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タケノコ山の叫び(十和田白地山【鍋子沢林道コース】:青森県)

2014年 6月 22日

 (Θ_Θ)どよーん
 …眠い。2時台から鳥どもがピーチクパーチク…2時台だぞ?信じられるか?


 もそもそしながら朝飯のチャーハン作り。最近、スパゲッティも、レトルトのソースをかけるのがイヤで、チャーハンばかりです。しかも、茹でるのめんどくさいし。


 それにしても、天気がいい。


 十和田湖は、水の代わりに雲の海になっています。


 4時過ぎ、太陽が出てきました。うっすらとですけども。


 じわじわと明るくなってきたわけですが、これ、2時台から引きずってくれたおかげで、鳥たちが早々と目を覚まし、そこら中で目覚ましスピーチを始めたわけです。あと15分、寝かせてくれれば良かったものを…


 十和田湖の雲海。


 ここは天上の世界。


 これ、カットのしかたをもっと考えたらよかったかな?


 朝っぱらからブヨどもがパワー全開で飛び回っています。


 さて、そろそろ出発しましょうか。


 昨日ダッシュしていったところを歩いていきます。


 夕方と逆方向から日が差しています。森の表と裏を見て楽しみます。


 西側は雲が多い。上空に寒気や気圧の谷があるとかないとか。でも、九州~関東の天気の悪さに比べれば、なんてことありません。


 白地湿地帯に出てきました。本当は真っ青な空を期待していましたが。


 これはウラジロヨウラク(ツツジ科)だったかな。湿地はもう草原に近い状態になっています。


 ワタスゲ。花はもうとっくに終わっています。これはもう、実、です。


 ここに分岐があります。昨日も見かけましたが、ふうたろうの古い地形図にはルートがあり、確かに長引山という場所に道が続いています。でも、新しい地形図(インターネット版)や昭文社および青森県の山ガイドブックには何の記述もない、恐らく廃道です。


 かくいうこの道も、両隣から笹やらが迫ってきているような気もします。


 ふうたろうが最終的に辿る道はこの右方向です。碇ヶ関村方面に向かいますが、とりあえずはここに荷物を置いて白地山をもう一回踏んでおきます。


 山頂に至る前に草に埋もれた指導標が一本あります。ここにもまた古のルートがあったはずですが、ネマガリタケの繁茂で痕跡すらありません。


 山頂からの風景は、昨日述べたとおり、低木や笹で案外よくない。ベンチの上に乗ればいいのですが、今は登山靴を脱ぐのがめんどくさいのでやりません。
 彼方に見える街は、大館市中心街でしょうか?


 ところで、三角点に小銭がイッパイ乗っかっています。別に、神社とかがある風でもないのに。同調作用が働いているのか、誰かが乗せたらまた誰かが乗せていくというサイクル。


 数えたら123円ありました。ところで、燧ヶ岳の時にも書いたけど、硬貨は重金属汚染になりませんか。量的には微量ではあると思いますが。


 さて、行きますか。


 今日も絹雲が空をウロウロしています。


 天気の境界なのでしょうね、この辺りは。ここより南に行けば天気は崩れやすくなるに違いありません。


 昨日、この場所で同じ角度から写真撮りました。
 北に行くほど天気はいいようですね、今日は。


 「湿地帯」には、ギボウシの類がたくさん生えています。これ、山菜のうるいなんですよね。でも、さすがにこの湿原の中で採るのは気が引けます。それに、もう、とうが立っていそうですし。
 それより、この朝露を見よ!見る分にはいいけど、ヤヴこぎとかで突撃したら、水泳と同じになるぞ(じと目


 イワイチョウ(リンドウ科)の花が咲いています。朝露をイッパイ纏いながら。


 もう少し強めの脱北(何)をすれば、雲の少ない山行ができたのかもしれませんね。まあ、これはこれでいいと思いますが。


 分岐に戻って荷物を担ごうとしていると、一人小走りの若者が白地山に向かって行ってしまいました。何時から歩き始めたんだろうかと。


 さて、ふうたろうは碇ヶ関方面に行きます。


 白地湿地帯周辺はこんな感じです。紫の点のところにしっかりと標が残っていますが、特に廃道などの案内はありません。本当に廃道なのかも判りません。しかし、地図から道が消えているということは、アヤシいもの以外の何物でもありません。


 安寧な道が先まで続いているように見えますが、昨日、白雲亭展望台のところでお話しした大館の人の話によると、この道はかなりヤヴが迫っているそうです。


 (Θ_Θ)どよーん
 早速香ばしい雰囲気になってきた。


 ヌオッ(゚皿゚;)
 背丈以上の笹ヤヴでありますか?


