ジエチルエーテル
今日の仕事はとても忙しかった…。でも、仲間の助けもあって、早く終わりました。
しかしながら一方で、自分の手伝いをさせているせいで、仲間の仕事を遅らせているのではないか…。そう思うことも良くあります。もし、そうなっているとしたら、むしろ手伝ってもらうのが怖い。
15時半頃、郵便局にお使いがてら、散歩しました。取手市内ほど豊かに草花があるわけではありませんが、ないわけでもなく、道ばたに落ちているお金を探すかのごとくきょろきょろ。
大きなサボテン。直径50センチはあるでしょうか。大きいから、棘もまたバカでかい。太さ2ミリほどの棘。プラスチックのつまようじみたいです。
光が丘公園の桜がきれいに咲いているようです。遠くから、道路の向こうから、大きな桜の木を眺めました。
今日、14時からNHK教育テレビで、高校化学講座をやっていました。いつか、フェノールのことをやっていたあれです。今日はアルコールです。メタノール・エタノール・プロパノール・ブタノール…そこまでしか出てきませんでしたが、以下。
炭素数に対するアルコールの名前
- ペンタノール
- ヘキサノール
- ヘプタノール
- オクタノール
- ノナノール
- デカノール
- ウンデカノール
- ドデカノール
- トリデカノール
- テトラデカノール
- ペンタデカノール
- ヘキサデカノール
- ヘプタデカノール
- オクタデカノール
- ノナデカノール
- (エ)イコサノール
- ドコサノール
東京化学同人『化学辞典』より
ちなみに、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)のエイコサとドコサは、炭素数20と22をそれぞれ表しています。ペンタエンおよびヘキサエンは二重結合が5(ペンタ)あるいは6(ヘキサ)あるという意味です。
…アルコールの最後に、エーテル化合物の話になりました。有名なのはジエチルエーテル。
このジエチルエーテル。引火性が強く、独特のにおいのある揮発性の大きい液体です。軽い麻酔にも使います。僕はこのにおいと名前で、高校3年の初夏を思い出します。
クラスになじめず、投げ遣りになって、教室で周りの迷惑も顧みず大声で笑い、人のことを悪魔のように思いながら過ごしていました。その一方で寂しさから逃れられません。この頃、生物の授業で伴性遺伝の実験をしていました。ジエチルエーテルでキイロショウジョウバエを眠らせ、赤目の雄、白目の雌などというように分け、表現型の分布から、遺伝の様子を推測する実験です。僕は誰も来ない朝7時半頃、ずっと一人でこれをやっていました。何かから、寂しさから、逃れるかのごとく。
…ジエチルエーテルはその時の寂しさを象徴するにおいです。今の自分はその寂しさから少しでも解放されているのかな。一昨日も、今日も…。帰りの電車で、夜の松戸市内を眺める僕の目は、何かに怯えているようでした。自分でわかる。ジエチルエーテルが思い出させてくれるあのころと違うのは、理論的に自分の状態が理解できることだけです。何も変わっていない…。
そういえば、あのタリウムで事件を起こした静岡県の女の子、どうしてるかな。「罪人」「異常者」の烙印を押され、孤独感は癒されず、気がかりでなりません。
…ジエチルエーテルのにおいが僕の頭から消えるのはいつでしょうか。化学への嗜癖から逃れられる日はいつになるのでしょうか…。本当に化学を楽しめる日はいつになるのでしょうか。
帰りのバス。ストライキの知らせがありました。
ストライキして、「われわれは賃上げの要求を受け入れてくれないと仕事をしないぞ」というのはかまいません。もちろん、低賃金で運転手さんが働かされて、過労で倒れることを望む人は誰もいません。…が、バス止めて困るのは乗客です。乗客に理解されない大衆運動は絶対失敗します。乗客にとっても、従業員にとっても、賃上げ交渉が道理に適っているものであることを訴えなければなりません。だから、僕はストライキでバスを止めても、支持しません。もっと他の方法を考えてほしい。運転手さんの元気な挨拶を毎日聞けるくらい、彼らの生活を保障してほしい。ただそれだけ。
天気:晴れのち曇り(東京都板橋区・練馬区・茨城県取手市)
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