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重い雪に埋まる大地(二岐山【丑ヶ曽根無理矢理通過コースっぽい】:福島県)

2012年 12月 16日

 さあ、朝だ。今日はグリーンカレーではなくて普通のカレーチャーハンなのだ。SBのカレー缶を使って。そして、ご飯は多めの250g。チャーハンだと180gは少ないと思われます。
 夜はテントを雨が叩いていました。さっさと降ってさっさと止んで、足早に低気圧が東の海上に去ってくれればいいのですが。


 しかし、明るくなっても曇ったまんま。回復の兆しあるか…?


 全面曇りまくりです。しかも、雨が降るくらいなので雪が一層重い重い…


 出発して程なく、坂を迎えるのですがそこが雪岩ヤヴこぎゾーンなのです。やる気失せます。


 朝なのでまだ体力があります。一応、力任せに切り抜けます。


 次の台地まで70~80mほど上昇すればいいのですが、ハイパー級に重い雪が体重かけた分だけ沈んでくれちゃったりすると、マジで無理。でも、2月に行った黒法師岳(静岡県)よりは全然ましだけど…。


 ここを少しまっすぐ進み、下郷町と天栄村との境界線付近をそのまま直登するのです。もちろん、境界線なんて誰も引っ張ってくれてやしませんけどね。


 吹雪模様の空ですが、これはこれで悪くない。…と思うふうたろうはもはや非常識か。


 こういうところに一人立ったとき、登山者1000人いたら何人くらいが不安になるだろう。一応ふうたろうはどちらに進めば何があるか、この時点では100%把握しています。涼しい顔してどら焼き食っていますが何か。


 でも、さすがにコンパスくらいはないと厳しいでっせ。もちろん、現在地が解ってのことだけど。


 さて、二岐山の上りにさしかかります。かなりの急登になるので覚悟決めていきます。


 どーんと上ります。数歩進んで休みます。


 250mくらいのひたむきなまでの急坂なので、こちらもひたむきに上ります。


 雪が深くて重くてキッツいですな。


 でも、よくよく考えたら、風強くて、小雪も降りつつ、ガスっていて、荷物も重い、道はない。普通に考えたらとんでもないコース(じゃないけど)ですな。


 山頂に近くなると低木帯になります。つまり…


 ウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーン。鉈なしには語れない(滅滅滅


 ここまで来たら、鉈も役に立たない。ていうか、そんなに大なたを振るえるようなものでもない。最小限に。


 稜線は風が一層きつい。しかし、うっすら下の方が見える…?


 時折はっきり見えます。


 で、山頂はあっちか!(鼻水


 ブッシュの上に雪が積もってどこもかしこも落とし穴になっているので、荷物ほっぽり出して山頂を取りに行きます。


 二岐山山頂じゃあ!!(どや顔


 景色は死んでいますが。
 ま、ふうたろう、今日は本当に久しぶりの山なので、登れているだけでも幸せだったりしますよ。
 ま、世間一般ではこれは山行に不向きというのかもしれませんがね。


 クソ寒いし晴れてくる気配がないのですぐに戻ります。それでも、2010年8月1日に登った剱岳の山頂よりは長くいましたね。あの山は伊吹山とならんで寿命が短かったなあ(遠い目


 朝より天気は良くなっていますかね。予報では確かに回復するっぽい話でしたが…?


 ま、期待するだけむなしいので、双耳峰の二岐山の二コブ目に向かいますか。


 鞍部。ものの見事にガス模様。ま、これはこれで悪くないんだけどね。冬山に登っているって気がするじゃない?


 しかし、こういう雪ヤヴゾーンは歩きにくい。


 程なくして女岳。ということはあっちの方は男岳か。女岳は展望なしですな。


 ふうたろうはこのまま北方向に向かいます。二俣温泉の方に下りてもどうにもならないので…ね。


 ん?(・ε・*)何かある…。


 でた…。せっぷんとんねる(石川県)ばりのブツが…
 …といいつつ、手を置いてみる。そして、雪の落とし穴にハマる(2回くらい)。


 地獄坂、ですか。ここから北方向に下る坂。風力登山口?


 この地獄坂のトップのところから、けっこう展望がいい。ちょうど雲の下に出ていますからね…。


 しかし、この下山路はむちゃくちゃ荒れています。雪が積もっていて一層歓迎が手荒というか何というか…(滅滅滅


 いやいや、直下の部分はもはや崖ですわ。


 しかも何でこんな風にロープが…?


