なぜ山に登るのか、そこにIngressがあるからだ(何)(大キレット縦走【殺生ヒュッテ~穂高岳山荘】:長野県)
ずっと良い景色過ぎてコメントすることに尽きた昨日の行程から一夜明けました。あれほど曇っていたのがウソのように、晴れ渡っています。隣にテントを張っていた彼は今日中に下山するそうで、まだゆっくりしているようです。ふうたろうは彼を邪魔しないように、そっと出て来ました。
若者7人のグループと合流して、とりあえず槍ヶ岳方面へ。しかし、よく見ると、疎らについているヘッドランプの明かりの間に、たくさんの人影が見えます。ディズニーランドのアトラクション待ちじゃあるまいし(行ったことないけど)、山の上で拷問を味わいに行くつもりもないので、この時点でパスを決めます。山頂のPortalにアクセス出来ないのは残念ですけどね‥
槍ヶ岳山荘はすぐそこです。みんな、来る人を歓迎してくれている‥はずもなく、日の出を写真に収めようと頑張っています。
槍ヶ岳山荘の前は、もちろん中も、人でごった返しています。みんな考えることはだいたい同じですね‥
岩場の登山道にそって、人が列をなしています。しかし昨日はそれどころじゃなかったらしく、2時間半とか、長い人は4時間とか5時間とか、いろいろな情報が入ってきます。
槍ヶ岳山荘のPortalKeyを集めたら、行きましょうかね。こんなディズニーランドになんか付き合ってられません。
この辺りで写真を撮り合っている人がいます。景色だけなら、ぶっちゃけこの辺りので十二分ですからね‥
槍ヶ岳山荘のテン場、展望いいですね。ここはいずれ泊まりたいところです。北鎌尾根にでも行けたら、使う機会を与えてもらえるでしょうか‥
槍ヶ岳を過ぎて最初に至るピークが大喰岳(おおばみだけ)。広い山頂、というか、二重稜線になっていて、山頂が見つけづらい。
表銀座の稜線よりこちらが見えていたように、こちらからも向こうが見えます。
しかしこちらは岩ばかりの道。あちらの草木のあるところとは随分違います。
槍ヶ岳方面に向かう人もいます。この人達は今朝は北穂高小屋あたりを出てきたのでしょうか。
ふうたろう、口数が少ないように思えますが、道行く人と会話はしています。ただ、去年のような道中をともにするようなパターンはありません。
基本的にひとりで歩くことに寂しさはありませんが、去年みたいな人間的なドラマがあったほうが、この北アルプスのような人の多い山では日記も捗る‥
人との関わりがなければ、ひたすら自己完結の旅を繰り返すだけですからね。
笠ヶ岳。2010年6月5~6日、雪の急斜面を登って、ガッツリ歩きました。73個目の日本百名山。忘れもしない、あの景色。新緑と残雪のコラボの美しさを知った山です。
3日分の食料や水が減って、歩くのもかなり楽になっています。それにこの景色ですからね。
この風景に対して、どんなコメントをつけるべきか、判りませんね。かといって、そういう写真は省いてもいいのかというと、それもどうかと思いますし‥
そして南岳。昨日のうちにここを通っていたいという欲はありました。が、結果論として昨日の天気ではこれほどの展望は望めなかったでしょう。
ここでカップ麺でも食べようと思ったら、ものすごい客が来たあとの片付けのため、10時半までそういう対応はできないとのこと。結局食べられたのは人工甘味料入りの潰れたアイスモナカ一つ。
なんか、ショボいね。
小屋の屋根に布団を干しまくっています。毎日天日干しされる布団なんて、ほんと、ホテルの扱いですね。高いわけですよ‥
そう、難所と言われる大キレットです。去年は穂高岳山荘から涸沢岳に登る途中の岩についていた霜で滑って戦意喪失し、北穂高岳で断念して、涸沢カールまで下りたんでしたね。
北穂高岳は真ん前にガッツリ見えています。そんなに遠くはないように見えます。でも、遠くから見た感じ、どこを登るのか、見当すらつかない。
ふうたろうの真ん前を歩いている人は、岩手県から来たというグループの人たち。宮城県、宮崎県など、遠くから来たという人を結構見かけました
尾根伝いに道が続いている‥ように見えますが、実際どこを通るのでしょうか。
振り返ると、これも柱状節理(ちゅうじょうせつり)というのでしょうか、東側に少し傾いて存在しています。
進むのに時間がかかります。荷物の重さ、慎重に手足を伸ばすこと、すれ違い‥、どれもコースタイムに影響を与える要因です。天気が悪いときは、間違ってもこんなところを通りたくありません。
明確に道となるところは、岩ばかりの場所だと判りづらくなります。道標は驚くほど多くついています。そしてこういうルートは地図を見ても判るものではありません。
鉄のステップが取り付けられています。この右側は真っ逆さまの崖です。
三点確保、忘れないようにしましょう。何より重要なのは、慌てないこと。慌てなくても良いスケジュールにしておくことです。
ふうたろうも、ひとりで歩いていたら、不安になるでしょうかね。判りませんけどね。
ところで、長谷川ピークとやらは、もう過ぎ去ってしまったのでしょうか。結局確認できませんでしたけど‥?
