花曇りの吉野(伯母子岳風屋貯水池吊り橋コース:奈良県)
窮屈な激安夜行バスが大阪難波に到着しました。大阪が久しぶりなので懐かしい気分になれるのはいいのですが、あの橋下徹が支配する一つの「国家」のようになっていることをイメージすると、昔の大阪はもう無いのかな、などと思ってしまったりするものです。
ふうたろうは、足早に南海難波駅に向かいます。
ふうたろうはこれからまず、JR五条駅に向かいます。南海難波から1時間半ほどで着きます。
南海高野線は、ふうたろうの中でもそれほど強い記憶があるわけではありませんが、南海本線に比べると田舎の地を走るイメージがあり、好きでした。
南海高野線急行が橋本駅に着くと、JR和歌山線に乗り換え、JR五条駅目指します。200円区間なので、すぐです。
JR五条駅。
ふうたろうの場合、家を出てからこの最終交通機関の手前まで来るところが一番の山です。途中どこかで事故ったら、全滅確定だからです。しかし、今回は山手線が1~2分緊急停止した程度で済みました。公共交通は自分で運転しなくていいこと以外に、環境のことを度外視すれば、結構リスクが高い気がします。
さて、駅中の駅弁屋でちらし寿司と5個入りのいなり寿司パックを買って、ひとまず朝飯です。いなり寿司は昼にも回したいと思いまして。しかし、1300円くらいしたので、結構なものです。しかも、そんなにものが良い訳でもなく、隣で1019円くらいで売られていたタケノコづくしの弁当は、「旬です」などと銘打っておきながら国産のタケノコではないといわれて、あきれ果てたものでした。
五条駅から出るバスは、十津川温泉行き。およそ3時間をかけてその区間を走り抜けますが、本当は近鉄八木駅(奈良県北部)からJR新宮駅(和歌山県の東の端)まで6時間の長大な距離を走り抜けるそうです。
奈良交通バスの時刻表で、五條駅から川津西で検索すればすぐに出てきます。直リンクはできなくなっているのでこう記録しておきます。
バスが目的地の川津西バス停に到着しました。ここからふうたろうの歩きが始まります。
バス停の前には食堂があります。ただし、五條方面のバス停側、ダム(貯水池)側の方です。
トンネルの前に右に曲がるやや細い道路があります。脇のところに天理教の寺院があって、何かイベントをやっている模様ですが…。
この辺りの林道らしく、杉(檜?)林が。何となく懐かしい感じがします。
進んでいくと、右に道が見えるので、そちらへ。工事用車両とかがあったりしますが。
ヌオッ(゚皿゚;)
行き止まりではないか!!
まさかこの崖の下に吊り橋があるとか?
少し戻ってみると、木陰にかくし通路がありました。
なんと、ふうたろうはかくし通路を発見した!(ドラクエ6風に)
朝日連峰祝瓶山登山口の骨組みだけのとか、早池峰山平津戸コースの戸板大橋(何)とかに比べれば若干しっかりしていますが、かなり頼りないことには変わりありません。
針金が張ってあっても、あまり安心できない構造です。ヴァキッと崩れ落ちることはないと思いますが、あまりいい気はしません。
下を見ると、高所恐怖症でもないふうたろうにしてなお、少しばかり足がすくみます。高所恐怖症の人は絶対通れない橋でしょう。
しかし、橋から見渡す貯水池の景色は、山の折り重なりを感じられるものです。この辺りの山深さは、日本有数でしょう。春霞に消えていく遙かな山々と、手前の深緑の山とのグラデーションが素晴らしい。
これは五條側(北)方向。今日は雲が多くて、北から雲が流れているように感じます。
橋を渡りきったら左に曲がります。ボロボロの掘っ立て小屋みたいなのがありますが、それを更に過ぎると、今度はこの腐った足場が出てきます。ヴァキッといくとマジでシャレにならないので、梁の渡してあるところを踏んで進みます。
そして、いきなり手荒い歓迎といわんばかりの、すさまじい急坂が出てきます。覚悟。
どうやら、ここは25000分の1の地図にはルートとして描かれてはいても、林業関係者用の索道の通り道のようです。容赦なく急坂に刈り込みがされ、その刈り込みもレール沿いのほんの狭い場所に限られています。
こういうシダのハイパーヤヴこぎゾーンを抜けることにもなるので、苦労は絶えません。レールに付いているオイルやさび、蜘蛛のいる蜘蛛の巣などの妨害にめげるのであれば、ここで全滅確定です。
この辺り一帯の山は吉野杉林。しかし、所々に広葉樹もあり、中には桜が咲いている場所もあります。これが、4月の春山です。
新芽を酸化的ストレスから守っている、という話を聞いたことがある。
ひたすら索道沿いの道、というか、刈り込まれた索道が続いている。
823mのピークに到達。ここでやっと急坂が一息つきます。朝食べきらずにおいといたいなり寿司3個を食ってしまいましょう。
ん?(・ε・*)
なんか糸引いてない?腹痛フラグビンビンか?って思ったら、どうも蜘蛛の糸っぽい。バチルス系の菌が出す水溶性のタンパク質性(?)高分子か、節足動物が出す不溶性のタンパク質か。
恐らく、ふうたろうがさっきのヤブこぎゾーンで蜘蛛の糸にまみれたので、それが移ったのでしょう。
お次は深い樹林帯の尾根歩き。さっきのすさまじい急坂を思えば、涼しいし緩い。
しかし、道と言うには少しひいき目に見過ぎな樹林帯、ですな…(何
きれいな色の昆虫発見。実はこの前後でも何回か見かけています。
でも、何の虫か判りません。深山シラねむし(何
