罠だらけの山(伊吹山伊吹登山口コースおよび笹又コース:滋賀県)
思いの外具合も悪くならず、夜行バスは無事乗りきり、名古屋に着きました。…が、最初、後ろの席の男が、ヘッドホンステレオをジャカジャカ掛け始めてウルサくしたので、2度目はマジ切れしておきました。
しかし、ふうたろうはなぜか静電気を帯びていて、彼の肩を叩こうとしたら落雷するという罠。
名古屋駅に着いたら、もちろん伊吹山の玄関口である近江長岡駅までのJRの切符を買わなければなりませんが、カードが使える窓口が閉まっているという罠。
更に、近江長岡駅は何気に、気分的に、岩木山の山頂より寒いという罠。
名古屋駅である程度何か食える物が買える店が開くまで待っていれば良かったと、近江長岡駅の周辺をさまよっている間にコンビニひとつ見つからなかった後で悔やんでいるという罠。
今日は百名山一応最後の山だというのに、伊吹山だと思われるあの土と樹木の塊が雲に覆われまくっているという罠。
何気に、バスまで待ち時間が1時間10分もあるという罠。こんな所で何をせえと。寒いし暗いしろくなもん食ってないし。
そういえば、電車の中で作ってきた大学芋を食おうと思って、食料用のタッパを開けたら、入れ子にしておいたタッパから液が漏れているという罠。
(゚皿゚#)
さすが、ラストダンジョンともなると、簡単に入口まで行かせてくれないぜ…。
まあ、登山を始めてしまえばこちらのものだろうと。
バスが、伊吹山登山口に到着です。ラストダンジョン進攻開始。
まあ、石鎚山の入口を思い出すような開発具合ですが、石鎚山は上の方は山らしかったし、伊吹山もきっと大丈夫ですよね。
うん、暗い。雨が降っているけど、高気圧が張り出そうとしているし、もう止むよね。
(゚◇゚)ガーン
なんじゃこの一合目は!
トラックとかダンプとか行き来してるし。
南の方は雲が薄くて、晴れ間さえ見えます。しかし、それはこちらに近づいてくるようで、まったく明後日の方に行くか、消えていきます。
これで2合目らしい。何だか、猛烈に疲れて、登る気がしないのは気のせいだと思いたい。
このブルドーザ痕は、富士山のやつとは違うんですよね。ここはぬかるんでいるのですよ。最悪です。
ガスの向こうに3合目の看板と建物が。あれはどうもトイレのようで、あそこでカッパの下まで完全装備しよう。
ぶっちゃけ、写真を撮る気力さえもなくしたといえば、普通に聞こえますが、登山途中でカメラをザックにしまい込むなんてことは、今までありませんでした。でも、行動途中の写真が撮れないのは不便なので、猛烈に邪魔であること承知で、再び出して撮り始めたと。
霧雨が断続的に降り注ぐ伊吹山山腹。それが800m超えた辺りから雪混じりに。
ひとまず雪に変われば、雨よりは遙かにマシ。でも、風が強くなり始めたので、ちょっとあの避難小屋へ入ろう。
でもこの避難小屋、土足で入れるスペースがほとんどなくて、あのめんどくさい登山靴をまた脱ぐのが嫌で、何もせず出てきました。
まあ、これなんか良いんじゃないかな。でも、今のこの状態を、吹雪っていうんじゃないの?
雪がまた少し多くなってきましたな。これは明日、高気圧に覆われた状態で登れば、雪がきれいだったろうなと、今更嘆いてもしょうがないことを考えていました。
8合目の神社。あの鶴見岳を思い出すね…。あの時ほどじゃないけど、ひどい吹雪だ…。
これが山頂の避難小屋というか休憩所っぽい。
でも、ガラッと戸を開けると、中は本気で神社で、ちゃんと祀っているものがあり、線香のニオイがしていて、まったく休憩する意欲の湧かない場所でした。線香臭いところでカレーうどんなんか食えるか。
しかし、ひどいホワイトアウトで、何処に何があるのやら…。
これは今年初の吹雪。なんとまあ、ひどい山行だこと。
柵沿いにウロウロして、やっと三角点を発見。百名山一応完登の三角点なのですが、まったく味わうことなく速攻下山という。気分は、まあ、剣山の避難小屋で一人で年を越したあの時のような気分ですな…。
もはやここに未練はないと、猛ダッシュで下山路探索。しかし、山の北面に今回の下山路はあるので、まあ、楽ではないですわな…。
もちろん何の建物かすら既に判らないけど、一応やっぱり駐車場だったようです。
駐車場を感覚的に抜けたら、次は笹又コースの分岐まで歩かないと。もちろん車道を。
しかし、雪で埋もれていて、何気に動物先生を頼っているふうたろう。
思えば、これを生き物の気配が恋しい、と言うのかもしれない。
とりあえず、カーブのきつくなったところに、国見峠や古屋方面に向かう分岐があります。
これ、積雪状況がもっとひどければ、トラバース不可能なんじゃないの?
