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地獄の終点(白石山・将監峠縦走コース:埼玉県)

2011年 1月 1日

 気が付いたら新年を迎えていた1時24分。まあ、いつものことですがね。とりあえず寒くて何度か目が覚めました。その度に金属の水筒に入れた水を直火で温めて湯たんぽにするのでした。
 朝、カレーうどんと残り汁の雑炊を食って、いよいよ出発です。靴も冷たいテントも冷たい。とても快適とは言えない朝ですが、晴れていますね。何年ぶりか、この晴れた正月は。


 北ノタルには一部開けた場所があったのが幸い。空が見えていいですな。


 木が何となくオレンジ色に染まっているように見えます。


 初日の出というわけにはいかなかったけど、まあ、これだけ晴れた朝を迎えられたのだから良しとしましょうや。


 しかし、問題はこれから途方もなく長い道のりが待っているということです。昨日の笹ヤブゾーンでバテバテになったふうたろう、さらに白石山まで樹林と倒木に右往左往しながら向かうのです。白石山撃破は目前とはいえ、山頂もこんなだったらやる気が失せるかも。


 白石山は稜線から少し(かなり)外れています。うまくこの焼却炉みたいなオブジェが見つかればという話でもありますが、東に向かいましょう。
 まあ、基本的にだだっ広い稜線ではあっても、稜線沿いに真東に進めば白石山にいつか着きます。…たぶん。


 しかし、樹林がいちいち道を遮るので、その度に右往左往。一部開けた場所があったので景色でも見ていきますか。


 遠くに富士山が見えます。まあ、これでも展望のよい方です、この辺りは。


 再び薄暗い樹林帯を抜けます。この山は、別名罠暗山ですよな。


 そして、白石山到着。まったく展望なし。何故これが200名山なんだろう。200名山でなかったらそもそも来ただろうか。とりあえず、ものすごく静かであることだけは保証できます。


 スニッカーズのキャラメルがガラス転移点(温度)を下回っていてカチカチです。


 (゚◇゚)ガーン
 なんか曇ってるし。しかも、この奥秩父一帯が曇っているという感じですな。


 とりあえず稜線に戻って奥秩父主脈に向かわないと…。


 しかし、奥秩父主脈はおろか、二瀬尾根から続く稜線も猛烈に長いのです。


 太陽に暈ができてるし。オワタ\(^O^)/?


 ああ、雪景色がきれいだなあ(棒読み)


 曇っていて何となく気分が重い。今日はいつか晴れてはくれるのかなあ。


 樹林に身体を引っかけながら、ルートを確認しつつ歩くと。地図を見ながら、変なところに突っ込まないように…。


 右から読みの白石山標。年代物だね。


 稜線を南下して吹上ノ頭のコブ続きにさしかかると、少し樹林が禿げてくるところもあります。そういうところは展望がよくなりますが、雪が途端に深くなるという罠もあります。


 ヌオッ(゚皿゚;)
 何か知らんけど、妙高高原や浅間山方面など日本海側が晴れているという罠。


 これ、青空に透かすときれいなんですけど、曇り空ですからねえ…


 天気図を見られないので何で曇っているのかも解らないという件。


 奥秩父の甲武信岳方面が見えます。彼方は此方よりもさらに豪雪なのかなあ。


 北ほど空が青いという件。なんか、天気に翻弄されまあすなあ。


 ほんと、妙高や浅間、草津方面が晴れているのは何かの呪いかと思います。何で空っ風関東の山がこんなに曇りまくってんのに…


 携帯電波が通じたので天気予報を少し見てみると、西日本ほど天気が大荒れの様子で、伯耆大山では1日で130cmも雪が積もり、雪崩の事故が起こったそうです。鹿児島でも22cmの積雪だと。北日本よりも西日本で荒れる寒波なんてふうたろう、知らん。もはや天変地異ですな…。


