Archive

Archive for 2006年11月13日

異常な社会

2006年11月13日


 今朝は眠く、新聞休刊日の今日は、ずっと常磐線で寝ていました。日暮里駅のツタがこの前より少し濃くなったような気がします。比べてみたらどうだろう…?
この前のツタ(2006年10月30日付)

 空を見上げれば、絹雲。天気は下り坂です。冬の澄んだ空気。くっきり見えます。そういえば、今朝は利根川から富士山も見えました。

 帰る頃の18時。もう外は真っ暗です。11月9日に散歩した時にはまだ準備中だったクリスマスツリー。もう立派なイルミネーションが。今度ちゃんと三脚持ってきて撮ろうかな。

 帰りの電車で、『水俣病の真実』(矢吹紀人著 大月書店)を読んでいました。…何と言ったらいいんでしょう。水俣病患者は四重苦です。メチル水銀による神経障害、漁獲物が水銀で汚染されているため(風評被害も含めて)の生活苦、差別、政府からの認定率の低さ。原爆症と同じじゃないか(認定率0.8%)。
 チッソが排出していたメチル水銀が、水俣病の原因であることは、いろいろな証拠から間違いないとされていました。しかし、チッソ側はそのためのデータを隠しました。一方、熊本県は水俣湾の魚介類摂取をやめさせるよう、食品衛生法の適用を厚生省(当時)に求めていたにもかかわらず、厚生省は「魚介類のすべてが有毒化しているという明らかな根拠が認められないので」という理由で、これを適用しませんでした。
 1968年、厚生省は水俣病の原因を、チッソが排出したメチル水銀であると認めました。ところが、その「認定」の裏には、チッソが水俣市の工場を閉鎖して別の場所に新型の工場を造ったということがありました。新潟水俣病で知られている昭和電工でも同じことが起こっていたそうです。
 つまり、責任を取ろうにももうその工場はない、という状態です。
 こういう政府と一部大企業の謀略の下で、多くの患者が苦しんだ。1956年に端を発した水俣病も、1968年の厚生省の「認定」まで12年もかかった。それでも、認定基準が厳しいまま、多くの患者がわけもわからず、苦しみ、死んでいった…。
 大企業中心の異常とは、まさにこのことではないか。
 そういう一方で、時には怒号を浴びせられ、拒否されながらも、献身的に患者に向きあう医師たちの姿は、考えさせられるものがありました。「すごいね」では済まない。社会を動かすというのは、大なり小なりこうして苦労をするものなのだ、と。
 …昨日駅前で「宣伝」したけど、人に根気よく向かっていくことが大事なんだな。でも、無計画にやればいいってもんじゃない。この実に巧妙に作られた「異常な社会」に立ち向かいたければ、その都度、反省や総括が必要です。「曖昧」や「ほおかむり」の無責任・無反省ではだめなんだね。
 そんな昨日、大阪と埼玉で子どもがいじめで自殺したらしい。自殺まで考えることが異常?いやいや、ここまでいじめが陰湿化し、多発し、隠蔽されていることが異常なんです。文部科学省も、実際には起こっているいじめ自殺を「ゼロ」発表。
 こういうのひっくるめて、「美しい国」ね…。唖然とします。

天気:晴れ時々くもり(東京都板橋区・茨城県取手市)

未分類