低気圧バスター(渡島駒ヶ岳銚子口駅~駒ヶ岳駅コース:北海道渡島支庁)
さて、最終日の(といいたくなるほど長期間旅をしているように感じる)朝、4時半頃に起き出し、ふうたろう旅日記初の雑煮もどき(うどんスープにモチを入れる)を食べるべく火をおこします。そして、こけまくりスキーのあとに道の駅で買っていったトウガラシをふりかけましょう。
ヾ(-ε-)唐辛子フリフリ
¨:∴(゚ε゚;)ブッ
入れすぎた…
唐辛子がドヴァッと入った残り汁と、蟹雑炊の素で、次は雑炊を作ります。ご飯100g。とりあえず、猛烈な辛さと熱さが、とろみのついたスープで倍増して、恐ろしいことになりました。
夜中、どうも寝づらいなあと思っていたら、ふうたろう、よりによってスノーモービルか何かの轍の上にテントを張っていたようです。これがシュカブラとかの上なら愛嬌もあるってものなのですがね…(滅
五葉山を思い出すようで不気味…じゃなくて不吉ですが、なんだか、空に雲が多いですねえ…
遠い東の空に太陽が輝いていて、上空の雲が焼けています。樹林で隠れて見えませんが。
凍った大沼のほとりを、雪踏みしめながら道路に出て行こうとします。
今日は世間では平日。この辺りを歩いている…いや、車で走っている人は殆どいません。歩く人なんかいるわけないか…
この近辺には、別荘のために造成された土地が多数あるようです。最初に見かけたのは「小田急」と書いてありましたが、たぶん、小田急線の小田急だろうなあと。
次に、「藤田観光」というのがありました。まあ、作りは同じだけど、どこの会社かは解らない。とりあえず、この藤田観光の造成地が入口になるので(ガイドブックにもそう書いてあるし、地図を見てもそれ以外で渡島駒ヶ岳に登るルートは見あたらない)、入ります。門も開いています。
一応、管理人の人にはほんとは一言言った方がいいけど、誰もいないという件。
一応、別荘地なので、別荘の建物がある辺りでは撮影を自粛していました。しかし、それを越えたらまたいつものカメラ小僧に戻ります。
しかし、別荘地、細かく区画が区切られていて、都会の分譲住宅のように造成地の地図では書かれているのに、9割以上樹林帯に見えます。
入口あたりでは除雪もされていたのに、渡島駒ヶ岳山側から半分以上が雪に埋まったままで、どう見ても、とらぬタヌキの何とやら、ではないのかと思いました。
朝曇っていた空は、少しずつ晴れてきました。雲が散っていきます。
しかし、藤田観光の西側の一本道、凄まじく長い。ふうたろう、かなり侮っていました。しかも雪が積もっているので、とりわけ厳しくなっています。
なお、ふうたろうの背中には100リットルのザックに25kg以上の荷物が詰まっています(何
地図にはあるはずの道が、何気に細かく無くなっています。行けるのかなあと不安をかき立てられますが、わかんを履いて気を取り直していこう。
まだ造成地から抜けられない。でも、自然林っぽくなってきた。まあ、人が入らなくて自然に還っているという件でもあるのかも知れないけど。
…渡島駒ヶ岳登山口にようやく着きました。キャンプ場を6時33分に出たので、約2時間。銚子口駅を出てから11時間が経ちました。
ところで、この看板の隣に、「入山禁止」の看板がデッカく掲げられています。去年に入山規制が解かれているので、のちに出てくる保線管理のおっちゃんの話では、外していないだけだろうと。確かに、赤井川側の登山口には入山禁止の看板はない。
ていうか、ここまで来て引き返すか。
さっきの入山禁止に気分を悪くしながら進んでいるので、樹林帯の展望のなさが更に暗く感じます。
徐々に樹林帯が疎ら(まばら)になっていきますが、まだ何となく見通しが立ちません。
足跡はもちろんふうたろうのものひとつ。スノーモービルとか入れるような隙間はこの銚子口登山道にはないので。
ふうたろう一人っきりの雪原。寂しさは全くないけど、荷物が重い。
赤井川方面と山頂(馬の背)方面と銚子口方面との三叉路。…路?
ここに荷物を置いて、馬の背をゲットしてこよう。
ここからの坂はさっきまでよりもキツくなります。しかも、樹林無しのオープンなので、どーんと坂を感じます。
スノーモービルの痕が大量に付いていて、まるでスキー場を歩いている気分ですが、景色は抜群。人っ子1人いないし。
展望という意味で言えば、ちょっと斜面が広いので、それほど開けてはいない、かな…
さて、馬の背に到達すると砂原岳がお目見えです。しかし、ここまで、本当に長い。気分的に。次の立て札がいくら歩いても近づいてこないという。
あれが剣ヶ峰。登ることもできませんが、あそこまで行くには、立入禁止のロープを越えねばなりません。どこで線を引くかにも依りますが、ふうたろうは、このロープは、越えるべきではないなと思ったので、ここで渡島駒ヶ岳登頂とします。
さて、下りますか。あれだけ見れば充分ですから。お楽しみは下りの見下ろし展望です。
転がるように下りながら、霧氷となった低木(高木なのか、それとも?)の陰影を楽しみます。
三叉路のところで100リットルザックを背負って、赤井川(駅)方面に下ります。しかし、どうも、駅まで歩くのであれば、赤井川駅よりも駒ヶ岳駅の方が近いようです。
三叉路のところで10時16分。駒ヶ岳駅を出る電車、次のが11時49分。ビミョーなラインですね。
本当はスノーモービルの進入は禁止されているのだけど、まあ、こんなに走りやすいところだから、入っちゃうよねえ…
あの青い屋根は便所です。もちろん、つっかえ棒で封鎖されていますが。
まあ、色々注意書きがあります。一応、公式には馬の背まで登山が可能なようですね。
これからまた長い車道歩きです。しかし、雪が深く積もった車道なので、車道歩きという感覚はないようです。
枝の一本一本まで影が雪に落ちる。スノーモービルが無かったらなあ…
しばらく駐車場から下ると、西に曲がる道があります。ゲートが閉じていますが、埋まっています。
やっぱり冬山最高。今シーズン3発目のアタリ(会津磐梯山・陸前五葉山・渡島駒ヶ岳)です。
さて、下山の時が近づいてきました。地図を見ていれば大丈夫ですが、駒ヶ岳駅に行くには、また別荘の造成地を通らなければなりません。今は幸か不幸か、スノーモービルの痕があるので、ある程度それに従って歩けばOK。
…?