しかしこの辺りから、木の上に積もった雪や霧氷が溶けて、雫となって落ちてくるのですよ。地面の雪もシャーベット状になってるし。
ガスが晴れてきて、遠くまで見えそうだと思ったら樹林帯ですから。しかも、地面は更にシャーベット化して、もう、歩きたくないのですよ。
一向に霧雨が止む気配無し。でもまあ、そんなに長くもないだろう…。
しかし、昔ながらのものと思われる登山道は、ヤブと化しています。晴れていて乾いているのならいざ知らず、こんな雨の中歩く気はしないのだ。
何だかガサガサ音がする牢があったので見てみたら、イノシシが全身泥だらけになって、バタバタと暴れていました。なるほど、これは罠ですな。ふうたろうが今日かかったのと同じ(何
同情する気もなく、ひたすら下り続けます。蛇行を繰り返すので、恐ろしく遠回りで、かなり時間がかかります。まあでも、13時45分のバス以外に便はないと思って良いので、余裕で間に合うとは思いますが。
やっとさざれ石公園。さざれ石というか、ただの砂利やんと思ったというか、まあ、特に何も思うことなく、ただ通過した記録としてだけ写真を撮ってきました。
さざれ石公園を過ぎたら、あとは古屋集落まっしぐら。県道(?)257号線(川合垂井線)に突き当たったら神社。
ゴミ捨て場の横に古屋バス停。霧雨をしのげるのは、まさにそのゴミ捨て場だけでした。
バス停の表記を見ると、次のバス停が「古屋売店前」だったので、ひょっとしたら買い物ができるくらいの商店があるのかと思い、歩き出しました。
なんか、中途半端に造りかけた橋みたいなものがあるけど、どうすんだろうね、こういう箱物。
古屋売店前バス停は、見事に罠でした。売店どころか、家っぽいものさえもないぞ。
墓場の一区画に屋根の付いたスペースがあったので、その場を借りて着替えなどをしておきました。
まあ、古屋バス停のゴミ捨て場よりはマシ、かな…。
揖斐川町コミュニティバス、運転手のおばちゃんが優しかったのが、今回唯一の救いだったかもしれませんな…。何というか、ものすごい山に登ってしまったというか、もう来たくないというか。
→揖斐川町コミュニティバス時刻表【平成22年4月1日改正】春日線
さて、これからダイレクトに三重県名張市に向かいますよ。明日は本名の倶留尊山(くろそやま)です。
養老鉄道。
大垣まで、大きなガキが本当にウルサかったけど、おばちゃんも車内で平気で携帯で大声で喋っていましたな…。何だか、達成感はあるものの、踏んだり蹴ったりですなあ…。
大垣(岐阜県)から桑名(三重県)まで、比較的安寧な電車の旅でした。天気も回復してきたというか、雲の下から離れたというか、とりあえず良くなってきたし。
そのままかっ飛ばして、近畿日本鉄道(近鉄)の名張駅に着いて速攻、予約していたホテルへ。まともなホテルを旅途中に使うのは実に久しぶりなような。
部屋に荷物を置いたら、外に飯に出ました。
飯に出たつもりが、飲み屋以外の飯屋が存在せず、目に入ったドーナツ屋(ナチュラルドーナツと書いてあった気がする)で明日のおやつにとドーナツを買ってしまい、結局駅前の飲み屋に突入するという罠。飲み屋の食事は少ないし高いんだよなあ…。1365円かかりました。大したもん食ってないのに…。まあ、店員たちの笑顔に免じて…ね。
というわけで、やっと百名山が終わったのだけど、何というか、罠にハマりまくってスゴく大変な最後でしたね。ただ、救いと言うべきか何と言うべきか、実はまだ石鎚山の最高峰・天狗岳には立っていないし、奥穂高岳・木曽駒ヶ岳・空木岳・磐梯山の4山はふうたろう絵日記未収だし、この合計5山をこれからクリアしていって、収録が終わったら、真の百名山撃破となるわけです。まあ、単純にクリアを日和見主義的に先延ばししただけじゃないのかという話かもしれないけど。
明日は倶留尊山。マッタリ楽しもう。…そうであれば良いという話ですがね。
天気1:くもり時々雪か雨、山頂付近では吹雪く(滋賀県坂田郡山東町・伊吹町・岐阜県揖斐郡春日村、移動中を含まない)
天気2:晴れ(三重県名張市)
こんにちは!
