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雪の塊に貼り付きながら(上州朝日岳【白毛門・笠ヶ岳コース】:群馬県)

2014年 4月 19日

 昨日から今朝にかけての睡眠の質もあまり良くありませんでした。水曜日からの食中毒の尾を引いていたのかもしれません。しかし、今朝こそ復活!と息巻いて来ました、土合(どあい)駅。
 7年前の2007年6月30日、この階段を上がって地上にある方の駅舎の前で駅寝して谷川岳を目指しました。このトンネルを潜るのも7年ぶりということになります。


 このトンネルは下り線を降りたときにしか味わうことができません。上り線の土合駅は上述のとおり、地上駅です。
 ふうたろうと一緒のペースで登っていた、谷川岳日帰りのおっちゃんは、それこそふうたろうが生まれる前より山屋で、地上駅ひとつしかない時代(そんな時代があったことも知らなかった!)からここのことはご存じのようです。40年ほど前は駅前はそれはもう、登山者で大賑わいだったそうです。


 これが元・大賑わいの駅前。まあ、ふうたろうにしてはこれでも現役・ハイパー大賑わいですけどね。


 おっちゃんと別れてふうたろうは向かいます。どこへ?そりゃあ、300名山の旅を続けるのですから、残り4(会津朝日岳は登山解禁まで削除)を埋めるのですから、上州朝日岳です。谷川岳は7年前にクリアしたし、去年の11月3日にも仙ノ倉山からの縦走時に通過しました。


 国道29号線沿いに清らかな雪解け水の流れる湯檜曽川。水のきれいな川なんて、子どもの頃は夢のまた夢でした。大阪に生まれたことが間違いでしたね。


 国道291号線から、土合橋の手前で右に折れます。除雪されていない駐車場っぽい広場が直ぐに現れます。


 さすが登山のメッカ・黄金街道。登山口から「朝日岳」の文字が入っています。これでふうたろうにとっては十分VIP待遇です。


 さすが雪山のメッカ・雪崩街道(じと目
 …いきなり橋の前に雪の段差とか、マジかよ。


 ピッケルだけでも装備して(アイゼンは橋を傷つけるのでやめた)、段差を慎重に降りました。荷物が110リットルザックなので、滑ったら確実にバランスを崩して川にヅドンですから。
 いくら大和川よりきれいな川でも、したくない入水はいやです。


 沢を渡ったら直ぐに急登が始まります。地図を見ていれば想像にたやすいですがね…


 日当たりの良いところは雪も解けてふつうの夏道になっています。


 途中の樹林の隙間から谷川岳の西黒尾根が見えます。よく目をこらすと、あの中腹より上の雪の斜面に、ゴマのような人の列が少しずつ上に向かっているのが見えたりもします。
 今の時点であそこにいるということは、前泊しているか、クルマで早く来たかのどちらかですね。


 木の根っこが巻き付いた登山道。最初は上がらなかったペースが上がってきました。足が前に出るようになりました。ふうたろうの登山はMPでなせるものです。


 雪の斜面が恒常的に出てきました。しかし、まだアイゼンは必要ありません。アイゼンを着けると足が重くなるので、着ける必要がなければ着けない方が早く歩けることもあるのです。


