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Archive for 2006年1月

今日はきりたんぽ鍋

2006年1月11日

 今朝は昨日とは違って晴れていました。夜中は濃霧で、白い闇が広がっていました。しかし久しぶりの湿気のせいか、路面や芝生など、霜で真っ白でした。これはこれでまたきれいで、昨日みたいにまた遊んでしまいました。

 今朝は不健康にもある大手ハンバーガー屋で食事してしまいました。ここでずーっと前から気にかかっていたことがあります。「ファーストフード。そのおいしさや安心はスローに作られています。」じゃがいもだの、牛肉だの、スローに作られているって?何を以てスローだのファーストだの言っているのかわかりませんが、仮にここの材料がスローだとして、ファーストに作られたじゃがいもって何でしょう?(ド○えもんの『雲の○国』では、天上界みでは食べ物を光(エネルギー)と水(酸素と水素)と空気(炭素と窒素と酸素)から合成しているなんて場面がありましたが)ある新聞で、作物がスローに作られるのは当たり前だといっておりました。法律で決められたこと以上の安全性は追求しないというこのハンバーガー屋がよりによってスローを語るとは。…もっとも、そんな店でものを食べる僕も最悪ですがね。

 その最悪な朝食とは裏腹に、職場の昼は、本場秋田名物のきりたんぽ鍋でした。秋田県出身の上司が、昨晩から鶏ガラスープを作ってくださいました。その鍋には鶏肉とゴボウ、セリ、マイタケが入っていましたが、化学調味料は一切入っていません。それなのに、うま味も香りも抜群。シェフ本人は「まだ母親には及ばんな…。」いやいや、本当に美味かった。まだスープが残っているので、明日も食べましょう。明日はセリとマイタケとネギ持って行きます。

天気:晴れ(茨城県取手市・東京23区西部)

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取手市の初冠(?)雪

2006年1月10日

 朝起きたら外が薄暗い…?まさか…!!
 …外はみごとに雪で真っ白でした。今シーズン初の雪です。…っていうか、12月から数えて4日目の降水です。あわててカメラを…と思いましたが、また寝てしまいました。写真はやっと起きて撮ったものです。


 (出勤のため)外に出ると、止めてあるバイクや植わってあるツツジの上に、こんもりと雪わたが。至るところが真っ白で、あらゆるものが綿を被って、食欲さえもわかなかったことを忘れ、写真を撮りまくっていました。
 …と、バス停。背中のねんねこに赤ちゃん、そばに幼稚園児を連れながら、一番楽しそうに雪遊びをしているお母さん。かわいいったらありゃしない!そのお母さんの力作を一枚いただいて、出勤でした。

 今日はあと、15日に行こうと思っている榛名山の地図を買いました。『風車の見える丘』で犬吠埼とともに出てきた場所です。この小説の虜になっています。本に出てきた時点で、行くことを決めました。でも、15日は雨が降るとか降らないとか。この冬4回しか雨降らなかったのに、なぜこんなときに…。
 足の痛みがまだ少し心配ですが、風を感じながら歩いて、帰りに伊香保温泉にでも浸かって帰ろうかなと。

天気:曇りのち晴れ(茨城県取手市・東京23区西部)

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人は宝なり

2006年1月9日

 「大豆基金ということで、一口300円いただきます。」
 昨日、常総生協で味噌用の大豆を予約したときのことです。
 予約した大豆は、実は契約栽培している大豆でした。それは、一部の多国籍種苗会社とその外郭が全国で進めようと企んでいる遺伝子組換え作物の栽培試験を止めるためであるということです。この茨城県南で、モンサントが遺伝子組換え大豆を栽培する計画を立てていたそうです。それを県南の勇気ある消費者と農家たちがその土地を買い取って、非遺伝子組換え大豆を栽培するというものらしいです。品種はタチナガハ。農薬の使用回数も少なくしているそうです。
 農民連の話をしましたが、常総生協の方はあまりご存じないようでした。目指すものも、やり方も、農民連のやり方にすごく一致しているようです。農民連の組合員も関わっているかもしれません。なんか、そのまま見過ごすにはあまりにも惜しい…。
 今日は一日中クイズ作りに励んでいました。昨日行き詰まっていた実験の問題は削除し、新たに問題を加え、解説用の調査も終わりました。そのうち、22日のイベントが終わったら、問題を公開しようかなと。
 夜はその22日の打ち合わせでした。僕はクリームシチューを準備して迎えました。…が、実行委員の一人は「飯だけ食べにいっても良いですか。」とのこと。これが公職に就く人の言うことかしら…(笑)でも、うまそうに食べ、しっかり議論にも参加していかれたので、それ以上のものはないです。他の実行委員たちも美味かったようで、作り甲斐ありました。
 12月頃から、我が家に人が集まるようになりました。あたかもそれが定例的になっているかのように。それが、「飯だけ食べにいっても良いですか。」に表れてるのかなと、本人も僕も。心なしか、最近僕も気持ちが安定してきた気がします。
天気:晴れ(茨城県取手市)

