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科学を究めたくば…

2006年11月24日

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 今朝、また日暮里駅の蔦が気になって、写真撮ってみました。毎日少しずつ変わるので、昨日と今日の違いなんて判りません。でも、上の写真を見てみると、一目瞭然。(1)は10月30日、(2)は11月13日、そして、(3)が今日11月24日。こんな大都会の、雑踏の駅から、季節を感じました。

 今日、夜は職場で会議だったので、常磐線に乗ったのは21時を回りました。そこで、久しぶりに『水俣病の真実』(矢吹紀人著 大月書店)の続きを読みました。今日読んだところは、水俣病の認定を拒んだ勢力がいったいどんな行動をしたかが、具体的に書かれていました。
 水俣病患者の認定は、第一陣が1973年頃に認定され、そこから認定を求める患者が急増します。この時の認定基準は、有機水銀による症状(神経症状)が少しでもあれば、水俣病認定をする内容だったようです。しかし、それからすぐ後、認定基準は、一つ一つの症状について、「高度の学識と豊富な経験に基づき」検討するようになりました。つまり、「一つでも水俣病の症状があれば認定する基準」ではなくなったのです。
 そうして、「高度の学識と豊富な経験」に基づいた検討の結果は、一つ一つの症状に対してことごとく水俣病ではない診断をされることになりました。ひどいことに、その時に診断を下した医師は、患者の訴える症状を頭から否定していました。「ジェスチャーが上手い」など。しかも、そうした医師たち(水俣病否定勢力側の医師)は、水俣がどんなところであるかさえ知らない程度のものだったそうです。
 そして、その一方で水俣病患者に対する偏見が広がりました。「金欲しさのニセ患者」
 実はこういう発言を国会議員などもしていたといいます。

熊本県議会議員 杉村国夫

 申請者の中には金欲しさのニセ患者が多い

石原慎太郎環境庁(当時)長官

 水俣病には公害が原因でない人も患者の中にいる

自民党環境部会長 森下泰

 熊本県では申請すれば水俣病患者になって金がもらえるから、そのうち県民全部が水俣病患者になる。私も熊本県に住んで水俣病になりたい

 過去の過ちを清算しない態度。今に通ずるものがありますね。
 一方で水俣病認定のために、患者の治療のために、とにかく何でもやった藤野医師たち。疫学調査、粘り強くやった患者からの聞き取り調査、自分たちで設立した病院での検診…。その結果としての、「チッソがアセトアルデヒド生産の過程で排出した有機水銀による水俣病」。事実と正義に則って闘った藤野医師たちに敬意を表したい。科学者の名に恥じない、無名の科学者たち。僕もこういう人たちのような人間になれるだろうか。

 「科学」…毎日のように思い浮かべる言葉ですが、まだ藤野医師たちのような「科学」にはまったく及ばない。なぜなら、実践がないから。でも僕は科学に携わる人間。責任として、出来ないでは済まないし、済ませたくない。
 …ってことは?選挙戦、さぼるわけにはいかないか。そういう身近なところに行くよね、やっぱり。上手く関わる方法、探そう。僕なりの、「中途半端でない方法」を。

天気:晴れ(東京都板橋区・茨城県取手市)

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