何だこれは…!?
街灯だけが並んでいる、樹林帯を貫く道路。
あそこにあるブランコの鎖がたわみ、もう誰も乗らない、乗ることが出来ない。
渡島駒ヶ岳の姿だけが変わらず、うつろう人間のはかなさを見下ろすようだ。
風雨にさらされ、すすけた像。もはやここが活気を取り戻すことはないだろう。
電柱には平成11年、つまり12年前の保守か何かの印が残っているけど。
雪かきもされず、踏み痕さえない道路を、結局1時間以上、この造成地の入口まで歩いてきてしまいました。
幹線道路から切り離され、忘れられたリゾート開発の残痕。この錆びた看板に、本当に書かれている文字を読み取れる人は、いるのだろうか。
遙か続く道路。車通りは極端に少ないけど、立派な道路です。
なお、ここで11時48分になってしまいました。やっぱり間に合わなかったですね、11時49分駒ヶ岳駅発の普通列車。
道路に出たので、わかんを外して駅までゆっくり歩きます。次の列車は13時51分。この大雪原に浮かぶ渡島駒ヶ岳をシッカリ愛でていきましょう。
途中、雪に埋もれた田園地帯があったので、ガキンチョのように歩くとします。
彼方まで広がる田んぼ(地図ではそうなっている)の雪原。北海道ですなあ。
水路の雪庇。山の上でしか見ることの無かった雪庇がこんな所に…。
地元のおばちゃんがチラッとふうたろうを見ていきました。
ふうたろうは、軽くお辞儀をして、駒ヶ岳駅へ。
駅はもちろん何もなかったので、たまたま保線管理をしているおっちゃんにトイレで出会ったので、メシ屋の在処を聞きました。そして、屋根付きの跨線橋を渡って…
その中のひとつの店に入ると、椅子にひなたぼっこしているネコが一匹。リリーという名前らしい。やたらと人なつっこい。しかし、ネコというのは、都合の良いときだけなつっこいのだよなあ。
注文はホタテ丼。本当にホタテだけなのでびっくりです。タマネギとかネギとかも乗っかってない。
若干貝の殻が混じっていて気になったけど、ハラが減りまくっていたので充分満足。結局客はふうたろうひとりだったね。
さて、いよいよふうたろうの旅も終わりです。13時51分の電車ももうじき来ます。
渡島駒ヶ岳よ、さらば。
ふうたろうは、「見る側」の場所から写真を撮って、渡島駒ヶ岳の撮影を締めた。
渡島駒ヶ岳の写真でなくても、この一面雪景色の里の風景は美しいですな。
ここは木古内駅。北海道の玄関口。普通列車木古内行きの中で、ガキンチョが携帯を鳴らしてウルサくしていたので黙らせ(何)るという気分の悪いこともありましたが、まあ、順調に来ました。
真っ暗な青函トンネルを30分ほどかけて抜けたら、本当に夕闇直前の青森県。空には雲が漂い始めています。あんなに渡島半島の天気はよかったのに…。
関東地方は、今日一日雨だったようです。
いや、それが解っていたので脱北したのですが。
雪に輝いた一日が、一年に何日もない快晴(駒ヶ岳駅の保線管理のおっちゃん談)の雪景色が、闇に包まれようとしています。
特急白鳥号(スーパー白鳥号?)が新青森駅に到着。駅ナカの蕎麦屋できつねそばを注文。途端に現世に戻ってきたような感じですが、まあ、そろそろ現世に戻る頃ですね。
このあと、開通間もない東北新幹線の新青森~八戸を走るはやて号に乗って、大宮・板橋と帰ります。ふたつ隣に座っていたおっちゃんがやたらとモソモソして、椅子がその度に揺れて鬱陶しかったけど、まあ、そういうこともあると、寝て過ごしました。ここまでオチのない帰りは、後が怖いなあと思わなくもないですが、どうやら、無事に帰れたようです。
終わってみるとやっぱり行って良かった北国メドレー。低気圧を打ち払うこともできて、素晴らしい青空を楽しめた渡島駒ヶ岳。さて、次の週末はどこへ大砲をぶっ放すかな。
#134渡島駒ヶ岳(馬の背)クリア
天気:快晴、朝のうちくもり(北海道渡島支庁亀田郡七飯町・茅部郡森町、移動中は含まない)
山の景色より、雪原と駒ヶ岳の遠景が印象的ですね。
一線を越えないで、我慢するのは大事なことだと思います。
実をいうと、下りてきてからの方が景色が良かったのですよ。この駒ヶ岳は、やっぱり見る山、だったのかも知れませんね。もっとも、それも登ったからこそ言える言葉であって、登らずに「見る山」なんて、とんでもないことですが。
あの山頂は、とてもじゃないけど、雪の状態だと危なくて登れないので、あれで良かったのだと思いますよ。