 吹上ノ頭辺りから展望の良い岩場が増えてきます。そういうところでマッタリする時間が増えてきました。慌てる必要もないしね。


 東仙波方面はおもいっきり曇っています。


 白石山が望めました。ここまで来て判ったのですが、白石山は過程の良い山だなあと。


 この辺り、展望が良い代わりに、若干足場が悪く、雪もイヤラシいので、慎重に。


 雪のこびりついた岩と連なる山並みがいい。


 岩の上に座ってマッタリと。曇ってさえいなければいいんだけどなあ。


 吹上ノ頭と東仙波の間に小ピークがあります。実はここがミソで、おそらくこのルートで最も展望の良い場所だと思います。360度というわけにはいきませんが、北東から南回りで北西くらいまでの展望が利くと思います。
 しかし、ここで腹が痛くなるという罠(滅


 さて、東仙波に進みます。これがなかなかいい展望ですよね。これはまた来たいと思います。それに比べてあの二瀬尾根と来たら(滅


 曇り空に一本の木が映えるなあ(棒読み)


 カンバ類の疎林。やっぱり晴れてくれないとつまんないなあ。


 少し雪庇になりかかっています。もっと雪が深くなったら雪洞掘ったりもできるかなあ。


 東仙波の坂は強烈です。雪があるので余計ダルいです。しかも、針葉樹の密林とか。


 しかし、東仙波はさっきの名もない小ピークの次くらいに展望がいい。もっとも、見える山が違うので比較自体が間違っていますが。
 これは西仙波方面を望んでいます。


 さっきから少し気にはなっていたけど、こともあろうに、妙高方面で晴れているのに奥秩父で雪が降り始めているようですね。何たる呪いですか(吐血


 東仙波を後にします。今日はせいぜい将監峠(しょうげんとうげ)が関の山ですね。だから、慌てないで将監小屋目指しましょう。


 南面は笹原の東仙波。雪と笹の模様が遠目に美しい。でも、あの中は絶対歩きたくないという件。


 東仙波と西仙波の間にも小さいけどゴツい岩のピークがあります。険しいけど、これはこれでまた展望の良い岩場です。Good place!


 西仙波を越える頃、道はシャクナゲのヤブになっていて、花もない季節だとただの障害物という罠であるという話は置いといて、雲行きが猛烈に怪しくなってきました。


 西仙波からリンノ峰に向かっています。笹原を下るところです。


 ところで、右足に付けているスパッツが、おそらくわかんの突起で鉤裂きになっています。ここから雪入りまくりの助です。後でテーピングで塞いでおこう。


 リンノ峰の巻き道。道幅が狭い雪トラバースなので、特に滑落注意です。


 甲武信ヶ岳方面、本気で雪降っています。


 リンノ峰を越えたらもうひとつピーク。名前もないピークを越えます。それでこの稜線の小ピーク連続越えが終わります…が?


 ヌオッ(゚皿゚;)
 小雪が遂にこの辺りにも舞い始めたではないかっ!


 まあ、にわか雪レベルっぽいのでジタバタせず、格段に寒いわけでもないので、適当に首巻きや手袋を着たり脱いだりしつつ、最後の小ピークをトラバース気味(ピークを通らず横っちょを歩く)に、景色を楽しみながら歩くと。


 唐松尾山が見えています。あのピークまで上がると思うとウンザリしますが、あれは登らずに左(南)に逸れます。


 唐松尾山をトラバースしながら、山ノ神土(奥秩父主脈の出合)に達するのです。


 遂に奥秩父主脈に至りました。15時20分。白石山が8時31分だったので、実に7時間弱。ちょっとゆっくりしすぎたというか、まあ、あれくらいのペースでないと死んでたというか。


 山ノ神土の風景もまたいいのですが、雲がなあ…(滅


 これから将監峠に向かいます。最後の歩きです。
 ここでこの先瑞牆山(みずがきやま、奥秩父主脈西部の外れ)まで行くというテンション高めの男の人に出会いました。…が、瑞牆山まで行こうと思ったら後3日はかかるんじゃないかなと。ふうたろうならどのくらいで行けるかな…。


 将監峠・将監小屋に向かいます。
 ここでも、バテまくった青年が無言で山ノ神土方面に向かっていきます。ああ、ふうたろうが昨日北ノタルに至る前はあんな感じだったんだろうなと。


