運も実力のうち(滅)(余市岳【南岳尾根コースっぽい】:北海道石狩支庁)
夜から朝にかけて日本海を低気圧が通過することになっています。だからハナから早出を期待しないでいましたら、こんな時刻に。
しかし、一日停滞しているのももったいないしその必要も無いので、出発。その代わり、若干の不快さは免れない。
この辺りは連続して3個ほどの小ピークを越えなければなりません。
ガスが薄くなりました。青空が広がればここは凄まじくきれいでしょう。でも今日はザンネン空(滅
基本的に西斜面は樹林、東斜面が雪庇、という構造になっています。雪庇に寄りすぎても危険、樹林に寄りすぎても歩きにくい、そんな今日この頃(何
坂が急だと少しおののいてしまいますね。この雪庇の裏側がどうなっているのか判らない。
昼前になると空に晴れ間が出てきました。しかし雪はずっとちらつきっぱなしです。
シレッと尾根の分岐を進んできていますが、この分岐を誤ると谷にそのまま突っ込んでいきます。谷に突っ込むとゴルジュや深雪にもみくちゃにされて帰らない人になるで注意です。
シュカブラが美しい。地図を読めない、いや読まない人は来てはイケない場所です。地図を読めない人は訓練すれば読もうとする人だから、いつかは来られます。
雪庇の端に微妙な距離を取りながら進みます。実は雪庇の根元というか、樹林の際の部分は既に尾根から外れているのです。たまにそれを感じることができる場所がありますが、ちょうどこの先、そういう場所がありますから(ため息
ガッチリ霧氷になった木々。しかし広葉樹ではアイスモンスターにはなりません。葉っぱの表面積が広い常緑針葉樹林でないと…。
尾根の別れのところに吹きだまりがあると、その段差をどうにかして下らんとイケません。ふうたろうは荷物が重いので、簡単に飛び降りる勇気が湧きません。足を痛めそうで。
尾根に出たらとにかく方向を確認。それをやらないと死あるのみ。
空は雪か雲のせいでずっとこんな感じです。高気圧の中心が頭上を覆うことがありませんから。
今日のコースはモノクロです。いや、カメラは普通にカラーなんですがね。
ちょっと角度のあるところはこうして弱層から雪崩れ出します。あまり角度のきついところをトラバースすると、これが大規模になって帰らぬ人になります。
ふうたろうが蹴飛ばす雪が斜面の下に転がっていきます。玉すだれのように。
オープンゲレンデは緊張します。角度が付いていなくても雪崩は確率に過ぎませんから。38度付近が最もヤヴァイというだけで、それ以外が雪崩率ゼロというわけではありません。
片面(南西)樹林帯に突入。美しい樹氷を愛でながら進みます。願わくば青空がほしい。でも、1月の北海道でこの程度の天気ならば恵まれているかも。
まっすぐ尾根を進むと谷底なのでThe Endです。ここはどうなるか若干不安でしたが…
ブッ¨:∴(゚ε゚;)
思い切り頭から転びました。
ひっくり返ったら亀のようにじたばたしなければならないのです。一面に広がる霧氷がアホほどきれいに見えるのです。
日が差すと輝きます。なお、サングラスは視界を閉ざすので使っていません。何のために買ったのやら…(滅滅滅
うむ、いいコントラストです。レンズやローパスフィルタのゴミがなければもっといい(じと目
道もキツい(荷物が重い)ですが、それ以上に写真撮りまくりでまったく先に進みません。まだ今の段階で半分です、写真。
進む先はずっと雪。でも、早春や残雪期のように湿っていません。
…これはっーーー!
博多のキャナルシティで浮気デートしているときに買ってきた、札幌のお菓子ではないか。往復3000kmも移動してきた、フードマイレージ高すぎのお菓子に仕立て上げてしまった。
で、おそらくここで食わずにきっと東京に持って帰るハメになるだろう(藁藁藁
ちゃんと、札幌市白石区…と書いてありますな。おかえり。北の国へ(黒藁
ちなみに、低温で凍っています。食べたくても食べられませんから。
景色がめちゃくちゃきれいかといわれるとそうでもないけど、何となく自分がこういう場所にいられることが嬉しいのですな、やっぱり。
しかし、雪道ではほんの少しの起伏でもしんどいのです。足が上がりません。
前を見て写真を撮り、振り返ってまた撮り、を繰り返す。しかし、これほどレンズやローパスフィルタが汚れていることにはまったく気がついていないという罠。
纏まった雪雲が通過しているのか、雪が強めに降っています。でも、雪国だからねえ?
