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誰が悪者になっても同じだ

2008年 1月 30日

 風邪は相変わらず継続しています。今日は、フラスコを振りながら、イガイガする鼻の穴の不快感を堪えながら、一日勤務しました。主任も具合が悪いといいながら、一緒に労働。
 そんな労働ももう終わろうとする16時頃だったでしょうか、食の安全に関わるニュースが妙義山の時のような雨のように、突然、かつ激しく、降ってきました。


 「中国産の冷凍ギョウザを食べた10人が食中毒症状」
 千葉県警によると、殺人未遂で捜査しているとのニュース(産経新聞のネットニュース)すらありました。こりゃ、ただごとじゃない!
 …検査の結果、メタミドホスという有機リン系殺虫剤が検出されたそうです。有機リン系殺虫剤は、神経毒で、副交感神経の働きを阻害します。ニュースで述べているように、該当の冷凍ギョウザは、食べるべきではありません。
 大変な事件で、企業責任が問われます。中国産ということもあって、中国という国柄を問う声も上がっています。僕も、この事件自体、重大だと思うし、怒りを覚えますが、それ以上に、怒りを覚えるものがあります。
 中国を悪者にする人、JTを悪者にする人、色々いるようです。けど、中国からの輸入を黙って許している日本の国民性を悪者にする心はないのですか?中国から輸入しているものはこれだけじゃない。中国の色々な製品に依存しきっている日本の社会を変えようという気持ちはないのですか?それでなくても、中国製品が今までずっと危ないといわれてきたのに。知らなかったとは言わせない。まず、人任せの無責任な態度は責められるべきだと思います。
 もう一つは、食の輸入を野放しにしている(検査をする、という段階以前の話)日本の政治。日本に農業は要らないと言わんばかりに、米の輸入を進める一方、日本国民には減反を押しつける日本政府。小麦の自給率が14%。大豆が3%。果実全体で39%。肉類が55%。魚介類が60%。海草類65%。ちょっと古い資料ですが全部2004年度の分です。そして、全部年を追うごとに下がっています。これは、誰が農政を進めた結果なのか?
 輸入食品が危ない、もしそういうなら、危険から国民を守る愛国心があるなら、この自給率を何とかしないのか。導入でカロリー自給率が今の3分の1以下になるとさえ言われている日豪経済連携協定(EPA)を白紙にする気はないのか。
 みんな、自分には責任がないと思っている。選んだ責任がないと。でも、今は、食品にも政治家にも名前が付いていて、表示が付いていて、ある程度判るようになっています。偽装は100%やる側が悪いけど、これは偽装ではない。「中国産」と判っているものを買っているのだし、食料行政を進めているのが今の与党であることも知っているはずです。責任がないとは言わせない。

 ところで、ニュース、僕の中で欲しいけど出されていない情報があります。それは、

  1. メタミドホスの定量(なんぼ入っていたか)がされていないこと
  2. メタミドホス以外の、細菌・カビやその毒素を追及しなかったのか、ということ
  3. メタミドホスはアセフェートという、日本で認可されている汎用農薬の分解物である可能性はないのか、ということ

 の3つです。
 現に、僕が小さい頃、家のベランダでじゃがいもなどを育てていた時、「オルトラン」 というアセフェート製剤親の管理無しに使っていました。もちろん、今もアセフェートは現役。
 ニュースでは、「(メタミドホスは)ごく限られた研究所で使われている」と言っているけど…。そして、メタミドホスとアセフェート、検出のしやすさが全然違います(メタミドホスの方が良いようです)。いったい、どんな分析をして、報道されたようになっているんでしょう?
 …とにかく、被害に遭われた方々には本当に気の毒です。早く正確な原因を究明し、今の食糧問題も絡めた広い視野で解決したいものです。

 あ、さっきのニュースで、所沢市にも被害者がいたそうです。僕も、どうやら他人事ではないようですよ。

天気:晴れのちくもり、未明、雨(東京都板橋区・埼玉県所沢市)

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