百名山撃破(仮?)おめでとうございます。
何はともあれ、一区切りですね。
真の百名山撃破に向けて頑張ってください。
ありがとうございます。
真の百名山撃破の旗揚げを、
石鎚山あたりで出来れば最高ですね。
これでとりあえず始まりが終わったというところです。
これからもボリボリ登りますよ♪
天気は残念でしたが、達成おめでとうございます。
ついにこの日が来ましたね。
今となっちゃ百名山は通過点でしょうけどこれからも三百に向け頑張ってください。
プラス5山登ったら改めておめでとう言わせてもらいます。
ありがとうございます。
でも、実際のところ、あんまり達成した、という気にはならないんですよね。
やっぱり、あくまでも通過点、ってことでもあるのですね。
これからも、登る山すべての記録を残しつつ、
登り倒します。
行きたい山は、文字通り山ほどありますからね…。
そうか~。ふうたろうさんは200も300も並行してやっていたから100いってもあまり感激というか実感がないんですね~。
300目はどことか決めてるんですか?
やったーと言えるように、とっておきのやつを残しておかないと~~。
伊吹山すごいですね。下界の人はまさか山ではそんな状態とは考えもつかないですよ。
登山が趣味の人でない限り。。。
下りてくると別世界ですね。なんかほっとします。
>みゃーみさん
達成感がないってのは、たぶん、他の山と違って、「レベルが低い」とふうたろうが決めつけているからなんだと思います。実際、天気や体調などで、よほどのことがない限り山はどこでもいいと感じられます。
まあ、実際伊吹山は山頂近くまで車道が走っていますから、低い山であることには違いないですし、里山レベルなのは間違いないですがね。ふうたろうにとっての早池峰山とか大山とかとはちょっとまた違う気もしますし。
ともあれ、下りてきたときは実際ホッとはしました。あの吹雪で、もう少し吹かれていたら相当身体は冷えていましたからね…。何せ、半袖長袖シャツ、厚手のシャツ、雨合羽の計4枚で歩いていました。手袋は濡れてるし…(滅
辛い山ベスト5に入ると思いますよ。
辛い山ベスト5に入るなら相当なもんですね。
いつもすごそうな山行だなと思って読んでいるのにそのベスト5だなんて!
完登おめでとう御座います!
100名山を制覇したというのに悲愴感のある文面が楽しいですね。
フォントもうけました(笑)
まだ仕事中ですのでまたゆっくり読ませていただきます。
百名山で辛かった山ベスト5。
剣山(徳島県)
阿蘇山(熊本県)
岩木山(青森県)
劔岳(富山県)
伊吹山(滋賀県)
…ってとこですかね。
天気悪いと、どこでも悲惨の極致ですね。
>ツチさん
まず、ありがとうございます。
しかし…
>悲愴感
>フォント
まあ、確かに、それを狙って書いたところもありますからね…。最後の百名山ですから、踏んだり蹴ったりだった中身でも、ネタになればOKかな、みたいな。笑っていただけただけで山ヤ冥利に尽きます(何
それにしても、まだ仕事って、お疲れさまです。
日本人は働かされすぎですね…。
最近22時が定時でそこから残業という感覚です。幸い残業代はちゃんと貰ってるのでよいのですが。
しかしいつも楽しく読ませて頂いていますが、最後に相応しい面白さでした(笑)
ところで残りの不完全な山5座はどこでしょうか?
>ツチさん
そうですか。22時が定時ですか。ノロが流行っているので、気をつけてくださいね。
>最後の相応しい面白さ
体力が十分無いと、乗ってこないんですよね。楽しく書くには十分な睡眠と食事をとらないといけませんね。伊吹山の日記はノリノリで書けたんですが、倶留尊山の方は、ちょっと時間的にも足りなくて、しんどかった、ですね。
>残りの不完全な山5
奥穂高岳
木曽駒ヶ岳
空木岳
磐梯山
石鎚山
です。
最初の4つはふうたろう絵日記未収録で、
石鎚山は本当の最高峰を踏んでいない、
というものです。
奥穂高岳は来年6月以降ですね…。
石鎚山は…いつにしよう?