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実験失敗!

2006年1月8日

 起きたのは昼前でした。昨日っていうか、今日は朝3時半くらいまでパソコンをいじっていました。だれてます。不届きにも、おそらく100%輸入原料である100円回転寿司で飯代わり。
 その後、近くの生協に明日のもてなしの材料などを買いに行きました。ふと、手前味噌用の大豆の予約を受け付けているとのこと。麹も米と麦の両方があるということで、馴染みの店員さんに乗せられ、予約してしまいました。2月につけ込みます。あと、色の悪いみかん。しかも箱買いで。化学合成農薬を使っていない(使用はボルドー液とマシン油だそうです)ので、黒い斑点がたくさん出てくるそうです。でも、味は保証すると。確かに、うまい。甘みと酸味のバランスが。


 今日は一つ実験をすることになりました。
 砂糖を焦がすと、カラメル様の匂いがすることは、みんな知っています。でも、意外と、それ以外のものでも同じ匂いのするものがあります。それを今日、実験しました。実験に供したのは、砂糖、米酢、ビタミンC、ビタミンE(サプリメント状)でした。

  • テフロンの親子鍋の上で焦がしました。
  • 砂糖はカラメル様の匂いがありました。
  • 望み薄いビタミンEは、予想通り油くさいだけでした。
  • 酢は、微かに匂ったような気がしましたが、米酢の中の微量な糖が焦げたせいかもしれません。
  • 問題のビタミンCは、実は、砂糖と同じく、カラメル様の匂いがしました。焦げ方も砂糖のそれと同じでした。

 しかし、どれも匂いがすごく薄く、判別するのにすごく苦労しました。だから、試験管を取り出して、ビタミンCについてだけ再試験。

 結果、明らかにビタミンCもカラメル様の匂いがしました。実験成功。
 …といいたいところですが、実はこれ、22日にやるイベントのクイズのときに、実験するつもりで用意したものでした。野外でやるので、これでは匂いが薄すぎて使えません。
 …というわけで実験失敗!新しい問題考えなきゃ…。

天気:晴れ(茨城県取手市)

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Peace9 憲法9条を守ろう!

2006年1月7日

 茨城県取手市は茨城県最南端。そこから茨城県のほぼ最西端、栃木県小山市の隣、結城市まで足を運びました。今日は、結城市で「ピース・ナイン ライブレコーディングコンサート」があり、改憲勢力が躍起になって変えようとしている憲法9条を守ろうを訴えるライブに行ってきました。ライブの主催者は笠木透(かさぎとおる)さん率いる雑花塾と、地元茨城県のヒューマンファーマーズです。僕はこの方たちのファンで、特に、ヒューマンファーマーズは馴染みが深く、目覚ましの音楽には必ず…というほどです。ある意味オタクかもしれません。
 会場はとても小さいながらも、「戦争の放棄」というのぼりと旗が大々的に飾られ、「私たちは何と言われようと戦争はしない」をスローガンにした「連根の会」(レンコン(蓮根)は穴が9つで、地下茎でみんながつながっていると言うところから)のオリジナルグッズが並んでいます。何はともあれ、みんな切に戦争放棄、武力の放棄を訴える人たちでいっぱいなのです。

