遙かなる下界(男鹿岳【大佐飛山黒滝山経由穴沢バス停コース】:栃木県)
3時半の目覚ましで起床です。しかし、よりにもよって中途覚醒で2時45分に目が覚めるという。中途半端な眠りに食欲がビミョー。
とりあえず、サンマの味噌煮とご飯を食います。しかし、やっぱり食った直後からいつもの胃ムカムカ症候群が…(滅滅滅
夜中はガスっていました。昨日は見えていた那須連山がガスの中に隠れています。
荷物はたったこれだけ。見かけだけでなく、本当に荷物の量が少ない。だから、アホほど軽いのです。
さて、この男鹿岳山頂に別れを告げましょう。一晩泊めていただいてありがとうございました、と。
男鹿岳山頂を出たら南に進みます。塩那スカイラインまで出るか、尾根伝いに歩くか、まずは分岐に立たねば話が始まりません。
雲が多い。高気圧の中心は東に抜けました。判ってはいたことですが、快適ではありませんね。
行く先々もガスの中。真上を見上げると晴れているようなのですが。
今日は南ほど天気が悪そう。明日にかけて南岸を前線を伴った低気圧が通過していくようです。
それにしても、昨日の快調とは打って変わって、今日は歩くのが遅い。
治ってくれないかとずっと期待している胃ムカムカ症候群が治まってくれないのです。
大佐飛山を撮ろうとしていますが、写真、傾いていますね。ムカムカして集中できないのです。
西の彼方はむしろ天気がいい。今日は新潟県などの天気が良いそうです。この那須連山付近は、関東の雲に負けるか、新潟の天気に勝つか、きわどいところです。
ガスっていたので、直接ガスと風が吹き付けるところでは霧氷が育ちます。
塩那スカイラインは雪が積もっています。コンクリートのブロックで片側が固められています。一般車両は通行できないそうです。何のために作ったのか。
塩那スカイラインを検索すると、自衛隊の協力を得てパイロット道路(工事車両などを通すための道、という意味か?)を通すも、つづら折りになりすぎてショートカットにならないために途中でやめたみたいなことを書いてあります。
そんなくだらないことのために人員と金を投じ、自然を破壊したのか。
それでも、生きている者たちは必死です。ふうたろうも、これがあるからこの山を歩かない、なんてことはないのです。見なければ解らない。百聞は一見にしかず。
…しかし、具合が本気で悪い。あまり頼りたくはないけど、プリンペラン出動です。血液-脳関門を越えると、昔、精神科医が教えてくれましたが、つまり、脳細胞の中に入っていくとか、脂溶性が高い物質だとか、考えてもいいのでしょう。まあ、それは自分で選択して飲んでいるので、許容するしかありません。
しかし、塩那スカイラインが自然を破壊しているといいながら、自然界に医薬品の代謝物を垂れ流している現状は、許容されざることかも知れない。ある種の医薬品の代謝物が底質(海の底の泥とか)に溜まっているデータも事実としてあるのです。
…とりあえず進もう。ちょうど道路と稜線が重なるところは雪庇で埋まっています。
あちらふうたろうが向かうことになっている大佐飛山。しかし、体調が回復しないし、どの方向に向かってもあまり距離は変わらないのではないかと。
ふうたろうが足跡をつける前に誰かが歩いた跡があります。それをたどろう。
那須高原は雲海に埋まっています。ということは、まだこの山の上はマシということですか。
この辺りは吹きだまっていて、ほとんど道路が埋まっています(振り返って男鹿岳方面を見ている図)。
このカーブが大佐飛山の分岐というか、尾根分かれです。この隣のピークの崖は崩落が進んでいて、落石があるかも知れません(目の前に落ちたばかりの岩が転がっていました)。
鞍部付近はだだっ広くなっていて、かつ、小さなピークが一つあります。その小ピークは巻いてしまった方が楽です。
青線のように進みます。こういうルート取り、案外思い通りに行くものだと、ここ数年思います。当然雪がないと、できる芸当ではないし、植物体を傷めるので適切でもありません。
そして、大佐飛山の一つ西側にある南北に長いピークに登るのが大変。雪斜面と樹林帯を行ったり来たりしながら、上手く障害物をかわしつつ登ります。
さっきから見えていたように、大佐飛山付近は雲の中でした。でも、男鹿岳付近は今もまだ晴れています。
曇っているのはこの山だけなのか、それとも男鹿山塊全体が曇ってしまったのか、どうなんでしょう?
