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はいしゃではいしゃを考える

2006年12月7日

 歯医者以外にも、精神科にも行きました。病院が2階と3階につながっているので、まとめて受診。17時から19時半まで2時間半の待ち時間と治療。先に行った精神科の方は、受付一人、カルテ係一人、医師一人の合計3人。多い時には数十人来ると言います。20人で相当キツい、そう精神科の医師は言っておられました。そりゃそうだろう。僕以外にも、心突き合わせて対話・治療に当たるのですから。
 もう一方の歯医者。30分ほど待ちましたが、治療時間も1時間。ここの歯医者はとても丁寧に診てくれます。新松戸診療所歯科。若い歯科衛生士が最初から最後まで治療に当たってくれました。歯周ポケットの深さを測り、歯茎の中にある頑固な歯石の除去。写真の、緑の柄の付いたもので、音をたてて削り取ります。通常、注射で麻酔をしてやるのですが、後が大変なので、表面麻酔で済ませてもらいました。両利きの歯科衛生士で、左と右両手でこのゴリゴリ棒を操っています。なかなか…!

 で、本題。この歯医者も、患者が3~4人以上いて、待っている人もいます。受付の人一人、院長一人、歯科衛生士二人。少ねぇ!僕を診てくれていた歯科衛生士も、隣が気になっていた模様。そりゃそうだよねぇ?
 精神科の方で、『いつでも元気12月号』(株式会社保健医療研究所発行)を一冊いただいてきました。それを帰りの電車で、読んでいました。
 特集で、『税金を医療に使い、医師を増やせ』と、本田宏さんという医師の話が載っていました。
 う~ん!タイムリー!!
 いくつかのデータを引用。

  1. 3年半で公的病院の347診療科が閉鎖。産科96、小児科36。
  2. ある女性医師の話。午前午後、手術。入院患者の診察、17時から当直。午前2時、仮眠。翌朝そのまま外来診察、午後からまた手術。勤務終了21時。前日朝から37時間。
  3. 人口10万人あたりの医師の数、OECD(経済協力開発機構)加盟国平均で290人。日本、200人。29カ国中26位。OECD平均に届く県すら日本には、無い。最高で大阪や香川の270くらい。
  4. 医師が1年間で診ている患者数、スウェーデンで900人、アメリカで2200人。日本は8400人。
  5. 国からの医療保障。OECD加盟国(平均?)で国側の医療負担、73%。日本、国と地方併せて33%。
  6. 一般の勤務医の給料は、大手企業のサラリーマンより安い。
  7. 公共事業費。日本は欧米の3倍。社会保障は半分。

 …これで、医者のこと、ヤブだとか、給与が高いとか、待ち時間が長くて診察時間は短いとか、一概に言えなくなりました。医者がちゃんと診療できない、ヤブにならざるを得ない理由も、どことなく見えてくるような気がします。
 イギリスでは日本と同じように医療費削減を行っていたら、患者が怒って医者に殴りかかるという事件が発生。医者が国外へ逃げ出す始末だそうです。日本でも上記のように、医者は悪者扱いされています。疲れ切った医者が辞めていくのが現状だと、この雑誌には書いてありました。
 医者の世界も、教師の世界も、似てるなぁ。「自己責任論」、このおぞましきもの。本当は国の体制(政治)に向かうべき怒りの矛先を医者や教師に向けるのがこの日本社会。こんな不当な社会、誰が愛せるかって言うの!
 やっぱりもう一度言う。「政府与党およびそれに犬のように従う勢力よ、「自己責任」は君たち自身に問いなさい!」と。
 そういえば、全然話違うけど、無責任度で言えば同じ話。目黒区議会の政務調査費問題。有名になった公明党の他に、民主党まで出てきた?NHKそんなことを言っていたようですが、歯医者で名前を呼ばれたので、途中までしか聞けませんでした。
 何にせよ、呆れてものが言えないくらい、無責任な日本。もう一度言う。そんな愚かな連中が作る国を、手放しで愛せるかって言うの!エセ「美しい国」よ、さらば。

天気:くもり時々晴れ(千葉県松戸市・東京都板橋区・茨城県取手市)

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