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溶媒の匂い漂う部屋にて

2007年 8月 3日

 暑い。朝から萎えます。通勤電車をすっ飛ばして通勤したいと、切に思います。満員電車は万人にとっての無間地獄です。


 満員電車で汗とたばこと香水の匂いをかがされたら、次は職場で有機溶媒のニオイを嗅がされます。アセトニトリルはそれほどでもないのですが、トルエンは最悪です。でも、鼻がバカになったのか、もう慣れてしまいました。
 それで、抽出が終わったら、また昨日みたいにマススペクトルやクロマトグラムと闘います。クロマトグラムは物質の混合物を一つ一つ分けたものをグラフ化したものといいましょうか。とにかく、そんなのと闘って、ノートは写真のごとし。


 これが、マススペクトルです。横軸が分子量(ホントはm/z値という別の数値)。縦軸がそのm/z値を持った破片の量。書いてある数値は、m/z値。
 これを紐解いていきます。57はブチル基。それに14ずつ足していけば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基…と推定できます(画面のやつは違います)。あくまでも推定です。いくつもの要因を重ね合わせて、判断します。
 中には、何で「こういう数値のm/z値が出てくるのか」がわからないものもあります。今日はそれに悩まされました。農薬だけ見ていればそんな苦労はしないで済むのですが、マススペクトルをちゃんと理解して使いたいので…。要するに、妥協できないのです。マススペクトルについてちゃんと勉強しなければと思いました。
 終業時刻になる頃は、もうヘロヘロです。抽出もやったもんねぇ…。砂を噛むような作業でした。


 ところで、今日、主任から数枚の紙の束を見せられ、「明日、このことで質問をかねて見学に来る人たちが居るんだけど」と、いわれました。中身は、「安息香酸からベンゼンが生成する」という内容です。
愛知県衛生研究所ホームページより
 ちょうどこのページを印刷したものでした。
 ベンゼンは、白血病を引き起こすと言われている物質です。大気中の濃度も定期的に測定されているようです。
 ということで、要は、「こういう反応は起こるのか教えてくれ」ということでした。…そうだよね。僕が考えんとね。乾ききってしまいそうなくらい少ない有機化学の知識で、起こりうる反応を考えました。
 愛知県衛生研究所の報告によると、安息香酸と、ビタミンCと、熱や紫外線のエネルギー金属イオンがあれば、生成するそうですから、それに従って、反応機構を考えます。…僕は、図のように考えましたが、実際どうだかは知りません。だいたい、この反応が起こるのかどうかも、実験してないので。今度反応を起こしてみようと計画しています。
 っていうか、この図をボールペンで描いて(しかも「赤旗」って写ってるし!)、フルカラーでスキャンして、画像処理して、FTPでサーバに送って、…めんどくせぇ!『Chemdraw』が欲しい…(手に入れづらいし、60000円以上する)。
 それにしても、安息香酸の脱炭酸が本当に起こるのか、よく判りません。脱炭酸が起こるなら、二酸化炭素のあぶくが出てくるはず(かなりの安息香酸を入れなければなりませんが)。そのあぶくを確認するには、水酸化カルシウム(石灰水)ですか。

 最近日記が化学負けしています。明日は休みですから、化学はやめときます。山にも行きたい。台風が憎い。

天気:くもり時々晴れ(東京都板橋区・茨城県取手市)

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