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熱く冷たい年の終わり(雲取山:東京都)

2006年 12月 31日

※記録:2007年1月1日

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 今日から二日間、奥多摩の百名山、雲取山(くもとりやま)に行くことになりました。前日は16時に夜ご飯。23時には就寝。山旅に相応しい前日です。

  1. 旅の始まり。新宿駅から、奥多摩駅に向かう快速列車。僕の背中には16kgの荷物あり。
  2. 青梅線御嶽駅。単線なので、列車すれ違い待ち合わせ。ここでカメラがアホになりました。ファインダーがボケる。

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  1. 奥多摩駅からバスで30分。鴨沢(山梨県北都留郡丹波山村)。山登りの始まりです。
  2. 最初は生活道路を通ります。周辺の住民に挨拶を忘れてはいけない。この橋はその生活道路の辺りから撮りました。

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  1. 七ツ石小屋までの山道。雑木林が続きます。広葉樹はすべて落葉樹。森林は明るい。
  2. ここも七ツ石小屋までの山道。これは…杉林?常緑樹で、林の下はとても暗い。

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  1. 鴨沢から雲取山頂上に行くまでに、七ツ石山(地図を見れば解る)を通れば3~4ヶ所の水場があります。ここは、ルートの一番最初の水場です。暗い林の中に分かりにくくあります。近くに休憩できる広場もあり、丁度いい。
  2. 七ツ石小屋。こぢんまりしているようですが、落ち着いたたたずまいで、ええ感じ。雲取山頂上までに、小屋やテント場はいくつもあります。

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  1. 七ツ石山。南と西の展望が良く、東と北は針葉樹に覆われていて何も見えません。
  2. 西側は、これから雲取山へ向かう尾根線の道がずっと見えます。
  3. 七ツ石山から見た南方向の風景。富士山が見えます。今日は少しガスがかかっていて、しかも薄曇りです。春みたいにクソ暑い、大晦日の山。
  4. 七ツ石山から少し進んだ尾根線からでも南向きの展望は抜群。

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  1. 尾根線の道。木があって良し。明るい道。
  2. 展望は抜群。僕以外にも写真を撮っていく人は数多。
  3. まっすぐ続く冬枯れの道。展望極めて良好。
  4. 雪や霜柱のために、それが溶けてぬかるんでいるところもあり。足を取られます。

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  1. 雲取山頂上までの、最後の水場。凍結していますが、水量抜群。流れる水を口で直に飲むのが最高です。
  2. そして、甘い水を飲むためには辛い凍結路も味わいます。

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  1. 雲取山避難小屋が見えてきました。あそこに着けば、頂上は目と鼻の先。がんばれ。あそこが今夜泊まるところだ!
  2. 到着。避難小屋の割に立派な小屋です。…しかし、中は満員御礼だそうで、僕は緊急避難用に持ってきていたテントを出動。

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 小屋から頂上まで10mあるかないか。避難小屋に泊まる人が最も得をする、雲取山のシステム。

  1. いよいよ2006年最後の夕日が落ちようとしています。
  2. …落ちました。太陽にはまた来年お会いすることに。

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 緊急事態発生。気の優しそうな若い女性が、僕のテントを張っている姿を見て、「これで寝られるんですか?ツェルト(シュラフの間違い)もなしに…」
 このピンク色の声に、僕の中で何かが凍りつきました。
 ヤヴァイ!シュラフ忘れた…!!

  1. これは何でしょう?何をしているところでしょう。…シュラフのない夜。雲取山の山頂に張ったテント。それを意味するものは…?
  2. 長い夜。関東平野の夜景。感度を低くし、シャッタースピードを15秒くらいにして撮りました。…寒い。
  3. 月だって撮れます。これは、逆にシャッタースピードを落とさないと、ただの光の玉になってしまいます。
  4. 月明かりの下、テント暮らし。ただし、僕にはシュラフなし。本当の地獄はこれから。

 …シュラフのない夜が意味するのは、凍死。ここは2017mの高山。しかも、晴天で放射冷却。月の輝きが憎々しい。風の音が恨めしい。小屋からわざわざ0時に出てきて、「Happy New Year!!」などと騒ぐ若者に寛容になれないくらい、ヤヴァイ。
 まず、ある衣服すべてを身につけました。雨合羽併せて上7枚。下3枚。靴下4枚。軍手2枚。ニット帽で頭をすっぽり。タオルを首にくくりつけました。白いペンキで塗れば、ただのミイラです。
 それでも、寒い!!ガスバーナーの火を暖房代わりにするも、青黒い山の吐息が全部そのぬくもりを奪い去っていきます。耳元で、水筒の水がみるみる凍っていく。7枚の厚着は、冷気の刃の前に防戦一方。靴下と軍手は強烈な冷気に言わせれば、ザル。思いだしたように足にくっつけておいたカイロは風前の灯火。
 …結局、年越しはほぼ徹夜でした。テントを張ってから約12時間、堪え忍んでいたことになります。よく死ななかったなぁ…。

天気:晴れ(山梨県北都留郡丹波山村・東京都西多摩郡奥多摩町・埼玉県秩父郡大滝村・茨城県取手市)

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