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日高山脈もどきの四国山地(東赤石山・笹ヶ峰・桑瀬峠縦走コース:高知県)

2011年 9月 24日

 夜、何度か起きたものの、約10時間寝ました。朝の眠気も一切なし。しかし、食欲は微妙。そろそろ気温も下がってきたので、だしスープ餅落とし(何)を食べる時期(?)で、ついでに、ぶりの照り焼き缶詰も。
 結論からすると、両方とも食欲を更に落としたという罠。


 ふと横を見ると、このカレンダー、1981年ものです。なんと30年前ですか。このお化け屋敷のような小屋も(失礼)その時からずっと建っていると。


 外に出ると、昨日の夜にかかっていたガスは消えていて、晴れています。


 遠くに絹雲の切れ端のようなものがあります。あれが上空を通過していったのでしょうか。


 八巻山には登らず、そのまま物住頭・西赤石山方面へ行くことにします。ただでさえ時間が足りません。


 物住頭に日が当たっています。それにしても、相変わらず道が険しいというか、歩きにくい。


 ふうたろうの居る場所は東赤石山山塊の陰になっていて、暗い。


 瀬戸内海が見えます。


 道はこうなると比較的歩きやすいのですが、岩ゴロゴロの斜めになったところとか、ほんとに足を取られてふらふら。


 ヌオッ(゚Д゚;)
 前赤石山の崖をトラバース。どこに道があるんだよ…


 展望がいい、なんて事を言っている余裕は、あまりありませんでしたな。既に、今日のウルトラロングコースに心が萎縮しているのか、昨日のコースタイムが意外とキツかったのに消沈しているのか…。


 蜘蛛の巣とかバリバリだけど、歩きやすい道のはず。ザクザク行きます。


 もうすぐ物住頭。


 赤石山荘から1時間11分後の6時53分、物住頭到着。しかし、昭文社の地図では、ここを45分で辿っています。45分ということは、小走りか?トレイルランニングでもやっているやつが書いていたらグーで殴りたい。


 東赤石山の方から日が昇ります。おはよう9月24日。


 空には絹雲が漂います。天気が崩れるのかと若干不安になりますが、どうも広がってくる様子もないので、今のところ安心。


 物住頭の看板は銅板で巻かれた上物。


 さて、次の西赤石山に行きましょうか。


 物住頭までの道に比べると、随分穏やかになりました。ゆっくり写真を撮りながら景色も堪能できるというものです。


 物住頭の方から見た西赤石山。スッと伸びる緑の稜線は、見る分にはいいですね。


 秋の穂が出ています。実は、この四国山地、かなり気温が低い。先週の鉢伏山や、その前の中央アルプスなんかよりもずっと、寒い。


 西赤石山到達。それでも、3分遅れ。やっぱりおかしいなあ、コースタイム…。


 西赤石山の端にある岩の上に立つと、西条市街が見えます。いや、新居浜市街かな?わからん。


 これから別子銅山跡の、銅山越に向かいます。そこまで1時間10分。


 東赤石山が遠くなりましたね。


 縦に走る絹雲。地上はモヤッとしていても、空は深く澄んでいます。


 ああなんてかいてきなみちなんだろう(棒読み)


 絵に描いたような、カールする絹雲が上空を舞っています。


 斜面に広がる樹林帯。見る分には(略)


 別子銅山跡付近の樹林帯や縦走路。この広がりがいい。


 さあ、道は楽勝。これなら充分進めますぞ。


 …(="=)
 銅山越方面はいいけど、この道に垂直に出ている看板は、いったいどこ指してんだよ…。深いヤブの中、だよなあ??