このピークは注意が必要で、尾根伝いに進むと南に誘導されて危険なので、方向を確認して東に向かいましょう。特にガスっているとヤヴァイ。
図にするとこんな感じです。どうしても分かり易く見えるのは南方向のこの赤線の尾根です。
この辺りは恒久的にガスっていたのでしょう、霧氷、エビのしっぽが発達しています。
霧氷の孵卵器に飛び込んでいるふうたろう。風が強めに吹いているので、この前の遭難がフラッシュバックする…ような気がする(←こら
程なくして山頂ですが、ここに何と、登山者が居るではありませんか!ふうたろうは驚きましたが、むしろ驚いたのはあちらさんでしょうな。あまり人が行かないところから湧いてきたのですからね。
大佐飛山の山頂は展望はほとんどありません。それに風に吹かれて寒いので、早々に出発です。ここからしばらく、山頂で出会ったおっちゃん二人と行動を共にします。
大佐飛山の雪庇から大長山が見えます。そして、相変わらず雲が多い。
しかし、この大佐飛山にはしっかり日が差しています。なので、いきなり暑くなってきました。
あの大長山に向かう雪の天空街道、展望かなり良さそうです。実際、通ってきたおっちゃん二人は帰りに期待しているとか言ってましたっけ。
踏み痕がいっぱいあります。この辺りは大佐飛山登山の黄金街道だそうです。しかもこの時期しか登れないので、けっこう殺到するのでしょうね。
まあ、今日みたいな日に6~7人登っているのを、「殺到」と表現するのが相応しいかどうかは知りませんが(じと目
この尾根も注意。真東に進み続けると、また変なところに行きます。大佐飛山付近から百村山(もむらやま)までは、尾根の分かれ道でかなり迷いやすくなっています。地図なしコンパスなしでは、個人的な本音を言うとあまり来てほしくない(道を知っている人は別)。
しかし、この尾根はそれでも間違えにくい方かも。いや、地図を持っているから言えるかな。踏み跡があるから言えるかな。ふうたろうは踏み痕がなくても間違わずに行く自信があります。
大佐飛山はいつの間にかガスが晴れました。天気、下り坂のはずなのに…?
実は、さっきから一緒に歩んでいるおっちゃんのひとりが、写真家(?)です。山に写真を撮りに来ていると。馬の骨でしかない(何)ふうたろうに、カメラのヒストグラム(露出補正に重要)について、それから黄金分割(構図に使う)について、教えてくれました。ふうたろう、これでいてカメラの理論とかはまったく知らないため、とてもありがたいのです。
まっすぐ雪の天空街道が大長山一つ手前のピークまで続いています。しかし、空は晴れ切りませんね。
ふうたろうとカメラのおっちゃんが話し込んでいる間にもうひとりの山岳部のおっちゃんが先行。
大長山を過ぎれば次は西村山。…と思ったら、次のピークが実際の大長山です。
同じような景色ばかりになってきたけど、長い天空街道ですから。
黄砂と高温でぐちゃぐちゃになってしまった雪原。まあ、春らしいって言えば春らしいか。
大長山の山頂はスルーでした。山頂から90度左に曲がり、次なるピークの西村山に向かっています。
シラビソ(?)の樹林帯です。時々剝がれてきた霧氷が降ってきます。
夏道は存在しないコース。ここは大佐飛山自然環境保全地域。しかし、そこからすぐのところに、30億もの税金と自衛隊の人員を投じ、自然を破壊した塩那スカイライン(廃道)があるという矛盾。
下界は下層雲だけではなく、煙霧のようなものでどんよりしているようですね。
前から4人組のパーティーがやってきました。この先にある西村山と黒滝山付近で変な谷を下ったらしく、1時間半も迷ったそうです。
後で地図を載せますが、地図を注意して見ていれば迷うことは…ないと思うけど(滅
西村山の北面は若干ヤヴっぽく、雪質も急激な気温上昇で(下界のように曇ってないし)シャーベット状になりかかっています。
西村山から二重稜線のようになっていますが、どちらからも黒滝山に進むことができます。北東側の尾根、南西側の尾根、どちらでもお好きな方を。南西側の方が展望は良さそうですが、北東側の方が近道(大して変わらんけど)かな?