 ライブですから、歌を歌います(僕はシャイなので歌いません)。みんな戦争や差別、貧困などを憂い、克服していこうと訴える歌です。たとえば、題名で、Act Now Stop War End Racism:今行動しよう、戦争をやめさせよう、人種差別を終わらせよう)などがあります。他にもたくさんありましたが、初めての歌であまり覚えらませんでした。
 会場の熱気は、とても熱い。みんなそれだけ一生懸命なのです。今、憲法が変えられてしまえば、これ以上戦争が起こってしまえば、戦争で死んでしまう人はもっと増える。そして、悲しみや怒り、憎しみが拡大する。どうしてもそれを見過ごすわけにはいかない、そんな気持ちです。

 ところで、歌と歌の間に雑花塾リーダーの笠木透(かさぎとおる)さんが喋ってくれます。その中で印象に残った言葉があります。正確ではありませんが、以下の内容だったと受け止めています。

(日本では)嫌なことは言わないでおこうとか、一方で、甘い言葉などですまそうとする精神的な弱さがある。

 これはいわゆる、「日本が悪いことをして、謝罪をしなければいけないというのは『自虐史観』だ」と宣う勢力に対して向けられた言葉だと思いました。もちろん、それが当てはまるのは自虐史観否定論者だけではありませんが。自分たちの国、日本(大日本帝国)がやってきたことはいろいろあるでしょう。でも、彼らがみるのは「良いところ」だけです。それどころか、悪いところを否定して、「良いところ」を誇張して、まるで自分の悪事がバレて言い訳をする子供のようです。日本人として誇りを持つのなら、人間として、大人としての誇りを持つべきです。もっとも、その「良いところ」というのも独善的なものですが。同じ日本人として、とても恥ずかしく、残念です。
 会場では、久しぶりの仲間にも会えました。茨城県北部の農家の家族の方やその友達、ヒューマンファーマーズの方たちなど。香港に行って「客死」しながらも、ライブの様子を携帯で写真を撮りまくっているパオチンチンさんに直接、「御香典」を渡してきたりもしました。いや、ほんとにご愁傷様です。  ということで、今日はとても気分の良い一日でした。
 そういえば、昨日、掲示板の書き込みで僕に意見を出してきた人の正体がわかりました。とてもよく知っている人でした。でも、それだけに悪いことをしたと、よけい思います。今後の生き方に活かします。それが、僕ができる最大の”謝罪”ですから。
天気:晴れ(茨城県結城市・土浦市)

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…のつもりでも

2006年1月6日

 3日ほど前、友人の掲示板に書き込みをしました。そして、今日、友人本人ではない、全く知らない第三者の新たな書き込みがありました。

じゅうぶん、あんたも…だと思います。

 「…」の部分は、僕自身が別の人に向けていた言葉でした。いわれてみて、頭が真っ白になっていましたが、よく考えたら、彼(彼女?)の述べていることはたぶん正しい。たぶんというのは、どこを見ていっているかは正確にはわからないから。でも、自分で読み返してみて、相手を馬鹿にしているものだと思えました。
 帰りの電車で、昨日から読み始めていた『風車の見える丘』を読んでいました。大学卒業のエリートが、恋人と別れ、それを引きずり、彼女を追いかけて、近くの土地で農業のバイトを始めます。しかし、同じ農場で働く農家の人にどこかとけ込めない彼は、彼女を追いかけてきた話でみんなにからかわれます。そんなとき、農家の中の一人から言われました。

