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かぼちゃの種は赤?緑?

2006年8月4日

 重い心のまま毎日を過ごしていると、たまには息抜きをしたくなります。僕にとって、化学(科学)は重い心を軽くする素材でもあります。僕は仕事の中で、面白い発見をすることがあります。その大部分は、化学変化に伴う色の変化です。

 上のはイチジクの例ですが、イチジクをすり潰して、アセトンという有機溶媒を混ぜて振ると、一度あの鮮やかな赤色は消えます。このごちゃ混ぜになった物の中には、イチジクの果肉、イチジクの果汁、そしてアセトンが入っています。果肉をろ過して取り除き、水(果汁)よりも沸点の低い(蒸発しやすい)アセトンを蒸発させてしまうと、茶色っぽい、変な色の液体(果汁のなれの果て)が残ります。イチジクの色はどこへ行ったのか。不思議に思いながら、次に食塩を入れます。すると、イチジクの鮮やかな赤色が復活します。…しかし、この理由はよく解りません。確かに、塩を入れると油に溶けやすい成分が水に溶けにくくなります。このことと関係があるのかないのか。考察すればきりがないのでここではやめておきます。
 このほかにも、イチゴ、ブドウなど、紫や赤系の色の付いたものは同じことが起こります。ただ、トマトやニンジンなどでは起こりません。イチゴやイチジク、ブドウなどの色は、アントシアニンといわれる物質群です。一方、トマトやニンジンなどの色は、カロテノイドといわれる物質群です。前者は水に、後者は油に溶けやすい性質があります。それを考えているだけでもおもしろい。
 で、今日は意味不明なものを見てしまいました。それが、下の写真です。

 これらは両方ともかぼちゃの種の抽出液が入った同じフラスコです。何も変なことしていません。アセトンを入れ、酢酸エチルやヘキサンなどの別の有機溶媒で抽出した液です。もちろん、これらの有機溶媒自体の色は、無色透明です。見る角度を変えるとこんなに色が変わります。だから、かぼちゃの種は赤色?緑色?なんて思ってしまいます。これは金属イオンと有機化合物の影響でしょうか。光を当てる角度が変わると色が変わるなんて…。

天気:快晴(東京都板橋区・豊島区・茨城県取手市)

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