 樹林を抜けて、別子銅山跡の辺り一帯の、展望が良い場所に出てきました。


 開放的に歩けます。写真を撮るので時間を食います。しかし、それは正常な時間の食い方。


 真正面の山は西山。銅山越がひとつの大きな鞍部になっています。昨日は本当はここまで来たかったのですよね。


 銅山越付近から西赤石山方面を眺める。


 右が西山、左がツナクリ山。


 西山に登る前に、銅山峰というのがあります。展望はいい。


 さて、いよいよ西山へ向かいますか。


 西山の斜面からの展望もまた、いい。


 しかし、展望が良くて比較的楽な場所はさっきまでで、これからまた苦行のコースです。早速、西山山頂は展望ゼロという件。


 西山山頂を少し過ぎたところの岩場から、若干の展望がありました。


 次の峰、ツナクリ山。「ツナクリ」って何だろうね。


 西山とツナクリ山の鞍部。実は、ここと銅山越えのトラバース道が存在します。


 そして、ツナクリ山に登る頃には、再びヤブがキツくなっている。


 ヤブに溺れながら遠くの山を見渡しています。


 なるほど、ツナクリ山って、「綱繰山」なのね…。


 ツナクリ山から、これまた木の根っこが巻き付くように登山道を覆っている急坂を下ります。なお、25000分の1の地図の道は間違いです。一本東の尾根に下ってからトラバースです。


 このあたりで、夫婦ふたりで登っている方たちと会いました。ふうたろうが今日中に瓶ヶ森まで行きたい、というと、「瓶まで行くんですか!」と。無性に、「カメ」という略し方が印象的でした。


 トラバースを続け、ふうたろうはようやく土山越に到達。1時間の所を62分。まあまあ、ですか。


 土山越で少し休んでから、出発。またもや樹林帯の道ですが、今度は25000分の1の地図にルートがありません。尾根の東側をトラバースするように上り(入口には看板があるので迷うことはない)、途中で尾根を乗っ越してから進んでいきます。


 見えているのはちち山分かれ付近の笹原。きっと大展望なんだろうなあと。


 しかし、その前にこの獅子舞の鼻と呼ばれる、1470mのピーク手前の急坂を登り切らなければなりません。急坂を必死で登ったら、1時間のところ55分。なかなか頑張りましたが、もうダメぽ…(滅


 これから、またちち山分かれまで、250~300mくらい上らなければなりません。この強烈な上り下りの繰り返しは、縦走のいちばんキツいところかも知れません。


 獅子舞の鼻から少し下る間に、踏み跡が隠れて殆どわからなくなるくらいの笹ヤブを通ります。


 疲れはたまる一方ですが、景色はかなりいい。


 天気も、不思議と祝福してくれていますな…。


 獅子舞の鼻を過ぎて、再び上りになります。


 景色は一気に開けてきて、低木とササの見る分には美しい道を歩きます。


 後ろを振り返れば、笹原の後ろには歩いてきた山々が続いています。


 しかし、このどこまで続くかともわからない笹原の長い坂はさすがに歩き続けられない。


 座ってカステラでも食おう。埼玉県の、聞いたこともないところが販売しているようだ。


 疲れるのが先か、笹原の大開放が先か。いつもふうたろうの体と心の中で、それがせめぎ合っています。


 先週の鉢伏山同様、この笹原も素晴らしいことには違いない。ただ、荷物の量もかなり違うので、その分疲れがハンパない。


 笹原の中の木立とか、たまんないですな。


 だいぶ獅子舞の鼻が低くなってきたけど…


 だいぶ上ったね。


 でも、これを見れば、これから更に坂はキツくなるってか…


 秋の空の雲と日差し。この、情景とコンディションのあまりのアンバランスさが、ある意味しんどかったりもする。


 ちち山の肩が見え隠れしているようですが、どうも、ガスが湧いてきたようですな…。まさか、あの毛勝山のような特大罠が待っているとか…


 急坂は乗り越えたようです。しかし、もう少し、坂は続きますぞ。


 この坂を越えれば、ちち山分かれ。息絶え絶え、進みます。これを越えたらあとは…、という思いがそうさせます。


 ちち山分かれの看板あり。ここまでで獅子舞の鼻から1時間16分。やっぱり1時間では無理だったか…。


 さて、休みもそこそこ、これから笹ヶ峰まで進むんですぞ。


 ここからもまた笹原を進むことになります。大展望が繰り広げられることでしょう。しかも、それほどアップダウンもなさそうですし。


 歩きながら休めそうな気がしない?これは、ちち山分かれから東側の三ツ森山方面です。


 笹原と岩のコンボとか。


 ちょっとササで埋まってるけど、いい感じですね。


 展望は最高。笹原の大開放。


 笹ヶ峰も見え隠れしています。


 この状態がずっと続けばいいのになあ。


 ちょっとトラバースの斜面がキツいかな。


 (・ε・)ん?