 ウボァー(゚Д゚)


 さ、コシアブラ集めとこうか(鬼畜


 …。
 空き缶か…缶は拾えないな。


 崖すれすれを通る場所があり、そこからは展望が利きます。


 ヌオッ(゚Д゚;)
 粗大ゴミが!
 さっきからやたらとペットボトルやコンビニおにぎりのカラが落ちているので拾って回っています。秋田駒ヶ岳の乳頭山から蟹場温泉に下りてくる時もそうでしたが、ゴミの量がとんでもないのですね、こういう場所は。直ぐ横を山菜採りの3人組が上っていったので、そういう人たちが捨てていくのでしょうよ。
 なお、ゴミをくるんでいたこの新聞紙の日付を見ると、今年の5月14日。つい最近じゃねーか。


 ゴミは下るにつれてどんどん増えていきます。ヤヴの中に突っ込んでいくのは誰もやりたいことではないので、山菜採りの人でも同じなのでしょう。


 でも、森の資源は採っていくけどゴミは捨てていくという集団って何なの?林道、封鎖して、歩く気概のある人間だけ入れたら?
 …などと、怒り心頭。


 ゴミの中にナウゼリンのPTPシートが。何でこんな吐き気止めのクスリがこんなところに…って、ふうたろうも持ってますけど、大量に。ナウゼリンじゃなくてプリンペランですが。


 高木帯になると笹ヤブはもうありません。が、虫には既にだいぶかまれています。ブヨのかゆみには1~2日の潜伏期間があるので、これからがタノシみですね(じと目歯ぎしりヴォー読み


 大量のゴミが散乱している、最悪な道。道が悪いんじゃなくて、一部の山菜(タケノコ)ハンターが悪いんですけどね。


 でも、財界や政府などが進めた原発政策、ダムや埋め立て、軍事基地(米軍基地)などによる汚染や環境破壊を思えば、責任もインパクトもまだまだ小さいものです。目の前のゴミにどれだけイラつこうと、それだけは事実。


 ヌカルミの道を過ぎてきましたが、そろそろ終わりのはず…


 駐車場到着です。ゴミ拾いながら、コシアブラ集めながら、ヤヴでウボァー(゚Д゚)しながら、2時間半かかりました。


 さっき、山菜採りのおっちゃん二人組にあった時に聞いた、ドラム缶を半分に切ったゴミ箱とはこれのことなのですね。ちょうど同じタイミングでこの駐車場に下山してきた別のおっちゃんはタケノコハンティングのプロらしく、この山のことはよく知っているそうでした。そのおっちゃんが言うには、今月29日で山菜の時期が終わり、自治体か組合かがこのゴミを回収しに来るそうです。
 それにしても、なんて生ぬるいことやってんだろうかと思う。


 ふうたろうのゴミ回収キャパシティはとっくにオーバーしていましたので、この山で拾ったゴミだけが入った袋ひとつ分は、この中に入れていきました。泥だらけでどうにもなりません。ごめんなさい。


 ふうたろうがゴミや林道の風景を写真に撮っているのを見ていた入山者が、「何か調査でもやっている人ですか?」といぶかしげな顔をして聞いてきます。
 「まさか、登山ですよ。」
 ぶっちゃけ、あんたら、タケノコは拾ってもゴミは拾っていかないだろうが!と心の底で思いつつ、苛立ちと不信感の表情で、吐き捨てるように去って行きます。


 しかし、さっき「責任」という言葉を使いましたが、ここでゴミをすてていくような人々の責任と、財界や政府の責任とでは、重さが違うと述べました。
 やっている規模の大小が違うだけではないか?…その規模の大小がまず問題です。山の小さなゴミくらいなら、ふうたろうがある程度拾うだけできれいになる、いわば可逆的な破壊です。しかし、原発事故でまき散らされた放射能は回収不能です。ダムで水没した場所が元の土壌・植生に戻るのは不可能か、相当長い時間がかかります。米軍が捨てた有機塩素系農薬のドラム缶の中身による汚染は相当長期間残ります。しかも、それを、強権力と莫大な財力で推進したわけですから、責任の重さは、個人レベルとは比べようがないほどです。
 でもね、ゴミを目の当たりにすると、ふつうに腹が立つんですよ。