西村山から黒滝山の二重稜線部分は、若干嫌らしい。でも、地図と地形を見比べたら、絶対大丈夫です!
西村山を南西側の尾根に下りました。ここは展望が良いです。確か、高原山もよく見えましたっけ曇っていたけど(ヴォー読み
黒滝山でおっちゃんたちとお別れして、ふうたろうは先を急ぐことにしました。今までどうもありがとう。
なお、ふうたろうがもしバスを拾えなかったときのために連絡先を教えてくれました。重ね重ねありがとうございます。でも、ふうたろうはやり抜きます(`・ω・´)キリッ
山藤山やサル山などがこの先も小ピークで続いていきますが、ふうたろうは猪突猛進!!
何このロープ。
ん?(・ε・;)
ズザザッーーー!(心が落ちる音
標高が下がってくると雪も少なくなってきます。雪庇も痩せてくるので、夏道に移動。そして、夏道の雪無しゾーンをアイゼンで歩くのは辛いので、脱ぎます。
この辺りは美しいダケカンバの林が続いているようです。紅葉や新緑もたまらないでしょうね。
さっきよりも空に雲が増えてきました。新潟県なども次第に曇り空に変わるとのことだったので、全国的に下り坂なのは確かでしょうね。
空は晴れたり曇ったりを繰り返します。今日の天気は正直期待していなかったので、十分すぎるほどです。
尾根の分かれに注意しながらどんどん下山。三石山と書いてあります。まだゴールまで5kmくらいあると思います。
巻川林道(すぐ下を通っている車道だろう)へ下る新道があるようです。クルマで来る人はそこから登ってくるらしいです。さっきのおっちゃん二人もそこから来たとか。上の3.6kmの看板のところから分岐しています。
しかし、ふうたろうは百村山を越え、巻川林道を突っ切り、里に下りてからバス停まで歩くのです。まだ4kmほどあるんじゃないですかね(じと目
百村山の標が残雪に傾いだ木に引っかかっています。三角点が辛うじて顔を出しています。
百村山で大きな雪庇は終わりで、そのあとは里山の冬道のような感じになります。
そろそろ疲れも溜まってきています。長いし、樹林帯がマンネリ化していますから。
ヌオッ(゚皿゚;)
…下山路が見当たらない(滅
ん?(・ε・;)
針葉樹林の植林帯をくねくねくねくねくねくね曲がりたおしながら、ようやく登山口。さあ、もうすぐかな…。あと1.5kmくらいでしょうかね。
この舗装路から今の私道に入る指導標は…見当たらなかったような気がするけど、あるのですかね。
すっかり曇ってしまった那須一帯。那須岳が鬱空に沈んでいます。
肥料が腐敗したにおいがガンガン立ちこめている中、何気にすぐそこのバス停を目の前にしてバスが過ぎ去っていかないか怯えながら歩いています。非常によくあるパターンだからね(じと目
バスは20分ほど前に出た模様(15時49分到着)。ま、これくらいならマシでしょ…。
バスで黒磯駅に着いたら、駅ナカのソバ屋で腹ごしらえします。ここのソバ屋のそばはなかなか美味い。会津○松駅ナカの、「上まで咲いたら梅雨明け」といわれている花と同じ名前のソバ屋のようにダシ薄くないし…。
帰りは黒磯駅17時33分発の鈍行に乗り、宇都宮と赤羽で乗り換えましたが、全部鈍行で帰りました。しかし、赤羽くらいまでなら乗客もそんなにゴソッといないのでいいのですが、山手線圏内に入るととたんに人混みがウルサくなります。それがイヤなので、王子駅で降りて直接バスで帰ります。そう、20日に新宿までバスで行ったあの都営バス王78路線です。