 このあと、ふうたろうは閉口。斜めになったトラバース道で何度も足を踏み外し、ササで足下が見えない中足場を探り、終いには樹林帯へ突っ込んでいくという凶悪ゾーンに突入です。


 この、笹ヶ峰側のちち山指示板を見た頃には、もはや燃え尽きていました。


 ああじゅりんとささはらがきれいだなあ(棒読み)


 ああちちやまがかっこいいなあ(棒読み)


 そして、これから笹ヶ峰までもう少し上ります。一応瓶ヶ森を目指しているので、まだまだ道半ば。でも、今何時?


 ちち山が笹原と低木に覆われて、見る分にはきれいなんだけどさ。


 すぐそこの笹ヶ峰が遠くて吐き気がしそう…


 ガスも上がってきたな…西と北面は展望アウトになるのかな…


 台地状になってきた。もう少し…。


 笹ヶ峰山頂到達。
 …しかし、ふうたろうは三角点の上に座り込んだまま、この後約30分、疲れで動けませんでした。


 山頂からの展望は、殆ど写真に撮ることもなく、出発となりそうです。


 さ、ひとまず次のピークは寒風山。


 また笹原を突き進むことになるようですね。


 ふうたろうは、もうここのコースタイムは信用しない。


 ササで埋もれた道を歩きます。当然、石やら木の根っこやらに足を引っかけます。


 道が出てきました。ガスが飛んで寒風山も見えてきました。


 もっと余裕のあるコースを組めれば、これでも楽に行けるのかも知れないけど…。石鎚山まで3日で行こうってのがそもそも誤りか。


 笹ヶ峰の、ササの斜面。もう少し右にずれてから眺めたいね。


 このコースはピカイチ。ササは確かに最初こそ深かったけど、その後は道も快適、中途半端な低木樹林帯もなく、大開放の展望です。


 こうして、行く先の展望を眺めながら。


 笹ヶ峰を振り返って。


 安寧な道を進んでいると。


 少しずつ気分も楽になってきます。


 今日はここでやっと気持ちが落ち着いたような気がします。


 この道を逆に笹ヶ峰に上がっていくルートを辿ったら、この笹ヶ峰どーんがずっと見えるんだろうなあ。


 ふうたろうは寒風山を目指す。あそこでテントを張るか、もう少し先まで進むかは、そこに着いたときの状態で決める。


 笹ヶ峰もだいぶ遠くなった。もう半分くらい来たか。


 それでも、まだまだ続く、ササと樹林の混ざった尾根歩き。快適な尾根なので、疲れはそれほどたまりません。


 山はまだまだ緑だけど、この穂を見るとやっぱり秋ですよね。気温も10℃前後です。


 階段がありました。


 1651mのピークを巻いて通過。


 整った笹原の道。


 あの笹ヶ峰の、遙か向こうから、ずっとこの道が続いて…、いや、途切れてたところもあったけど(滅


 ここで笹ヶ峰も一緒に捕らえたかった。


 よっしゃ!寒風山到達!!笹ヶ峰を14時55分に出て、16時17分到着なら、大健闘ですわ。


 よし、このまま、桑瀬峠まで突っ切るぞ!


 だいぶ太陽も傾いてきました。もう、16時過ぎてますからね。


 もやでよく判りませんが、あの右手のぼこぼこしたやつのどれかが伊予富士のはずです。次の目的地。


 寒風山から桑瀬峠に下る道は階段やロープが何カ所か付いています。それらが付いているので、難所でも何でもありませんが。


 ここから桑瀬峠までは急坂です。疲れた脚に最後の打撃。


 下に見えるあの尾根のどこかに、桑瀬峠があるはず。


 またササの斜面。ここから西側の展望はいいのですが、モヤの中の逆光で眩しいだけでした。


 おおっ!
 あの岩山、かっこいいですな。


 桑瀬峠はもうすぐ。立ち枯れた木の向こうに見えていますよ。


 そして、遂に桑瀬峠到着。ここで17時9分。もう、限界ですな。


 でも、なんかこのヤブが気になりました。明日の朝にここを通ったら、一瞬でずぶ濡れになるでしょう(雨合羽なんか気休めにもならない)。だから、今のうちにこのヤブくらいは抜けておきたい。