まあ、普通なら吹雪の中を歩いている変態扱いですわな…(じと目
東斜面が崩落している場所があります。そこの通過も気にはなっていましたが、どうなっているでしょうか。
東面の崖を避けるように歩きますが、避けようとすると樹林帯が行く手を阻みます。そして、見ての通り急斜面なのでけっこう歩きづらくて、雪が倒木の隙間とかの上に被さると落とし穴になって…。
そして、崖を抜けたところで安心して直進するとお亡くなりになるので、左手に方向転換です。
余談ですが、この地図はまじで便利です。地図閲覧サービスに行って、フリーのキャプチャとフリーのお絵かきソフトがあればOK。
→SnapCrab for Windows(キャプチャ)
→PictBear(ペイントソフト)
ふうたろうはこれらを使わせていただいております。
そして、東側に崖がなくなったら、すぐに東側の尾根へ移動です。まっすぐ進むとお亡くなりです(ちーん
しかし、雪道ってのは自由自在ですな!
ん?(・ε・;)
ヅボッ!
ブッ¨:∴(゚ε゚;)
尾根の中心と雪庇の隙間に落ちました。何でこんなもんがあるんだよ(゚Д゚メ)ゴルァ
とりあえずあの崖道を越えると難所はクリアでしょう。ただし、南岳付近もだだっ広いので迷わないように方向確認しながら進みます。基本尾根伝いでこのまま東に突っ切ります。
この辺りにはピンクのリボンとか付いていますね…何気に登山道じゃないか(ゑ
いや、雪は深いけど、焦りさえしなければ快適な道ですね。森吉山(秋田県)のヒバクラ岳から名もない尾根を歩いたあの時を思い出しますね。
雪なのかローパスフィルタのゴミなのか飛蚊症(違)なのか判らないけど、目の前を黒い影が。
こうやって歩いてくれば、どんな道も尊い。足も山も、歩くためにあるんだよ。
生クリームを塗ったような樹林帯。きっと夏場はここ、猛烈な笹ヤヴで、石狩岳の根曲がり廊下よりもオゾマシいことでしょう。
そういえば、今日尾根を歩いているときからずっと音が聞こえていたんだけど、スノーモービルがヴンヴンいってました。でも今、目の前にスノーモービルが列をなして…
スノーモービルの跡をたどれば、下界にそのまま降りられるということですかな。今日中の下山も可能か。実はこのままでは南岳より少し先でテントを構えなければと思っていたのですよ。
このスノーモービルがどこへ向かっているのか、どこを走ってきたのか、当然把握していないとしんでしまいます。OK?
…
ヌオッ(゚Д゚;)
…スノーモービルの痕が…途切れた?いや、正確にはふうたろうが行きたい方向と逆方向に…
ヌオッ(゚Д゚;)
アヴネー(゚皿゚;)
まっすぐ突き進んだらゴルジュへダイブするところでしたがな!
実際にはスノーモービルの痕は青線のようになっていました。てっきり緑の点線の林道が生きていると思ったので、そこから登ってきたとばかり思っていたのですが…
ええ、運も実力のうち。そして、運の尽きです。
どうも、この平らで木が比較的細いラインが、林道がかつて生きていたところなんだろうなと思います…。
そして、ふうたろうはこの死んだ林道で結局ビバーク。何をやってんだ、俺!
ところで、ここにある水筒は、何気に霧島の水。なんか、もうやってることが一から十までむちゃくちゃですな…(ため息
余市岳、なかなか手強いですね(ぇ
さて、問題はこれから死んだ林道を歩いて行かねばならないのですが、定山渓に向かうための主要道に出るため、対岸に渡る橋が生きているかどうか。これが実に重要な問題なのですな。しかもこの調子だと猛烈に深い雪に死林道が埋もれていることが予想されます。あるいは場所によっては崩れて失われているとか…(寒気
渡れる可能性があるところは3カ所。でも、一番奥の橋はあまり期待できない。残りの2カ所は…。とりあえず、今夜は寝よう。
天気:くもり時々雪(北海道石狩支庁札幌市)