かくして、快適な帰路でした。時間は若干かかりますが、運賃も300円ほど安く済んだようですし、混雑とめんどくさい池袋付近の乗り換えや跨線橋を回避できるだけでも十分価値があります。
というわけで、無事帰宅。この110リットルのザックに、今回は恐らく半分くらいしかものを入れていないのではないかと思います。にもかかわらず、なんであんなに不自由せずに過ごせたのか、謎です…(何
男鹿岳は苦労させられた山でした。雪がある時期限定で、交通機関は不十分で、奥深いところに山頂があり、アップダウンもある。2回も蹴落とされて、景鶴山なみに困惑しましたが、なせばなるもんですね。1日目の拍子抜けするほど楽な道のりにはびっくりしました。2日目は長くて大変でしたが…。景色は雪と樹林のコンボで最高。そして何より嬉しいのは、雪山を予定通りのコースで完全にこなせた快挙だったこと。1月の余市岳(北海道石狩支庁)も強引にクリアしましたが、あんな罠(じと目)やこんな罠(ヴォー読み)でいろいろ大変でしたからね…。
さて、この勢いで来週は野伏ヶ岳(岐阜県・福井県県境)辺りに発破かけに行きますか。
#275男鹿岳クリア。
天気:くもり時々晴れ、一時雪(福島県南会津郡田島町・栃木県塩谷郡藤原町・黒磯市、東北本線など)
ふうたろうさん こんばんは
無事に帰れて何よりです
こちら 自由数年ぶりのリハビリ登山でしたが
それにしては ちょっとハードだったかな?
でもやる気スイッチ入りました。
自分もまだまだいける気がした。
本格的登山は ふうたろうさんくらいの歳に 次男が生まれて
苗場山にテント担いで行ったのが最後だった。
若いっていいね 頑張ってください。
後姿をみて一言 「パッキングは下手だね」もっと練習せい
まずは キスリングからだな
おっちゃんも 地図読み頑張るよ
こんばんは。その節はお世話になりました。
十数年ぶりの登山で雪山。けっこうハードなことではないでしょうか。僕の場合はブランクに十数年というほど、山を続けていませんから、何とも言えないですが…。
やる気に関しては誰にも平等に訪れるのかも知れませんけど、時間とお金がないと、山は登れませんよね。体力はあとから付いてくるものですしね。体力があるから登るんじゃなくて、登るから体力が付く、僕はそう思って毎週登っています。
パッキング。
これは自分でも本当にへたくそだと思います。だから110リットルのザックなんぞ担いでウロウロしているのですよね。山登っている人を見ると、みんなきれいな形したザックを持っています。そして、なぜか今回、やけに荷物が少ないのに不自由を感じなかった…。いつも、何か余計なモノが入っている可能性が…。南アルプスの山小屋で他の登山者にだめ出しされたことがあるようなないような(汗
あの時気がかりだったのは、西村山を黒滝山と間違えたことも多少なくはなかったのですが、そんなことよりもずっと致命的なことで、大長山直下で出会った4人グループが黒滝山から谷に向かって下りて1時間半も迷っていたことです。地図を読み違えたのか、そもそも地図を読んでいなかったのか。経験者に頼るか、道を知るか、地図読みに自信をつけるかしないと、あの山域は辛いでしょう。僕は下山一方通行で使ったので、迷いやすそうなポイントをイメージしていました。多かったですよ、間違えそうなポイント。
最近は地図を持たないハイカーがいるみたいで、怖いです。道迷い遭難、遭難事故の中でも多いですもんね。
ともあれ、パッキング…あんまり自信ありませんが、もう少しスマートに詰められるようにしてみます。