「…自分は他の人たちとは違うっていう気持ちが新くんのなかにまだあるから、みんなにそれが伝わっちゃうんじゃないのかな。」

 常日頃から人のことを「馬鹿だ」とか「救いようがない」とか言っている自分を想像します。それを今まで、「自分が絶対正しい」と思って言っていました。一方でそんな自分が嫌になりながらも、選挙の結果や、喫煙者のマナーの悪さなどを垣間見たときは、「こいつ(国民全員)死ね」だとかすら。
 掲示板に書き込みをしたときも、今思い返せばそういう思いがどこかでありました。右翼思想を持つ人を、あるいは別の意見を持つ人を、何かこき下ろしてやろうという邪心が。今回の掲示板の件は、僕自身の未熟さの一部が現れたもので、実は、今一番ストレスとためている「人に対する敵意」とも軌を一にしているんじゃないか。
 誰かが、「自分を相対的に見られるようになることが大事」のようなことを言っていましたが、そういうことなのかもしれません。どんなに道理の通らないことをいい、行動する人がいても、もちろんそれ自体を許すわけではないが、そういう人もいる、とおおらかに受け止めてもいいんじゃないか。仮にその人を「馬鹿だ」の「救いようがない」だの、精神的にでも傷つけたところで、何も変わらないことを、いい加減確信してもいい年です。一定流しながら、できるところは様子を見ることも必要なのかもしれません。
 とにかく、僕はそれほど人と交わった経験がなく、一人の時間が多すぎます。時々人と話をして、「ああ、人って一人で生きてても、ほんっとに何も成長ないわ。」と思うことがあります。今回の掲示板の事件をきっかけに、ちょっと考えてみました。タイミングよく、『風車の見える丘』も読んでいて、なかなかためになります。「もっとみんなの中に入っていってみたら」、自分の立場などがよく見えるんでしょうか。
天気:曇り時々晴れ(東京23区西部)

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仕事はじめ

2006年1月5日

 今日は仕事はじめでした。急性胃腸炎を引きずって、体調が悪くなるのではと心配しましたが、職場で打った茨城県産のソバを食べ、元気に過ごせました。去年から残っていた仕事と、今日新たに入ってきた仕事を片づけ、2?3、変な事件はありましたが、初日を無事終わりました。
 帰ってからも年賀状の返事とかで結局23時を過ぎてしまいました。いつものことですね。今日はそろそろ寝ます。
 それから、今日から、旭爪あかねさんの『風車の見える丘』(新日本出版社)を読み始めました。おもしろい、とだけいって終わりにしときます。

天気:くもり時々晴れ(茨城県取手市・東京都板橋区)

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動く顕微鏡準備完了!

2006年1月4日

 今日、昨日が晴れていたから大丈夫だろうと思っていたら、なぜか雲が多い日でした。冬型の気圧配置に伴う筋状の雲も、低い六甲山を乗り越えられる大阪と違い、日光などの高い山々に遮られる関東地方ではあまり影響ないだろうと思っていました。昨日はさぼりにさぼったら、今日、この有様です。寒い、寒すぎるぞっ!!

 そんな寒い中、自転車に留め具を付ける作業。太さ5ミリメートル、長さ2センチの雄ねじ(ボルト)と、直径7ミリほどの雌ねじ(ナット)を操ります。寒くてかじかんでくる手には拷問です。しかも、留め金として買った金具に、バーコードなどのタグが、もれなく、びっちり、張り付いています(材質≠紙)。

 強い風に煽られ、ねじの入っていた空袋は飛んでゆく。鈍い手からナットがこぼれたら、枯れた芝生の上に転がって行方不明。悪戦苦闘の末、午前中には台のほとんどができました。計測をそれほど正確にしていない割に、留め具らしくなりました。あとはこれに着脱式の板を取り付ければ、実験台の完成です。板は用が済めば簡単にはずせるので、普通通り自転車の荷台としても使えます。

 あとは春になるのを待つだけです。3月中旬頃になると、なずなやはこべ、オオイヌノフグリ、ホトケノザなどが咲き始めます。春を歌う花々を見つけ出し、ちぎっては花粉をひねり出し、スライドガラスに載せ、観察します。あとは写真撮影。本格的に花を調べるなら、もっと良い図鑑を買わないと判りません。なお、この事業は取手市内か、その近辺に限られます。さすがに自転車で神栖とか、海の方までは出られませんから…。
 明日から仕事始め。体調に不安ありですが、何とかがんばりましょう。
天気:曇り時々晴れ(茨城県取手市)

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薬が増えてしまった…

2006年1月3日

 4月頃から減っていた、不安抑制の薬の量がまた増えてしまいました。この年末の急性胃腸炎のせいです。食べるとまた気分が悪くなるんじゃないかという不安が、結局気分を悪くしてしまうのです。これが予期不安。現に、その薬(アルプラゾラム)を飲むと、5~15分ほどで一気に楽になります。薬の効果なのか、飲んだという行為による効果なのかわかりませんが。とにかく、まだしばらく、薬に頼る日が続くんですね。しょんぼり。
 今日は取手市の夕暮れがきれいでした。写真を2枚掲載。

