ダブルトップ(礼文岳・ペシ岬:北海道)
※記録:5月5日
今日で島生活は終わりです。5日間のミッションが今日で終わります。残すは礼文岳。さ、行こうか。
テントの中が明るくなって起き出したら4時45分。5時前とは思えません。とにかく明るい。でも、晴れているかと思いきや、外はすごい霧。湖も真っ白。テントもびしょぬれでした。
礼文岳に行くチャンスは今日しかないので、とりあえず、食えるものを食い、出発。久種湖キャンプ場から、バスで35分くらい。内路(ないろ)地区に降り立ちました。
登り口。やっぱり霧が出ています。しかし、その霧がまた二面性を見せます。葉っぱの蒸散。きれいだと思いませんか?
またまた子どもたちのメッセージ。気遣ってくれたり、注意を促してくれたり、厳しい忠告をくれたり。ありがとう。
礼文岳、最初はやっぱり笹とやや高めの木の混合林。曇っていると薄暗い。晴れそうな気配ではあるのですが…。
とにかく、曇りでは萎えます。
礼文岳頂上まで登り口から3分の2くらい来たら、なんと、利尻富士が見えました。向こうを見ると、下が曇って上は霧が晴れているようです。
…天気は本当にミステリー!
まだ遠い礼文岳。登山道に木がないから遙か向こうまで見えるのですが、遠いんですよね、こう見えても。
それでも、千里の道も一歩から。歩いている限り、着きますよってに。ちぎれ雲の間から太陽がご褒美をくれました。青い空と涼風。向こうはガスがかかっているけど、礼文岳はいい天気です。
下山する頃にはすっかり下も晴れました。もうここは登山口近くの笹薮です。露に濡れていたのも乾いて…。
実は、礼文岳にはほぼ、空荷で登っていました。だから、超楽でした。でも、内路からのバスが無くて、歩かざるを得なくなったとき、そのしわ寄せは…。
内路から香深港まで歩くことになりました。ざっと10kmはあります。20kgの荷物を背負って、日差しの強い中、舗装道路を歩きます。…ヤヴァイ。熱中症と疲労で倒れちまう…。
結局、香深井でギブアップして、バスを待ちました。歩いた距離、6km。ミッション3個クリアした後に、オプション。ある意味、一番ハードなミッションだったかもしれません。
宗谷バスと東日本海フェリーのダイヤが悪く、再び利尻島に。見えているのは、ペシ岬。
ここも先が見えているからこそよけいに長く感じます。オプションとしては楽な方ですが、それでも、やっぱり5つめのミッション。だいぶキツいっす。
キバナノアマナはおなじみ。…でも、ちょいとおかしくないかい?
背の低いタンポポ。キバナノアマナ、エゾエンゴサクと一緒に道に沿って遠く遥か…。
ペシ岬のてっぺん。あまりの強風のせいか、立て札が曲がっています。2年前も同じでした…。
ペシ岬からは鴛泊港(おしどまり―)が見渡せます。漁船がパフォーマンスやってるのか、それとも、忘れ物でも取りに来たのか、港湾内をドリフトかましながら走っています。見とれました。
このあと、利尻島16時発の船で稚内に戻りました。来るときはデッキの上で1時間半ずっと鳥の少女としゃべっていて短かったのですが、今度は長うございました。さすがに疲れて船室で眠っておりました。
『民宿花乃家』では、女将さんが待っていてくれました。僕にとっては3倍量の料理。逆に具合が悪くなりそうです…。それでも、食べられるだけ食べました。
念のため、味はすばらしいでっせ。この写真のは、つみれ汁。うまいっす。できれば、量を減らして種類を食べたい。
花乃家では女将さんと僕のほか、僕よりもいくらか年上か同じくらいの女性客が二人いらっしゃいました。夕食時はずっとしゃべっていましたね。女将さん、戦前生まれで、しかも、国境の稚内市で育ちましたから、戦争や今の政治などの話を聞けました。
その中身についてあえてここで何かをいうつもりはありません。でも、自分のいつもいる環境の外には、全く違う情報を持った人が、本当にたくさんいるんだと思わされました。
正直、女将さんの意見は、解るところも解らないところも、納得できるところもできないところもありました。でも、それでいいんですよね、きっと。その多様さ、不確定さ、あるいはお互いの不十分さ、そんなのが認めあえるようになって、謙虚になれたら、いい関係が築けそうな気がします。
写真で盛り上がったり、雑談をしたり…。たまたま居合わせた面々がこうして交流できるのは、本当にすばらしい。
必ず僕の旅にはついて回る「交流」。僕の旅はこれがあって初めて意味のあるものになるのかもしれない。
天気:くもり時々晴れ、稚内市では夜雨、強く降る(北海道礼文郡礼文町・利尻郡利尻富士町・稚内市)