瞬間的強制送還
今日からG8だというのに、この貧相な飯を食ったら、1000km離れた東京(埼玉)に帰ることになっているのです。
「ぱる」も、今回3往復しました。岩見沢周辺と札幌があたかも生活圏のような気分になってきた今日この頃、やっと北海道にやってきたという気分になってきた今日この頃、理論的には解っていても、やっぱり帰るという意味は呑み込みづらい。
新千歳空港。
乗る便は決まっていますので、また、キャンセルも利かないので、半ば、強制送還です。
そう、いつ書こうかと思っていたけど、韓国の代表団、結局送還されたんです。19人のうち3人に逮捕歴があって、入国管理局が認めなかった。韓国政府も、それに対して何も手助けをしようとしなかった。
こんな所で、食べるものもろくに与えられず、丸一日以上を過ごした気持ちは、どれだけ悔しかろうか!
「食糧主権の確立を!」
そのことを、大袈裟に言えば、そのことだけを表現しに来たのに、強制送還された無念さはいかほどだったのか、想像を絶します。
それでも飛行機は東京・羽田空港へ飛びます。一面の雲。僕が飛行機に乗る時で、まともに晴れていた経験はありません。
飛行機は、僕には合わない。そういうことです。
人間、足を地に着けていくのが一番!
乱気流でエンジンがぐらぐら揺れています。地上であれば当たり前のように起こる揺れですが、スッチーたちもみんなシートベルト。G8には劣るけど、厳戒態勢ですね。
実は、風邪を引いているので、無理に職場に戻るのはやめて、帰ってきました。
ということで、ここは所沢。
さっきまで「ぱる」で飯食ってたような気がするんだけど、それが1000km以上も離れたところだとは、未だに信じられません。小さい頃、大分県の祖父母のところに行ってた日々の夜、大阪の実家に戻っている夢を見たような、猛烈な次元のゆがみを感じます。
今日からG8も脂がのってくるのに、こんな所にいたくない。祖父母の家にいた時の、夢の強制送還は、今やデジャブ。瞬間的強制送還。頭が混乱しています。
早く、明日、職場に行って、何とかしてしまいたい気分です。
夜、NHKのニュースを見ました。
当然、G8関連。
そしてこれも当然、G8よいしょモード。中国やらインドやら、経済成長を遅らせるわけにはいかないと言う。アメリカやらは、中国やインド(新興国たち)にも二酸化炭素削減の意欲を示してもらわないと話にならない、という。
こういうのを「平行線」といいますか。
いいえ、「ねじれの位置」といいます。
すでに、理念から違うでしょうが。平行線ならまだ、ベクトルは同じなんですよ。
中国内陸部やアフリカその他の貧困は問題です。だから、それを何とかしつつも地球温暖化に取り組まないといけない、という状態なのに、ただそれらの国に我慢と努力だけを強いるとは、どれだけ甘ったれなんでしょう?
しらじらしく、七夕の願いに、「平和」とか「貧困の克服」とか書いているけど、平和もその大元の貧困も他人事のように願い事をするその面が許せない。
アフリカへの支援が、自給できるための支援をするという話。
あの砂漠だらけの地域に、人口を養うだけの食糧を自給するのがどんなに大変か。あの地域でのプランテーションで、さんざん地元の農業を破壊しておいて、児童労働を放置しておいて、何が教育だ、何が貧困克服だ。
あまつさえ、日本の農政、ミニマムアクセス米とやらで、義務でもない米を輸入して(失敗したようだが)、農家には、需要が高まっている米の減反を押しつけて、何とかやっていた小麦などの農作物も、大規模化・集約化を押しつけて、貧困に追いやっている。
食料自給率をカロリーベースで出すのは低く見られるから、出荷金額ベースで算出すべきだなどと、算数の真似事までして自給率の向上を図らない奴が、飢餓の克服なんぞ、100兆年早い!
G8は、WTOとは違って、あくまでも先進8カ国首脳の集まりだから、たとえ拡大ナントカ会議とかを設けたところで、決裂(表面上の失敗)はないでしょう。でも、本当に困っている民衆レベルでは、失敗確実。
最初から貧困よりも、飢餓よりも、一部の利益のことを考えている首脳に、成功という概念そのものがないのはだいたい想像していました。ただそれが、今日、一部顕わになっただけです。
…そんな顕わになった日に、瞬間的強制送還を食らうなんて、何と悔しいことか。週末連続雨に当たるような悔しさです。
さて、終わるか。
天気:くもり(北海道空知支庁空知郡北村)、くもり時々晴れ(埼玉県所沢市)