くもりのち星空(山伏岳西日影沢コース:静岡県)
さて、目覚ましが鳴る直前に目が覚めました。外はどうやら曇っているというか、まだ夜で、何となく体調の方もビミョーで、どちらかというと行きたくない気分が勝っていた朝。
しかも、朝食もとらず(食欲がない)家を出たら、小雪が舞っているではないかっ!駅前のチャリ置き場のライトに照らされています。
池袋から湘南新宿ラインで小田原までグースカモード。小田原まで来ると(8時過ぎ)多少ハラが減ってきたので、ソバ屋。が、食った直後から胃の不調。
これは、日頃からの暴食がどうも祟って、胃炎になっているのではないかと思う。熱海まで20分前後、しんどい。
さっきの画像は実は静岡駅北口です。体調が多少回復して、静岡駅に10時10分。安倍奥方面に行くには、北口6番。10時32分のバスです。
バスに揺られること2時間弱。赤水バス停で下りましたが、運転手さん、その前の草木バス停、スルーしませんでした?チョーアブネー(゚Д゚;)
今日の山行は、山伏(やんぶし)(地図表記や頂上の看板)です。しかし、一部、山伏岳(やんぶしだけ)(案内板や一部の書籍)と呼ぶものもあり、山伏(やまぶし)と区別付けるために、ふうたろう絵日記でも山伏岳を用います。
赤水から少し梅ヶ島温泉方面へ歩き、橋を渡った直ぐの工事用道路を歩き出すと、人の気配が全くなくなります。そして、地図ではてっきり平坦な場所だろうとなめてたら、かなり坂です。
遠くに見える山伏岳の山塊は木が真っ白になっていて、雪か霧氷モードのようです。晴れれば猛烈にきれいですぞ。
でも、この雑多とした工事用道路の向こうにあるのは、厚い雲に覆われた山塊だけ。
いきなり興ざめするようなものばかり見てしまいましたが、それどころではなく、今日中に山伏岳山頂まで行くのですよ。赤水バス停が12時13分発ですから、それほど余裕はありません。
西日影沢の本流を遡ります。樹木は既に雪をたっぷりと抱えています。
しかし、気温が上がって、12月の常念岳リタイアの時みたいに、下を歩くだけで雨が降っていないのにずぶ濡れになるパターン。
所沢の小雪、小田原あたりのみぞれのことを思えば、こんな小さな晴れ間があるのもありがたいものです。これから、晴れるのかな?
登るべき尾根は見えていますが、マルッキリ曇っていて、どうにもなりません。
これがマイカー登山者たち用の駐車場。マイカーで来れば、どこの山もアプローチがハイパーよちよちコース並に楽になります。でも、これだけは手を出してはならないラインだと、ふうたろうの山行ではなっています。
やっと西日影沢コースの入口。ここが登山口ということになっていますが、ふうたろうの登山口はいつもバス停。
沢コースに入ると直ぐに雪が全面を覆うようになります。でもまだ、凍結しているところもなく、深いところもないので、アイゼンもわかんも要りません。
全面真っ白の世界。これからこういう場所が断続的に出てきます。
最初の水場っぽいのが針葉樹林の中にありましたが、どうも、地図の場所とは違うようです。今日もずぼらしてGPSは使っていません。
これがワサビ田でしょうか。何か、耕作放棄されたような感じがしますが…?それとも、今はまだ作られていないだけ??
何にせよ、中国産のワサビと比較すれば静岡県産のワサビなんて、いったい何倍になるのやら…。
ワサビ田があるだけあって、この辺りは沢が多いです。雪の積もった丸太の橋は滑ったら終わりです。
これは大岩。若干ふうたろうのペースが遅れています。それもそのはずで、胃炎の疑いがかかっているレベルでの登山ですから。さっき食ったチーズ蒸しパン一個で、何となくダルいような。
休憩所もところどころにありますが、こんなに雪が積もっていたら座ることができません。
いったい、いつになったら蓬峠(よもぎとうげ)に着くんだろう。時間ばかりが経っていく焦りと、いつまで経っても晴れてこない空と、ビミョーな体調に、苛立ちが…。
15時過ぎ、やっと蓬峠。出発後3時間。20分ほど遅れているようです。(…それでも20分か。)
ここから稜線沿いを山伏岳まで上昇していくのですが、稜線の左右を行ったり来たりする変なルートです。しかも、深い樹林です…。ふうたろう大ピンチ。
斜面をジグザグに上がり、反対側の斜面に越えます。もう、心を無にして登らないとやってられません。
さっき同様、ところどころにあるベンチは雪が積もっていて座れません。折りたたみ式の椅子でも持ってくるか。とりあえず、ザックの上に座ります。
山伏岳まであと30分、か…。ここまでの調子だと、あと1時間以上はかかると思われます。想像以上にキツいです。
下の方ではただ積もっているだけだった木の上の雪が、いつの間にか霧氷に変わっていました。この辺になると、さすがにアイゼン無しはツラい!
もうそろそろ17時になる頃。このトラバース気味の雪道、いつまで続くんだろう。
しかも、ハラが減ってシャリバテになってきたので、ヘッドランプ歩行覚悟(これはむしろ怖くない)でチキンラーメンを食います!
ハラが減っては戦ができぬ、ですな。
折れた木にあと15分の看板。メシを食ったのである意味余裕で歩いています。山でも心配なのは夜飯が遅くなることだったりする?
実は、この15分表記が出てくると、今までのおぞましい急坂とトラバースのルートが終わったことを意味します。山伏岳はその稜線に至ると実に平坦になるという特徴があるようです。
見てのとおりマックラになってしまっていますが、ふうたろうは至って元気です。チーズ蒸しパン一個でねじけていた胃は、チキンラーメン一袋は耐えてくれたようです。
ここから左に行くと山伏小屋(避難小屋?)で、右に行くと山頂。ふうたろうは迷わず山頂方面へテントを張りに行きます。
気が付くと西の空から晴れ間が広がっていて、白んでいる夕空と星空が混ざっていました。そして、ふうたろうは山伏岳山頂に到着。18時6分。
先駆者の足跡のようですが、実はこの辺りの積雪量はさっきの急坂の辺りの数倍から数十倍はあるようで、踏み抜きもひどい。足跡のあるところにテントは張れないので、山頂を少し下って場所を確保しないと…。
山頂直下の道のそばに、雪を均した場所を拵えました。あとは、チキンラーメンでエネルギー補給したので、ゆっくりテントを張れば今日のミッション完了。
持ってきたポンカン2個で、冷凍みかんになる前に、喉を潤しておこうと思います。
小田原過ぎた辺りでは、もう諦めモードの今日でしたが、今日諦めたら、また長いスランプに苦しむと思いました。あの調子の悪さが静岡まで続いていたら諦めよう、そう思っていたのですが、静岡では回復したので、進むことにしました。チーズ蒸しパン一個で少し調子が落ち込んだときは、心まで落ち込みましたが、チキンラーメンを食って、急坂を越え、マックラになりながらも山頂に立ったときは、やっぱり来て良かったと思いました。
さて、満天の星空に変わった山伏岳で、めでたくテント泊です。しかし…、寝苦しい。胃…じゃなくて、床?
天気:くもり、小雪が舞う、のち晴れ(静岡県静岡市、移動中は含まない)