 あの山頂までの展望の悪さを思うと、今この展望はかなりいい。でも、今日は展望がなくても、いい山行です。歩いているコースが何よりいい(ぇ


 やっとルートの勾配が落ち着きました。では、そろそろ…


 方角を北から西寄りに変えますか。会津鉄道沿線に向かって戻るんですもの。あたぼうよ!


 ところで、遙か下に続く道沿いにヴンヴン回っている風車が見えます。「風力登山口」というのはそういう意味でしたか。


 二岐山北麓は(南麓も同じだけど)多少の凹凸があるものの、代わり映えのない地形が続きます。地図には表現されない凹凸で、現在地の把握はほぼ不可能です。しかし、真西に進めば谷にぶつかるので、谷沿いに林道を発見すればそのあとは安泰のはず…


 この雪の樹海をさまようと、そこそこの絶望感を味わえます、ええ、普通の人なら。


 ヌオォォ(゚Д゚;)
 いい加減この道、あきてきたぜ…(こめかみに青スジ


 ヌオッ(゚皿゚;)
 何じゃこの道は!谷沿いに道が南北に伸びているっ!そんな道は地図にはないぞ…


 とりあえずこういう場合は下ったらろくなことにならないので上ってみました。しかし、行き止まり。それに、林道が谷をクロスする位置は、谷向こうの尾根の位置を見る限りもっと下…
 というわけで、今度は背中の重い荷物を担いだまま引きずって(何)下ります。


 この樹林帯の向こうに林道が見えますか。これが見えないと遠回りです。この道の発見の決め手はちょっとした起伏だったりします。地図をよく見ればルートが発見されますので、穴が開くほどよく見て突き進むのです。


 さて、これからは林道をひたすら下って、最初に出てくる丑ヶ曽根集落に至るのです。


 しかし、この林道も雪がたんまり積もった上に重いのできつい。カーブミラーに映る自分の疲れた姿よ。


 クルマは通ってはいけない、みたいなこと書いてあるけど、歩行者もダメだとか何とか書いています。要は、勝手に事故って遭難して文句を言う人がいるのでやめてくれ、という話なんでしょうね。ふうたろうとしては、自分の事故に対して責任を負ってもらういわれはないと言いたいくらい。冒険者のたしなみですからね。


 しかし、空は晴れないままひたすら薄暗い樹林帯を進みます。疲労ばかりがたまっていきますなあ…


 憎たらしいほど現在地はよく解るんですけどねえ…。それが遠いから萎えるんです(滅


 もうすぐ丑ヶ曽根集落です。でも、腹減ったのでクッキーしばきます。どら焼きはとうの昔になくなりましたので。


 雪道はいつ終わるか。


 除雪の最終地点がやっと見えました。これでこの先、安寧なシャドウ歩きが…


 さあ、アイゼン、わかん、ピッケル、それらの雪を落として(落としきれないけど)片付けて、スパッツも脱いで、塔のへつり駅に向かってばく進します。2時間くらいかかるかなあ…


 1分で70m、15分で約1km。でも、下りなので若干速めです。薄暗くて歩調も早くなります。


 蜂場…?この奥に養蜂場でもあるのですか。


 このあたりは杉林が多い。でも、杉林は放射線がけっこう高いところがある。ここはどうなのか解らないけど、だからこそ測定はどうなんだろうと気になります。木材は食品ではないため、残留基準値がどうなるでしょう?保障は?
 そういえば、今日は総選挙でしたね。日本の行く末は、マスコミなどが喧伝するように自民支配の社会になるのか、あるいは…。もしそうなったら…


 丑ヶ曽根集落の道が終点(始点)のようです。


 そこの看板には「雑根」と書いてありますが、雑根集落は途中です。
 なお、ここで15時51分。丑ヶ曽根集落から59分です。


 …?この丑ヶ曽根方面から流れてくる隈川は、どうやって阿賀川と合流しているのですか?なんだか、あの会津鉄道の線路がある下をくぐっているような変な流れ…が…?


