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出会いの影響(五の池小屋・濁河温泉・のりえの家:岐阜県・長野県)

2006年8月17日

※記録:8月20日
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 今日の起床もやっぱり4時過ぎ。父娘のKさんたちと一緒に起きて、五ノ池山荘の北にある継子岳(ままこだけ)と四ノ池を一周お散歩。ところで、天気!昨日は急激にガスってきて、しかも昨晩は強風。風雨だととても行けません。でも、やっぱり太陽も雲も味方してくれました。朝起きたら、晴天。朝焼けと雲海がばっちり。光と水のコンボ最高!

 このコースは、五ノ池山荘から稜線を北方向に進み、継子岳を経由し、四ノ池まで下り、三ノ池の北の稜線を通って再び五ノ池山荘に戻るものです。
 まず、五ノ池山荘を出てすぐ、四ノ池(水は今、たまっていない)と朝焼けと雲海が見えました。

 この稜線は殆ど岩場とガレ場です。滑らないように気をつけましょう。僕は滑って転んで、三脚の脚が少し曲がりました。僕の脚も怪我しました。合計2本の脚が怪我しました。でも、ガレ場の岩を踏む、からんからんした音は、耳に心地よい。山に来たなーと言う気持ちにさせてくれます。ところで、先頭を行く中学生の彼女、ガレ場や岩場もなんのその。口では色々言っているのに、すたすたと歩きます。さすが陸上部!

 継子岳頂上は意外とあっさり着きます。稜線の心地よい強風と楽器のようなガレ場は疲れを飛ばします。…表現が少し変かな。その継子岳のちょっと前で、朝日が上がってきました。ちょうど、継子岳頂上の看板の後ろから。なんか、後光が差しているみたいで、おもしろい。また、ガスと太陽のコンビネーション。

 継子岳の頂上ではもう太陽は雲の上。雲海は山脈に紛れて明るく輝いています。飛行機に乗った時にも雲海は見えますが、自分の脚で見に来た雲海の美しさは、その比ではありません。

 このコース沿いには、コマクサ(ケシ科)の繁殖が試みられている場所があります。数日前、ひょうが降ったそうでだいぶ花は痛め付けられていますが、数はそれなりにあります。Kさんは毎年御嶽山に来ていらっしゃるそうですが、「かなり増えた」そうです。ロープも張られ、開田中学校の生徒たちが書いたと思われるコマクサの保護を訴える看板もあります。子どもが守る自然、一部の大人が壊す自然。

 継子岳からのルートは不明瞭です。岩場が続き、ハイマツをかき分けて進まなければなりません。丸印を見失わないように進みます。しかし、朝焼けと雲海と稜線は美しい。通る価値は充分あります。

 四ノ池は水が流れています。その流れは、崖の下に流れます。水は清澄で、うまい。周りにはトウヤクリンドウ(リンドウ科)が開花を待っています。

 五ノ池山荘に帰ってくると、Kさん父娘分の食事が準備されていました。スタッフの皆さん、お疲れさま。おいらも食料という荷物がなければ食べたかったです。

 8時半頃、山荘を出発です。僕は開田高原(長野県木曽郡開田村)に下りる予定でしたが、Kさん家族のご厚意で、濁河温泉(にごりごおんせん、岐阜県益田郡小坂町)に一緒に入ることになりました。つまり、方向は逆。登山口から今夜泊まる「のりえの家」まで、Kさんカーで送っていただけることにもなりました。
 出発の前に山荘のスタッフとKさん父娘、僕の全員で集合写真。いい記念です。ちょうどその時も空のガスが晴れました。突然、小屋のスタッフSさん、虹色の雲を発見しました。強風で身体を持って行かれそうになりながら、撮った一枚。こんな雲初めて見ました。

 五ノ池山荘からのぞき岩、仙人橋を経由して濁河温泉登山口に下るコースです。
 1kmほど下ると森林限界です。そこから先は森の中。ついに今まで味方してくれていた天気も、崩れました。しかし、あの虹の雲間で見せてくれた天気。贅沢は言うまい。台風が来ていながらもこんなに晴れてくれて…。

 ん?なんか大勢若い人が山に登ってくるなぁ。…と思ったら、百数十人の新任教師たちだそうです。サクサク登る教師たちもいますが、半分くらいはグロッキー。体力不足や体調不良で辛そうな人が何人もいました。雨、大丈夫かなぁ。

 森に入ってから、のぞき岩避難小屋というのがあります。これはかなり老朽化が激しく、使えなさそうです。そして、仙人橋という吊り橋まで来ればもうすぐです。けっこう階段がキツく、滑りやすい。さらに暗いので、心身共にダメージが来ました。

 途中にベニテングタケ(テングタケ科)がありました。初めて見ましたが、なかなかきれいです。この赤い色はカロテノイド系?アントシアニン系?それともまた別の色素?…なんて思いながら。

 下で入った濁河温泉。疲れが取れます。そこで食べた洋なしのアイス。洋なしの味がしません。

 Kさんたちとは、そば屋さんでそばを食べた後、「のりえの家」で別れました。
 のりえの家は、8年前に一度利用したことがある、思い出の場所です。あの精神的に幼かった頃の自分、それでも周りを囲んでくれていた仲間たち。木の板を並べただけの橋、川沿いの細い舗装道路、反対側のコンクリートの水路、あの頃と変わっていません。なんか、あの頃とは違う自分。今はひとりでここを歩いている。ちょっとさみしい。


 のりえの家は食事が出ません。その代わり、素泊まり3000円、キッチン使用料100円。3100円で泊まれます。もちろん、お風呂付き。食事は木曽福島町市街地まで出て買い物をするか、最寄りのおんたけ交通バス停の宮前(みやまえ)近くの食堂を利用するかしかありません。バスは片道200円。使って市街に出てみました。

 木曽福島市街は意外と発展しています。大きな商店が二つ、JAとサティ。サティはそれほど大きくはありませんが、JAの方はやや大きい。意外と客も多いようです。

 翌朝、のりえの家の長でもあり、木曽町町長でもある田中さんにバスの話を聞きます。

天気:晴れのちくもり、午後は時々雨で一時強く降る(岐阜県益田郡小坂町・高山市・長野県木曽郡開田村・木曽福島町)

ふうたろう旅日記