 ふうたろうとほぼ同時に出発した二人組の男性陣をかなり後に引き離して、ふうたろうは前の夫婦に追いつきました。


 谷川岳のロープウェーが見えます。
 中途半端に追いつくと写真撮ったりできなくなるので、追い抜くときは一気に追い抜かねばなりません。


 雪庇の上を歩ける場所が出てきます。雪庇というか、斜面の上部にこびりついた雪の塊というか。ふうたろうがいつも歩いているところです。


 こういう崩壊しかかったのは、あんまり乗りたくないですね。


 会津朝日岳のトラウマが蘇りますね。ウボァー(゚Д゚)って。


 でも、今日はウボァー(゚Д゚)しなくても登山道は存在するし、雪の上も歩けるし、楽ちんです。


 見下ろすとだいぶ高く上がってきたことが感じられます。思わずいつもの雄叫びを上げてしまいます。たぶんみんな下の方にいますけどね。


 手前の尾根の向こうに見えてきたのは上州武尊山ですかね。


 さて、そろそろアイゼンを着けましょうか。


 木がなくなりました。見晴らし抜群です。でも、坂は急です。キツいです。背中の荷物がなければまだしもね…


 ここを人が歩いていると思えるからこそまだ進めますが、これが足跡ひとつなかったら、ちょっとひるみますね…


 西黒尾根が見えますが、谷川岳のオキの耳・トマの耳は雲に隠れて見えません。


 このあたりは岩場のようです。鎖がついています。今は雪に埋もれていてよく判りませんが、夏道は夏道でけっこうハードなのでしょう。


 1484mピークに到達すると、いきなり白毛門が姿を現します。こいつは圧巻ですな…


 いつの間にか上州武尊もばっちり見えるようになって。


 もう、ロープウェー駅はここよりも標高が低そうです。


 直登の連続。凄まじいです。


 ふうたろうはこういう狭い場所は大の苦手です。まあ、あのザック背負っていて得意な場所なんて存在しませんがね(じと目


 雪庇が崩壊していて雪がイヤラシく残っています。段差になっていて乗り越えるのしんどいのなんの…。こういうときの110リットルザックは本当にエゲツナい。


 ずっとさっきから見ていますが、あの斜面、クレバス入りまくりですね。あの心許ない雪の塊にしがみついていかないと登れないってのがまたオゾマシい…


 さて、核心部ですかな。断念している人も何人かいるようですが、ふうたろうは行きます。どのみちこちらには戻ってきませんしね。進めない見込みも地形上なさそうですから。


 しかし、深さ3mくらいはあるクレバスが。


 落っこちたら這い上がるのは大変です。しかも手前側に下る猛烈な急坂です。


 この足跡を最初に付けた人は本当にすごいと思います。ピッケル2本ほしいところです。


 何とか登り切りました。本当にこのザックはキツい。


 で、報われないことに白毛門近くになるとガスがモクモクと(滅


 ここは雪がありません。アイゼン履いたままだと足を取られますが、直ぐに雪が出てくるので我慢。


 あれ、山頂標っぽい。


 12時41分、白毛門到着。8時33分に土合駅(地底)を出てから4時間8分です。っていうか、土合駅から最初の急坂の取り付きまで50分もかかっているってのがすごすぎ。
 なお、土合橋のところから白毛門までは3時間40分程度でした。


 で、腹立つくらいガスっている笠ヶ岳方面はどうでもいいとして(←こら


 この尾根はどこに続いているのでしょう(東向いてホイ!


 (=皿=)
 このひどい天気は何とかならんのか。今日は晴れると言ってなかったか。


 ああ雪の谷がすごいなあ(棒読み


 白毛門の山頂がクモッています。


 ん?(・ε・*)
 笠ヶ岳が見えてきましたね…。


 振り返ると白毛門もはっきりと見えるようになっていました。


 突然晴れ間が広がり出しました。


 おおっ!これはすごい(目がハート


 しかし、白毛門ほどじゃないけど、ここもなかなか心許ない上に急な坂をしていますな…


 さ、腹をくくっていきますか。


 ここよりは450mほど標高の高い上州武尊、雲に隠れていますかね。


 急坂にゼーハー(顔面蒼白


 でも、その分景色は抜群。


 途中から雪が剥がれて出てきた登山道に入り込みます。


 また、毛勝山(富山県)の呪いですか(じと目
 あそこではこことは比べものにならないくらい長く急な斜面を登って、あと10mで山頂というところで、
 モクモクッ!
 ヌオッ(゚皿゚;)
 となったのですな。