天気:晴れ時々曇り(茨城県取手市)

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プリオンで頭がいっぱい

2006年1月2日

 朝から曇りがちの空模様の中、東海道線を鈍行を使って取手に帰りました。朝8時過ぎに出発して取手到着18時34分。寸分違わず、予定通りに完璧に到着。すっきりするねぇ!!
 帰り道は、息も同じところを通っていたんですが、やはり関ヶ原あたりの雪がすごいです。特に今年は線路が埋まるくらいつもっていて、枕木が全く見えません。景色も一面真っ白。信州伊那谷でもこんな風景あんまり無かった…。  今日は電車の中ではずっと本を読んでいました。講談社ブルーバックスの「プリオン説はほんとうか?」という、福岡伸一さん(青山学院大学の教授)の本です。ちょっと今日はこれにはまっていました。
※以下、ちょっと本の紹介
 今、アメリカ産牛肉が解禁になって、日本に入ってきています。安全が確認されたとか言って。だけどこの本は、それ以前の話から始まります。まず、今は常識とされている「異常プリオンタンパク質」が、BSE(狂牛病)やCJD(クロイツフェルトヤコブ病)などの病原体なのかという問題です。…って言うか、これから始まるっていうか、これを問う本です。結論からすると、「プリオン説は疑うべき部分が非常に多い」ということです。つまり、異常プリオンタンパク質がBSEなどの原因だとするには無理があるというのです。
 実は、僕もかなり前からプリオンが原因っていう話には疑問がありました。なぜなら、異常プリオンタンパク質そのものを与えて発病させた実験なんて一つもなかったからです。病気になった動物の脳みそをつぶして与えたら罹ったというだけで、ひょっとしたら、脳みそに入っていた、プリオンじゃない別の病原体がBSEなど(以後「プリオン病」)を引き起こしていて、その結果、異常プリオンが脳みその中にできてくるんじゃないかなと思っていました。福岡さんは僕が思っていたそのことをまさにズバリと書いてくれました。
 プリオンがBSEやヤコブ病の原因だとする説は、プルシナーという人が提唱して、ノーベル生理学賞までもらいました。彼は、プリオンというタンパク質が、生き物のように自己増殖し、感染性を持つ病原体であることを提唱して有名になりました。そして、その根拠となっているのは

  1. 異常プリオンタンパク質の濃度と病原性(感染性)に相関があるというデータ
  2. 正常プリオンタンパク質を作れなくしたネズミはプリオン病にならないというデータ
  3. 病原体の分子量(≒病原体一つ分の重さ)を測定するとウイルスよりも遙かに小さいタンパク質くらいしかないというデータ
  4. どんな不活性化処理(熱、放射線、化学物質など)にでも耐える病原体であるというデータ
  5. 異常型プリオンタンパク質は正常型プリオンタンパク質を異常型に変異させるという仮説

 だそうです。
 しかし、これらにはすべて穴があるというのが筆者である福岡さんの意見です。どんな穴かは、読んでみる以外そのすごさはわかりません。しかし、プルシナーさん自身の実験データをよく見ても1は誤りであることが判り(グラフの描き方の問題)、脳以外の臓器で行った実験では違うデータも出ています。2に関しては、超専門的なので、省略します。3は分子量測定の方法や考え方に問題があるようです。4についても、病原性の強弱を測っていない(定量していない)ことや、プリオンを不活性化するための実験条件に問題があることなどが指摘されています。5については、そもそも正常プリオンタンパク質の構造をプルシナーさん自身が間違っていたという話があります。
 福岡さん自身は、「プリオン病」はウイルスの可能性があると示唆しています。プルシナーさんのプリオン説に対する反証を通して「プリオン病」のウイルス説を提唱しています。いえ、提唱というほど確かなものではないかもしれません。なぜなら、その実態をつかむことは未だできていないからです。病原体の特定作業は今まで数多の科学者が試行しながらも成功せず、プルシナーさんのプリオン説の前にひざまずかざるをえなかったのです。今は福岡さんのもとに就いている学生たちが「砂浜から砂金を拾い出すような…(中略)…賽の河原の石積みにも似た」実験を繰り返しているようです。最後に、福岡教授の言葉を引用します。

