくるのですが。
まるでガウス記号で高度が区切られているかのように、全然近づかないと思っていたら、いきなりどーんと近づくような感じです。
|H(高度)/200|×200=FH(ふうたろうの見かけの高度)
などという、実にくだらない数式を思い浮かべながら歩いています。
ガスで谷が覆われていますね。もう、今日は展望、終わりましたね。
昔のふうたろう(高校・大学)だったら、一日で穂高岳山荘まで荷物を担いで上がるなんて根性もなかったし、想像もできませんでしたね。でも、今はそれを平気でやっていますね。
何だか、従業員用通路みたいなところ、通っていますが。そして、この上にトイレがあるのですが。さっきのクサかったのは肥だめという罠ですか?
しかし、2900mの高所まで来て、ゴールが便所ってのは、ふうたろうらしいなあ(プチ棒読み)
それにしても、こいつは笑って過ごせないね。ゴミが大量に堆積しています。缶の切れ端とか、とにかく何とも言い表せないゴミや燃えかすが大量に。
そして、真上には焼却炉。何のために設置しているのか判らないではないか。人が通らなければ何をやってもいいのか?
…そんな気分の悪い裏口から、なし崩し的に穂高岳山荘に到着です。
12時過ぎに到着です。恐らく、上高地の横尾や徳沢などを今朝出た人たちよりも早くに着いているはずです。もちろん、渡渉のところで別れたおっちゃんや、荷継沢出合のところで抜いていった兄ちゃんは、そのふうたろうよりも遙かに早く登ったのでしょうけど。
だから、まだ小屋前の人はまばらです。まあ、まばらといっても、多いけどね。
テン場のところにあるヘリポートから、穂高岳山荘と奥穂高岳が見渡せます。
山荘前の広場の、石壁の上でマッタリです。ここで、ふうたろう、寝転がっていたらいつの間にか寝ていました。その間に人がたくさん集まっていて…。
ザイテングラート、これはどういう意味の言葉なのか判りませんが、その下の方には涸沢カールの下端が見えています。起き出したふうたろうの目の前に、さっきの兄ちゃんがいたので、ちょっとマッタリ会話していました。
時々、ガスが晴れて涸沢ヒュッテのあたりのテント群が見えます。
6枚前の写真と比べて、広場にいる人の数が格段に膨れあがっています。これは、今夜の小屋は大地獄ですな。
ガスが消えたり出たりの繰り返しで、奥穂高岳が今、きれいに見えています。
ふうたろう、すっかりマッタリモード。12時過ぎにテン場に着くなんて、通常のふうたろうではあり得ない。昔の土曜日のような労働形態(何
明日はあれに登ります。しかし、今日はなぜか足がろくに上がらないので、涸沢岳さえも登る気がしません。きっと、睡眠不足と夜行バスでの浮腫(むくみ)が原因でしょう、と、勝手に決めつけておく。
ん?(・ε・*)
何だか、下の広場でみんな万歳を繰り返していますけど?
…どうも、あの位置からだと、ブロッケンの妖怪が見えているのでしょうね。上から客観的に見ていると、猛烈に滑稽に見えます(笑
空の薄雲が虹になっています。みんながブロッケンに夢中になっている間に、ふうたろうは上を見ていました。ヘリポートにいるみんなはこれに気づいたけども。
さっきふうたろうが寝ていた石壁。みんなウルトラマッタリモードです。
ところで、ここにゴミ箱が。ふうたろう、さっき、小屋でスニッカーズを買って食っていますが、ゴミは持ち帰りますよ。あの裏の炭化した堆積物を見たら、絶対そう思いますよ。
…北アルプスの小屋は、いちいち、至れり尽くせりが過ぎるのです。空き缶とかは重いのでまあ許せるけど、燃えるゴミやビニール類くらい持ち帰らせなさい。
…しばらくして、夕日を見ようと思う頃、また空、いや、周囲一帯が全部ガスってしまいました。ふうたろう、吹きすさぶ冷たい風に、ありったけの防寒具で耐えながら、晴れ間をひたすら待っていました。
一気にガスは晴れて、下界に広がる雲海や、遠くの積雲・積乱雲を望めるようになりました。
でも、ちょっと弱いかな。少しだけこの奥穂高岳の岩もアーベンロート(夕焼けで赤く焼けること)になっていたんですけども。
日が沈む頃までに雲はなくなるかと思ったけど、結局夕日には間に合わず。しかし、ならば雷を撮影しておこうではありませんか。去年の鹿島槍ヶ岳の時みたいに稲妻が見えればかっこいいんですが、今日はちょっと遠いですね…。
星もきれいです。星も撮っておきましょう。画像をクリックしたら、大きな写真になるので、ローパスフィルタ(カメラの、画像素子(フィルムに当たる部分)の前にある板)のゴミに見えることはないでしょう。
星空が美しいので、きっと明日もいい天気でしょう。みんなで、その天気の良さを、さも確定事項のように言い合っていました。明日が楽しみですなあ。
明日は奥穂高岳に登ったら、次はジャンダルムや西穂高岳へ縦走して、上高地に下ります。明日は今日とは比べものにならないくらい長丁場になるでしょう。しかも、明日中に帰宅ですから。
…もっとも、どんでん返しの雨が降れば、奥穂高岳に行く気力さえなくなってしまうのでしょうけども…それはないでしょう。
天気:晴れのち時々くもり(岐阜県吉城郡上宝村・南安曇郡安曇村、移動中は含まない)
青い空の中には、夏の雲と秋の雲、この時期ならではの気持ちのいい空ですね(^^♪
私も山で雷の撮影何度も挑戦していますが、未だに納得のいく写真が撮れてません(-_-;)
星の撮影よりも難しいです~(>_<)
さて、明日はどうなるのでしょう?
それでは、次の日記読ませていただきます(^^♪
空の写真、楽しいですよね。ひとつとして同じ空はないと。
星空の撮影ですが、今回のカメラは、どうも角が感光してしまう現象が起こらないようです。だから、じっくり撮れました。雷の方は、撮り方を心得た頃には収まってきたという罠でして(滅
山で星空や夜景、雷を撮るのは、いいですね。都会だと邪魔な光がいっぱいあるから…