 でも、万物は流転する。雲も流れる。


 こういう、変化を楽しめる登山は貴重です。ずっと曇りっぱなしや晴れっぱなしというのと違った楽しみ方があるものです。


 13時49分、上州笠ヶ岳到着。文句なしの大展望のピークですが…


 カロリーメイト(ゼリータイプ)を食ったら直ぐ出発。あの左の上州朝日岳が今日のゴールです。
 右手にこの山域独特の避難小屋があります。泊まる人はいるでしょうか。


 小屋を入れないように近づいてみると、1934mピーク群と重なってしまってちゃんと見えなくなります。


 白毛門をずいぶん見下ろす場所まで来ました。150mほど標高で下にある山です。


 さて、ただいま標高1800mちょっと。朝日岳は1945mですから、もう少し…ですね。


 まずは1934mピークを越えなければなりません。1852mの笠ヶ岳の高さは超えましたね。


 こちらから見る白毛門は、雪で真っ白、美しいですね。


 ここから谷に向かって転がったら、いったいどこまで止まらずに滑っていくんだろう、とか思ったり。


 1934mピーク群にいます。しかし、このあたりになってまたガスってきた上に、風が冷たく強い。北風なので右から左に吹いています。右ッ面が痛い(涙


 前をゆく数人のグループがこのあたりを通過している様子を、笠ヶ岳にいるときに見ていました。ここはまた一段と風が強く冷たい。ザックを風上に向けながらヨバイ…じゃなくて、ヨコバイします。


 ツマグロヨコバイのように進んでいきます。が、しょせんは真似事ですね。


 息を上げながら斜面を登っているときに晴れ間が出てくるのは今日のパターンですかな。


 シャッターチャンスを強風の中待ちます。燧ヶ岳や至仏山が見えます。


 ふうたろうの向かう朝日岳はビミョーです(じと目


 このあたりは岩場の稜線です。でも、ここまで雪にコテコテにされていたら楽に歩けます…か?
 っていうか、雪、時々不気味に沈むの、やめてくれませんか。心臓に悪いんですけど。


 鬱空に浮かぶ上州武尊山。…のはずですが、あちらの方がまだ200m以上標高で高いんですよね…


 雪がコテコテで歩きやすそうですが、所々に落とし穴っぽいのがあるので注意です。致命的なのは今のところありませんけども。


 …それ以降、展望ゼロのハイパー・ガス状態で、まったく写真を撮らなかったようですね。朝日岳の直下まで来ました。


 エビのしっぽができています。これが夏場だったらただ吹き付けるガスでずぶ濡れになるのがオチですから、まだ今の時期のガスは恵まれていると思わなきゃね…(じと目


 はい、上州朝日岳到達。今日中にいけましたね。
 これも、先駆者がいたからこそだと思います。精神的にも実質的にもかなり救われました。ありがとうございます。


 さて、前に行った人たちはどこにいるんだろう。ふうたろうと同じように考えていればこの辺のどっかにテントでも張っているように思うんですが…


 リングワンダリングごっこして探してみましたが誰もいませんでした(ぽつん


 ま、いいか。ふうたろうはふうたろうで闇テンのススメして楽しみましょう。


 今日はスパゲッティを持ってくるのやめました。だって、色々と準備がめんどくさいんだもん(←こら
 代わりに、パセリとスパムを両方持って来ました。贅沢なチャーハンが食えますよ、と。ちなみに、パックのご飯はちゃんと揉んでから使います。


 夜、やっぱり早飯のせいでハラが減ったので、このミカンを食います。これは温州ミカンではなく、清見オレンジの系統だと思いますが、なんという名前だったかな…


 夜は途切れることなくガスが覆っていました。そして、夜中になると雪粒のテントを叩く音が響きます。星空を写真に撮るにはとてもいい場所なのですが、もったいないですね。次回に期待しましょうか…
 贅沢な山の夜の時間はゆっくり、でもやっぱり早く過ぎてゆきます。
 清水峠を下って新潟県側に向かう明日の天気はどうなるでしょうか。晴れるといいのですが。中越の天気を拾ってくれますように。群馬県の天気を拾ったらガスりまくりの刑になってしまいます。


天気:くもり時々晴れ、夜は時々雪(群馬県利根郡水上町、JR高崎線など)

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