 車道歩きの集中力は30分。1時間経つと疲れてきます。荷物がもちろん軽ければ別だけれども。今はもう1時間をとうに回っています。そろそろ終了したい。
 …100万年ウォーキングとか書いてある立て札があります。この1年でそのくらい歩いた気がします(滅


 はるか南の空は晴れているように見えます。結局今日は回復しないまま一日が終わりますね。


 塔のへつり駅に向かうにはここを右へ。まっすぐ進んでも行けなくはないですが、通行止めの表示がすぐそこにあるので、選択肢は塔のへつりしかないと思っていいでしょう。なお、ここで後ろからパトカーがやってきて、ふうたろうの後ろで徐行して去って行きました。いやあ是非聞いてほしかったなあ(棒読み
 「君、そんな格好で何してるのかね、どこに行ってたのかね(`ε´)」


 最後の橋を渡ります。あれを渡ればもうすぐ塔のへつり駅。


 塔のへつり駅は雪の中。それでも乗降客がいるようで、雪が薄汚れています。


 到着。16時12分。着替えと荷物の再編成を終えて、41分後の電車を待ちます。これで順調に帰れれば、21時前後には家に着く…。ただ、問題はメシが食えないことですな。
 ん?(・ε・;)


 ヌオッ(゚皿゚;)
 …東武線がせんげん台駅での人身事故で1時間も遅れているとか。そういえば、会津駒ヶ岳に登って帰ってきたとき、東武動物公園みたいな秘境で食らって、久喜までタクシーを使ってわざわざ帰ったという伝説もありましたっけ。それよりはこの鬼怒川温泉駅で足止めされている方が何となくましですかな。ウイルスも少なそうだし(じと目
 ところで、二岐山に登っていたどうぶ…人はふうたろうだけではありませんでした。すぐ近く、すぐあとに、3人組の沢屋たちが二俣温泉から上がってきていたようです。しかも、ふうたろうが死…寝ていたあそこから2km離れていないところで昨晩は夜を明かしたそうで。ニアミスでしたなー。うれしいですなー。もっとも、ふうたろうみたいなのよりは遙かに常識的な登山をされていましたが(じと目
 鬼怒川温泉で足止めを食らって、駅前の店で弁当を買うことができましたが、前述の沢屋さんたちは、お酒が無いと不満顔でした。ご愁傷さまでした。


 19時過ぎに電車が動いて帰路につきます。その電車に乗っている間に今日の投票が締め切られ、開票結果が上がってきました。
 「自民圧勝」
 …そういえば今日の電車が遅れたのは人身事故でしたっけ。東京にいるとどこかで毎日のように事故があって、それだけの人が自殺を図っているということですか。増えるのかね、これからも。3年前、自民が嫌だと言って政権交代させたのに、また自民に戻るのか。
 …ま、今日はいい。選挙のことで気を揉むべき日じゃない。
 #269二岐山クリア。


天気:くもり、未明まで雨、日中小雪ちらつく(福島県南会津郡下郷町・岩瀬郡天栄村)

  1. 12月 19th, 2012 at 18:03 | #1

    今回もキビシー山行お疲れ様でした。自民圧勝は残念だったけど、日記は面白かったぜ!

  2. ふうたろう
    12月 20th, 2012 at 18:32 | #2

     ありがとうございます。小選挙区制度の弊害としか思えないあの結果でしたが、あれはあれとして、やるべきことをやるのみですね。お互い情報を共有し合うと。

     もちろん、山のことも。ただ、ふうたろうの、特に山情報は、誰も使わない、使えない、使いたくない、という話かもしれません。

  3. 12月 22nd, 2012 at 18:53 | #3

    相変わらず頑張っているね。私は三連休は昨年のリベンジの燕岳に6人で行く予定が東京O女史の天気は大丈夫なの?の毎回の事なんだけどメール攻撃に今回もあい、結局中止にしました。
    そして場所変更で明日と明後日は重たい荷物を背負って飛龍山を回って三条の湯にテント泊する事になりました。
    何人か集まっての山行もいろいろと大変で判断に迷いますね、。
    ふうたろうさんの日記を読んでいますが、早くいい彼女が見つかると良いね。
    何事も健康な体があっての事だから…ね。
    良いクリスマスと良い年明けができますように。

  4. ふうたろう
    12月 25th, 2012 at 08:36 | #4

     どうも、こんにちは。

     この平成天皇誕生日の連休いっぱい使って山行を果たしたのは初めてです。毎年クリスマス寒波とかで大荒れになるパターンで…。もっとも、今回もそれを圧して行ったのでかなりえらい目に遭いましたが(更新準備中)

     彼女、ねえ… 出会いの場が少ないですから…ねえ?誰もいないところにテントを張って休日を過ごすのですから、当たり前でしょうけど。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。下手なら撃たなきゃイケないのに撃たないから当たらない(滅
     クリスマスは終了しましたが、年末年始もまた、お互い山で良い日々を送れますように…

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