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珪藻土カラムをほじくりながら優しさを考える

2007年 8月 9日

 今朝起きたのも30分くらい早めだったと思います。
 規則正しい生活。目指したいものです。


 今日は非常に暑い一日…だったようです。そして、その半ば疑問めいた感覚は、外でこの作業を始めたら確信に変わりました。
 今年の2月5日は、まったく同じところで、寒風吹きすさぶ中、別の仕事でした。何気に、2月上旬は一番寒い時期ですね。で、今日は、8月上旬で一番暑い時期。


 これは、珪藻土カラムといい、水を取り除くものです。しかし、使用後はただの産業廃棄物です。外側のプラスチックと、中の珪藻土とを分別します。
 そして、この網をまずは外します。


 珪藻土は本来は白いのですが、野菜の汁などを吸って茶色くなっています。これがすべて廃棄物ですから、後ろめたいです。


 外側のプラスチック(注射筒はポリプロピレン)も別枠で廃棄物。これを数百本抜きます。


 これが網を外す秘密兵器ですが、実は、ただの針金ハンガーの破片だったりします。実験の現場は、いかにも泥臭い、地味なものです。最新の機器がずらっと並んでいるのは、お金と人員のあるところだけだと思ってよいでしょう。


 今朝は、昨日の帰りもそうでしたが、満員電車で具合が悪くなりました。どうしようもないくらい、というほどではないのですが、とにかく、常磐線と山手線はひどい。規則正しい生活をしても、限界があるのではないか。

 ところで、規則正しい生活をするように、子どもの頃から教えられて育ってきたことをふと思い出しました。でも、その規則正しい生活が出来ない(不可能)人がいかに多いか。もちろん、サービス残業で夜寝る間もないとかいう、すぐにでも法律で是正できそうなものは今日のところは、話の外です。僕が胸のつぶれる思いをするのは、夜も寝ずに働かなければならない職業があることです。
 例えば、看護師や医師、後は何があるか解りませんが、とにかくあります。病気はいつやってくるか解りません。それは、僕が夜中に具合を悪くするように、いつでもお構いなしです。
 看護師も医師も、患者には「規則正しい生活を」と教えるのに、この職の人たちは、交代制で昼夜逆転の生活を余儀なくされることもあります。僕にはできません。そして、僕がやれば、確実に体がおかしくなります。日の出ている間に、睡眠…?病気でもないのに…???
 かつて、入院したとき、看護師を呼ぶベルのボタンを押すのが嫌でした。ナースステーションまで歩いていって、薬をもらいました。それが余計看護師に迷惑をかけることになっても、呼べませんでした。もともと、人を使役するのがイヤな僕。ボタンは踏み絵みたいなものです。
 自分の具合は悪いし、見たくないものまで見えるしで、二重苦です。朝4時半に起きて、バイトに行って、学校にも行って、家帰ってくるのが23時となっていたかつての恋人のことを思うがごとく、胸がつぶれる思いです。
 …だって、僕の体がおかしくなるような行動をして、他の人がおかしくならないなんて、どうして言えるのさ。
 自分が健康で幸せであることが、さも悪であるかのように思えるときもあります。無力感というか、何というか…。
 でも、彼・彼女らが選んでそうした道を歩むなら、それは祝福すべきなのかもしれません。朝4時半に起きてバイトに行っていたかつての恋人は、そうせざるをえない経済状況でした。看護師や医師を選ぶ人とは意味合いが違います。
 それでも、もっと看護師や医師が増えて、彼や彼女の負担が少しでも減ればそれに越したことはないと思います。看護師や医師の少なさは既に叫ばれているのだから。そして、その矛盾の克服は、彼・彼女らの自発を待つしかないとも思います。僕の胸がつぶれるのは、所詮は人ごとだから。農薬を抽出し、炎天下珪藻土カラムの分別をする僕に、看護師や医師たちの問題に干渉する権利はないのだから。もし、彼・彼女らが助けを求めたとき、胸を張って何か手助けするのが優しさだとも思うから。…これは、朝4時半に起きてバイトに行っていた当時の彼女が言っていたことです。内政不干渉…だね。

天気:晴れ(東京都板橋区・茨城県取手市)

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