 牛王院平。雪原が美しい。晴れたらきれいでしょうね、晴れたら


 明日晴れたら朝ここに来ようかな…。


 将監峠からダイレクトに谷を下ります。


 見えてきました将監小屋。今日のゴールですな。


 今日はここに泊まると決めていました。いつから?さっきです(何


 小屋には夫婦2組がいらっしゃいました。薪ストーブの前で、寝るまで山の話で盛り上がって、目一杯楽しむのでした。山小屋の夜の醍醐味です。大晦日の晩はひとり真冬でしたが、元日の夜はにわかに暑い夏を迎えるのでした。
 夫婦のうちのひと組が、明日、ふうたろうの歩いてきた白石山に行く予定だと言っていたので、コースのこととかを話していましたが、結局どこまで行ったのかなあ。東仙波くらいで時間を見て、という話をしていたみたいですが…。


 というわけで、当初川又から雁坂峠に、というルートの逆ルートの予定すらもかなぐり捨てて、既に丹波バス停方面(奥多摩)に下山する気満々になるのでした。まさか、ここで本当に2泊3日の山行をすることになるとは思っていませんでした。奥多摩・奥秩父は深い山です。


天気:くもりのち一時雪、朝のうち晴れ(埼玉県秩父郡大滝村・山梨県塩山市・北都留郡丹波山村)

  1. 1月 3rd, 2011 at 19:42 | #1

    新年明けましておめでとうございます。

    今回も年越し山行お疲れ様です。
    最初っからトラブルの予定変更で大変でしたね。

    白石山か~、今年は俺も行けるかな?
    北側からも考えてみたことはありますが、素直に南側からのが良さそうですね。

    ふうたろうさんには敵わないけど、今年もお互い頑張って登りましょう。

  2. うんかい
    1月 3rd, 2011 at 22:28 | #2

    ふうたろうさん、あけましておめでとうございます。
    昨年中ノ岳でお会いした単独のジジイです。
    ブログ拝見してました、お写真一枚ごとのコメントは
    すごいですね。ふうたろうさんの壮絶な山との戦いを
    うかがい知る事ができました。
    今回は奥秩父だったのですね、私も年末年始は雲取山を
    考えてたのですが、いざとなるとなかなか実行に
    移せませんでした。
    年末年始は近場の桐生の山に行ってました。
    話は変わりますが、ふうたろうさんは昨年4月4日に
    五竜岳に登頂してらしゃるのですね!
    私は2009年5月29日に五竜岳めざして登ったのですが
    雪がクラストしててG2手前のピークまで登るのが
    精一杯でした、(山頂は遥か先です)しかし雷鳥のつがい、
    を見ることができました、それだけでも満足のいく山旅になりました。
    ふうたろうさん、お体に気をつけて~。
    応援してます。

  3. ふうたろう
    1月 3rd, 2011 at 23:20 | #3

    >Yサー♪ さん

     あけましておめでとうございます。
     バス停に下りたときのがっかり感ったらありゃしなかったですね。でも、ある程度そういうのは予想していたので、まあ、切り替えも早かったと。
     病み上がりで白石山(北から)は少々ハードかも知れませんね。南から行ってもアップダウンが多いので相当大変だとは思いますけども。

     ふうたろうも、今年どれだけがんばれるかと、正直未知数です。この体調が復活するのかしないのか…。それだけですねえ…。

  4. ふうたろう
    1月 3rd, 2011 at 23:27 | #4

    >うんかいさん

     あけましておめでとうございます。
     中ノ岳の避難小屋の、単独の方ですよね。どうも、その節は…

     雲取山も、あの年末はなかなか大変だったと思います。新潟などの雪に比べれば、文字通り足元にも及ばないでしょうけど、白石山でガッツリ雪山でしたから、雲取山も同様に場所によってラッセルだったでしょう。

    >五竜岳
     あの4月4日の五竜岳は死ぬ思いをしました。何というか、あれを登頂というのはおこがましいような気がします。
     まさに、雪がクラストしていて、大変な状態でした。5月29日でもそのレベルなんですね。あんな氷の壁みたいなところ、登るもんじゃないなとつくづく思いました。

     どうぞ、これからもよろしくお願いします…。

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