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ふたを開ければ腐臭が漂う

2007年 11月 11日

 朝、音楽は5時15分からガンガン鳴っているのに、目が覚める気配もなく、ろくな朝ご飯も食べず、6時50分出発(かつ電車二本分遅刻)。朝から袋入りのインスタント焼きそば。その上、適温表示までされた、森永製菓のホワイトチョコレート。
 朝から飛ばします。これほど高脂肪の食事をすることは、まずない。
 第1撃目。


 で、今日は半ば仕事でこんな朝早くから出発です。行き先は東京ビッグサイト。この気怠い建物に、いったいいくらの税金を使ったのか。そして、そこで開かれる、「民主」団体の催し物とは何なのか。
 第2撃目。


 そのビッグサイトで、わが職場の展示物は、米。これは、コンビニのおにぎりには人為的に何らかの油が添加されているという事実を示した実験です。かつ、添加物の表示欄には一切油が添加されている記述がないことを、来客者たちとともに確認した場面です。
 写真は、左がその油を含んだコンビニのおにぎりのご飯だけの部分。右は、福島県の農民連がゴマシオをまぶして作っているおにぎりの、ご飯だけの部分です。それぞれ、水に沈めてあります。
 第3撃目。


 まだ午前中は具合がよくなくて、一日ここに拘束されて、準備もろくに為されていない(打ち合わせすらもない)展示には耐えられそうもなく、13時で切り上げました。たぶん、催し物自体は16時くらいまでやっていたのでしょうが、その大まかな終了時刻さえも知らされていませんでした。つまり、セミエンドレス
 で、ゆりかもめで豊洲まで。
 築地市場の移転先と、勝手に東京都の官僚どもが決めつけている、豊洲の予定地です。2016年にオリンピックを開く(予定)ために、わざわざ金かけて、ベンゼンなどの有害物質で汚染された土壌の上に、食品を扱う築地市場を移転するのだそうです。ご丁寧に、ゆりかもめの駅まで作っていて(9年後の話なのに)、乗り降りする人は反対運動する人くらいだと思います。
 いったい、莫大な税金を使って、誰を儲けさせたいのですか?
 そして、10年後には、この新市場を循環してきた魚を食べることになるのです。安全かどうかは、僕は知らない。ただ、オリンピックを金儲けに利用する倫理と、不足しているとしか叫ばない福祉予算を削る一方で誰の利益になるのか解らないところに金を使うという論理とが気に入らない。そういう不届き者はベンゼンで顔洗ってこい。
 第4撃目。


 …というわけで、何かの犠牲で成り立つものを垣間見てきた一日。チョコレート、巨大で立派な建物、見栄えが良くて便利なおにぎり、きらびやかなオリンピックの裏側にある市場移転。
 今、僕の頭のてっぺんから足のつま先まで、犠牲によって成り立っていないものが、いったいどのくらいあるでしょうか。
 チョコレートで言えば、カカオを生産するコートジボアールの人たちは、チョコレートを食べることができないだけでなく、それを売ってもなお食べるに事欠くほどだそうです。食べ物の他にも、ずいぶん昔に、小さな家族経営の工場が、鍋の生産に苦しんでいる番組を見たことがあります。
 税金を、今作らなくてもいいものに使って、結果的に貧困者を殺しているものの一つが、この「無駄な公共事業」というやつです。少なめに見積もっても僕の一生の収入では済まないくらいの金が流れてはいるでしょうね。
 表示もされていない油が、なぜか食品から出てくるという異常。誰にも知られないまま食べられています。このおにぎりを食べたからといって、誰かがすぐに死ぬわけではないけど、人間としての良心は疑いたくはなります。
 で、問題は、誰もこういうことに目を向けない、あるいは、目を向けたら一切合切の消費活動ができいことだと思っています。
 「何も知ろうとしない消費者が悪いのか、何も知らせない企業や政治が悪いのか」の二者択一ではない。「自民か民主か」レベルの愚者択一です。両方悪い。消費者は知る努力をし、その意識を政治レベルにまで上げる必要がある。これは難しいけど、どこかでやらないといけない。今日のてんでメチャクチャの打ち合わせだった展示も、多少はその「知る努力」に力を貸すつもりでやりました。
 …でも、こんなんで、本当に社会が変わるとは思えませんな。いつまでも違う波長で同じ振幅の矛盾が続いている気がします。ふたを開ければ、いつでも腐臭が漂っているように思えます。

天気:くもり時々雨、午前中時々晴れ(東京都中央区・千代田区・埼玉県所沢市)

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