 さて、その財界と政府の原発事故の尻ぬぐいのひとつである、調査をやりましょうか。ゴミ拾いも放射能検査も、言ってしまえば尻ぬぐいです。
 おまえら、自分で責任取れもしない、取ろうともしないこと、やるんじゃねーよ!


 …と、ひとりで思いながら、長い林道を歩いていきます。そうだね、少なくともふうたろうはひとり。ゴミ拾うのが関の山、放射能検査のサンプル集めるのが精一杯。何の根本的解決も見いだせず、結果も出せず。
 こういうときに「成果主義」に走るとろくなことにはなりませんけどね…


 うん、名もない滝だけど、きれいです。


 雲が増えてきました。予報では昼過ぎから雨とか何とか言ってましたっけ?


 でも、いいんです。ふうたろうはもう下山するのです。この新緑の林道を歩いて、ね。


 さっき、下山したところでタケノコプロ(?)のおっちゃんに、再三車(軽トラ)に乗っていくように言われましたが、丁重におことわりした理由はここにあります。繋いで歩かなければならない、山の佳境だけを楽しむ登山はしたくない、というふうたろうの思いってのがあってですね…


 できるだけ多くの風景を見ていく。それは経験値だからね。


 人生なんて短いんだから、多くのこと経験しなきゃ、損だよね。ふうたろうは臆病なので、損していること、いっぱいあります。


 SD1を持ってから、撮れるものが多くなったので、どこ歩いても被写体さがしに苦労しません。


 とりあえず撮ってみる。それでいいんです。


 さて、そろそろ林道歩きが終わりにさしかかっています。久吉温泉がもうすぐのはずです。


 ほら。何か出てきました。
 ん?(・ε・*)


 (・ε・*)ドレドレ
 二人以上で行動する→×
 食料、雨具、ライター、携帯電話を持参する→○
 家族に行き先・帰宅時間を告げる→×
 お互いに声がけを実行する→×
 急斜面を避ける→△
 早めの下山を心がける→×
 いくつか、ふうたろうには実行不可能な内容も含まれていて非常に不快(悲しい)ですね(ヴォー読み


 これが久吉温泉です。でも、ふうたろうの持っている地図では、建物はひとつしかない…


 さりげなく、入山料500円って書いてある。でも、ふうたろうが払った場合、下山料だよね。


 久吉温泉でいっぷくです。
 ところで、ここの店番やっているおっちゃんと、そのお知り合いの方たちとが話をしていて、ふうたろうのことが話題に上がっていたそうです。さっきのタケノコプロの人が、ふうたろうのこと、「昼過ぎには下りてくる」と話していたらしいのですが、ふうたろうは11時になる前に下りてきました。さらに、あのゴミ山ルートは、非常に迷いやすい場所だったらしく、それを初めてで地図とコンパスで下りてきたのが、何かすごいこと、らしいと。
 確かに、発荷峠から歩いてきた、というだけで、(゚Д゚)ハァ?って顔されてきましたからね…
 いっぷく、ということでしたが、ツツガムシとかが心配なので温泉には一発入っておきたかった。この辺りは寒いのでいないそうですが…そして、店番のおっちゃんが、碇ヶ関駅方面までの車を捕まえてくれる、という話をしてくれたので、知り合いでもいるのかな、と軽く考えて、思い切り昼飯まで食べてしまいました。


 …それがこの、タケノコ汁定食。まさにこの上で採ってきたタケノコ、らしい。
 複雑ですね。どんだけ腹を立てた相手であっても、ふうたろうはどこかでこういう風に世話になる。さっきのおっちゃんのように、ふうたろうの行動を見ていたり、話しかけたり、話題にしたりもする。
 店番のおっちゃんに、山のゴミのことを話すと、心苦しそうに、担当の方に「言っておきます」と。
 何かを憎まずにはいられないけど、誰かを憎んでは生きていけない世界だなあと、思わされます。
 罪を憎んで人を憎まず、ですかね。