 私は生命科学の研究者として、(中略)批判的に検討することに合理性があると思う。私はその努力を少しずつ続けてきた。もちろん、相手はノーベル賞まで受賞したセオリーである。これを疑って再検討を行うことは並大抵のことではない。(中略)コンスタントな業績評価が要求される研究者としては最も避けたいテーマである。しかし、私は(中略)このテーマを是非、少しずつでも検討してきたかった。なぜなら、私は埋蔵物があるかもしれないと思うからだ。(大きく中略)この問題が私だけの手には余るほどの大きな謎だからである。(中略)私ができることは限られており、私の研究者人生も限られている。
 (中略)プリオン病をめぐる諸問題はとてつもなく複雑で、ある意味で混乱に満ちている。しかし、だからこそ、私は問題の所在をできるだけ多くの人たちに知ってもらいたいと思ったのである。本書のような形で論点のありかを世に問い、ひとりでも多くの、若く意欲的な人が、斬新なアイデアを持ってこの問題の究明に参加してもらいたいと願うのである。先入観のない読者に、この分野に少しでも興味を持っていただくことができれば著者として望外の幸せである。(以後略)

 僕がこの本を絶賛するのは福岡さんの斬新な発想がおもしろいからだけではありません。彼は、こういうプリオン説の穴があるが故に、今の日本が全頭検査を規制緩和したり、危険部位さえ除けば(プリオンが出てくる部分さえ除去すれば)いいとしたりすることは危険だとする立場をとるからです。少し踏み外せば、「プリオンが原因じゃないんだから、プリオンを食べたところでどうってこと無い。」と言い出す科学者も出てくるかもしれないのに。
 科学系の本読んで、こんなに感動したのは、小倉正行著『多角分析 食料輸入大国ニッポンの落とし穴』以来です。
 旅日記じゃなくなってしまいました。ま、いいか。
天気:曇り時々晴れ(大阪市・東海道線・常磐線・茨城県取手市)

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年のあけは病みもあけ

2006年1月1日

 うなされた大晦日からすべてがあけた元日。吐き気はかなり収まり、少しだけものが食べられるようになりました。もちろん、外に出られるほど元気もないし、食欲もないので、一日中実家の家にこもっておりました。おかげで、日頃話せない父・母と話せました。今年はあれだけ寝不足だの何だのしてた割に、去年はちゃんとやっていたお年玉(「お年寄り」「お年召し」バージョン)のポチ袋作りもしてやれず、無念。しかも、帰宅早々救急車騒動。申し訳ないやら何やら。「帰ってきてくれてうれしい」といわれてもあれじゃなぁ…。
 それにしても、かつて、僕が実家に帰っていた頃に比べれば、お互いすごく距離が縮まったように感じます。親の成長か、僕の成長か、お互いの成長か。それぞれみんな思うところがあるんでしょうなぁ。いやぁ、若いくせに生意気言うてますわ。もちろん、生活の基盤がすでに実家にない以上、3日を超える滞在はストレスになりますがね。今回の二日間滞在の理由もそれです。あくまでも、我がホームは取手市であり、職場です。その基盤の上で動く方が楽しいように思います。
 …ってなんか言ってること変ですかね?もちろん、気分転換に旅に出たりするのはすごく楽しいです。でも、この前みたいに、地元で鍋したり、まだ経験無いけど、職場で成果上げられるなどしたときの嬉しさとは違うと思います。
 今年は、もっと地元の基盤を固くして、楽しく生きたいですなぁ。地元ってのは、取手もそうですし、職場もそうです。生活基盤と労働基盤。うまくできるかなぁ。…って不安を抱えながら、またまた今年もあけました。

 上の写真は目の前の学校の向こうに沈む夕日です。取手のもきれいですが、大阪の実家でもこんなにきれいだったなんて、初めて感じました。
天気:晴れ(大阪市)

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