 かといって、あの斜面を登るような体力は、もう無い。


 ヤブはすぐに抜けた(というか、回り道がちゃんと付いていた。看板がでたらめだっただけという罠)ので、このあたりで手を打ってしまいましょう。


 というわけで、テントを張ったら、まず四肢を投げ出してゴロン。気が済んだところで、夜飯です。今日はこのぶぎゅるコンロで何を調理?


 イカめしでした。
 イカは確か制限アミノ酸があったと思いますが、気にしてられない(イカの制限アミノ酸はバリン)。ほんとは気にしたいけど。


 そして、夜のもそもそマッタリタイム。伊予富士方面にカメラを向けて、星空を撮影。1411秒もシャッターを開けて撮っていました。ああ、極楽…


 とても長かった今日の行程。それでも、予定より全然進めませんでした。思えば昨日、朝のバスの遅れがなければもっと進めたかも知れません。東京駅付近発着のバスは使うもんではないですかね…。
 あとは、明日に賭けましょう…。もう、ここまで来ればどこまで進めるか判りません。石鎚山まで、行けないかも知れない。


天気:晴れ(愛媛県宇摩郡別子山村・新居浜市・西条市・高知県土佐郡本川村)

  1. 一柳雄哉
    10月 24th, 2011 at 10:11 | #1

    土日に故郷新居浜にいました。この日記を読んで、これは故郷の山くらい登っとかんとあかんやろ!!と思っていってきました!日曜朝~昼の弾丸で。
    東平→銅山越→西赤石→東赤石→西赤石→東平。
    スーパーガス・スーパー雨模様で展望0でした・・・岩とかいかつかったです。
    晴れていたら気持ちよさそうな稜線とかありましたね~やっぱり晴れですよ晴れ。

    次は笹ヶ峰とかの縦走ふうたろうコース行きたいです。精進します。
    ありがとうございました。

  2. ふうたろう
    10月 24th, 2011 at 12:20 | #2

     ずいぶん張り切って行ってきましたね。天気クソ悪い中歩くと、いくら山が好きであろうと心が荒んでくるので、ふうたろうは最初から勝負挑みません(ぇ

     ふうたろうが歩いた感触だと、そのコース、めっちゃくちゃ長いんですが、朝~昼で行けてしまった、というのは大したものですね。軽荷でも、ふうたろう、行けるかどうか・・・。
     あそこは、展望は意外といいですよね。しかも、雨上がりとかだったら空気も澄んでいて最高でしょうに…。しかし、雨とガスに囲まれちゃあ終わりですわな(滅 次は、晴れたときにハイパーアタックかましてください。今度は、ふうたろうが辿ったあの激ヤヴァコースを経て(笑

  3. 一柳雄哉
    10月 24th, 2011 at 17:15 | #3

    激ヤヴァコース、チャレンジしたいっすね~、ハイパーします!
    日記、参考になります!

    今回は軽装でしたが、やっぱしテントかついでキャンプ張りたいですねぇ。
    単独は初めてだったんですが、誰も居ないところに一人でおるっちゅうのは不思議なもんで。これが晴れてたり、朝日浴びたり、星空だったり、そりゃ皆と居るほうが楽しいんですけど、一人っちゅうのも贅沢なものですね。
    ガスの中ピークで一人ぼっちちゅうのも、それはそれでドープな世界でしたが。。。

  4. ふうたろう
    10月 24th, 2011 at 20:25 | #4

     たぶん、迷うことはないと思うけども、いよいよ地図読めるようにならないと厳しいところも出てきまっせー。あまり人通りの多くないルートなので、道は若干荒れ気味。笹原でガスったらかなりヤヴァイことになりますぞ。天気と道の確認はくれぐれも。

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