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歴史と科学と自己批判

2006年8月26日

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 幸福度最悪の寝覚め。しかも、薬がきれて、意識ももうろうとしており、今年一年で最悪の朝でした。
 10時頃の朝食後、五ノ池小屋のスタッフたちとそこで知り合ったKさん父娘に、手紙を書きました。それに写真を添えて。インクジェットプリンタはかなり性能が悪くて、最精細で印刷しても、ドットが荒い。それでも、PCの液晶画面で見るよりはきれいに見えます。写真、気に入ってもらえるといいのだが…。

 午後は、重い身体を引きずりました。でも、今日は戦争体験者の話を聞くことができるイベントが柏市でありました。行かないわけには…。
 今日の体験者は、一人は治安維持法の犠牲者であり生存者の人。もう一人は、中国で「虐殺」に関わった人です。
 治安維持法の証言者の話によると、76000人くらいが「治安維持法違反」で逮捕され、81人が虐殺、114人が拷問、1503人が病気などで亡くなったそうです。今では憲法に思想・良心の自由が明記されていて、名目守られています(憲法19条)。それゆえに、思想弾圧が平然と、合法的に行われていた時代なんて、ぞっとします。よく生きてこられた…。

 一方の中国で加害経験のある方の証言は新聞で読んだことはありますが、生で聞くのは僕にとって初めてのものです。証言している人を見て、この人が中国で人を殺したなんて思えません。しかし、出てくる言葉はとても具体的で、生々しい。八路軍と間違えて農家主婦を射殺したところに乳飲み子が血まみれの胸をまさぐる姿を見て「悩まされた」話、池に中国の人たちを落として、這い上がろうとすればまた突き落とした話、見せしめに部落の村長の頭を銃で撃ち抜いた話、八路軍の隠れている場所を自白させるために鼻から水や焼酎を注ぎ込んだ話。…本当に残酷なことをするものだ。しかし、これはその当時の兵士一人一人にとっては、やらざるをえない、絶対命令。やった罪は消えませんが、自分のやったことをきちんと認め、語り継いでいこうとする姿には敬意を表したいと思いました。

 この体験者二人に共通するのは、「二度とあの愚かな戦争を起こさないように」という目的があることです。中国に対しては加害者として、一方で日本国民としての被害者として、違う立場で同じ目的。何をやろうとも、過ちを繰り返さない、そして罪を認める、この二つが大事だと、改めて思いました。
 しかし、靖国史観、自由主義史観の人々はそうはいきません。こうして証言に立つ人でさえも「嘘つき」扱い。それが根拠を示せばいいものを、示さない。人道的にも科学的にも許せません。

 柏駅から会場の道中に花を見つけました。何の花だろう。

 帰り、小さな子どもたち兄弟が僕の横をなにやらパフォーマンスして走り去ります。上り坂の上で待っていた母親らしき人の自転車の後ろに二人揃って乗って、どこかに行ってしまいました。弟と思われる子が、照れくさそうに手を振ってくれました。思わずにっこり。

 …明日こそ幸せな一日にしたい。できるかな。

天気:雨のちくもり(茨城県取手市・千葉県柏市)

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