ここからは、垂直の岩の上りが始まります。しかし、正直なところ、妙義山のほうがやばいかも、というレベルです。
三点確保を忘れない。必ず弱点があるので、そこを突きましょう。それから、無闇矢鱈に岩を信頼してはいけません。ぐらついていないか、確認してから体重を預けたいものです。
安全さえ確保できれば、写真撮影もできるほどの余裕さえ出てきます。
法則を理解する。これはどの世界でも最重要。それができることで、心の余裕は生まれますね。
さて、ちょっと同じような風景で飽きてきたので写真を端折ります。小屋が目前となりました。
北穂高小屋、到着です。ここまで来たら、三俣蓮華岳から前穂高岳までの稜線は繋いだことになります。また、大滝山から、及び、燕岳からの稜線も。
あとは、徳本峠から大滝山、焼岳小屋から西穂山荘、三俣蓮華岳から太郎平小屋、三俣蓮華岳から鷲羽岳北のワリモ北分岐、水晶岳から烏帽子岳、燕岳から東沢乗越(餓鬼岳方面)、弓折岳から抜戸岳(笠ヶ岳方面)を繋げば、北アルプス南部はほぼ制覇したことになります。今後の課題ですね。
で、ここでカップヌードルの補給を受けます。ゴミの回収は一応してはくれますが、荷物も軽くなったし、頼る必要もないでしょう‥
今回、大天荘で空き缶一つ、ヒュッテ西岳でカップヌードルのカップ一つ、処理をお願いしました。ふうたろうの矜持が許すことではありませんが、この大キレットでの行動に対する不安に負けていたのです。
去年、大キレットをここで断念した時の悔しさが蘇ってきます。しかし、今年はその悲願が達成された‥
右にあるピースサインの手はふうたろうのカメラに向けられたものでは、もちろんありません。山頂標の撮影はただの儀式ですから、撮ったまでです。
さて、ここからは去年も通った道です。穂高岳山荘まで、頑張りましょう。
北穂高岳南峰から涸沢岳の距離は、南岳山荘から北穂高岳北峰までの距離よりずいぶん短いです。おそらく3分の1くらいですかね。
しかし、ここは大キレット(長谷川ピーク付近)並か、それ以上に時間がかかる場所です。
大キレットに比べると、この辺りはアップダウンが多く、また、涸沢ヒュッテから周回コースをたどる人々で、しばしば渋滞を起こします。
まあ、こんな岩が飛び出しているわけだし、ふつうにおののきますよね。
ザイルが必要とかそういうのはまったくありませんが、この岩場の登り降りには集中力を使います。
最低鞍部、らしいです。つまり、北穂高岳から涸沢岳の間で一番低いところです。ここからが登りの本番。
ふうたろうは背中に110リットルのザックがくっついています。重さは他の人の荷物とさして変わらないとは思いますが、それでもバランスが必要です。
ハシゴは、ちゃんと身体を固定させながら登りましょう。中途半端な手足の置き方は事故のもとです。
それから、落石にも注意を。こういうところでの落石は、下にいる人に直撃するとかなりのダメージを与えます。
‥まあ、そんなこといいながら、ふうたろうはまたヘルメット忘れてきたんだけどね(じと目
ここもほぼ垂直な岩場の登りです。でも、見かけほど大変ではありません。ちゃんと、安定した岩に手足を置けば、怖いことはまったくありません。
でも、これを見ると、
ヌオッ(゚皿゚;)
とはなります。
ぶっちゃけ、もう岩場はお腹いっぱいで疲れましたから。
さて、大詰め。涸沢岳の尾根に出る直下が一番しんどいかもしれません。
はい、尾根に出ました。ここまで来ればもうあとは穂高岳山荘までハイパーよちよちコースです。
まあ、そのハイパーよちよちコースでツルッと逝って突き指して戦意喪失してきたのが去年のことなんだけどね(じと目歯ぎしりヴォー読み
さてさて、今はあの時の凶器、霜もないし、余裕綽々。行こう、穂高岳山荘へ(`・ω・´)キリッ
さて、ここ、何回目かな?
1995年8月3日、2000年9月中旬(正確な日付は覚えていない)、2011年8月27日、2014年9月13日、そして今日2015年9月22日。‥5回目ですね。夕張岳の次くらいに多く訪れているんじゃないですかね。珍しいです。
テン場はキュウキュウです。でも、昨日ほどではないらしい。流石に休みが明日で最後なので、ぎりぎりまでいる屈強な人はそれほど多くはない、ということでしょうか。
夕方、西の空から気圧の谷っぽい雲が来て夕焼けの邪魔をしていますが、それなりの人が西の空を眺めています。
雲海もそれなりになんとか(ヴォー読み
隣にテントを構えた関西の御三方と一緒に見ていました。
これで今回の山での宿泊は最後になりそうです。フラグではありませんよ?
ところで、北穂高岳で縦走を終えて涸沢ヒュッテやパノラマコースを経て上高地へ突っ切っても良かったのになぜここまで来たかということを説明しなければなりません。同じ山を何度も登る趣味をふうたろうは持ってはいないのです。
まあ、一言、Ingressのためですね(ぇ
奥穂高岳登山のMissionがあるので、やりに来たのです。逃せないでしょう、そりゃ(何
UC:1
FD:1
天気:晴れ(長野県南安曇郡安曇村・岐阜県吉城郡上宝村)