 そして、12時半までに車を捕まえると言ってくれた店番のおっちゃん、ふつうに、施設の利用者の車を捕まえてくれました。
 ふうたろう、あ然…(ぽかーん
 何か、お互い突然相席になった運転手(しかも家族)とふうたろう。長い距離でもないので、話を続けようにも続けられないし、何となく気まずい。
 ま、まあ、こういうこともあるわな経験値経験値(アヴラ汗
 でも、運転手のお父さん、いい人でした。それだけは間違いありません。弘前の人でした。


 碇ヶ関駅前には道の駅があって、送ってもらったのはそこでした。でも、なんでかしら、茨城県とか熊本県とか、ふつうのスーパーじみた野菜ばっかり。買えたのはワラビだけ…(じと目


 そして碇ヶ関から大館に向かいます。新青森経由で帰った方が圧倒的に早いですが、新幹線の軍門に降ってばかりなのも癪なので。


 で、大館駅で待ち時間が20分ほどあったので、切符をちゃんと買ってから駅前で買い物でもしようと思ったのに、前にいたおばちゃんとか、何かやたらと時間かけて切符を買ってて、乗り遅れさえ心配したほどでした。


 大館市との縁はまた遠い未来の話ですね。どうせ、今後1000近く山とおつきあいするので、日本中の自治体を訪れることになるでしょう。また来ますわー(黒ハート


 見事な田んぼです。花輪線の風景は素晴らしいですね。


 何駅のホームか忘れましたが、ベリーが生っています。これは何ベリーでしょうね。


 初めて花輪線に乗ったのは、2004年8月11日頃だったでしょうか。原発事故で開通が絶望的になるなんて思いも寄らなかった常磐線で仙台まで行き、盛岡、好摩、大館、青森、蟹田…と、旭川まで18きっぷで行ったあの時のこと。でも、ひとり旅なんかする意気地もなくて、当時の彼女と一緒に行った、いや、彼女に付き添ってもらったんですよね。
 でも、生まれて初めて、福島県以北の東北地方の風景を見て、本当に感動しましたね。田んぼの広さ、いや、風景の大きさに感動しましたね。木の葉の色の淡さに胸がときめきましたね。
 …それももう昔のことで、今は当たり前のようにそこにあるものとして、見てしまっています。まるで自分の庭に植わっているもののように。
 たった10年で、こんなに見え方が変わるもんなんだね…


 盛岡から新幹線に乗りました。満席で立ち席(デッキに座っていましたが)でした。ま、その分指定料金が浮きました(笑
 外を見ると、やはり宮城県以南はくもりや雨。ふうたろうの脱北は成功したということですな。


 膝の痛みが不安でしたが、今回に関しては発症しませんでした。ちゃんとステッキも使ったし、無理な時間配分も慎みました。
 え?それをいつもちゃんとやれ?
 その通りですね(真顔
 今後、ネームバリューのある山ではない山で、クドい山行をやっていく機会も増えるでしょう。でも、早く日本300名山は撃破しきりたいです。
 おい、会津朝日岳、おめーんところが詰まってんだよっ(←こら


天気:晴れ時々くもり、宮城県以南ではくもり一時雨(青森県南津軽郡平賀町・碇ヶ関村・秋田県鹿角郡小坂町・大館市、花輪線・東北新幹線など)

  1. takenokonosato.akimoto
    12月 2nd, 2014 at 14:47 | #1

    このたびは白地山への登山大変お疲れ様でした。
    今回、たけのこの里のおっちゃんで登場させていただきました「たけのこの里」秋元です、また、今回は源泉掛け流し温泉と、たけのこ定食をお召し上がりいただきありがとうございました。ほんの短い時間ではありましたが、恰好つけない、ありのままの現地と素朴な人とのふれあいいかがでしたでしょうか、機会がありましたら是非またお待ちしております。

  2. ふうたろう
    12月 3rd, 2014 at 00:19 | #2

     その節はお世話になりました。
     交通機関のない場所なので、なかなか行きづらいですが、別の山から降りてくることもあるかもしれません。

     正直、暮らしていけるなら、東京よりもずっと良い環境だと思います。<現地と素朴な人とのふれあいいかがでしたでしょうか

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