索道沿いに歩くとヤブこぎトラバースゾーンにめり込んでいくので、樹林を縫うように尾根を歩くと、1057.5mの平らなピークに行き着きます。もちろん、樹林に囲まれていて展望ナシ。
しかし、ここから一向に変わり映えしない冬枯れ樹林帯の連続です。
寒気の影響か何か知らんけど、雲が厚くなって、ガスってきやがったぜ(滅
しかも、倒木とか出てくるとか、またもやふうたろう、すごいルートを選択している模様。
山天の高という札がかかっているけど、25000分の1の地図の『伯母子岳』はちょうど、この部分が切れていて(『上垣内』(かみがいと、と読む)に載っている)、判らなくなっています。
そして、問題は、この山天の高、ピークから4本の尾根がでていて、ガスっていて尾根が全部見分けられない。少なくともピークから直接見えるのは3本で、歩いてきた尾根と、正面と左にある尾根2本。次進む尾根はどれだ?GPSのマップソースを見ても、コンパスを出して方向を確かめても、どうもはっきりしないので、とりあえず少し進んでみて、GPSの答えを仰ぐことにしました。そしたら、最初に選んだ尾根は見事にハズレでした(滅
たぶん、最初から上垣内の地図を持っていれば、これほど困惑しなかったでしょう。
この辺りは疎林が続いていて、道という名前のものはないにもかかわらず、意外と歩きやすくなっています。しかし、アップダウンの数だけはハンパないです。
腹が減って疲れて、どうも小屋まで我慢できる状態ではないので、ミニドーナツを4個ばかりパクついておきました。
このドーナツ、材料とかにこだわっていると書いてある割に、何をどうこだわっているのかよく判らないという罠。
今日通る最高地点の1336.2mを過ぎてしばらく下ると、残雪が。まさか、もう伯母子岳くらいの低山で、しかも近畿地方ではまずないだろうと思っていたのに…。
ここからは25000分の1の地図にもルートの記載が無くなっています。でも、基本的に景色に変化もなく、尾根づたいを脊髄で歩けば大丈夫です。
何だか、建物が崩壊したような物体が転がっています。何気に通行に邪魔だという件。
そして、伯母子峠に到達です。ここまで来れば、今日のゴール、伯母子峠避難小屋はすぐそこです。
左の上り勾配の道を進むと、ほら、すぐに小屋っぽいのが見えてきます。
伯母子峠避難小屋到着。川津西バス停から6時間13分(休憩など含む)。
小屋の中。ドアの下が完全に大きな隙間になっているので、風がびゅーこらりと入ってきます。奥にかかっているのは、薄っぺらいけどウールの毛布です。反対側の壁には寝袋が1枚掛かっていたような気がしますが…
さて、飯山の道の駅で買ったキノコカレーをシバきます。レトルトご飯の加熱を待てず、若干βでんぷんが含まれていましたが、カレーの具(ジャガイモっぽい。もちろん、カレーにジャガイモは入っていない)と思いこんで食べました。
小屋のノートには色々書き込まれています。青森から来た人が3月11日に利用していますが、彼の運命はどうなったのでしょう?無事帰れていればいいのですが…
腹ごなしに、5分および7分くらい三田谷方面に進んだところに水場があるというので、行ってみようと思います。
しかし、行ってみた水場は、少なくとも今は、ただの水たまりでした。しかも泥が沈んでいて、固体が浮かんでるし。
水場を確認するまで、決して水筒の水を捨ててはいけません。
下界では晴れているのかどうか知らないけど、予報は晴れになっています。でも、今ここでは厚い雲とガスが…
小屋に戻って、地図とかをうだうだ見ていたら、寝ていました。そして、そのまま夜を過ごすことになるのですが、気温がガツンと下がってきて猛烈に寒いの何の…。こともあろうに、ふうたろう、羽毛とはいえ春~秋用の寝袋だったので、さっきの薄い毛布を被っても寒い。大変な夜となりましたな…
さて、明日は護摩壇山まで突っ切って、龍神温泉に行く予定です。何事もなければいいのですが。
天気:くもり、午前中は時々晴れ、午後は小雨ぱらつく(奈良県吉野郡十津川村・大塔村・野迫川村、移動中は含まない)
あのつり橋はかなり怖いですね(>_<)
でも進むしかないならば、恐る恐る渡ると思います(^_^;)
この綺麗な虫は、センチコガネです。
ただオオセンチコガネかルリセンチコガネかは私にはわかりませんが(・・?
コガネムシの仲間ですか。結構いっぱいいましたよ。手に取ったら最初死んだふりして、その次ばたばた暴れて地面に落ちました。あいつにはふうたろうに敵意があるかどうかなんて解らないですもんね(笑
あの吊り橋コースはどう考えても一般コースではありません。普通はバスではとてもじゃないけど行けないところが登山口になっているようで、ふうたろうはそれでは絶対登頂できないので、這ってでも渡るしかありません。
最初、あの橋が何かしらの災害で落ちているのではと冷や冷やしましたが、ちゃんと現存していてよかったです。
橋本、五條、十津川懐かしい名前です。もうなつかしくなってます。
スゴイつり橋ですね。私の場合、ここで終了または、成長するか。。
ほんとに山のグラデーションがすごかったですね。奥深いな~と実感しました。
伯母子岳お疲れさまでした~
初日に行ったんでしたね。天気よい日に行けてよかったです。
実は、スカイラインから登山口(遊歩道入口)までの林道が一番展望がよかったんですよ。
遊歩道歩きだと、この山にあんなスゴい吊り橋があることなんて、想像だにしないでしょうね…。
みゃーみさんも関西の300名山メドレーお疲れさまです。